
『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』とは、2014年に発売された阿仁谷ユイジ作の漫画作品。『エロティクス・エフ』を中心に掲載された恋愛漫画を6作と、日本画の画材を擬人化した4コマ漫画「やさびき」を収録している。女性向けファッション雑誌『an・an』に掲載された「セカイ系マジックワード」をオープニングに据え、誰しもが身近にひとりは「いるいる」と感じるような、ちょっと「イタイ」女性を主人公として起用した作風が女性を中心に人気を博した。
『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の概要
『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』とは、2014年に太田出版の『fxコミックス』より発売された、阿仁谷ユイジ作の漫画作品。雑誌『エロティクス・エフ』を中心に掲載された漫画作品を6作と、日本画の画材を擬人化した4コマ漫画「やさびき」を収録している。
『エロティクス・エフ』という雑誌の性質上、収録されているのは性描写を含んだ作品ばかりとなっているが、ぼかしが必要となるくらいの描写はないため、少女漫画やTL漫画を好んでいる女性や、青年漫画をよく読む男性にとっては比較的受け入れやすく仕上げられている。その上、日常で誰もが遭遇するような、ちょっと「イタイ」女性を主人公として起用した作風が、女性を中心に人気を博した。
女性向けファッション雑誌『an・an』のセックス特集に掲載された短編「セカイ系マジックワード」がオープニングに据えられ、教え子と寝てしまった女教師、ゆるふわなイマドキOLに不倫OL、果ては男の娘と、バリエーション豊かな「イタイ女」たちの日常を垣間見ることができる一冊となっている。
『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』のあらすじ・ストーリー
「セカイ系マジックワード」
不機嫌な彼女・ひいちゃんとラブラブ彼氏・コースケ。二人でいれば世界は明るい。
ある日、嫌な上司や顧客、友達、自分を取り巻くすべてを滅ぼしたいくらいイライラしていた彼女、ひいちゃんは、イヤホンをセットして独り布団でゴソゴソと自慰に勤しむ。
同棲中の優しい彼氏、コースケはそんなひいちゃんに「かわいい」と言葉をかけ、その言葉でイライラもムラムラもスッキリしたひいちゃんは翌朝、笑顔で仕事へ旅立っていくのであった。
「こどな」
中学校の先生(処女)・満ちると、真っ直ぐな男子生徒・江藤くん。絶対バレちゃいけない、遅咲きの恋。
ひょんなことから自分が受け持つ男子生徒、江藤(えとう)君と身体を重ねてしまった中学教師、満ちる(みちる)。
教頭に「淫行だけはやめてね」と釘を刺され、冷や冷やしながら日々を過ごすも、「やる気満々」なお年頃の中学生男子、江藤くんが諦めてくれるはずもなかった。
さらに、それまで処女だった満ちるはすっかり色ボケ状態に陥ってしまい、江藤君に「しっかり先生をやってたかっこいい姿が好き」とたしなめられてしまうのであった。
「ヒロイズム前線」
魔法少女を夢見た女の子と、特撮ヒーローに憧れた男の子。ワケありな彼女を幸せにできるのは誰?
お客さんに「夢」を売る、イメクラで働くショーコさんとその恋人のような存在の、ボーイのムネヒサ。ショーコさんは「濡れないから」という理由で、いつも最後まではさせてくれない。それなりにラブラブな生活を送っていた二人に、怪しい影が近づいていた。正義のヒーローに憧れるムネヒサはショーコさんを守るため、果敢に立ち向かう。
「みよ姉の藍色」
いつも周囲を振り回す迷惑なお隣さん・みよ姉は、子供の頃から死ぬほど“嫌い”で“大好き”な人。
学生時代、「のんちゃん」の兄と付き合っていた女性、みよ姉。隣同士に住んでいたがため、ベランダの避難用壁を破ってまで彼氏である兄と会っていたが、ある日兄と別れることとなったみよ姉は、部屋を交換してもらったのんちゃんの元に、ベランダ伝いに訪れてくる。
「のんちゃんには関係ない」と言いつつも、男を替える度に自分の部屋に泣きに訪れるみよ姉に我慢の限界が来たのんちゃんは、「大嫌いだ」「二度と来るな」と告げるが、やっぱり「嫌い」で「大好き」なお姉さんである彼女を振り切れず、苦しむのであった。
「巡恋歌」
初恋の彼・進藤くんは、十年ぶりに再会したときゲイになっていて、しかも不倫相手の恋敵だった!?
「手に入れられないもの」しか愛することができないOLのチエは、既婚男性と不倫関係にあった。ある日、泥酔した自分の彼氏を狙っているゲイの男性が、学生時代に好きだった男の子の「進藤くん」であることに気が付く。
男同士であるがゆえにその男性に気持ちを伝えることができない進藤くんと、進藤くんの想い人と両想いで、体の関係も持っているチエ。その男性を巡っての争いにおいて、チエは圧倒的有利な立場にいると思われたが、進藤くんに「レイプ」されたことをきっかけに、彼に気持ちが傾いていってしまうのであった。
「イタイほどかわいい」
女子力高すぎる女友達(♂)・進藤くんと、オンナ業さぼりがちのチエ。腐れ縁の行方。
10年ぶりの再会に初恋が実るかと思われたがそれも叶うことはなく、進藤くんとは再び離れてしまったチエ。しかし、2年後ふらりと彼女の前に現れた進藤くんはゆるふわパーマに丸いおでこ、ふわふわのおっぱいを手に入れて、かわいい「オンナノコ」に変わっていた。
この一方、不倫相手とも別れ、「かわいい」を演出することに疲れたチエは、進藤くんいわく「オンナ業サボりすぎのブス」と化していた。いつの間にか女の子より女の子らしくなっていた進藤くんと女友達のようになっていったチエはお揃いの下着を買い、一緒にアパートに帰った。
そこでじゃれ合ううち、進藤くんが「工事」をしていないことが発覚して、なし崩し的に事に及んでしまう二人。このまま交際に至るのかと考えるチエだったが、進藤くんはチエに内緒で彼氏を作っては別れることを繰り返していた。
「やさびき」
日本画擬人化まんが。尽くす男「エシくん」(絵師)と超絶手がかかる「ニカワちゃん」の恋。
エシ(絵師)くんを翻弄する、安いのに強情なニカワちゃん(三千本膠)、群青と朱色のイワエノ軍(岩絵の具)、高価だが扱いやすいナンジン(軟靱膠)といった癖のある女(画材)たちの巻き起こすドタバタ劇が描かれた4コマ漫画。
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目次 - Contents
- 『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の概要
- 『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』のあらすじ・ストーリー
- 「セカイ系マジックワード」
- 「こどな」
- 「ヒロイズム前線」
- 「みよ姉の藍色」
- 「巡恋歌」
- 「イタイほどかわいい」
- 「やさびき」
- 『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の登場人物・キャラクター
- 「セカイ系マジックワード」の登場人物
- ひいちゃん
- コースケ
- 「こどな」の登場人物
- 満ちる(みちる)
- 江藤君(えとうくん)
- 「ヒロイズム前線」の登場人物
- ショーコさん
- ムネヒサ
- 「みよ姉の藍色」の登場人物
- みよ姉(みよねえ)
- のんちゃん
- 「純恋歌」「イタイほどかわいい」の登場人物
- チエ
- 進藤くん(しんどうくん)
- 『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- ひいちゃん「でも大丈夫、コースケの「かわいい」で世界の暗雲は晴れました」(「セカイ系マジックワード」より)
- 『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- アダルトコミックが苦手でも読みやすい「適度な」性の描写