誤解されたヒロイン・藤崎詩織はどういうキャラクター?

作者が描いたヒロインは、全く逆の評価を受けることも少なくないです。その中でも、ひときわ誤解をもたらすキャラクターを再解釈し、本当はどういうキャラクターだったのか読み替えてみようというまとめです。ここでは悪名高い『ときめきメモリアル』の藤崎詩織嬢についてまとめていきます。

藤崎詩織ってどんなキャラ?

身長158cm。きらめき高校のアイドル的存在。容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能・品行方正で誰にでも優しいと、ほぼ完璧に近い女性。黄のヘアバンドで抑えた、背中まである赤いロングヘアがトレードマーク。寝るときに羊を数える癖がある(PS・SS版では主人公が向いに住む詩織の部屋をクリックすると、詩織が羊を数えてくれる)。

出典: ja.wikipedia.org

はい、実際そうであるように、すべてのギャルゲーのお手本のようなキャラクターですね。しかし、その反面男性の理想像は高く、すべてのパラメーターが130を超えないとエンディングにはやってこないという高難易度のキャラクターです。そのため「ラスボス」と言われることもあります。
また悪名高い「友達に噂されると恥ずかしいから」「貴方と幼馴染ってだけでも嫌なのに」というセリフで、プレイヤーの心をえぐる、黒い噂の絶えないキャラクターです。

クリアのための条件を再考

さて、実はこの全パラメーター130以上にはかなりの穴があります。
まずパラメーターは文系・理系などの学力や体力などに対して、根性は100を超えていればいいという点。これは三年目に超えておけば…もっといえば「卒業直前」に超えていればいいのです。

大昔に反証を試みましたが、最終週で根性のみが100を下回った場合、虹野エンディングになるという珍事が発生。
更に三年間「遊び」のコマンドをやり続け、最終週に怪我をしたときには館林エンディングになるという珍事が発生しました。
世間で言われている噂からすると、館林・虹野の人気は高い分、この現象はその評価を反転させるものです。

尚、この現象は『ときめきメモリアル2』でも続きます。卒業間近の決闘に負けると、好感度最高のキャラクターもなぜか友人と付き合い始めてしまうのです。「あれー、クリスマスとか何だったんですかー?」とか突っ込みどころ満載でしたが、とにかくこのゲームはそういう理不尽な現象は少なくなかったのです。
要は、藤崎詩織とゲーム内でエンディングを迎えるためには…「誰とも仲良くならずに、能力を高くすること」に尽きます。
これを人間に見立てれば、自分の好みになって、相手がいないんなら「幼馴染」補正で勝手にくっつくのではということです。

友達に噂されると…ってアンタ友達いたっけ?

模範的な優等生にありがちな現象ですが…このキャラクター、友達といえる存在は美紀原一人のみ。
どちらかというと広範囲に浅く広く付き合うのがスタンスと言えます。

要は仲のいい友達はかなり少なめ。ではいったい「誰を」して「友達」と言ったのでしょうか。
そこがこのゲーム最大の疑問となります。

実は卒業式直前までメンタリティは小学生並

1999年発売のドラマシリーズ『旅立ちの詩』、この中に収録されているびっくりなエピソードは、卒業・進学を決めた主人公と藤崎。
帰り道、二人で公園によって、そこでわざわざ言うことは「これからも仲のいい友達でいようね」という主人公を地獄に叩き落とすような言葉。
当時プレイをしていた時にキャラクターながら正気を疑うような発言でした。

逆に言うと、このキャラクター、主人公のことはまーったく意識していないのです。
いつまでも「昔ながらの関係が続く」とさえ思っているフシがあるほど。
要はここがすべての誤解の始まりで、このキャラクターは男女関係に関しての意識と知識と経験が「小学生レベル」と考えてしまえばつじつまが合うのです。だから悪女でも何でもなく、むしろ…周りがそういったからその勧めに従ってやっているだけで、更に主体性のかけらもない幼稚さがドラマCDで発覚します。
彼女の言う「友達に噂される」というのは「小学生のノリで冷やかされる」ということと推測されます。

頭と体はともかく心は「お子様」

このキャラクターの欠点は、ギャルゲーにあるまじき恋愛感覚の欠如にあります。
そういうキャラクターを攻略することがギャルゲーの醍醐味と言えばそうなるわけですが…何も説明されないプレイヤーには迷惑…というより最大級のトラウマを与えることになりました。

そんな藤崎さんですが、『ときめきメモリアル2 Substories』の3作目にエンディングまで用意されたちょい役で、若干成長した姿が見られます。そこでメンタリティの一部を垣間見ることができます。

まとめ

ギャルゲー最初期作品にして、一番恋愛に不向きなキャラクター、それが藤崎詩織というキャラクターでした。
容姿端麗、成績優秀、それでいてメンタリティは小学生並で恋愛感覚に乏しい…それこそがこのキャラクターを誤解させた最大の原因です。

そのギャップこそがこのキャラクターの魅力なのかもしれません。

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