境界の彼方(ラノベ・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『境界の彼方』とは、鳥居なごむによる日本のライトノベル、及びそれを原作としたテレビアニメ作品である。アニメは2013年10月から12月まで全12話で放送され、アニメの続編として2015年に劇場版が2作公開された。半妖夢で不死身の身体を持つ神原秋人と妖夢を討伐することを生業とする異界士・栗山未来が出会うことで始まる青春物語である。高校生として穏やかな日常もありつつ、異能力を使ったバトルシーンが見どころとなっている。
虚ろな影との戦闘にて未来が圧倒して弱らせるも、秋人は虚ろな影に取り憑かれてしまう。秋人は不死身の身体を利用して未来に自分を刺すように言うが、未来は躊躇していた。その様子を見た秋人は「倒したって何も変わらない。その体に流れる血もおかれた場所も何一つ変わりはしない。でも栗山さんはここに来たんだ。だったら貫け!虚ろな影なんかに屈するな!」と叫ぶ。
秋人は半妖という周りとはあまりにも違う異質な存在であり。過去には暴走して人を襲ってしまったこともあるという事情を抱えている。未来も普通の異界士とは違っており、親友を手にかけるという過去も持っており自分の存在意義を見失い悩んでいた。
そんな未来の気持ちを誰よりも分かる秋人だからこそ、説得力があり未来の心に響いたセリフである。
栗山未来「きっと先輩怒ると思います。私がこんなことしたって聞いたら、何も分かってないって、あの時みたいに。ざまあみろです」
未来は、内に潜む境界の彼方が暴走してしまった秋人を討伐しなければいけない状態にあったが、どうしても秋人を殺したくはなかった。そこで泉から殺す以外の方法として、自分の血と身体全てを犠牲にすれば秋人から境界の彼方を追い出せることを教えてもらう。しかし秋人のことは救えても未来は消滅してしまう方法なのであった。
当然のように実行しようとする未来に泉は「秋人くんはあなたに生きてほしいと思っているのよ」と言うが、未来は「きっと先輩怒ると思います。私がこんなことしたって聞いたら、何も分かってないって、あの時みたいに。ざまあみろです」と笑顔で返すのだった。
未来は、出会った当初は秋人のことを妖夢と認識して殺そうとし、誰とも関わらず1人で生きていこうとしていた。しかし秋人も自分と同じように普通と違う異質な存在であるという事情を抱えていることを知り、それでも周りと関わって生きていく秋人の姿を見て考えを変えていく。そうして秋人と関わっていくうちに、秋人は未来にとって大切な存在となった。孤立して生きていくことを望んでいた未来が、自分のことを犠牲にしてでも助けたいと思うようになったことが分かるセリフである。
『境界の彼方』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
物語の聖地は奈良県
『境界の彼方』の舞台となっている長月市は奈良県がモデルになっている。橿原神宮前駅は秋人や未来が通学に利用する駅、聖心学園中等教育学校は秋人たちの通う学校のモデルである。その他にも駅近くの踏切や公園など、アニメ本編で登場する場所に多くあり、聖地巡礼を楽しむことができる。
橿原神宮前駅の近くにある喫茶店は、聖地巡礼に来たファンがよく立ち寄る場所となっており、原作作家やファンが描いたイラストなどが飾られている。
第0話は秋人・博臣・美月の出会いの物語
『境界の彼方』本編から2年前、博臣は泉から不死身の半妖である秋人の討伐を依頼される。そうして秋人のいる土地へ向かう博臣と追いかけてきた美月は、秋人に出会うのだった。
そこで博臣は秋人との戦いを経ていろんな妖夢がいるのだと気づくことになる。
そして後に秋人を監視するという目的も兼ねて同じ街に住み、同じ学校に通う友達になるのだった。
『境界の彼方』は石立の監督デビュー作
アニメの監督を務めた石立太一は、『境界の彼方』でアニメ監督のデビューを果たした。
石立はそれまでに『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』『氷菓』『中二病でも恋がしたい!』など多くの京都アニメーション作品にて演出や絵コンテを手掛けてきた。
本作のテーマは「愛」だとし、人にとって誰かに愛されていた記憶がとてもポジティブなエネルギーになるというメッセージを作品に落とし込んでいる。
秋人と未来はそれぞれの半妖と呪われた血の一族で、普通と違うという事情を抱えている。2人が向かう運命は過酷ではあるが、気づかないうちに家族や友人の愛に包まれていたのだった。石立は親から受ける無条件の愛などは、人生において支えとなり、自分を肯定するためにも大きな要素となると述べている。
『境界の彼方』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング):茅原実里「境界の彼方」
作詞:畑亜貴 作曲・編曲:菊田大介
美月役の茅原実里が歌うオープニング曲。
ED(エンディング): STEREO DIVE FOUNDAITION「 Daisy」
作詞・作曲・編曲:STEREO DIVE FOUNDAITION
作詞・作曲・編曲において多方面で活動しているR・O・Nが手掛けるサウンドメイキングプロジェクトの「STEREO DIVE FOUNDAITION」によるエンディング曲。
イメージソング:茅原実里「NO LINE」
作詞:畑亜貴 作曲・編曲:菊田大介
当初はオープニングとして制作されたが、『境界の彼方』を青春物語にしたいという制作側の意向でオープニングは新しく作られることになり、本曲はイメージソングとして起用されることになった。
挿入歌:妖夢討伐隊「約束の絆」(第6話)
作詞:小田倉奈知 作曲:俊龍 編曲:高橋諒
女性好きの妖夢を倒すため、油断させる作戦としてアイドルのように歌って踊った際に使用した曲。歌唱は未来と美月、愛が担当した。
劇場版(未来篇)主題歌:茅原実里「会いたかった空」
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目次 - Contents
- 『境界の彼方』の概要
- 『境界の彼方』のあらすじ・ストーリー
- 眼鏡美少女との出会い
- 秋人の正体
- 境界の彼方
- 決着(『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE- 未来篇』)
- 『境界の彼方』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 神原秋人(かんばらあきひと)
- 栗山未来(くりやまみらい)
- 名瀬美月(なせみつき)
- 名瀬博臣(なせひろおみ)
- 峰岸舞耶(みねぎしまいや)
- 異界士関係者
- 名瀬泉(なせいずみ)
- 新堂彩華(しんどうあやか)
- 新堂愛(しんどうあい)
- 二ノ宮雫(にのみやしずく)
- 藤間弥勒(ふじまみろく)
- 伊波唯(いなみゆい)
- 真城優斗(ましろゆうと)
- 楠木右京(くすのきうきょう)
- 永水桔梗(えいすいききょう)
- 一ノ宮庵(いちのみやいおり)
- 秋人の家族
- 秋人の父
- 神原弥生(かんばらやよい)
- その他
- 伊波桜(いなみさくら)
- ヤキイモ
- 篠崎夏菜(しのざきかな)
- モグタン
- 『境界の彼方』の用語
- 妖夢(ようむ)
- 虚ろな影(うつろなかげ)
- 妖夢石(ようむせき)
- 半妖(はんよう)
- 異界士(いかいし)
- 異界士協会(いかいしきょうかい)
- 名瀬家(なせけ)
- 檻(おり)
- その他
- 長月市花野寺町(ながつきしはなのでらちょう)
- 『境界の彼方』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 神原秋人「とにかくあなたのようにメガネが似合う人が死んではいけない!要するにメガネが大好きです!」
- 神原秋人「倒したって何も変わらない。その体に流れる血もおかれた場所も何一つ変わりはしない。でも栗山さんはここに来たんだ。だったら貫け!虚ろな影なんかに屈するな!」
- 栗山未来「きっと先輩怒ると思います。私がこんなことしたって聞いたら、何も分かってないって、あの時みたいに。ざまあみろです」
- 『境界の彼方』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 物語の聖地は奈良県
- 第0話は秋人・博臣・美月の出会いの物語
- 『境界の彼方』は石立の監督デビュー作
- 『境界の彼方』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):茅原実里「境界の彼方」
- ED(エンディング): STEREO DIVE FOUNDAITION「 Daisy」
- イメージソング:茅原実里「NO LINE」
- 挿入歌:妖夢討伐隊「約束の絆」(第6話)
- 劇場版(未来篇)主題歌:茅原実里「会いたかった空」