電脳都市OEDO808(Cyber City Oedo 808)のネタバレ解説・考察まとめ

『電脳都市OEDO808』とは、1990年から1991年にかけて、マッドハウスによりOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)として制作された近未来SFアニメである。小説やコンピュータゲームもメディアミックスとして同時展開された。『妖獣都市』などを手掛けた川尻善昭が監督を務めた。西暦2808年の近未来、巨大な電脳都市「OEDO」を舞台に、闇に蔓延る悪を追う元犯罪者「機動刑事」が活躍するハードなストーリーが展開された。特に海外での人気が高く、本作をサイバーパンクアニメの代表作とする声も多い。

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『電脳都市OEDO808』の概要

『電脳都市OEDO808』とは、1990年から1991年にかけてOVAやコンピュータゲーム、小説など複数の媒体で展開されたメディアミックス作品である。原案をアニメやゲームの原作・脚本を手掛ける「六月十三」が担当した。

モチーフは「大江戸八百八町」で活動していた「岡っ引き」である。舞台を西暦2808年とし、世界最大の電脳都市となった日本の首都「OEDO」で繰り広げられる元犯罪者「機動刑事」達の活躍を描く。機動刑事は生涯を越える年数の刑期を課されており、犯罪者を摘発することで刑期を減免される。ある程度の自由はあるが、外せない「首輪」に仕掛けられた爆弾で常に生殺与奪を握られている。爆弾のタイマーが起動し、爆死するまでのタイムリミットが迫りながらも敢然と悪に立ち向かう展開が魅力である。

OVAは『妖獣都市』で一躍脚光を浴びた「川尻善昭」が監督を務め、鮮やかな陰影を駆使した独特の映像表現が好評を博した。第1巻『電脳都市OEDO808 Vol.1 古の記憶(いにしえのメモリー)』が1990年6月21日に、第2巻の『電脳都市OEDO808 Vol.2 囮の機構(おとりのプログラム)』が1990年12月28日に、第3巻の『電脳都市OEDO808 Vol.3 紅の媒体(くれないのメディア)』が1991年10月4日に発売された。VHSやベータマックス、さらにレーザーディスクやビデオCDなど複数の映像媒体で発売するという力の入れようで、さらに3巻分をひとつにまとめたDVDビデオが2005年9月に『コンプリートコレクション』として発売された。

OVAは海外でも根強い人気を得ており、BGMをハードロックに全面差し替えされた英語吹き替え版OVA『Manga UK版』が1994年秋頃から1995年初頭にかけて発売された。のちに大好評を得たBGMを収録したサントラCDが1995年1月に発売された。

時間軸的にOVAの前日譚にあたる小説版が、OVAで脚本を担当した「遠藤明範」著で出版された。ゲーム版のプロローグ部分を小説化し、賞金稼ぎだったセンゴクが機動刑事になるまでの顛末を描いた第1巻『電脳都市OEDO808 Vol.1 反逆の孤狼(はんぎゃくのベオウルフ)』が1990年12月に、第1巻の裏側で動いていたベンテンの活躍を描いた第2巻『電脳都市OEDO808 Vol.2 華麗なる堕天使(かれいなるルシファー)』が1991年3月に、同じくゴーグルの活躍を描いた『電脳都市OEDO808 Vol.3 魔眼の闘士(まがんのヘラクレス)』が1991年7月に発売された。

1991年3月15日には、PCエンジンCD-ROM2用ゲームソフト『CYBER CITY OEDO 808 獣の属性』が発売されている。プロローグに当たる序盤の展開は小説版第1巻と同様であるが、それ以降はオリジナルストーリーが展開される。

『電脳都市OEDO808』のあらすじ・ストーリー

古の記憶(OVA第1巻より)

世界最大の電脳都市「OEDO」。その中枢を担う超々高層タワー「電脳摩天楼」のシステムが突如として乗っ取られた。都市機能の停止したOEDOは大混乱となり市民はパニックとなる。しかしこれほどの事態を引き起こした犯人の正体は全くの不明だった。やがて犯人の狙いは電脳摩天楼の責任者である「デイブ・クロカワ」の身柄と判明する。機動刑事「センゴク」はクロカワに過去の殺人事件を自供させ、犯人の潜伏先とおぼしき電脳摩天楼の最深部を目指す。その間にも犯人は衛星軌道上からのレーザー攻撃や電脳摩天楼の倒壊をちらつかせ、クロカワの身柄を渡すように脅迫する。やがて最深部に辿り着いたセンゴクが見たものは、無数のケーブルが突き刺さる朽ち果てたミイラだった。かつてクロカワに殺された「アマチ・ヨシカズ」の怨念が電脳摩天楼の中枢コンピュータと融合し、今回の事件を引き起こしていたのだ。電脳摩天楼倒壊の危機が迫る中、全ての回避パターンを先読みされて絶体絶命のセンゴクだったが、全ての攻撃を避けずに突き進む特攻によりアマチを撃破する。同時に電脳摩天楼からクロカワが転落死すると、皮肉にも結果的にアマチの復讐は成就することになった。

囮の機構(OVA第2巻より)

機動刑事「ゴーグル」は犯罪者だった頃のパートナー「サラ」と再会する。追われていたサラが持っていたのは軍の最高機密データだった。「死体を改造して超能力サイボーグにする」という内容に、ゴーグルはサラの命が危険にさらされていることを悟る。その頃センゴクとベンテンも違法な人体売買の捜査を進めるうちに、軍の怪しい動きを察知する。サラをかばい軍から逃亡するゴーグルだったが、実は軍の回し者だったサラから銃を突きつけられる。軍の目的は超能力サイボーグ「MOLCOS」と、機動刑事であるゴーグルとを決闘させてデータを取ることだった。しかしかつての絆を思い出したサラは、裏切りの罪滅ぼしのためMOLCOSに立ち向かう。奮闘虚しく散ったサラの亡骸を抱えたゴーグルは、MOLCOSとの一騎打ちに応じる。あらゆる攻撃を跳ね返すMOLCOSに、ゴーグルは手も足も出ずさらに視覚を奪われる。鉄骨を振り回してなおも抵抗するゴーグルは、反響音がMOLCOSの動きを止めることに気づく。最後の力を振り絞って鉄拳を振るうゴーグルはついにMOLCOSを撃破した。MOLCOSを操っていた真の敵も倒し、サラの無念を晴らしたゴーグルだった。

紅の媒体(OVA第3巻より)

ある夜ベンテンは不思議な少女に出会い夜空の星について語らい心を通わせる。侵入不可能な密室で血を吸い尽くされて死ぬ「吸血鬼」事件を追うベンテンは、被害者が残したナンバーを元に冷凍治療施設に辿り着く。そこで眠る「マスダ=レミ」が事件に関係しているはずだったが、冷凍カプセルはもぬけの殻だった。そこで刺客に襲われたベンテンは、施設のオーナー「西園寺修造(さいおんじしゅうぞう)」が事件の裏にいることを確信する。同時に犠牲者達が開発していたのが「吸血鬼ウイルス」であることが判明する。ベンテンはあの夜に出会った少女の正体がレミだったことを知る。レミは吸血鬼ウイルスの実験台にされ、その復讐に走っていたのだ。ベンテンの説得も虚しく、黒幕である西園寺の元に向かったレミ。しかし「完全な吸血鬼」と化した西園寺に返り討ちにされる。自在にテレポートを繰り返しバラバラにされても再生する西園寺を前に、窮地に陥るベンテン。しかしゴーグルが完成した対吸血鬼用「ワクチン」で逆転し西園寺を倒した。全ての復讐が終わり死を望むレミと別れの口づけを交わしたベンテンは、彼女を冷凍カプセルで眠りに就かせ永遠の宇宙に旅立たせたのだった。

獣の属性(小説及びゲーム版より)

まだセンゴクが機動刑事になる前、賞金稼ぎとして世界中を駆け回っていた時代。センゴクは賞金首だったゴーグルとベンテンを追い、数年ぶりにOEDOに舞い戻る。そこで電脳警察治安局の局長「マクゼ・マラン」がその権力を使い、裏社会を牛耳って私利私欲の限りを尽くしていることを知る。センゴクはOEDOを探索するうちに、下層民に扮して潜入捜査をしていた機動刑事「来栖魔矢(くるすまや)」に出会う。魔矢はセンゴクの捜査能力に着目し機動刑事になるようにスカウトする。しかし自由を愛するセンゴクはすげなく断る。魔矢は電脳ネットワークを麻痺させるためのウイルス散布計画をキャッチする。証拠を掴むべくマクゼの私兵「保安隊」の本部に潜入する魔矢だったが、それはマクゼの罠だった。魔矢を人質にしておびき寄せたセンゴクの目前で、ウイルスを散布しようとするマクゼだったがスイッチは反応しなかった。愕然としているマクゼの脳天をセンゴクの放った弾丸が貫いた。暴行されて瀕死の魔矢は、センゴクに機動刑事になるように懇願すると息を引き取る。多くの罪状を背負ったセンゴクは、ゴーグルやベンテンと共に機動刑事として犯罪者と戦う道を選ぶのだった。

『電脳都市OEDO808』の登場人物・キャラクター

主人公/機動刑事

OVA第1巻の冒頭で「機動刑事」として任命された3人。皆刑期が300年程度であり、本来なら衛星軌道上にある「高軌道刑務所」で一生を終えるのが確実な重犯罪者だった。A級電脳犯罪者の検挙数に応じて刑期を短縮するという条件で犯罪捜査に従事する「機動刑事」制度が適用されて仮釈放されている。身分と権限を示すために特殊警棒「十手」が支給され、逃走防止のために爆弾付きの「首輪」が装着される。作中の描写を見る限り犯罪者として一般人から忌避されている様子はないが、同じ犯罪者からは激しい憎悪を向けられており、官憲の「犬」と呼ばれ蔑まれる。

センゴク/千石旬介(せんごくしゅんすけ)

センゴク/千石旬介

CV:石丸博也
電脳警察犯罪捜査局に所属する機動刑事。「旧東京」出身の25歳。OVA第1巻『DATA-1 古の記憶(メモリー)』、ゲーム『CYBER CITY OEDO 808 獣の属性』、小説第1巻『反逆の孤狼(はんぎゃくのベオウルフ)』にて主役を務める。

リーゼント風の髪型がトレードマーク。武器は特殊警棒「十手」以外に、44口径マグナム弾を使用するリボルバー拳銃「ナンブ&ルガーM77」を使用する。高い状況判断力から繰り出す臨機応変な戦法に加え、追い詰められた時に発揮する強烈な闘争本能が持ち味。その反面、新人局員「オキョウ」を何気ない言葉で勇気づけるなど、優しい一面も見せる。

小説『Vol.1 反逆の孤狼』及びPCエンジンCD-ROM2用ゲームソフト『CYBER CITY OEDO808 獣の属性』はOVAの前日譚となっており、賞金稼ぎだったセンゴクがいかにして機動刑事になったかが描かれている。前職は賞金稼ぎだったが、電脳警察の下部組織である「保安隊」とのトラブルで逮捕される。これらの罪で起訴され有罪判決を受け、「375年の懲役刑」を宣告される。絶対脱獄不可能とされる「高軌道刑務所」にて服役していたが、第1巻冒頭で電脳警察捜査局の局長「デカチョウ」からのスカウトを受け、機動刑事として犯罪者を追う日々を開始する。なぜかコードネームに本名を使用しているが理由は不明。

有罪とされた罪状は殺人・傷害から通貨証券データベース偽造、果ては道交法違反や福祉法違反など幅広い。

移動にはパトランプが付いた内燃機関のスポーツカーを愛用している。これには「ヴァーサス」を格納する機構が備わっている。

ゴーグル/蛾眉丸力也(がびまるりきや)

ゴーグル/蛾眉丸力也

CV:玄田哲章
電脳警察犯罪捜査局に所属する機動刑事。OVA第2巻『DATA-2 囮の機構(プログラム)』と小説第3巻『魔眼の闘士(まがんのヘラクレス)』では主役を務める。「海上都市PX-73」出身の28歳。

横一文字のスリットが入ったゴーグルがトレードマーク。202センチの巨体にモヒカン刈り、さらに傷だらけの顔面と、主人公3人の中でも飛び抜けて剣呑な風体をもつ。しかしその人柄は理知的で、女性に対する配慮を忘れない紳士である。重火器を軽々と扱う怪力と、戦闘用サイボーグと生身で渡り合う驚異的なタフネスが最大の武器。その反面得意分野は「ハッキング」や「化学分析」であり、電脳と一体化した「アマチ・ヨシカズ」と互角の電脳戦を繰り広げたり、断片的な研究情報から新しい「ワクチン」を作り出したりと頭脳戦でも活躍する。最大の弱点は視力で、電子義眼を納めたゴーグルを破壊されると視界を奪われてしまう。

前職はスーパーヘビー級のプロボクサーで世界チャンピオンだったが、試合中のアクシデントで両目を負傷し引退した。その後身につけたクラッキング技術を使い電脳犯罪者となる。OVA第1巻冒頭ではすでに収監され「懲役310年の刑」に服していたが、デカチョウのスカウトで機動刑事となる。クラッキング行為では足が付かなかったのか、罪状に関しては殺人や傷害、破壊行為についてがほとんどである。

プライベートは大型のキャンピングカーで過ごし、紙の書籍を読み耽るのを趣味としている。

ベンテン/メリル柳川(メリルやながわ)

ベンテン/メリル柳川

CV:塩沢兼人
電脳警察犯罪捜査局に所属する機動刑事。23歳。OVA第3巻『DATA-3 紅の媒体(メディア)』と小説第2巻『華麗なる堕天使(かれいなるルシファー)』では主役を務める。

女性と見まごう美貌と独特の美意識が特徴。普段はクールを貫くが、悪を憎み自分が心惹かれたものを侮辱されると激昂する。武器は十手の他に、大型車両すら両断するワイヤーを操る。しなやかな体捌きと俊敏な動きで敵を翻弄するが、負傷で動きが鈍ると戦闘力が低下する。侵入した施設に爆発物を仕掛けて万が一に備えるなど用心深い一方、夜空の星の並び方で吉凶を占う習慣がある。

刑期は3人の中で1番短い295年。唯一宇宙に関する法(宇宙航空法違反)を犯している。出身地は地球外管轄区「エルシオンXI」とされるが真偽不明であり、電脳警察でも出自の裏付けを取れていない様子。作中でも過去についてはほぼ全く語られないなど謎の多い人物である。

移動にはホバータイプのスーパーカーを愛用する。

電脳警察犯罪捜査局の関係者

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