アート作品? 映画「ロスト・リバー」が美しい
ジャンルはダークファンタジー。しかし内容を見るとダークな要素はありながらも、ファンタジーはあまり感じられません。1つの芸術作品。この映画はきっとそのように観るのが正しいのでしょう。不思議な趣の漂う映画「ロスト・リバー」をご紹介致します。
あらすじ・ストーリー
経済が破綻して大半の住人が去っていった街で、ボーンズ(イアン・デ・カーステッカー)はくず鉄を集めながらその場しのぎの生活をしていた。だが、家も差し押さえ寸前という窮地に追い込まれた彼は、街を去るべきかどうかの瀬戸際に立たされる。そんな折、隣に住む幼なじみのラット(シアーシャ・ローナン)から、街がゴーストタウン化した理由についてのうわさを聞かされ……。
なにがしたいのか、どう観ればいいのか
一言で言ってしまえば、この作品は意味が分かりません。ミステリー要素がありそうでなく、かといってサスペンス的な要素もあまりない。ヒューマンドラマかと思えばなんとなく納得できるが、それもしっくりこない。掴みどころがない。どこに焦点を合わせればいいのか分からないまま見終えてしまいました。どんな映画であれ観終わった後は何らかの余韻が残るものですが、この映画には不思議とそれがありませんでした。それだけ意味不明な映画だったと言えます。
オシャレな映画といえばそうなのかもしれませんが、舞台は決してキレイなものではなくむしろ汚い。グロイシーンもちらほら見受けられます。深いのか浅いのかよく分からなかったのですが、私個人の感想としては表面だけ取り繕った、中身がスカスカな映画でしたね。観る人が観ればもしかしたら評価は違うのかもしれませんが、一般人である私にはそのように見受けられました。
どこら辺がファンタジー?
ダークファンタジーとジャンル付けされてはいますが、どこら辺がファンタジーなのか結局私にはわかりませんでした。もしかしたらファンタジーの定義づけが違うのではないだろうかと思いましたが、それにしても首を捻るばかりの設定と展開。湖に街が沈んだということで、その辺りになにかあるのかと思ったのですが大した謎はありませんでした。どうやらミステリー要素はないようです。
ダークと言えば、確かにダーク。雰囲気も暗いですしね。しかし、それもただ暗いだけ。退廃した街の暗さを描写しているだけ。怖いくらいに何もない映画。白昼夢かと思うほどテイストがぼんやりとしていて、かなり薄味。映画に意味を求めるのはナンセンスですが、それでも言いたい。観た意味がなかったと。何の感情の昂ぶりも感じられず、観賞後に何がしかの変化があったわけでもなし。色んな意味で、何もない映画でした。
まとめ
ストーリーが意味不明で、描写が鮮やかといえばそうでもありません。とにかく何がしたかったんだろうという感想ばかりが頭に浮かびます。こういった幻想的というか、ストーリーがぼんやりとしていてなんとなく深そうな映画というのはよく分かりません。難しいというよりも、単なる自己満足を見せられている気分になります。やれやれといった感じですので、あまり観ることはオススメしません。