ロスト・リバー(Lost River)のネタバレ解説・考察まとめ

『ロスト・リバー』(Lost River)は、2014年に公開されたアメリカのドラマ映画。ハリウッドスターとして有名な俳優、ライアン・ゴズリングが自身初の監督作品として手掛けたことで話題となった。カンヌ国際映画祭でプレミア上映された際、ブーイングと喝采が同時に発生するなど、賛否両論を読んだことでも知られている。デトロイトの中にある架空の町「ロストリバー」を舞台として、貧困の中を懸命に生きる母子の姿や、彼女らを取り巻く人々の悪意を描く。美しい映像と難解なストーリーで多くの考察を読んでいる。

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日本語吹き替え:安齋雅枝
ビリー母子が暮らす地域の住人。

『ロスト・リバー』(Lost River)の用語

ロストリバー

作中に登場する架空の町で、ビリー母子が暮らしている本作の舞台。貧困が激しくゴーストタウン化しており、ブリーのような犯罪者が闊歩しているため治安も悪い。大きな貯水湖を有しており、その底には町が丸ごと沈んでいる。

『ロスト・リバー』(Lost River)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

拾ってきた恐竜の頭を詰んで走る車

多くのクライマックスを乗り越えたビリー母子と身寄りを失ったラットは、とうとう慣れ親しんだ町を去る決意をする。親切なタクシー運転手の力を借りて旅立っていくことにした彼ら、彼女らだが、そのタクシーの屋根には、町を牛耳る大悪党であるブリーを倒すのに一役買ってくれた、恐竜の銅像の頭がしっかりとくくりつけられているのであった。
ここまでの重苦しい展開と相反したシュールさの対比でじわじわくるものがあるが、そのギャップまでもが美しく思えてしまうのが、この映画最大の魅力ともいえる。

『ロスト・リバー』(Lost River)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

恐竜の頭に込められた「再生」への願い

作中、水底に沈んだ町の痕跡を見つけたボーンズが、その町にまつわる逸話をラットに聞くシーンが登場しており、この際ラットは「町には呪いがかかっていて、これを解くためには怪物を捕えて連れてくるしかない」と語っている。
ボーンズは母のビリーを救うために呪いを解くことを決心して水底へ潜り、そこで見つけた恐竜の像の頭を持ち帰ってくる。
これはボーンズが「呪いを解くために、水中から怪物を引きずり出してくる」という条件を満たしたことを暗に示しているとされ、実際にこの恐竜の頭を使って「町の呪いの元凶」ともとれる悪党のブリーを退治していることからも、根拠があるといえる。
また、クライマックスで町を離れる際、しっかりとタクシーの屋根にこの恐竜の頭がくくりつけてあるシーンについて、ファンの間では「過去を抱いて未来へ向かう」ということのメタファーであるとする説も浮上している。

『ロスト・リバー』(Lost River)の主題歌・挿入歌

主題歌:Chromatics「Yes(Love Theme from Lost River)」

予告編やクライマックスで使用された、映画の世界観を表すメインテーマ。幻想的な浮遊感でいっぱいの楽曲となっている。

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