ルナティック雑技団(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ルナティック雑技団』とは、1993年から1995年に『りぼん』『りぼんオリジナル』で連載された岡田あーみんによるギャグ少女漫画である。この作品は、わらび野中学に通う星野夢実が、同級生の天湖森夜の家に下宿することになり、息子を溺愛する森夜の母・天湖ゆり子や周囲の人々との間に巻き起こる騒動を描くラブコメディである。その内容は不条理、メタ、そして少し変態的な要素を含んだラブコメディと評される。

元華族の家系出身で、40歳に満たないが老けた印象の森夜の父。
夢実の父の部下であり、温厚でどんな状況でも動じない性格。少々とぼけた面もあるが基本的に常識人。メガネを外すと端正な美男子で、若い頃から女性に人気があった。
結婚後もモテ続けたため、ゆり子の嫉妬から眼鏡とヒゲを身につけるようになる。井上靖を愛読し、カルタを趣味としている。

学園の仲間たち

愛咲ルイ(あいざきルイ)

わらび野中学のカリスマ的存在でスター。
左目を前髪で隠した「ルイカット」と呼ばれる独特の髪型が生徒間で流行している。7月7日生まれ、靴のサイズは25cm。アイドルクラブに所属し、スタッフを率いて校内外でコンサートを開催。極度のナルシストで奇抜な行動が多いが、森夜には及ばず一方的にライバル視している。唯一森夜に勝るのは競歩のみ。
フランス人の祖父をもち、芸術一家の三兄弟の次男で、自称「アート戦士」の家系。意外にも成績優秀でテスト10位以内をキープし、運動神経も良い。派手なギャグ顔が特徴だが、女性ファンが多いだけに美形の一面も。
夢実に密かな想いを抱いていたが、彼女が森夜を好きだと知ると潔く身を引いた。繊細な面があり、夢実の海外転校後はチョコリキュール中毒に陥るが、森夜の船上パーティー参加を知ると立ち直り、アイドルクラブを率いて乗り込む。常に自分の人気と周囲の目を気にする一方で、緊張すると関西弁になり卑屈になるという意外な弱点を持つ。
普段はTバック愛用だが、休日はシルクトランクス着用。兄のバイクに補助輪をつけ無免許運転することも。変わり者家族であることを自覚しており、状況に応じて冷静な一面も見せる。

ゴロミ

ルイの後輩としてアイドルクラブに所属している。
パーマヘアとややタレ目が特徴。自覚なくルイに対して反抗的な態度をとることがあるが、森夜の「天湖ビーム」を受けて精神的動揺を経験した際にルイが支えてくれたことがきっかけで、森夜よりもルイを慕う珍しい存在となった。しかし生来のドジっぷりでルイの活動の妨げになることも多い。

チーコ

ゴミ箱を蹴り上げているのがチーコ(画面右)

森夜に熱狂的な思いを寄せる夢実や森夜と同じ学校に通う女子生徒。森夜のファンで、森夜のそばにいる夢実に嫉妬している。酒飲みの父がおり、チーコ曰く「酒さえのまなきゃ腕のいい大工」の父らしい。
特徴的なそばかす顔にヘアバンドを身につけている。家庭では酒に溺れる父親を持つ苦労人だが、父親は酒を飲まない時は腕利きの大工としての一面もある。薫子(かおるこ)との対立場面では「ローン雪だるま切り」「内職傘はり地獄」といった独特の技を繰り出した。

成金家

成金薫子(なりがねかおるこ)

富裕層の令嬢で、森夜を「天湖さま」と呼び慕う。わがままな性格だが、森夜への思いは健気で一途。お金と配下の白服を使って森夜に接近を試みるが、素直になれず逆効果になることが多い。森夜と話したいが森夜のオーラが眩しすぎて話せなくなってしまうため、「天湖オーラよけ特殊サングラス」をかけて森夜に接したこともある。
慶一の会社と取引関係にある社長令嬢として、ゆり子と手を組んで夢実を追い出し天湖家に滞在しようと画策する。夢実を使用人に降格させタコ部屋に売り飛ばそうとするが、父の不正発覚により取引が停止し失敗する。森夜を守るためドクターXをボディガードに雇うが、皮肉にも新たな恋敵を作る結果に。
わらび野中学3年B組で、「成金娘」と呼ばれ嫌われているが意外と気にしている。ロングヘアの美少女だが貧乳を悩み、初潮もまだ。動揺すると失禁する弱点があり、森夜と夢実の密着シーンを目撃した際には周囲の前で恥をかいた。
多忙な両親で寂しさを抱え、教育係の茂吉(もきち)には本音を打ち明ける素直な一面も。物語後半では森夜と友人関係を築き、夢実へのライバル心は残しつつも敵対行為は止める。「札束ビンタ」「手裏剣ゴールドカード」など独特の技を持つ。お嬢様育ちの世間知らずな面も作中で描かれている。

黒川(くろかわ)

口ひげがあるのが黒川(画面右)

成金家で薫子の専属執事を務め、使用人たちを統括する。フルネームは黒川春明(くろかわしゅんめい)。年齢不詳で、オールバックの黒髪に口髭と片眼鏡が特徴。4歳まで台湾在住の経歴があり、細川ふみえを好み、ダイヤ鑑定と手品を得意とする。
表向きは紳士的だが、発言のほとんどが下ネタやボケで構成され、主人の薫子にさえ遠回しな無礼を働く。森夜になりすまして薫子を抱きしめたり、寝室に忍び込むなどのセクハラ行為を繰り返し、その度に花瓶や銃、手榴弾による制裁を受けている。
グリーンベレーやKGB、ルーマニア秘密警察との関わりが噂され、高度な戦闘技術を持つ。別の噂では薫子の父、成金サギ男と契約した悪魔の正体とも言われ、成金家の乗っ取りを示唆する言動も。過去には離婚歴があり後悔している。休日はラクダ柄の下着姿でキリンビールとカツオの炭火焼きを楽しみ、「スナック純」のライターを使う喫煙者でもある。

茂吉(もきち)

成金家に仕える青年。3歳の頃に成金家に拾ってもらい、以来恩を感じて成金家に尽くしている。長髪で美少年。薫子の髪をとかしたり、身の回りの世話をしている。7月19日生まれのかに座でA型。長い癖毛を後ろで束ねている特徴的な容姿の持ち主。物語内では数少ない常識人として、森夜への思いに揺れる薫子に理性的な助言をしたり、夢実に対する行き過ぎた言動を諌めるなど、良識ある行動をとる人物。

成金サギ男(なりがねサギお)

成金グループの会長である薫子の父親。冷血な商売人。ハゲ頭にメガネをかけ、表面上は笑顔を浮かべているが目は笑っていない。黒川からは「もみ手で指紋を消した男」と評される。
娘が森夜に想いを寄せていると知ると、森夜に札束を渡して肉体関係を持つよう促し、激怒した薫子から平手打ちと罵声の制裁を受ける。森夜のあまりの美少年ぶりに「うちのホストクラブで働かないか」と持ち掛ける。
薫子を資産家の高齢男性と結婚させる計画を持つ。会員番号504のランジェリーパブ「ホルモン館」常連で、シェリーという店員を気に入っている。薫子の誕生日パーティーを船上で催すもそれは表向きで、実は闇のオークションを計画していた。
悪魔と契約した不死身の存在で、暗号を明かさず銃撃を受けた後も魂を椅子に移して生き延び、体に戻せば蘇生可能。薫子からは妻共々「バカ夫婦」と蔑まれている。

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents