ラム(うる星やつら)の徹底解説・考察まとめ

ラムとは漫画『うる星やつら』に登場するメインヒロインである。虎柄のビキニを常に着用し、雷様の様な角が特徴である。元々は地球を侵略しに来た宇宙人であり、主人公の諸星あたると、地球の命運を賭けた鬼ごっこを展開した。結果的に諸星に敗北し、且つ彼にプロポーズされたと勘違いする。以降は諸星を「ダーリン」と呼び、彼に猛烈なアプローチを仕掛けた。また雷を操る超能力を持っており、浮気性で多くの女性を口説きまくる諸星を度々電撃で懲らしめる。最後は諸星と喧嘩しながらも、本心では互いを想い合う温かい関係を築き上げた。

ラムの一族は全員角が生えている。この角は成長過程で生え変わる為、一時は抜け落ちたりした。また薬品で柔らかくする事も可能であり、ラムは自分の正体を隠す際に、角を柔らかくしていた。

ラムは2本角であるが、従兄弟のテンは1本角である為、個体差がある。

彼女達にとって角はとても重要なものであり、角が封印されていると超能力が使えなくなってしまう弱点がある。作中、ラムの角は何度か抜け落ちており、その度に彼女は電撃や飛行能力といった超能力が封じられて普通の少女となっていた。

他にも、意識を集中させると角を伸ばす事も出来る。この状態だと異次元に居る相手でも、心の声を受信して居場所を特定する事が可能となる。作中で、四次元空間に迷い込んだ諸星を探知する為、ラムはこの能力を使用した。またこの能力とは別に、激しく怒ると角が伸びる描写もされている。

また角は免疫機能の役割も担っており、病原体が体内に侵入すると角が牛の様に曲がって伸びる。そして病原体を角に集中させて抜け落ち、体内の健康を保っていた。角が抜けた後はすぐに新しい角が生えてくる性質を持つ。

ラムの髪の毛はマジョリティカラーであり、光の当たり具合によって色が変わって見える。

1981年のアニメでは、技術的な関係で深い青色で描かれていた。2022年版のアニメでの通常時の髪の色は、淡く明るい青色となっている。また原作設定を反映し、ラムの体調や光の当たり方次第で髪の色が変わる描写が成された。

ラムの来歴・活躍

宇宙人として誕生

幼少期のラム(画像右の人物)と幼少期のラン(画像左の人物)

ラムの星では頭に角がある鬼族と、対になる福の神一族が共存していた。彼女はそこで鬼族の娘として生まれ育つ。

幼少期のラムはランと出会い、彼女と友達になった。ランはラムと同じ鬼族の少女である。だがラムは悪気無く事ある毎にトラブルを引き起こし、ランにトラウマを植え付けてしまった。この事が原因で、後にランはラムを恨む様になってしまう。またこの時に2人はレイと出会い、彼に想いを寄せる様になった。レイはラムと同じ鬼族の男性である。レイと出会ったラムとランであるが、彼はラムの事が好きになる。これによりラムはレイと婚約する事となった。尚、この時ランは失恋した形となり、後々ラムとの禍根へと繋がっていく。レイと婚約したラムであったが、彼の正体は牛と虎を掛け合わせた様な巨大な化け物であった。またレイの知能は低く、いつも食べ物の事しか頭に無かった。そんな彼に、ラムは愛想を尽かして別れを告げた。

惑星小学校への入学

大きくなったラムは、ランと共に惑星小学校へと入学する。此処は様々な星から宇宙人を集め、教育を行う中学校であった。そこでラムはランの他に、同年代の弁天やおユキと行動を共にする。弁天はラムと、同じ星の福の神一族の女性である。気が強く喧嘩っ早い美女である。おユキは海王星の女王であり、雪女である。クールビューティーであるものの、慕たかで商売気質な一面を持つ。

ラム、弁天、おユキの3人は小学校でいつも悪戯をしていた。弁天が悪巧みを思い付き、ラムがそれに便乗して、おユキが裏で策略を巡らせるというものである。おユキは自己保身に長けている為、ラムと弁天がいつも悪戯がバレて先生に怒られていた。尚、惑星小学校の教師はロボットが勤めている。

中学生になっても彼女達の悪戯は治らず、こういった経緯からラム、弁天、おユキは周囲から「先代スケバン3人娘」として畏怖されていた。

地球侵略と婚約

諸星(画像下の人物)に捕まるラム

大人になったラムは、父親と共に地球侵略に乗り出す。父は地球人の中からランダムに代表者を1人選び、その者とラムに、地球の命運を賭けた鬼ごっこをさせる事を決意した。これにより諸星あたる(もろぼし あたる)が選ばれ、ラムは彼と鬼ごっこをする事となる。諸星は友引高校に通う、本作の主人公の男子高校生である。極度の女好きであり、美女であれば誰でも口説く浮気性を持つ。鬼ごっこは10日間行われ、諸星が鬼役となった。

鬼ごっこは当初、ラムの優勢で進む。だが8日目の夕方、ラムは一瞬の隙を突かれ、諸星に虎柄のブラジャーを奪われてしまった。それでも彼女は諸星を撃退し、勝負は持ち越しとなる。

地球の命運を背負うも、ラムに勝てない諸星は挫けそうになる。だが、三宅しのぶ(みやけ しのぶ)の「鬼ごっこに勝ったら結婚してあげる」という約束に、再び闘志を燃やした。しのぶは諸星と同級の女子学生であり、彼と付き合っている人物である。そして迎えた最終日、ブラジャーを失ったラムは羞恥心から飛行能力が低減していた。更に諸星は、ラムをブラジャーで誘き寄せそのまま彼女を捕まえてしまう。これにより諸星が勝利して、ラム達の地球侵略は頓挫するのであった。

諸星は鬼ごっこの最中、しのぶとの結婚で頭がいっぱいであった。この為ラムを捕まえた際に「結婚するのだ」と叫んでしまう。これにより彼女は「諸星にプロポーズされた」と勘違いし、彼と結婚する事を決意する。以降は諸星の事を「ダーリン」と呼ぶ様になった。

その後、侵略が失敗したラム達は、一時母星へと帰還した。

諸星としのぶとの三角関係

三角関係を展開するラム、諸星、しのぶ

一時は母星に帰還したラムであったが、用意を整えてから再び地球に来訪する。そして諸星の妻を自称し、半ば強引に諸星家に居候を始めた。そして逃げ回る諸星に対し、強引に彼へアプローチを仕掛け始める。

諸星は、しのぶと付き合いつつ、他の複数の美女達にもアプローチを仕掛けていた。だが彼はいくらラムに言い寄られても、彼女だけには靡かなかった。また彼氏である諸星にアプローチを仕掛けるラムに対し、しのぶは対抗心を燃やす。

物語前半はラム、諸星、しのぶの三角関係を中心に物語が進む。この基本的な人間関係に、ラムの友人の宇宙人や、彼女の持ち込んだ母星の超科学道具が原因となり、トラブルが巻き起こるドタバタな日常劇が展開された。またこの頃から諸星が美女に浮気をし、その度にラムが嫉妬に怒り狂って電撃を喰らわせる流れが定番となる。

ラムからいつも逃げ回っている諸星であるが、実はその本心では彼女の事を本気で好きになっていた。だが、ラムの事に関してだけ謎のプライドを持つ彼は、決してラムへの好意を口にしようとはしない。ラムもその事を分かった上で、彼の事が好きになっている。

面堂登場

ラムに言い寄る面堂(画像右の人物)

面堂終太郎(めんどう しゅうたろう)が友引高校へ転校してくる。面堂は、大財閥面堂家の御曹司の美少年である。男尊女卑の思想に近い思想を持ち、女性には優しいが男性には極端に冷たい。

面堂はラムに一目惚れし、彼女にアプローチを仕掛け始める。またしのぶが面堂へ惚れ込み、諸星を振って彼にアプローチを仕掛け始めた。これにより物語の基本となっていた人間関係に変化が生まれ、ライバル同士だったラムとしのぶが友人関係となる。

ラムはどれだけ面堂から言い寄られても、決して靡く事無く諸星へのアプローチを続けた。諸星は、しのぶを面堂に捕られた形となり、彼に対抗意識を燃やす様になる。また諸星の浮気性に拍車が掛かり、美女を見付けると条件反射で口説き落とそうとするまでとなった。これによりラムの電撃の頻度も増え、諸星以外の登場人物も巻き添えで電撃を受ける場面もあった。

面堂という巨大な財力と影響力を持ったキャラクターがレギュラーメンバーとなった事により、ラム達の行動範囲が一気に広がった。またラムも正式に友引高校へ通う様になり、学校を舞台にドタバタ日常劇が展開される様になる。

諸星との喧嘩

諸星と喧嘩するラム

物語終盤、ラムの母星で20年間コールドスリープをしていた、彼女の曽祖父が目覚める。それと同時にウパが行動を開始する。ウパはラム達の宇宙とは異なる「闇の宇宙」の宇宙人である。120年前にラムの曽祖父と取引をしており、ルパと、ラムを強引に結婚させようとしていた。ルパはウパの曾孫のイケメンの男型宇宙人である。

ルパは地球へ来襲してラムを攫い、彼女との結婚式を強行した。そこへ諸星達が助けに来るがルパの策略に嵌り、諸星はラムに不信感を抱いてしまう。また諸星も彼女を救う為、カルラと偽装結婚をしてしまった。カルラはルパの幼馴染であり、彼に好意を抱いている闇の宇宙の女性型宇宙人である。彼女はラムとルパの結婚式に潜入する為、諸星との結婚を偽装して式場に潜入しようとしたのであった。だが、この事がラムの逆鱗に触れ、彼女は怒りに任せてルパとの結婚を宣言してしまう。

ルパは、ラムへの気持ちの一方で、カルラへの想いも同時に抱いていた。また諸星達はカルラと共に一旦地球へ戻る。しかしカルラが偶然持ち込んだキノコが巨大化して大量繁殖し、地球はキノコに侵食されつつあった。ラムは地球へ通信し「諸星がラムの事を好きだと言えば、ルパに頼み込んでキノコを除去する」事を約束する。だがラムの事に対して、頑なに自分の気持ちを口にしようとしない諸星はこれを拒絶してしまった。これにより、ラムは諸星が自分の事を嫌いになったと疑う様になる。

最後の鬼ごっこ

最後の鬼ごっこをするラムと諸星

ラムは諸星へ、最初に行ったルールと同じ10日間の鬼ごっこ対決を申し込む。条件は「ラムが勝利すれば諸星に自分が好きだと宣言させる」事であり、「諸星が勝利すれば、地球を覆うキノコを除去する」というものである。勝負は始まったものの、ラムへの意地を張る諸星は観客の女の子をナンパし始める始末であった。一方で地球へ来ていたルパは、葛藤の末にカルラと結婚する事を決意する。これによりラムとの婚約は破棄されるのであった。

ラムはこの鬼ごっこの裏で、ある決断をしていた。それは「諸星がラムを捕まえるか、彼女の事を好きだと言わなければ、"記憶喪失装置"で自分に関する事を全て地球人の記憶から抹消する」というものである。飛行能力を持つ彼女を捕まえる事は実質不可能である為「諸星がラムの事を好きだと言わなければ、地球人の記憶からラム達宇宙人の記憶が抹消されてしまう」事になっていた。彼女のこの決断は諸星の耳にも入るが、それでも尚、彼はラムへ好きだとは言わなかった。それは諸星がこの状況でラムの事を「好きだ」と言ってしまえば、それはその場凌ぎの軽い言葉になってしまい、真偽が分からなくなってしまうからである。諸星は、彼なりにラムの事を想っていたのであった。そんな彼の手には、以前にラムから抜け落ちた角が大切に握られていた。

最終日、諸星はラムを必死に追いかけ続ける。満身創痍でありながら、それでも彼はラムへ好きだとは言わなかった。そんな諸星に、ラムは本当に彼が自分の事を嫌いになったと思い掛ける。その時、転倒した諸星の手から、ラムの抜け落ちた角が転がり出す。これによりラムは諸星が意地を張りつつも、自分の事を想っている事に気付き、彼を抱き締めて和解した。

結局、諸星はラムの事を好きだと言わず終いである。だが再び心を通わせた2人は、またいつもの日常へと戻っていくのであった。

ラムの関連人物・キャラクター

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