歌舞伎町シャーロック(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『歌舞伎町シャーロック』とは、2019年から2020年に放送されたProduction I.GとKADOKAWAによるオリジナルアニメーション作品である。物語の基となっているのは名推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズ。舞台は東西を壁で隔たれた架空の街、新宿區歌舞伎町。イーストサイドにあるBARパイプキャットでは、様々な探偵が集まり、日夜謎が解き明かされていた。その中で風変わりな依頼を好むシャーロック・ホームズという探偵に会うため、ジョン・H・ワトソンという男が現れる。

『歌舞伎町シャーロック』の概要

『歌舞伎町シャーロック』とは、2019年10月から2020年3月かけて毎日放送の「アニメイズム」BS1枠にて2クール放送された、Production I.GとKADOKAWAによるオリジナルテレビアニメである。物語の基となっているのは名推理小説『シャーロック・ホームズ』シリーズ。放送された全24話の他に、OVAとして6話制作された。

舞台は、架空の都市新宿區歌舞伎町。街は東西に分断され、ウェストサイドと呼ばれる西側は治安が守られ、政治家など富裕層が多く住んでいる。反対にイーストサイドと呼ばれる東側は庶民が暮らす町とされている。歌舞伎町はスラム街と化しており、東西で貧富の差が現れている。ウェストサイドで医師を務めていたジョン・H・ワトソンは自身が体験した謎を解明するため、変わった依頼を好むという探偵のシャーロック・ホームズを探して、イーストサイドのBARパイプキャットを訪れる。

2020年1月に発売された『月刊コミックガーデン』2月号から、漫画家の越水きぬによるコミカライズ連載がスタートするが、同年10月に著者都合による連載中止が発表され、書籍化には至らなかった。アニメ放映終了後の2020年4月24日、角川文庫より『歌舞伎町シャーロック 囚人モリアーティ 解放のXデー』が刊行された。著者は森晶磨、原著は歌舞伎町シャーロック製作委員会である。この作品は、モリアーティが刑務所で過ごした10ヶ月間を描いている。

『歌舞伎町シャーロック』のあらすじ・ストーリー

第1話 はじめまして探偵諸君

血で描かれた羽を観察するシャーロック

医師であるジョン・ H・ワトソンは自分の身に起きた事件を調べてもらうため、シャーロック・ホームズを探していた。

尋ねたバー「パイプキャット」にはシャーロックホームズの他に数名の探偵がいて、彼らを集めたのはレストレイド警部。レストレイド警部は女性が無残に殺される切り裂きジャック事件の解決のため、探偵たちに1000万円の報酬を賭けていた。

とある一室で、切り裂きジャックの犯行とみられる女性の殺人事件が起こった、と連絡が入り探偵たちは捜査に乗り出す。

ワトソンはシャーロックに話しを聞いてもらおうとするが、ことごとく無視されてしまう。金を払って聞いてもらおうとするが、スリに遭っていて無一文だ。

被害者は尾上小百合(おのうえさゆり)という女性で生殖器は切り取られ、床には血で描かれた羽の絵があることから切り裂きジャックの犯行だと思われた。しかし現場を見たシャーロックは、いつもの切り裂きジャックの手際より悪いと違和感を覚える。
尾上は自分で服を脱いだ様子で、尾上と犯人は顔見知りと見られた。

尾上の携帯を開くと、キャバクラの履歴が残っていた。キャバクラを訪ねるとオーナーの雅也は、尾上は不採用にしたとのこと。探偵長屋に戻り、シャーロックは推理を始める。

犯人の身長は180後半、体裁は整えられている。給料はあまり高くなく右手の人差し指の爪がかなり伸びている。
血で描いた羽の絵の特徴が、ジャックのものとは違うこと。

部屋のチャイムが鳴り、ドアを開けると雅也であった。あらかじめ雅也を呼び出しておいたシャーロック。自分が出した犯人像が一致していることもあり、犯人は雅也の運転手だと指摘する。

運転手は、普段から雅也が不採用にした女性を面接だと偽って食い物にしていた。尾上を部屋に呼び出し、犯そうとしたが誤って殺してしまう。そこで遺体を切り裂きジャックの犯行だと見せるために模倣したのだった。

逆上して逃げる犯人をシャーロックとワトソンは追いかけようとするが、シャーロックは怪我をしてしまう。
翌朝、偽物の切り裂きジャックが逮捕されたという報道が流れる。ワトソンは探偵長屋の倉庫を借り、そこで寝泊まりすることとなった。

第2話 泣きぼくろ見つめ隊はいかが

ワトソンはいつまでもシャーロックに依頼ができずにいた。どうしていいか分からず、探偵長屋のハドソン夫人に相談をする。シャーロックは報酬より、興味がある依頼にしか答えないという話を聞く。

花屋の店主である高峰富士子(たかみねふじこ)は、夢見ていたアイドルのオーディションに合格する。「泣きぼくろ見つめ隊」のプロデューサーの喜多から、一週間後に開催される公開オーディションのために、みっちりレッスンを受けるよう指示される。

店員のさおりは富士子を応援しようと、店は引き受けるからレッスンに専念してほしいと後押しされる。
しかし当日、公開オーディションは中止となってしまう。喜多とも連絡がつかなくなってしまったことから、喜多の行方を探してほしいと探偵長屋に依頼がくる。ハドソン夫人の号令で、探偵たちは街へと捜査に乗り出した。

シャーロックはワトソンに「誰も家に入れるな」と念を押し家事を任せ、変装して花屋へと向かった。そのすぐ直後、シャーロットの家に探偵のモンスターン姉妹の妹メアリが訪ねてきてワトソンは応対してしまう。

シャーロックは花屋でさおりにシクラメンの花はあるかと聞くと、もう売り切れてしまったと返される。
シャーロックはその場を立ち去り花屋を見張ることに。ワトソンに電話をかけ、部屋の前科者ファイルからさおりのデータがないか調べ、相方がいれば写真を送るように指示する。

張り込みを続けていると、同じように張り込みをしているモンスターン姉妹を発見する。 シャーロックは急いで部屋へ戻り、ワトソンにモンスターン姉妹を家に入れたのかを問い詰めた。
ワトソンは、家には入れてないが外で応対したと言う。シャーロックが、ワトソンの服を調べると盗聴器が出てきた。これに怒ったシャーロックは、ワトソンを部屋から追い出してしまった。
シャーロックは花屋に戻り、金塊と共に潜んでいたさおりと喜多を締め上げ推理を始める。

シクラメンはそもそも今の時期には咲いていなく、売り切れと言ったさおりに不信感を抱いた。
その時のさおりの服にはコンクリート片が付いていて、富士子のレッスン中に壁に穴を開けていた。
開けた穴は質屋「弁天道」につながっており、強盗犯のコブラが弁天堂をマネーロンダリングに使っていた。それを知った喜多こと、マングースの喜多郎はさおりと手を組みコブラが隠していた金塊を盗もうとしていたのだった。

推理を話し終えたところで、コブラが現れシャーロックに銃口を突きつけた。間一髪ワトソンが駆けつけ、後ろからコブラを殴り気絶させた。
シャーロックは銀行から謝礼金として2000万円を受け取った。

第3話 エース・京極冬人の夢は

半年前、ワトソンは少女の司法解剖を行う。解剖の際に、小さな発信機を発見したので上司に報告する。それからというものワトソンは、車に轢かれそうになったり、家が火事になるなど身の危険を感じ街から逃げ出した。
その話を聞いてもらおうとしているが、未だにシャーロックに話せないでいた。

バー「パイプキャット」では長屋の探偵たちや常連客が賑わっている中で、弁護士の田中黄熊(たなかぷう)が入ってきた。
テレビを見ると、超高級ホテルのオーナーである田中宇宙(たなかこすもす)が殺害され、容疑者として黄熊の顔が報道されていた。

ハドソン夫人が黄熊に話を聞くと昨夜、黄熊は叔父の宇宙と2人で酒を飲んでいて気がつくと眠ってしまっていた。目を覚ますとあたりは火の海で、目の前には血まみれの宇宙。手には血の付いたナイフを握っていた。

しかし自分は無実だと訴えるが、レストレイド警部が入ってきて黄熊を逮捕し連れて行ってしまった。黄熊の人柄を良く思ったハドソン夫人は、自ら500万円を出し探偵たちに調査の依頼をする。探偵たちは街に捜査へ乗り出す。

シャーロックとワトソンは事件現場に着くと、宇宙の親友である内田B造(うちだBぞう)に話しを聞く。
B造によると昨夜自分もお酒の席に参加しようとしたが、宇宙から家族水入らずでということで遠慮した。
事件は報道されている通りで、黄熊が宇宙をナイフで刺して部屋に火をつけ犯行に及んだのだと言う。
しかし警察は凶器の発表はしておらず、シャーロックは不審に思う。

シャーロック達は黄熊の実家へ向かった。母の浩子に話を聞くと、黄熊と宇宙の弟である地球(ガイア)はギャンブルで多額の借金があることを知る。
2人をギャンブルに導いたのは宇宙だが、宇宙はその上で2人に金を貸し付けていたのだと言う。浩子は宇宙が死んだのは天罰だと言った。

シャーロックは、浩子の部屋で宇宙からの恋文を見つけると推理を始めた。

浩子を愛していた宇宙だが、浩子は地球を選んでしまう。
宇宙は地球を借金取りから匿うふりをして呼び出し殺した。そして黄熊を呼び出し酒で酔い潰す。死んだ地球に自分の服を着せ、火を放ちその場から立ち去った。

B造は警察が発表していない凶器のことを知っていた。B造もまた宇宙から金を貸し付けられていたのだった。
B造は借金の弱みにつけ込まれ、宇宙の言いなりになっていた。地球を殺した凶器のことは宇宙から聞いていたのだった。宇宙の計画通り、自分が死んだことになった。しかしB造はそれを利用して本当に宇宙を殺してしまっていた。

シャーロックが天井を調べると宇宙の遺体が発見された。黄熊の無実は証明されたのであった。

第4話 お湯は基本熱め

シャーロックとワトソン、そしてシャーロックの同居人であるモリアーティーは露天風呂に来ていた。
露天風呂で被り物をしたインディーズバンド「 モモタローズ」を見つけ、猿(さる)雉(きじ)犬(いぬ)が口論しているところに出くわす。
モリアーティーがどうしたのかと声をかけると、3人は桃太郎(ももたろう)が行方不明になり30分後にライブがあるのだという。モリアーティーは牛乳を賭けて、シャーロックとワトソンに誰が1番早く桃太郎を見つけられるかの勝負を挑んだ。

話を聞くために一同はサウナへと移動する。
銭湯へ来る前の話を聞くと、犬にメールで桃太郎から遅れるから先に行っていてくれと連絡が入る。雉は話しがあるので、桃太郎を待っていると言う。

シャーロックは雉の手を見て、誰かを殴ったのかと尋ねる。
雉は今朝、桃太郎と揉めてしまい殴ってしまったと答えた。それを聞いた猿は、スタジオにコーヒーが散らばっていたのを思い出した。しかし雉はコーヒーのことを知らない様子。

その後雉は桃太郎と合流し、今朝殴ってしまったことを謝罪して銭湯へと入っていったのだった。犬は先にサウナに入っていたので事の顛末は知らないという。

シャーロックは、常に犬か桃太郎がいないことを指摘した。そもそも桃太郎は銭湯には来ておらず、犬がなりすましているのだという。桃太郎からのメールも来ていない。

犬はあっさりと桃太郎を殺したことを認め白状した。しかし雉が桃太郎を殺したのは自分だと言い始めた。シャーロックの推理が始まる。

スタジオで雉は桃太郎を殴ってしまい、誤って殺してしまった。犬がそのことを隠蔽しようと桃太郎の遺体を隠し、消せない血痕はコーヒーをぶちまけてカモフラージュした。その後、猿が来てぶちまけられたコーヒーを見て驚いたのであった。

犬の動機は雉が桃太郎を殺してしまったことで、雉の才能が潰れてしまうことを恐れたためであった。犬にとってキジの歌は、いじめられていた子供のころの唯一の救いであったのであった。

長い間サウナに入っていたシャーロックとモリアーティは、ついにのぼせて倒れてしまったのだった。

第5話 立合いはフライングぎみッ

ルーシーは憧れである黒海部屋の近江山に差し入れをする。近江山はかつて、横綱候補とまでいわれたが膝を壊してからは成績が優れない。
ルーシーは妹のメアリから学校へ行きたいとせがまれ、200万円を兼古興業の兼古親分から借りることになる。

その帰り道、自殺をしようとしている力士と出会う。自殺をやめさせ話しを聞くと、その力士は近江山の付き人の文丸だと名乗った。
部屋の修繕費用である200万円をなくしてしまったのだと言う。漢気のあるルーシーは自分がさっき借りた200万円を文丸に渡してしまう。そして兼古親分の所に戻り、200万円を追加で借りるのだった。

翌日、ルーシーのもとに近江山と文丸がお礼を言いに来た。文丸にどうして200万円をなくしてしまったのか理由を尋ねると、修繕費用の200万円を受け取った後、お酒をご馳走になり帰り道で急に眠くなってしまい寝てしまったのだという。目が覚めると200万円はなくなっていたのだった。

文丸はルーシーに差し入れのお礼を言うと、シャーロックが何かに気付いた様子だった。 その後ルーシーは死に物狂いで働き、200万円を兼古親分に返済。残りの200万円はまだ手が届かないでいた。

ある日シャーロックは、大福をワトソンに食べさせる。ワトソンが「これは何なんです」と尋ねると、シャーロックは文丸が食べた差し入れだという。それを聞いたルーシーは、何かに気付いた様子で部屋を飛び出して行った。

シャーロックが言うには、文丸が強い眠気に急に襲われたこと、そしてルーシーの差し入れたものから、犯人は大福を睡眠薬入りのものとすり替えた。文丸に食べさせ、後をつけ眠ってしまったところでお金を盗んだのだと言う。

ルーシーは近江山の所へ真相を探りに来ていた。近江山は文丸から金を盗んだと白状した。 休場が続いて幕下に落ちたら引退を考えていた。そんなときに八百長の話を持ちかけられ、星を買うためにお金が必要だったのだと言う。
しかし結局近江山は、八百長には手を出さずその後の場所では全敗してしまった。

ルーシーとメアリが歌舞伎町へ来たばかりの子供の頃、チンピラに絡まれているところを近江山に救ってもらった事があった。
それ以来近江山は、ルーシーにとってヒーローのような存在であった。

お金を返すという近江山に、ルーシーはその漢気からお金は返さなくていいと宣言。

近江山は引退を表明し、八百長の事実について証言。文丸は幕下で優勝し、近江山が200万円の化粧まわしを贈呈した。

第6話 漢 小林、やるっす

小林(こばやし)は、酔いつぶれゴミ捨て場で寝ているところを歌舞伎町遊撃隊の子供たちに起こされる。一緒に駄菓子屋へ行くことになるが、そこで妙な動きをしている男を見つける。

男は小林の古い知り合いで、兼古組の杉本(すぎもと)という男であった。
杉本は駄菓子屋から守料の入った封筒と、品薄であるビックリマンチョコを受け取り店を後にする。子供たちも店を後にするが、遊撃隊のメンバーのヨシオが用事を思い出したと言って来た道を戻る。ヨシオの目的は、杉本が受け取っていた守料とビックリマンチョコであった。

杉本が事務所に戻ると、封筒がないことに気づく。杉本は遊撃隊の子供たちを疑い、居所を小林に問いただすため舎弟と共に小林がバイトをしているパイプキャットへ乗り込んだ。
パイプキャップに着いた杉本たちは、小林に子供たちの居場所を聞き出すが小林は口を割らない。すると小林の携帯に遊撃隊メンバーのサブローから電話が入り、子供たちの秘密基地を聞き出した。杉本は小林を縛り上げて、子供たちの秘密基地へと向かった。

パイプキャットに取り残され、身動きの取れない小林のもとにモリアーティー、シャーロック、ワトソンが訪れる。小林を開放し3人は事のあらましを聞き、秘密基地へと急ぐ。

秘密基地では杉本と舎弟が封筒の在り処を聞き出そうと、子供たちに対して手荒に調べを行っていた。
そこに小林が乗り込んできて、杉本と舎弟に一撃を食らわし子供たちを逃がす。しかし自分も反撃を食らい倒れこんでしまった。

小林がひどい目に遭っているのを見て、ヨシオは封筒を盗んだのは自分だと杉本に白状する。それを聞いた杉本はヨシオに対して制裁を加えようとする。

ちょうどその時、ワトソンや兼古組が乗り込んできた。兼古組の親分は、杉本にナイフを投げつけ落とし前をつけろと迫った。杉本は親分にドッキリマンの転売や守料を受け取っていたことは秘密にしていた。
追い込まれた杉本は切羽詰まって窓から勢いよく飛び出して行ってしまう。

ヨシオはシャーロック達にも自分が封筒を盗んだのだと白状した。話しを聞いたモリアーティーは、みんなを危険にさらすことになったが、白状した最後の勇気を褒める。そしてヨシオであれば、この街のリーダーになれると背中を後押したのだった。

第7話 ワイフ、未来を見つめる

買い物を済ませたワトソンとシャーロックは、長屋への帰り道に行列を見つける。
巷で大人気のAIを待つ行列であった。ゴドフリー・ノートンという男が作ったリアルワイフの愛梨(あいり)だ。

長屋に戻ると依頼人が待っていた。依頼人はモラン區長の秘書マイクロフト・ホームズ、シャーロックの兄である。
依頼内容はモラン區長のUSBを取り返すこと。報酬は1500万円と小夜師匠のトレーディングカードだ。盗んだのはアイリーン・アドラー。モラン區長の愛人である。

モラン區長はUSBの内容で脅迫を受け、3億円を要求されていた。USBの存在は明かせないので、長屋に依頼することとなった。
依頼を引き受けた探偵たちは、アイリーンの屋敷へと調査に乗り出す。

ワトソンは、ふとしたことがきっかけで医者としてアイリーンの屋敷にあっさり侵入することができた。ワトソンが屋敷を調べていると、ある男に話しかけられる。リアルワイフ愛梨の開発者ノートンであった。

ノートンは愛梨のリアルさを追求するため、医者のワトソンに意見を聞きたいのだと言う。ワトソンが招かれた部屋には、各国のバージョンの愛梨が並んでいた。
ノートンの話しを聞いていると、アイリーンが部屋を覗いて業者の方の邪魔をしないようにとノートンに告げる。ノートンは納得し部屋を後にした。その後すぐに、奥からお皿の割れる音がしてアイリーンも部屋を出て行ってしまう。

するとワトソンのポケベルが鳴り「ブツはフランス人が持っている」とメッセージが。ワトソンがフランスバージョンの愛梨を調べると、奥からUSBが出てきた。急いで屋敷を後にしようとすると、タイミングよく引越し業者を装ったシャーロックが現れた。

メッセージはシャーロックが送ったもので、長屋へ戻る車の中でシャーロックはワトソンに推理の説明をする。
この部屋の荷物を運びますか、とアイリーンに聞いた時、アイリーンは「彼が一つづつ梱包するから結構よ」と答えていた。寝室には人形以外にも荷物があったにもかかわらず、意識しすぎたせいか人形のことだと勘違いして自ら隠し場所を漏らしてしまっていた。
そして、明日には出発するというアイリーンのスーツケースの送り状にはフランスと書かれていたのだと言う。

長屋へ戻りUSBを調べると、パソコンの画面に映しだされたのは隠しカメラの映像。内容はワトソンがフランスバージョンの愛梨を調べ、USBを見つけたシーンであった。
驚いて急いで長屋を飛び出した2人は、パイプキャットのカウンターにアイリーンが座っているのを見つける。

アイリーンは日本を離れる前に、古い友人であるハドソン夫人に挨拶に来たのだと言って店を後にした。
悔しさをあらわにするシャーロックだが、何かに気づきアイリーンを追いかけて行った。 するとアイリーンが何者かに襲われていたので、シャーロックが助けに入った。そしてアイリーンが身につけていた本物のUSBを手に入れる。

シャーロックは本物のUSBをマイクロフトに渡し、報酬の小夜師匠のトレーディングカードを受け取ると満足げに笑みを浮かべるのだった。

『歌舞伎町シャーロック』の登場人物・キャラクター

主要人物

シャーロック・ホームズ

CV:小西克幸
本作の主人公で、落語好きな名探偵。ウエストサイドの名家ホームズ家出身。「退屈」という理由で家を出てイーストの歌舞伎町に流れ着く。ハドソン夫人に拾われ、落語家に弟子入りするが、「物にならない」と5年で破門され、探偵長屋で探偵業をはじめている。推理を披露する際、落語の形式で語り聞かせる推理落語を行い、語れることが嬉しいのか不気味な笑いを浮かべてから開始する。ただし落語の才能はあまりない。長屋に集う探偵の中では最も変わり者だが、非常に明晰な頭脳と推理力を持ち、また原作同様に巧みな変装も得意。報酬の多寡ではなく興味をそそられるかどうかで依頼を受けるかどうか決める。非常に身勝手で傲慢な性格で、ワトソンを顎で使うものの、彼と協力して事件解決に導くこともある。兄のマイクロフトに苦手意識があり、また女性に免疫がないため、女性が接近すると寿限無を唱えて平静を保とうとする。味覚が独特で、飲食時には果物の缶詰を料理にかけたり、アイスコーヒーに焼き鳥を刺したりして食すが、不思議とアイリーンの料理だけは普通に食べている。

ジョン・H・ワトソン

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