ウサビッチ(USAVICH)のネタバレ解説・考察まとめ

『ウサビッチ』とは、カナバングラフィックス製作のアニメーション作品。2006年~2015年にシーズン1~5と前日譚のシーズンZEROが発表された。2006年に文化庁メディア芸術祭短編アニメーション部門入賞。刑務所で服役中の「プーチン」と「キレネンコ」は、刑務所での生活をマイペースに楽しんでいた。しかしキレネンコは欲しいシューズを手に入れるために脱獄するのであった。

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『ウサビッチ』の概要

『ウサビッチ』とは、カナバングラフィックス製作のアニメーション作品。
2006年にシーズン1、2007年にシーズン2、2008年にシーズン3、2011年にシーズン4、2012年にシーズン5、2015年にシーズンZEROが発表された。
MTV Japan局のMTV FLASHER枠で放送し、ポニーキャニオンからDVD化された。
携帯電話での視聴を見込んだため、一話一話が短いショートアニメになっている。

2006年に、文化庁メディア芸術祭短編アニメーション部門に入選。
翌年2007年にはオタワ国際アニメーション映画祭成人向けTVアニメーション部門に入選した。

稀に日本語のようなロシア語のような単語が出るが、ハッキリした会話は無く、BGMや効果音そしてジェスチャーで話が進んでいく。
刑務所で服役しているウサギ「プーチン」と「キレネンコ」の、シュールでドタバタとした生活を描く。

キャラクターが動物であるためマスコット的な人気も高く、グッズ展開も豊富で、ムック本なども発売された。

『ウサビッチ』のあらすじ・ストーリー

シーズン1

刑務所の相部屋で暮らしているプーチン(左)とキレネンコ(右)

本作の舞台は、1961年まだソビエト連邦だった頃のロシア。
陽気でマヌケなウサギ「プーチン」と、マイペースでキレると怖いウサギ「キレネンコ」は刑務所で相部屋であった。
トイレにはカエルの「レニングラード」がいて、プーチンのペットとなる。
刑務所の中だと言うのに何故か楽しげなプーチンと、自宅のように寛ぐキレネンコであるが、そんな二人を良く思わない看守である「カンシュコフ」は二人を苛めようとする。
プーチンはともかく、キレネンコはキレさせるとカンシュコフでも手がつけられないため、カンシュコフはなかなかキレネンコをギャフンと言わせられない。
囚人に労働をさせる「ロウドウフ」は二人に労働を強いて、労働の賃金を払う「ゼニロフ」は二人が貰うはずのお金をピンはねする。
労働の内容はヒヨコの性別選別であるが、この時に男でも女でもないオカマヒヨコ「コマネチ」が現れる。
処刑担当の看守「ショケイスキー」は、キレネンコの処刑を試みるが失敗する。
そんな面白おかしい監獄生活の中で、キレネンコはずっと真剣にスニーカーの雑誌を読んでいた。
キレネンコはシューズコレクターだったのである。
星のついたスニーカーを雑誌で発見すると、そのスニーカーを手に入れるために刑務所の壁を破壊し脱獄した。
キレネンコが壁に穴を空けて脱獄した事でプーチン達も巻き込む形になり、プーチン・レニングラード・コマネチもキレネンコに付いて行く事になった。

シーズン2

脱獄したプーチンとキレネンコは、近くにあったカンシュコフの車「モスクビッチ」を奪って逃走する。
そしてロシアの民警「ミリツィア」で、射撃の名手の「ボリス」と運転手の「コプチェフ」のコンビが、脱獄犯のプーチンとキレネンコを処刑するために車で追いかける。
ボリス達はあの手この手でどうにかキレネンコを殺そうと試みるが、ことごとく失敗してしまう。
前半はキレネンコが運転をし、プーチンがモスクビッチを高速で改造したり、瀕死になったキレネンコを蘇生させたりしながら対策を取った。
後半は執拗に狙ってくるボリス達にいい加減キレたプーチンが直接二人の相手になり、その間プーチンが運転をした。
そしてプーチンとキレネンコはボリスたちを撃退し、街へ行った。

シーズン3

キレネンコは、御所望である星のついたシューズが売っているデパートに辿り着いた。
しかしこのデパートはロシアンマフィアの巣窟で、デパートの経営者である「ズルゾロフ」は、シューズを買おうとするキレネンコからシューズを取り上げて挑発する。
ズルゾロフはかつてキレネンコとキレネンコの兄「キルネンコ」の部下であったが、二人を裏切って爆殺した。
その爆発で死んだ(死にかけた?)キレネンコとキルネンコは体を継ぎ合わせ、現在のキレネンコになった。
ちなみに、キルネンコもキレネンコと同じように体を継ぎ合わせて、兄弟で体のパーツ交換をした形で生きているようである。
プーチンとキレネンコは、ズルゾロフが仕掛ける罠や刺客を潜り抜けていく。
道中キレネンコは瀕死になるが、プーチンがメカキレネンコを作って誤魔化しながらキレネンコを復活させる。
そしてキレネンコはズルゾロフの元まで辿り着き、ズルゾロフを倒し、目的であったシューズを手に入れた。
ズルゾロフは沢山の犯罪行為をしていたため、ボリス達に逮捕された。

シーズン4

プーチンとキレネンコは、ズルゾロフが住んでいたデパートにそのまま住み着く。
キレネンコは相変わらずシューズ雑誌を見て寛いでいて、プーチンは壊れてしまったメカネンコを修理する。
テレビ電話でキルネンコが登場するが、キレネンコは全く関心が無く電話を切ってしまった。
プーチンの発明で様々なハプニングを起こしながら、二人は意気揚々と生活を送る。
しかしこの生活は長く続かず、ボリス達に発見されてしまい再び逃亡生活に入る事になった。

シーズン5

プーチンとキレネンコは逃亡の最中森へ迷い込む。
森にあった大きな木の近くで二人はキャンプをするが、キレネンコのスーツケースを盗もうとする者がいた。
それは森の怪人「ケダムスキー」であった。
ケダムスキーはキレネンコが鞄の中で栽培している人参を盗み食いしようと、プーチンたちを付け狙う。
メカネンコはシーズン4の最終話でモスクビッチと合体してメカネンコ2号になっていた。
メカネンコ2号はキレネンコと同じくシューズコレクターであり、事あるごとにキレネンコの靴を奪うためにキレネンコを攻撃する。
これまでのキャラとは違い俊敏で狡賢く身体能力が高いケダムスキーと、知力のある機械がキレネンコの敵となる。
ケダムスキーとメカネンコ2号がキレネンコにちょっかいを出し、キレたキレネンコにいつも返り討ちにされていた。
そしてレニングラードの父「ミハイル」が登場する。
ミハイルは大きなカエルで動く物を何でも口に入れてしまう習慣があり、キレネンコとケダムスキーとメカネンコ2号を食べてしまう。
プーチンも食べられそうになるが、レニングラードの説得によりプーチンは見逃された。
プーチンがキレネンコを救出しようとミハイルにくしゃみさせると、キレネンコ達と一緒にキレネンコの兄キルネンコが出てきた。
キルネンコもどこかでミハイルに食べられていたのである。
キレネンコとキルネンコの兄弟はしばし一緒に居たが、お互いに関心は無く、キルネンコはメカネンコ2号のミサイルがぶつかり何処かへ飛ばされて行ってしまった。
最終話ではケダムスキーが行動が早くなるキノコを食べてキレネンコの鞄を奪い逃走し、キレネンコがそれを追いかけるが、メカネンコ2号の策略よって二人は空高く飛んでいった。
キレネンコが居なくなった事に気づいたプーチンは、メカネンコ2号を改造して空を飛べるようにし、レニングラードとコマネチと共にメカネンコを探しに行った。

シーズンZERO

シーズン1の前日譚。1話が「-12話」、2話が「-11話」とされ段々とシーズン1の1話へ近づいていくようになっている。
本編の三年前である1958年、ズルゾロフによって爆殺され体を継ぎ接ぎされて意識を取り戻したキレネンコは、刑務所に収容されていた。
キレネンコは全身包帯グルグルの姿で、動きもカクカクし、自分で上手く体を動かすことが出来ない状態であった。
それを良い事にカンシュコフ達はキレネンコに嫌がらせをしようとするが、キレネンコは体が上手く動かずとも力は異常に強いため、毎回失敗に終わる。
キレネンコはカンシュコフを吹っ飛ばして倉庫へ行き、収容の際に押収されてしまった鞄とその中にあったシューズと雑誌を手に入れる。
刑務所の中にはキルネンコも居て(ただし囚人番号をつけていない)、自分の片方の靴と、キレネンコの片方の靴を交換しに来た。
その後、キレネンコの独房の隣には、二日酔いで仕事をサボって牢獄に入れられたプーチンが収容された。
プーチンも同じくカンシュコフから嫌がらせを受ける。
キレネンコとプーチンの独房の間の壁の隙間には、まだカエルとおたまじゃくしの間のレニングラードが住んでいて、プーチンに餌を貰ったことでカエルとして大きく育つ。
そのためプーチンに対して好意を抱いていていて、プーチンがカンシュコフに苛められると、隣の独房のキレネンコを巻き込んでプーチンを助けた。
さらにキレネンコの独房にはコマネチの母が迷い込んでいた。
プーチンは、カンシュコフたちをいつもヒーヒー言わせている隣の独房が気になっていた。
そして二人は出会い、物語はシーズン1へ行く。

『ウサビッチ』の登場人物・キャラクター

主要人物

プーチン/Путин/Putin

CV:上野大典

本作の主人公の一人であるウサギ。ロシアの大統領ではなく、囚人番号541番の囚人である。
その可愛らしい容姿に反して、罪状は「無断欠勤」という奇妙なものだった。
舞台は1960年代、まだソビエト連邦と呼ばれていた時代のロシア。もともとは真面目な労働者であったが、とんでもなくお酒に弱く、二日酔いで仕事を一日休んでしまった。それが社会主義が厳しく幅を利かせていた時代背景もあり「お前、資本主義者だろう!」という理不尽なレッテルを貼られ、懲役三年の刑を受けることとなった。
そもそも休んだのはったの1日。元は体勢にのっとり、まじめに仕事をしていた。それは服役囚になっても、「脱獄」して追われる身となっても変わらない。
また、本人は独房でも衣・食・住が確保されている現状を「タダメシが食べられる」と取り立てて気にする様子もなく、むしろ楽しそうに過ごしている。隣の独房に居たキレネンコを気に入ったのか相部屋になった。1961年8月26日に出所予定であったが、その前に脱獄したキレネンコに付いて行ってしまったため、脱獄犯として追われ、1ルーブル(日本円で3円くらい)の賞金をかけられた。

性格は陽気でマヌケでビビり。優しい。リズム感が良く、作中ではコサックダンスを踊っている。魚を食べようとすると必ず尾びれでペチペチとビンタされ続けて食べることが出来ない不運な面もある。様々なトラブルに巻き込まれ、また巻き起こしては、よく青ざめている。

特筆すべきはその理系男子ぶりであり、一瞬で光線銃をおもちゃのピストルに改造し、車を直し、ロボットを作り、果ては死者までよみがえらせるほどの天才的な技術を持つ。シーズンまるまる彼の発明品が登場するエピソードがあるほどで、特に機械分野に精通している。一日仕事を休んだだけでこれほど優秀なエンジニアを牢獄へ追いやったことは、国にとって計り知れないほど大きな損失と言える。その機転で危機を回避することも多いが、一方で、自身のドジでキレネンコを瀕死に追い込んでしまうこともある。料理も得意なのか、作中で料理している場面が多い。

キレネンコに対しては恐れつつも面倒を見ていて、尽くす姿が度々見受けられる。プーチンは出所の日、キレネンコに巻き込まれる形で「脱獄」する羽目になるが、何故か逃げることもせず、キレネンコが「死んだ」際は蘇生を試みるほどである。それは「強いキレネンコに守ってもらうため」ではない。彼らなりの絆があるのだろう。
基本的にキレネンコはプーチンに対して我関せずで、怒る場面も少ないが、愛読する雑誌に穴を開けてしまった時は激しく凄まれた。独房では角砂糖をおやつにしていたが、カエルのレニングラードにも分け与えており、彼に懐かれている。シーズン3ではメカネンコを、シーズン5ではメカキレネンコ2号を完成させた。

キレネンコ/Кирененко/Kirenenko

CV:森村新人→(シーズン4から)上野大典

本作の主人公の一人であるウサギ。囚人番号04番。元々は双子の兄キルネンコと共にマフィアのボスであったが、ズルゾロフによる爆殺を受け、バラバラになったキルネンコと体を継ぎ合わされて復活し、死刑囚として刑務所に入れられた。
シーズンZEROでは全身を包帯で巻かれた姿で動きもぎこちなかったが、シーズン1以降はプーチンと同室になる。お目当ての星がついた赤いシューズを求めて脱獄し、1千万ルーブル(日本円で3千万円くらい)という高額な懸賞金を懸けられる身となった。シーズン3では宿敵ズルゾロフを倒し、念願のシューズを手に入れている。

生粋のシューズコレクターであり、シューズのことになると我を忘れがちになる。普段は大人しく冷静で、大抵の事にはノーリアクションを貫く泰然自若としたマイペースな性格だが、一度怒らせると怖いというレベルを超えた超人的なパワーで制裁を加える。さらに怒りが頂点に達すると「スーパーキレネンコ」へと変貌し、雄たけびを上げながら怪物のような形相で暴れまわる作中最強の能力者である。

身体能力は非常に高いが、頭の継ぎ目は脆く、ちょっとした刺激で外れて死んでしまうため、作中で何度も瀕死の状態になる。しかし、スーパーキレネンコ状態であればレーザーで三等分にされても自力で再生が可能。通常時は、プーチンが外れた箇所を繋ぎ合わせたり蘇生行為を行ったりすることで、すぐに生き返る。プーチンのドジで瀕死になることもあるが、プーチンはキレネンコが死ぬたびに熱心に蘇生を試みており、それは単に強い彼に守ってもらうためではない、彼らなりの絆が感じられる。

好物はニンジンで、常にフォークとナイフを使って行儀良く食べる。鞄の中でニンジンを栽培するほどのこだわりを持つ。毒を食べても平気だが、眠りきのこの匂いを嗅ぐと眠ってしまう。きのこと魚は嫌いな様子。プーチンに対しては当初は無関心であったが、運転やサポートを任せるなど、今では彼を煙たがる描写はない。双子の兄キルネンコとはお互いに無関心だが、行動パターンや嗜好は全く同じである。また、ケダムスキーやボリスなど、自分に危害を加える者に対しては一切の容赦がない。

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