イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)のネタバレ解説・考察まとめ

『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』とは、2014年に発売された阿仁谷ユイジ作の漫画作品。『エロティクス・エフ』を中心に掲載された恋愛漫画を6作と、日本画の画材を擬人化した4コマ漫画「やさびき」を収録している。女性向けファッション雑誌『an・an』に掲載された「セカイ系マジックワード」をオープニングに据え、誰しもが身近にひとりは「いるいる」と感じるような、ちょっと「イタイ」女性を主人公として起用した作風が女性を中心に人気を博した。

チエ

「手に入らないものしか愛することができない」という癖を持つOLの女性で、既婚男性と不倫の関係にある。ひょんなことから自分の彼氏を狙うゲイの男性が、学生時代に好きだった「進藤くん」だったことに気づき、彼と肉体関係を持ったことで気持ちが傾いてしまった。
その後交際に至らずにいたところ、女性の姿となった進藤くんと再会。女友達のような関係になるが再び肉体関係を持ち、黙って彼氏を作っては別れてを繰り返す進藤くんに振り回されるようになる。

進藤くん(しんどうくん)

画像右が女性の姿になった進藤くん

チエが学生時代に好きだった男性。実は同性愛者で、チエと交際していた既婚男性を狙っていたが同性同士であることから告白ができずにいた。彼の交際相手だったチエと強引に肉体関係を結ぶが、その後疎遠になっていた。
その後髪を伸ばし、美しい女性の姿になってチエの前に現れて女友達のような関係になるも、再び肉体関係を持つが、チエと交際はせずに彼氏を作ったり別れたりを繰り返している。

『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ひいちゃん「でも大丈夫、コースケの「かわいい」で世界の暗雲は晴れました」(「セカイ系マジックワード」より)

本作のオープニングを飾る短編「セカイ系マジックワード」の主人公、ひいちゃんは気まぐれな社会人女性。仕事や友人関係などで嫌なことがあると、頬を膨らませてぷりぷり怒りながら帰宅し、服をその場に脱ぎ捨て、同棲中の彼氏であるコースケには見向きもせずにふて寝の体制に入り、コースケがそんな彼女に「かわいい」と声をかけるシーンが存在する。
その一言ですっかり機嫌を直して次の朝を迎えたひいちゃんは、前日に怒っていた理由を聞かれて「とにかく腹が立って世界を滅亡させようとしていた」という意思を伝え、その後「でも大丈夫、コースケの「かわいい」で世界の暗雲は晴れました」と、かわいらしい笑顔を見せる。女性というのは複雑そうでも単純なもので、大好きな相手からの「かわいい」であっさりと機嫌を直せてしまったりするものであることをわかりやすく描いている。

『イタイほどかわいい(阿仁谷ユイジ短編集)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

アダルトコミックが苦手でも読みやすい「適度な」性の描写

『fxコミックス(エロティクス・エフ)』という雑誌の性質上、本作に収録された作品にも全て性的な描写が存在する。しかし本作は少しコミカルであったり、心理描写を強くしてあることでさほど性的な匂いは感じさせない仕上がりになっているのが特徴で、描写そのものも露骨でないことから、アダルトコミックスという括りにある作品が苦手な読者でも楽しめる仕様になっている。
実際に少女コミックやTLコミック、作者の阿仁谷ユイジがBL作品を手掛けていることもあってそちらを愛読している女性層にも人気があることからも、男性のみならず、女性でも入りやすい成人向け作品の筆頭として挙げられることが多い。

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