『蛍火の杜へ』とは、緑川ゆきによる少女漫画、及びそれを原作としたアニメ映画である。原作は少女向け漫画雑誌『LaLa DX』にて読み切りとして2002年7月号に掲載された。その後2011年9月に映画が公開された。夏休みに祖父の家へ遊びに来ていた少女・竹川蛍と狐の面をつけた不思議な少年・ギンが出会い、少しずつ心惹かれあっていく2人の恋愛物語である。原作では1話完結の読み切りで、映画版では44分という短い時間の中で、人と関わる温かさや切なさなどが凝縮されており、高い没入感を得られる作品となっている。
ギン「来年も来れるか?」
蛍は夏の間だけ祖父の家に遊びに来ていたため、夏休みが終わる頃には自分の家へ帰らなければならなかった。その間ずっと一緒に過ごしたギンに、蛍は寂しげに帰らなければならないことを告げる。ギンはなんでもなさそうな態度だが「来年も来れるか」と蛍に尋ねた。
それ以来、毎年夏になると蛍は祖父の家に行き、ギンの元を訪れるようになったのである。
2人が毎年夏に会うようになったきっかけの言葉だった。
ギン「来い!やっとお前に触れられる」
蛍とギンは、妖怪たちが開催する夏祭りに2人で参加した。手を繋ぐことも叶わないが、恋人と同じように祭りを楽しむ。その帰り道、ギンは転びそうになった子どもの手を掴んで助けた。実はギンが助けた子どもは妖怪ではなく人間であり、ギンの体は消え始めてしまう。
ギンはすぐに蛍に向き直り、笑顔で「来い!やっとお前に触れられる」と腕を広げた。蛍もすぐにギンに飛びつき、抱きしめ合いながらギンは消えていってしまったのである。
ずっと想い合っていた2人が抱きしめ合った最初で最後の瞬間だった。自分は消えてしまうが、蛍と触れ合うことができる嬉しさも溢れた、ギンの愛情深さが分かるセリフであった。
『蛍火の杜へ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
『夏目友人帳』の原点となった『蛍火の杜へ』
『蛍火の杜へ』は、『夏目友人帳』と同じ作者による作品であり、その原点となった作品でもある。
当時の担当編集からは怪奇ものは売れにくいと言われていたが、最後になってもいいから好きなものを書こうと決め、手掛けた作品が『蛍火の杜へ』だった。
この作品が読者からの支持を得て、後に大ヒットとなる作品『夏目友人帳』の連載へと繋がったのである。
原作とは時系列が異なるアニメ映画版
原作漫画では、物語の始まりは蛍とギンが出会うところからである。しかし映画では、蛍は高校3年生で就職活動をしに、ギンのいる街へ向かうところからだった。
原作では出会いから始まり、そのまま時系列に沿って別れが描かれるのに対し、映画ではギンとの別れから数年経った蛍の回想として物語が描かれている。
映画版は、この構成により視聴者にどこか切ない別れを予感させ、儚くも美しいノスタルジーを感じさせる仕組みとなっている。
『蛍火の杜へ』の作品舞台のモデルは熊本県
作品のほとんどのシーンを占める、ギンと蛍が会う場所「山神の森」は、熊本県にある「上色見熊野座神社」である。
作中でもよく登場する鳥居や石段や灯籠などは、モデルとなった神社の異世界に迷い込んだような神秘的な雰囲気そのままに描かれている。
また上色見熊野座神社は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊邪那美尊(いざなみのみこと)、阿蘇大明神の荒魂「石君大将軍(いわぎみたいしょうぐん)」を祀っている。
『蛍火の杜へ』の主題歌・挿入歌
主題歌:おおたか静流「夏を見ていた」
作詞・作曲・編曲:吉森信
民族音楽からクラシックやジャズまでこなし、卓越したボーカルテクニックを持つおおたか静流による主題歌。
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目次 - Contents
- 『蛍火の杜へ』の概要
- 『蛍火の杜へ』のあらすじ・ストーリー
- 2人の出会いと夏の約束
- 最後の約束と別れ
- 『蛍火の杜へ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 竹川蛍(たけがわほたる)
- ギン
- 蛍の家族
- 祖父
- 母
- 妖怪
- 影
- ブナの手
- 獅子(しし)
- その他
- 亮太(りょうた)
- お面の子供・弟
- お面の子供・姉
- 祭り客の子供
- 『蛍火の杜へ』の用語
- 山神の森
- 山神様
- 妖怪たちの夏祭り
- 『蛍火の杜へ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 竹川蛍「なんかデートみたいですね」
- ギン「来年も来れるか?」
- ギン「来い!やっとお前に触れられる」
- 『蛍火の杜へ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『夏目友人帳』の原点となった『蛍火の杜へ』
- 原作とは時系列が異なるアニメ映画版
- 『蛍火の杜へ』の作品舞台のモデルは熊本県
- 『蛍火の杜へ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:おおたか静流「夏を見ていた」
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