ラム(うる星やつら)の徹底解説・考察まとめ

ラムとは漫画『うる星やつら』に登場するメインヒロインである。虎柄のビキニを常に着用し、雷様の様な角が特徴である。元々は地球を侵略しに来た宇宙人であり、主人公の諸星あたると、地球の命運を賭けた鬼ごっこを展開した。結果的に諸星に敗北し、且つ彼にプロポーズされたと勘違いする。以降は諸星を「ダーリン」と呼び、彼に猛烈なアプローチを仕掛けた。また雷を操る超能力を持っており、浮気性で多くの女性を口説きまくる諸星を度々電撃で懲らしめる。最後は諸星と喧嘩しながらも、本心では互いを想い合う温かい関係を築き上げた。

「うち、ここで暮らすっちゃー!!」

ラムは諸星に押しかけ女房をし「うち、ここで暮らすっちゃー!!」と彼を抱き締めた。主人公に好意を持った可愛い女の子がセクシーな格好で家に押しかけ、抱き付きながら同棲宣言をするこのシーンは男心を掴んでくる。ラムの魅力が現れているシーンである。

「ダーリンかわいそう…」

クラスメイトの男子友達に揶揄われ、偽のラブレターで、諸星は来もしない女の子を待ち続ける。その様子を陰ながら見ていたラムは「ダーリンかわいそう…」と、涙を流すのであった。

いつものラムは浮気をする諸星に嫉妬して雷を落とす。だが、彼が笑い物にされそうな状況を想い、悲しむ優しさを見せた。更にこの時の諸星は架空の女子とはいえ浮気をしている状況である。それにも関わらず、ラムは彼の事を想って悲しむのである。

何処までも真っ直ぐに諸星を愛するラムの姿を、よく表現している名シーンである。

「バイバイ」

日常生活を過ごしていたラムと諸星。だが、突然彼女は自分の手作り人形を彼に渡す。そして「バイバイ」と一言残し、ラムは何処かへ去ってしまった。この日から暫く、彼女は行方不明になってしまう。

当たり前に、側に居たラムが突然姿を消してしまう衝撃の話である。諸星達はラムが母星に帰ってしまったと嘆き悲しむのであった。だが、彼女はパスポートの書き換えに母星に帰っただけであったのである。

「うちも幽霊になろうかな!」

諸星は、幽霊少女の望の未練を晴らすべく、彼女とデートをする。望はクリスマス前に亡くなった為、感覚が冬のままであった。これにより諸星は彼女からセーターやマフラーを受け取り、身に付ける事となる。だが季節は春であり、これらの防寒着を着るには暑すぎる時期であった。それでも諸星は彼女の為に、熱さを我慢して防寒着を着込む。最終的に望は満足して成仏を果たした。

ラムは諸星と望のデートを影ながら見ていた。望が成仏した後、ラムと諸星は一緒に帰る。彼女は望に尽くす諸星の事を羨ましがっていた。そして「うちも幽霊になろうかな!」と、彼に言うのであった。

この回では、普段は諸星が浮気をする度に怒るラムが、望の事情を知ってデートを許可する優しさが描かれている。このセリフはこの回の締めの名言であり、ラムの優しさと諸星への愛が込められている。

「うちと勝負するっちゃ。」

物語終盤、ルパの策略で彼と結婚する事となったラム。そこへ諸星達が駆け付け彼女を救出しようとするも、諸星との行き違いが原因で、痴話喧嘩に発展してしまう。話は拗れ、地球は巨大キノコに侵略され始める。そこでラムとルパが現れ、巨大キノコを駆除できる宇宙豚の性能を見せつけた。だがラムは素直にその豚を貸そうとせず「うちと勝負するっちゃ。」と、諸星へ宣戦布告をする。

メインヒロインのラムが、ラスボスとして立ちはだかる衝撃的なシーンである。

諸星と抱き合うシーン

諸星に勝負を挑んだラムは、彼に「好きだ」と言わせられなければ、地球人の記憶から自分に関する記憶を全て消そうと決意していた。だが、諸星は意地を張って「好きだ」と言おうとしない。そんな彼に、ラムは「自分の事が嫌いになった」と思い、悲しんでしまう。

鬼ごっこ最終日。満身創痍で倒れた諸星の手から、ラムの抜け落ちた角が転がり落ちる。それを見た彼女は、諸星が自分の事を想い続けていた事に気付き、彼の胸に飛び込むのであった。

ラムの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ラムの声優は平野文(旧作)・上坂すみれ(新作)

旧作版声優平野文

ラムの声優は旧作(1981年から2008年まで作成されたテレビアニメ及びOVA、関連シーリーズ)と新作(2020年以降に作成されたテレビアニメシリーズ)で異なる。

平野文(ひらの ふみ)は1981年に、アニメ『うる星やつら』でラムの声優を務めた人物である。元々は女優として活動していたが、本作で声優としてデビューした。いきなりメインヒロイン役に抜擢され、後に同アニメは80年代を代表する作品となる。また放映終了後もその人気は続き、2008年にはOVAが作成された。その際も平野がラム役を務めている。

平野は他にも『うる星やつら』の著者高橋留美子原作のアニメ作品に出演している。2003年に『高橋留美子劇場』の「専務の犬」でカンナ役を演じた。2015年には同作者の『境界のRINNE』で、ヒロイン・真宮桜の母親役を演じる。高橋は平野の作品への再出演に喜びのコメントを表明した。

2020年に制作された『うる星やつら』のリメイクアニメで、平野はラムの母親役で出演を果たす。ラムとその母親役という、親子2代の役を演じた稀有な例となった。一時、インターネットではその事が話題となっている。

上坂すみれ(かみさか すみれ)は2020年に制作されたアニメ『うる星やつら』のラム役を演じた人物である。かつて一世を風靡した当作品のメインヒロインであるラム役を、オーディションで勝ち取った。

上坂は神奈川県出身であったが、9歳の時にスカウトされて子役タレントとして芸能活動を始める。芸能活動の傍ら、鎌倉女子大学付属中学・高校で12年間に渡って通学した。ロシア語に興味を持ち、大学ではロシア語学科を専攻している。

2011年から声優として活動を始め、数多くの作品に出演した。代表作は『中二病でも恋がしたい!』、『アイドルマスター シンデレラガールズ』、『スター☆トゥインクルプリキュア』、『イジらないで、長瀞さん』、『ガールズ&パンツァー』等があり、脇役から主役まで幅広く活躍している。

路線変更でメインヒロインとなったラム

本作『うる星やつら』のメインヒロインであるラムは、当初1話限りのゲストキャラになる予定であった。これは『うる星やつら』が当初は5回の短期連載の作品となる予定であった為である。初期の話の流れとしては、主人公の諸星あたるとヒロインの三宅しのぶを中心に、様々な変な人達が登場していくオムニバス形式にしていく予定であったとの事。その為、ラムは第2話で登場していない。だが、作者の高橋留美子は第3話目でコンテに行き詰まり、苦肉の策としてラムを再登場させたのであった。

上記の経緯によりラムがメインヒロインとなり、本作の看板キャラクターとして活躍していく事となる。

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