二種の絵柄が違和感なく同居！『キングダムハーツ』シリーズ漫画版

『キングダムハーツ』とは

バタ臭い、というか、いかにも「アメリカン」な印象。そんな『キングダムハーツ』を、日本人の漫画家さんがコミカライズです。スクウェア・エニックス社と共同開発ということもあって、ファミ通だけでなく、ガンガン系の雑誌にも掲載されていました。

漫画版

こちらが『キングダムハーツ』シリーズの漫画版。作画は天野シロさんです。

うーむ、萌え絵、というか日本の漫画チックですね。日本人だから当たり前と言われたらそれまでですが、絵柄を原作ゲームに近づけなかった分、ある種少年漫画風の雰囲気が出ていたように思います。

中身はこんな感じです。で、この人の何が凄いって、ディズニー絵をちゃんと描けてるってことなんですよね。本職の絵描きさんなら当たり前なんでしょうけども、でも漫画ですよ？いろんな表情がつくんですよ？どこかで違和感が生じると思いませんか？自分は絵のことは分かりませんが、ディズニー絵と萌え絵ってなんか根本的に描き方が違う気がしますし。

ソラをはじめとする『キングダム・ハーツ』が初出のキャラは萌え絵というか、天野さんの絵柄で描かれています。そして、日本漫画の技法、表現といった要素をちゃんと残しつつ。

「ああ、ディズニーだわ」といった絵も描ける。それでいて、何らの違和感もないんです。まあ、ちょこちょこ「日本の漫画っぽいディフォルメ」絵にはなりますけど、二種の絵柄がちゃんと溶け合ってるんですよね。で、漫画の技法はあくまで日本風。

元より画力の高さをうかがわせる部分もありますし、色々と感心させられます。意味深なセリフの多いストーリーも含めて、読ませる力は十分。そして、絵を眺めるだけでも十分満足できるという。

ちゃんと表情が「ディズニー」してるんですよ、基本的には。あのミッキーさえもちゃーんと「ミッキー」なんです。その描き分けにプロ根性をひしひしと感じます。

しかし、商業誌でこうも堂々とディズニーキャラ満載の漫画が描ける漫画家さんってそうそうないですよね…。扉絵で『101匹ワンちゃん』とか描かれてましたし。そういう意味でも凄い漫画です。

そんな天野さんだから…

画集も出ています。どんな美麗な絵に会えるのでしょうか？