ノラガミ(野良神)のネタバレ解説・考察まとめ

『ノラガミ』とは、『月刊少年マガジン』で2011年1月号から2024年2月号まで連載されたあだちとかによるファンタジー漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。主人公の夜トをはじめとした、日本の神をとりまく環境を軸に描かれる現代和風ファンタジー。祀られていない無名の神、夜トは自ら社を建てる為に、僅かな賽銭で仕事を請け負っていた。そんな彼と周囲の人や神を巡る戦いを描く。

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『ノラガミ』の概要

『ノラガミ』とは、『月刊少年マガジン』で2011年1月号から2024年2月号まで連載されたあだちとかによる和風ファンタジーバトル漫画、およびそれを原作としたアニメ作品である。単行本は全27巻。
テレビアニメは第1期が2014年1月から3月まで全12話放送された。第2期は2015年10月より12月まで『ノラガミ ARAGOTO』(ノラガミ アラゴト)のタイトルで放送された。

祀る社を持たない“野良神”である無名の武神・夜ト(やと)を主人公に、彼や日本の神とそれを取り巻く環境を描いた現代和風ファンタジー作品である。
社を持たない無名の神・夜トは、5円の賽銭で水道管修理やコンビニのアルバイトなど何でも屋のような仕事をしている「デリバリーゴッド」である。ある時、夜トは自らの不注意から中学生の少女・壱岐ひより(いき ひより)を交通事故に遭わせてしまう。ひよりはそれ以来幽体離脱しやすい体質になってしまい、体質を改善するために夜トと関わるようになる。

『ノラガミ』のあらすじ・ストーリー

デリバリーゴッドと幽体離脱少女

自称・神の主人公、夜ト(やと)は、本物の神として認められるのに必要な社の建築費を稼ぐため、悩み事の解決を請け負っている。依頼料はたった5円で、水道管修理やコンビニのバイトなどといった便利屋のような仕事を地道に続けていた。ある日、夜トは任務中に壱岐ひよりを不注意で事故に遭わせてしまう。ひよりは一命を取り留めはしたが、体と魂が分離してしまう幽体離脱体質になってしまう。特異体質になってしまったひよりは、たびたび邪悪な妖に狙われるようになってしまい、体質を改善するために夜トと関わるようになる。

14歳で死んだ少年との出会い

ひよりを助けるため、夜トには武器として共に戦ってくれる神器が必要となる。そんな中、14歳で死んだ少年の霊を見つけた夜トは、彼を「雪音(ゆきね)」と名付け、自分の神器とする。
雪音は優しいひよりを慕う一方で、夜トには反発する。しかし、若くして命を落とした雪音に人として生きるチャンスを与えたいという夜トの真意を知った雪音は、苦しい「禊」に耐えて心を清め、夜トを主として認めたのだった。

毘沙門との決着

一方、最強の武神と言われている七福神の毘沙門天が夜トの命を狙っていた。彼女は自身の神器である「麻」の一族を皆殺しにした夜トを憎んでいたのだ。実は、かつての「麻」の一族は主である毘沙門を穢した犯人探しによって身内の中で疑心暗鬼に陥っており、妖化し、毘沙門の命を脅かしていた。そのため、毘沙門の神器であった兆麻(かずま)が夜トに依頼し、妖化した「麻」の一族を殺すことで毘沙門を救ったのだが、その事実に毘沙門は今でも強い罪悪感を抱いている。
そんな中、毘沙門の神器の一人である陸巴(くがは)が、毘沙門を代替わりさせるために暗躍。夜トの弱点であるひよりの霊体を高天原へ拉致してしまう。夜トは高天原へ乗り込み、夜トと毘沙門天は互いを誤解したまま交戦。さらに陸巴の罠により毘沙門天の神器たちが次々と妖化しはじめ、毘沙門天は再び命を落としかける。しかし、そこへひよりたちが駆けつけ、夜トと毘沙門天の誤解を解いた。
夜トはひよりを連れて下界へ戻り、毘沙門天は陸巴と妖化した神器たちを自らの手で始末をつけ、夜トとの因縁に終止符を打ったのだった。

『ノラガミ』の登場人物・キャラクター

主要人物

夜ト(やと)

CV:神谷浩史

本作の主人公。住所不定でジャージを着た無名の神で、八百万の神の中でも末端で知名度も人気もない。自分のことをデリバリーゴッドといっており、社を持ち、知名度を上げるため困っている人から依頼を受けてはいるが、来る仕事はほぼ雑用。3K(クサイ・キタナイ・カセギナイ)と言われるほどの状態のため神器との関係が長続きしない。ガサツで気分屋、おまけにヘタレだが、あらゆるものを斬る高い能力を持つ武神で、戦闘能力も非常に高く神器を持っていない状態でも、相手が一線を引ける程度の神器なら棒切れ1本で圧倒できる実力を持つ。最強武神である毘沙門とも互角に戦える戦闘力がある。神器の名前に「音」の字を入れる。
かなりガサツ、気分屋、ヘタレな性格で口もかなり悪い。その上、手汗が多く、手に持たれるタイプの神器はかなり苦痛を感じる。しかし、命を全うできなかった神器を思うがゆえに命を粗末にする人間を許せないといった一面や、自らの不注意で半妖になったひよりや、自らの神器になった雪音を気に掛ける面倒見の良さを見せることもある。女子力も妙に高い。
「知名度を上げ自分の社を持ち、将来あらゆる人々に求め敬われる日本一の神になる」という野望を持つが、現実は上述の性格のため人気は皆無で知名度ゼロであり、また神器からも「生理的に嫌」という理由でことごとく関係を長続きできない有様であった。
布教活動としては、あらゆる所に困っている人にしか見えない自分の携帯電話の番号を書いたり、SNSを使って「5円の料金(賽銭)でお悩み解決します」と依頼を募っているがほとんどが雑用。しかし長年そういった便利屋まがいの地道な活動をしているため、様々な仕事(パンク修理、ゴムパッキンの交換、おむつ替えなど)のスキルをかなり持っている。依頼の際は前金で受け取り、受けた時に「あなたにご縁があらんことを」という決め台詞がある。信者がほとんど一見さんのためこの本業だけでは生計が成り立たず、副業として毘沙門をモデルにした同人誌を書いている(ペンネームは「とぉや」で、絵がかなり上手い)。
客に覚えてもらうため、現在は黒いジャージ姿で首に手拭いをまくという服装(本人曰く「ゆるふわ」)で統一しているが、売り方にブレがあったらしく頻繁に装いを変えているらしい。また、「自称神だと名乗る住所不定無職のジャージの人」と怪しがられたりなじられたりすることもあり、そのたびにショックを受ける。

誕生したばかりの頃から、人斬りや犯罪者の始末といった汚れ仕事をしており、禍事を好む卑しい禍津神として知られていた。この頃、「ヤスみ」によって墜ちた毘沙門の神器を兆麻からの依頼で皆殺しにしたことから、毘沙門に恨まれ仇として狙われるようになる。父親の(人間を)間引けという願いから生まれた存在で、「夜卜(やぼく)」という真の名を父親から与えられた。本質的には奪う側の神である。

雪音(ゆきね)

CV:梶裕貴

本作の準主人公。名は「雪」。14歳で死んだ少年。死霊となって漂っていたところを神器として夜トに拾い上げられ、彼の神器となった。神器としての形状は柄も鍔も無い白銀の刀で、茎は晒のような細長い白布で覆われている。夜トからは「斬れすぎる」と評されるほどの凄まじい切れ味を持つ。柄に巻かれている布も自身の一部であり自在に操ることができる。当初は我儘かつ生意気な性格で、自らの主である夜トに対しても敬おうという気持ちは微塵もなく反抗的であった。強気に心をえぐる言葉やツッコミを入れるため、夜トとも口論が絶えなかった。しかし、夜トの「破門せず、人として鍛え彼を成長させる」狙いから禊を受けた後は改心し、素直な性格になり反抗的な様子は見せなくなったが、夜トに辛辣なツッコミを入れるところは変わらない。

捕らわれた、ひよりを救出する戦闘の際、夜トをかばい斬られてしまう。倒れたと思われた直後、主に二心無き忠誠を誓い「祝の器(ほふりのうつわ)」として覚醒。二刀一対の白銀の刀の姿となった雪器(せっき。雪音の神器としての名)は、神器の能力があがり、今まで受けきれなかった攻撃を押し返すほどの力をみせた。

壱岐 ひより(いき ひより)

CV:内田真礼

本作のヒロイン兼語り部。物語開始時点では、15歳の中学3年生(後に高校1年生)。6月28日生まれ。発想にまだ幼さはあるものの、優しくしっかりした性格の少女だが、隠れ格闘技マニアという一面があり、蟷野という選手のファン。彼女自身も彼の決め技でもあるジャングルソバットが得意技で、半妖になった際も夜トと自らを襲った妖に見舞ったことがあり、生身でもアクロバティックな技をかけられるようになった。良家の令嬢で家族構成は父・母・兄・祖母となっている。元々霊感体質だったが、依頼で探していた猫を追って道路に飛び出した夜トを助けようとして自分がバスにひかれてしまい、幸い命に別状はなかったものの、それがきっかけで半妖となり、魂が抜けやすい生霊として中途半端な狭間の存在になってしまった。そのため、頻繁に眠り込んで幽体離脱してしまい、自分の意思では体に戻れない。この体質を治してもらうよう夜トに依頼し、何かと夜トと共に行動するようになる。

半妖になっているときのひより。尻尾状の緒で肉体とつながっているので、緒が切れると死んでしまう。

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