動物のお医者さん(漫画・テレビ)のネタバレ解説・考察まとめ

『動物のお医者さん』とは佐々木倫子による日本の少女漫画。白泉社「花とゆめ」に連載された。獣医師を目指す西根公輝が北海道札幌市にあるH大学獣医学部で個性豊かな友人や教授、動物と関わりながら成長していくコメディ作品。主人公・ハムテルの飼い犬・チョビが話題を呼び、シベリアンハスキーブームを起こし、H大のモデル、北大獣医学部に志望者が殺到するなどの社会現象を起こした。2003年にテレビドラマ化された。

ハムテルの飼い犬。シベリアンハスキーのメス。温厚な性格で、あまり怒ったことがない。チョビの母親は高い首輪を付けていたハスキー犬で、漆原教授の知人の家の床下で仔犬を出産したが力尽き、残された仔犬は知人から漆原に渡された。それ以降はH大付属動物病院で他の兄弟とともに漆原に育てられ、貰い手を探していた。他の兄弟はすぐに貰い手が見つかったが、要領の悪いチョビだけはどうしても貰い手が見つからず、漆原が飼うことにし、連れ帰ろうとした日にチョビが逃げ出し、ハムテルに出会った。
チョビという命名は二階堂。ハムテルが命名に手間取り、あれこれ考えている間に、小さい動物は全て「チョビ」と呼ぶ二階堂からの呼び掛けが定着し、「チョビ」となった。
動物相手のコミュケーションは先輩猫であるミケに習った。人間相手のコミュニケーションはハムテルとタカから教育を受け、身体は一番大きくなったが、「西根家で最も安全な動物」と評されている。
人気天才子役の少女らとポスターに起用されたこともある。子役の機嫌が悪く、チョビの嫌がることを散々されたのだが最後まで怒らず、耐え切るほど大人しく我慢強い性格。しかし、怒らないわけではなく、怒り慣れていないためタイミングがわからないだけで、ハムテルが犬ぞりチームの新入りの犬に手を噛まれた時には怒りを顕にし新入りに噛み付いている。
ハムテルや二階堂とともに山に出かけた際、雷にあいパニックを起こし行方不明になったことがある。切り株に鎖が絡まり動けなくなっていたのだが、自分で切り株を掘り起こして引っこ抜き、そのまま引きずって帰ってきた。普段感情をあまり表さないハムテルもこの時はパジャマ姿のままチョビに抱きつき満面の笑みを浮かべていた。これ以降チョビは雷やそれに似た音、カメラのフラッシュなどが苦手になった。

ミケ

ハムテルの祖母・タカの飼い猫。首にリボンを巻いているメスの三毛猫。動物同士の会話や思考は関西弁を使っている。
元はタカの友人宅で生まれた猫で、何度か貰い手がついたのだがその度に問題を起こし戻された。アクシデントが起こり、川に流されたり、小学生にもみくちゃにされたり、迷子になってボロボロになって西根家にたどり着き、タカが貰い受けることになった。
水が苦手で泳げない。気が強く、犬に喧嘩を売ったりするが、飢えた子連れの野良猫のために、ハムテルに餌を用意させたりする優しい一面もある。ハムテルの自宅周辺をテリトリーとする猫社会の女ボス。チョビのしつけはミケが行っており、チョビが大きくなっても雀やカエルの取り方を教えようとするなど、良いお姉さんである。
タカが不在の時、ハムテルが大学に連れて行ったことがあるが、避妊手術予定の猫と間違われ、麻酔をかけられお腹の毛を剃られてしまった事がある。以来、「西根家の動物は病院にかかるとハゲを作られる」というジンクスができた。

ヒヨちゃん

凶暴で喧嘩好きなオスのニワトリ。「西根家最強の生物」と言われている。元々は鷹匠に憧れた小学生のハムテルが露店で購入したヒヨコ。鷹のように飛ばせて腕に乗せようとハムテルが訓練をしていた。タカが大音量のラジカセを上に置いたダンボールの中にヒヨちゃんを入れていた時があり、一時期臆病な性格になった時もあったが、庭に入ってきた近所の犬と喧嘩をし、勝ったことで自信を取り戻した。「ヒヨちゃん」という名は「買った時ヒヨコだったから」という理由で命名された。
つつかれれば流血沙汰、小屋の扉を開けば飛びかかってくるという程凶暴。飼い主であるハムテルもしばしば蹴り飛ばし、縄張りである西根家の庭に入ってくる動物には容赦なく追い回し、二階堂は高確率で被害に遭っている。
二階堂の親戚から押し付けられた2羽の雌鶏とお見合いをしたことがあったが、双方とも気が荒く性格が合わず破談になった。2羽の雌鶏はハムテルの隣の家に住み着いた。
老年になり、自分より小さな茶色い雄鶏を友達に持った。

スナネズミ

チョビが病気になった時、H大付属家畜病院へ診察を受けに行った際、学生が不在で人手が足りなかったため、ハムテルと二階堂が診療を手伝った。その時のお礼としてスナネズミを押し付けられた。両方オスだから増えない、と言われたにも関わらず実際にはオスメス揃っていたため繁殖し、何匹かは大学の同級生や先輩に里子に出された。
最初に貰った2匹はハムテルが見た目で「おとうさん」「おかあさん」と名付けたが、実際にはお父さんがメスでおかあさんがオスということが判明した。
ケージの床材としてハムテルは新聞紙を使用しているため腹の毛はねずみ色をしている。同級生のスナネズミを見た時に、白かったため衝撃を受け、スナネズミを洗ってみたところ白くふかふかになったので、原因が新聞紙にあることが判明した。
先輩のスナネズミを預かった時に、先輩がスナネズミと晩酌をしていると分かり、ハムテルも試したところ、おとうさんだけが飲めるようになった。以来、ハムテルとタカとチョビ、おとうさんとたまに晩酌をするようになった。

コロ

ハムテルの祖母・タカが女学生の時に飼っていた犬。
近所の西町家畜診療所で爪を切ってもらい血が出てしまったことがあり、タカはそれを根に持ち西町家畜診療所に通うことを禁じていた。
実際には、爪を切ってもらったのはついでで、コロの尿がおかしかったため診察してもらおうとしていたのだが、それはタカの勘違いであったため、何もせずに帰ることを良しとせず爪を切ってもらったのだ。それゆえ、血が出たのは意地を張ったタカのせいであると言える。

西根 絹代(にしね きぬよ)

ハムテルの母でタカの娘。かつてはピアニストだったのだが要領が悪く、本番に弱いため声楽に転向。現在はオペラ歌手をしている。ハムテルが幼い頃には夫と共に西根家に同居していたのだが、現在は音楽活動のため夫と共にドイツに住んでいる。札幌でオペラ「トスカ」を公演した時には、主役を務め、経費節減のため、息子ハムテルや同級生たちを死刑執行隊として出演させている。
趣味は土木工事で、コンクリートの池や温室などを自分で作っている。

西根 祥平(にしね しょうへい)

ハムテルの父で西根家の婿養子。ピアニスト。絹代と共にドイツに住んでいる。何事にも動じない大人しい穏やかな性格や容姿はハムテルに受け継がれている。妻の尻に敷かれているようだ。息子の事を本名の「公輝(まさき)」と呼ぶ数少ない人物。

二階堂 昭夫(にかいどう あきお)

ハムテルの高校時代からの友人。よくハムテルに家に入り浸っている。小さな動物は全て「チョビ」と呼んでいたため、ハムテルの家に来たばかりの仔犬にもそのように呼びかけ続けていたら、いつの間にか定着してしまい仔犬の名は「チョビ」になった。
ネズミを大の苦手としており、「ネズミ」という言葉を聞いたり字をなぞる事すら嫌がる。主体性がなく優柔不断な性格のため、ハムテルにくっついて進路を決めH大獣医学部に進学してしまった。そのためネズミを使う実験では大変な苦労をしている。ネズミアレルギーを装いネズミを使う実習を免除してもらおうと画策したことがあったが、うさぎアレルギーと勘違いされ、うさぎができないならネズミの実習はやれと言われてしまっていた。
ハムテルにくっついて進路を決めていることを気にしており、一時は自分で就職先を決めようとしてたこともあったのだが、漆原教授に無理やり出席させられた就職面接で、強引に勧誘されたためハムテルと同じドクターコースに進むと宣言してしまった。
ハムテルが開業するにあたって、自分は足手まといではないかと考え、後継がいない病院の後継者になる道を選んだが、それがハムテルの近所の西町家畜診療所であったことから余計な混乱をもたらした。結局、ハムスターなどの齧歯類の診察が苦手だと院長にバレてしまい、後継の話は無かったことになった。西町家畜診療所の診察器具は、院長が引退したらハムテルが譲り受ける事になった。

実家には年の離れた弟妹が3人いる6人家族。両親は九州出身で、帰省した折には南国特有のペットの飼育習慣を体験、経験をしている。幼い弟妹は動物が好きすぎて嫌がられるほど可愛がるため、かつて飼っていた猫がパニックを起こし大怪我をしてしまった。そのため、しばらくペットを飼っていなかったのだが、後に怪我をした猫の子供たち3匹を引き取ることになった。名前はニッキ・ヒガシ・カッちゃん。
弟妹たちにいつも「にいちゃん遊んでー」とせがまれるため、よくハムテルの家に避難している。
ハムテルの家のヒヨちゃんとは相性が悪く、よく蹴られている。

清原 貴志(きよはら たかし)

ハムテルや二階堂の同期の獣医学生。繁殖学講座所属。犬の平九郎を飼っている。
体が大きく無表情で飄々としている。ペットの平九郎が不調だった時、血液検査実習でその原因を探ろうとしたのだが、人の目が多く失敗。人間の健康診断の時に、自分の血として提出しようとした。しかし、間違って二階堂の物として提出されてしまい、二階堂が謎の血液を持っているものとして騒ぎになった。結局、漆原教授が犬の血であると見破り、事情が明るみになった。平九郎を可愛がっているものの、金を払いたくないというがめつい清原である。試験期間中には過去問やレポートを販売したり、犬の散歩のアルバイトでもぼったくりのような高額なバイト料を要求するなど、お金に対しての執着は強い。
卒業後、社員寮に入る予定の清原は、黒板に「平九郎にもエサをあげてください」と書いて消えてしまい、残された平九郎はハムテルの家で飼われることになった。しかししばらくして、社員寮を出て平九郎と一緒に住める老夫婦の家に下宿を決め、番犬として平九郎を置けるようにしてから、ハムテルの家に平九郎を迎えに来た。
その後、同期の数人とで動物病院を開業することになった。

阿波野 萌(あわの もえ)

ハムテルや二階堂と同期の獣医学生。清原と同じ繁殖学講座に所属。
小柄で腕が短いため、牛や馬の直腸検査(肛門から腕を入れ、内臓を触診する)などでは腕が届かず、苦労している。
小学校の頃、愛犬を庇って自転車に轢かれたため「死ぬほどの動物好き」と言われている。H大在学中もチャコという猫を飼っていたが、就職先の社員寮には連れていけないため実家に送ることになった。
後に、清原ら同級生数人と動物病院を開業した。

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