イースⅡのヒロインは、フィーナ派とリリア派がいるのは何故?

大人気のイースシリーズは、アクションRPGの原点として、今でも根強いファンが多いゲーム。
Ⅰが発売されたときは重厚で感動的なストーリーと、絶妙な難易度、かっこよすぎるBGMで多くのゲーマーを魅了しました。その後のⅡも、Ⅰと並んで名作として語り継がれてますが…、この作品、20年以上経った今でもとある論争がありまして。ヒロインは「フィーナ」「リリア」どっちなの?というものです。

フィーナとリリアってどんな子?

フィーナはイースⅠのヒロイン。
神殿の地下牢に囚われていたところを主人公アドルに助けられますが、自分の名前以外何も覚えていませんでした。
不安に苛まれる彼女ですが、ゼピック村のジェバ婆さんに引き取られ、穏やかな日々を過ごすことに。
アドルとは互いに意識しあう存在で、作品によってはアドルとの温かい家庭を夢見たりするのですが…。
その正体はイースの女神。人間と女神では結ばれる事は出来ず、Ⅱのエンディングではアドルとの切ない別れが描かれます。
プレイヤーは、エンディングの「時々でいいから思い出してください。私のような女の子がいたって事を…」という台詞に涙した事でしょう。

リリアは2で登場。
塔から飛ばされ、倒れているアドルを助けたランスの村に住む15歳の少女で、女神であるフィーナとは対照的に「村娘」という身近な存在。
実は大きな病を抱えているのですが、アドルによって助けられ、以降アドルに惚れた彼女は猛アタック。
アドルの為ならどこへでも着いていく!という行動派ヒロインは、おしとやかなヒロインが主流だった当時は珍しい存在でした。
また、当時最高の技術で描かれた2のオープニングの彼女が振り返る姿に胸を打ちぬかれた男性も多し。

作品によって全く変わる、エンディングの印象

こちらはPC88版、つまりオリジナルのエンディング。
アドルとの別れを惜しむフィーナは一筋の涙をこぼし、片割れのレアと共に女神としての役目に戻る…。
そしてアドルは村の人々との再会を喜んだ後に、空を見上げフィーナを思う。
ラストを飾るのは、女神像として眠るフィーナの姿…。
というように、お互い未練がありながらも結ばれない、明るい音楽とは対照的な切ないエンディングです。
ちなみにラスボスはめっちゃ強い。

一方こちらはPCエンジン版のエンディング。
涙を流していたオリジナル版と対照的に、フィーナは爽やかな笑顔を浮かべ、アドルと別れを告げます。
フィーナと別れ、空を見上げるアドル。そして仲間との再開。
そして大勢の友人達の前で、アドルとリリアはキスを交わします。
一方フィーナは女神像の姿になり、眠りに付く…という大まかな流れはオリジナルとほぼ一緒なのですが。
空を見上げるタイミングや、何よりリリアとのキスシーンが追加され、ヒロインはリリアのように見える展開に。
ちなみにラスボスはめっちゃ強い。

実はこの2作品の相違には理由があります。
初代から作品に関わっている岩崎氏が、PCエンジン版の凄腕アートディレクターの山根氏に「キスはどうなの」と問いただした所、
「キスシーンに見えるだけで実際はあいまいだから」という理由と、
「作品が新しいから、ヒロインも新しい方が良いという意見があった」という理由を挙げたんだとか。
岩崎氏はフィーナがヒロインだと理解しているけれど、思うに、山根氏はヒロインをリリスに押し上げたかったのでは…との事。

おわりに

イース1と2は美麗な移植版も発売されていますが、話題に上がるときは必ずと言って良いほど全作品が比較される、どのリメイクも長年愛されている作品です。
いまだにエンディングの解釈で論争が起きるのは、名作だからこそ。
時がたった今だからこそ、熱い議論が穏やかに交わせるのではないでしょうか。

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