復讐の教科書(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『復讐の教科書』とは、2020年から原作廣瀬俊、作画河野慶により講談社マガジンポケットで連載をしている漫画。主人公黒瀬良太郎は担任教師である白鳥聖のような教師を志していた。しかし、複数人からいじめを受け、校舎の屋上から突き落とされてしまう。偶然落下地点にいた白鳥と激突し、お互いに重傷を負うが、目が覚めると黒瀬は白鳥と人格が入れ替わっていた。黒瀬は白鳥の立場や人望を利用し、自分をいじめていた人間たちに復讐を行っていくサスペンス作品である。

『復讐の教科書』の概要

『復讐の教科書』とは、2020年3月から原作廣瀬俊、作画河野慶により講談社マガジンポケットで連載をしている漫画。主人公黒瀬良太郎は担任教師である白鳥聖のような教師を志していた。しかし、複数人からいじめを受け、校舎の屋上から突き落とされてしまう。偶然落下地点にいた白鳥と激突し、お互いに重傷を負うが、目が覚めると黒瀬は白鳥と人格が入れ替わっていて、白鳥は意識を失った状態にあった。黒瀬は入れ替わった白鳥の立場や人望を利用し、自分をいじめていた人間たちに復讐を行っていくサスペンス作品である。作中ではさまざまな復讐方法が登場し、いじめていた人間の反省度合いなど復讐の重さが変わり、復讐鬼となった黒瀬ではあるが、元々の心優しい性格がうかがえ、正しさや強さに焦点が当たっている作品である。

『復讐の教科書』のあらすじ・ストーリー

序章

横濱学園高校の2年B組に所属する黒瀬良太郎(くろせりょうたろう)は、不道エイジ(ふどうえいじ)・遊井学(ゆいまなぶ)・切木竜也(きりこたつや)・森野くるみ(もりのくるみ)・仙水理人(せんすいりひと)の5人に常習的にいじめられていた。元々6人は同じ掃除の班に所属していたが、徐々にいじめへと発展していった。その内容は学園で飼育しているウサギの糞を無理矢理に食べさせられたり、安全ピンで耳に穴を開けられたりするものであった。そんな中で黒瀬は孤立をしてしまい、友人と呼べるのはもはやウサギたちだけになっていた。しかし、ある日ウサギのぴょん吉が殺されているのが発見された。我慢の限界を迎えた黒瀬が復讐をしようかと考えているとき、彼らの担任教師であり、生徒からの人望や人気が高い白鳥聖(しらとりこうき)に声をかけられる。ただ事ではないと察した白鳥は黒瀬から話を聞き、翌日から目安箱を設置することにした。しかし、それによって黒瀬が白鳥にいじめをバラしたのではないかと考えた不道たちによって屋上に呼び出される。そして、いじめを隠ぺいするために自殺ということで屋上から黒瀬は突き落とされてしまった。黒瀬が落ちた先にいたのは、白鳥であり、落下してきた黒瀬と白鳥はお互いの頭を強く打ち、病院に搬送された。しかし、黒瀬が目を覚ますと、白鳥の中に黒瀬の意識があり、人格が入れ替わっているのだった。黒瀬の体はまだ意識を取り戻していなかったが、黒瀬(白鳥の体)は1週間後には退院をし、白鳥として職務に復帰し始めた。そこで、黒瀬は自身をいじめた5人に対する復讐を始めるのであった。

遊井学編

黒瀬は手始めに遊井学の復讐から始めた。遊井は画家になるという夢を抱え、その画材費と称し、黒瀬から金をむしり取っていた。まず、黒瀬は下着泥棒の事件を起こし、全員の手荷物検査をすることにした。そして、あらかじめ遊井の鞄に仕込んでおいた下着が、副担任の吉倉ネネ(よしくらねね)によって発見される。その後、黒瀬が遊井に真犯人を企てるように促したうえで、ネネに教室の見回りをお願いした。そうすることで、2人が鉢合い、遊井が真犯人をでっち上げようとしたことが明るみになったのであった。ネネから犯人とみなされ、追い詰められた遊井に対し、黒瀬は防犯カメラに不審な人物が映りこんでいて、その人物が真犯人である可能性を示唆した。しかし、その映像のデータを削除してしまい、バックアップを保存したUSBは焼却炉へ捨ててしまわれたと遊井に話す。自分の無実を証明しようと必死になった遊井は焼却炉に手を突っ込み、右半身をやけどし、入院をする。また、それによって画家になるという遊井の夢を終わらせたのであった。

切木竜也編

下着泥棒の被害にあった美谷ひな(みたにひな)に下着は盗まれたのではなく、落ちていたことにしそのことを報告した際、黒瀬は美谷が次の復讐相手切木竜也と交際しているという情報を得た。切木はバスケ部の部長として活躍していたが、部員に対する暴力を日々行っていた。また、黒瀬は切木が絆を重視している人間だったことから、切木の周りの人間からの信頼をなくさせるような復讐方法に定めた。まず、切木が別の女性と一緒にいるところを美谷と遭遇させた。浮気をされたと考えた美谷は黒瀬(美谷にとっては白鳥)を頼り、家を訪ねた。そして、美谷がいじめられていた過去があることを知った。そんな中、白鳥宅に切木が訪ねてきて、美谷との仲を取り持ってほしいという旨の相談をしにきた。その際、美谷を部屋に入れているため、切木を部屋にあげることができなかったが、黒瀬の誘導により美谷の前で切木はいじめは被害者に原因があると述べた。過去にいじめられた経験のある美谷にとってその言葉は強く響き、2人の溝を決定的なものにすることができた。その後、切木は関係を修復することができず、部活中により後輩に暴力を振るうようになっていた。その事実に気づいた黒瀬が切木を停学へと追い込んだ。その後、黒瀬はウサギのお面をつけ、白鳥の顔を隠しながら、自らを黒瀬であると名乗り、切木を拉致した。そして、都心から車で30分離れた山の中に切子の首から下半分を土に埋め、周りには時限爆弾を設置した。かつて切木が黒瀬に行った絆ゲームを模したゲームを開始した。切木が助けを求めて、誰かが助けに来れば解放されるという内容であった。自信のあった切木であったが、普段の横暴な振る舞いから最終的に誰も助けにくることはなかった。制限時間を超えたが、元々黒瀬は爆弾ではなく、爆竹を仕掛けていたため、切木は死ぬことはなく、鼓膜が破れる程度で済んだ。しかし、信じていたはずの仲間に裏切られたショックで切木は注意を怠りながら、走り出しためトラックに引かれて事故として死亡した。

森野くるみ編

不道・仙水・くるみの三人は遊井と切木が不可解にけがや事故にあったことから、何者かが黒瀬のいじめに対する復讐を行っているのではないかと推測した。黒瀬は教室に仕掛けた盗聴器からそのことやくるみがインスタに関する秘密を抱えていることを知った。そしてそのインスタの秘密を探るべく、インスタで検索をしたり、休日にくるみを尾行するなどした。その際、かつて白鳥が所属していた大学の同期群青ひかる(ぐんじょうひかる)に声をかけられたことで、くるみに尾行がばれてしまう。なんとか危機を乗り越えたが、くるみは白鳥が黒瀬の復讐者であるのではないかという疑念を持ち続けていた。そして尾行によって、くるみが購入していない服を購入したものとしてインスタに投稿をしていることが発覚した。くるみはインスタで得られる「いいね」の評価こそが自分の価値であると考えているため、黒瀬がくるみ以外のくるみのグループの女子の投稿の「いいね」を増やしたことで、くるみは強い焦りを感じていた。そこで、試着品を投稿するだけでは飽き足らず、とうとう服を盗んでしまった。その場面を黒瀬が撮影し、黒瀬はその映像を利用し、くるみを部屋に誘い、土下座をさせた。そして、黒瀬は自らが復讐者であると話し、くるみに不道たちを裏切らせ、情報を流すようにさせた。

仙水理人編

くるみとの会話の中で黒瀬は白鳥が設置した目安箱について思い出した。目安箱はネネが黒瀬の転落事故の翌日には回収していたことがわかった。そして、目安箱の中を確認すると、目安箱に黒瀬のいじめに関する投書が入っていた。その手紙は冴木薫(さえきかおる)によるものであることがわかった。冴木は不道たちと黒瀬の様子に違和感を感じていたが、証拠はなく踏み出せない状況であったことがわかった。そして、冴木から不道には彼女がいるという情報を得た。そして、くるみの協力によりその不道の彼女が美谷ひなであることがわかった。そんな矢先、入院していた黒瀬が目覚めたという報告を受けた。黒瀬は黒瀬の体の中にいるはずの白鳥の人格が入れ替わりのことや復讐をやめるように説得しくることを危惧したが、黒瀬内にいるはずの白鳥は記憶喪失になっていて、自分のことを本当に黒瀬良太郎であると思っているようであった。そこに付け込んだのが仙水であった。仙水は黒瀬にお金を貸しているという嘘をつき、黒瀬の母親からお金をだまし取り始めた。記憶がない白鳥が退院後、仙水は黒瀬の記憶が戻り始めているのではないかと考え、完全に記憶が戻っていじめの話をされる前に口封じをしようとする。記憶をなくした白鳥は登山をしたいと仙水に持ち掛ける。そして、週末に登山をする二人を黒瀬は尾行していた。ついに仙水が行動を起こし、黒瀬が重度の蕎麦アレルギーを持っていると知りながら、登山の休憩の際に蕎麦を注文したのであった。アナフィラキシーショックを起こし、命の危機に瀕した白鳥を、尾行し応急処置をした黒瀬によって救われる。計画が失敗した仙水は次に年越しの渋谷カウントダウンイベントにくるみと共に誘い、そこでいじめに関することを黙っておくように脅すことにした。しかし、その計画を黒瀬は逆に利用し、人知れず仙水を殺害する事に成功した。

遊井学編-2

度重なる事件の調査で白鳥の元に警視庁の刑事である群青と赤松大(あかまつまさる)が聞き込みに来た。そこで黒瀬は遊井が目覚め、白鳥にはめられたという証言を行っていると告げられた。黒瀬は黒瀬の転落時に遊井が屋上にいるのを見たと証言することで疑いを回避するした。黒瀬が自殺ではなく、事件という可能性が出てきたことで、再調査を行っていると、不道とくるみが遊井を裏切ったことで二人と遊井の証言が食い違っていることからさらに遊井の疑いが深まってしまった。自分の疑いが深まってしまっていることを偶然にも聞いてしまった遊井は自暴自棄になり、包丁を持って学校に乗り込みにいった。そこで遊井は白鳥(体は黒瀬)を懐柔し、不道をウサギの飼育小屋に呼び出させた。包丁を不道に突き立てながら証言を自分の有利なように変えるよう要求するが、断られために不道の頭部を殴った。そのため、不道は気絶してしまった。とどめを刺そうとしたちょうどその時に黒瀬や刑事たちがやってきて、止めるよう説得をする。すると、白鳥が突然叫び出し、自殺に見せかけ遊井を殺害したのであった。白鳥は記憶喪失のふりをしているだけなのであった。

不道エイジ編

改めて黒瀬は白鳥という人物を探っていくと、自分がイメージする人望も厚く完璧な白鳥には裏があるのではないかと思うようになった。そこで白鳥の部屋の唯一空かない引き出しをこじ開けて探ってみると、そこには大量のノートがあった。そこには生徒の特徴が書かれていたが、それに対する操り方が辛辣な言葉で書かれていたのだった。白鳥に裏の顔があることがわかったが、さらにそのノートの不道の欄に黒瀬の父親の事件との関連が示唆されていた。黒瀬の父はある日、電車にて痴漢の疑いをかけられるも、自分の無実を主張し、裁判で争っていた。しかし、周りからは嫌がらせなどを受け、妻から離婚を迫られてしまう。そんな中、後から目撃者が現れたことにより、裁判での負けが決定的になったことで、黒瀬の父は自殺してしまい、それを最初に発見したのが黒瀬自身だった。その事件を調べれば、次第に不道の弱みが出てくるかもしれないと考えた黒瀬は、痴漢の被害者である雨宮と目撃者である三雲に会いに行く。そこでその二人が不道と同じ上和田中学校出身であることがわかった。さらに、その三人と同じ中学校出身であり、黒瀬たちのクラスメイトでもある柊カレン(ひいらぎかれん)に話を聞いた。柊によると三人は中学時代からよくつるんでいて、人の失敗を笑うような連中であったようだ。そこで、黒瀬は雨宮と三雲を尾行することにした。すると、彼らは電車内で痴漢をされたと声をあげ、次の駅で事件にされたくなかったら、金を払えという痴漢冤罪詐欺を行っていたのであった。黒瀬は二人が場所を移った際に、乗り込み自白をさせた。そして、不道の話を聞くと、そもそもその痴漢冤罪を持ちかけてきたのは不道であり、不道は最初の一回目の黒瀬の父の時だけ参加したことがわかった。つまり不道が黒瀬の父の痴漢冤罪を主導したのであった。その事実を知り、黒瀬は不道への復讐を始める。まず、不道は作文コンクールでいじめに関する作文を書き、それが金賞をとったことで、校内でその作文の音読が放送されたのであった。その放送の直後に黒瀬は不道の声と作成ツールを使い、不道が黒瀬をいじめていたというフェイクの自白音声を放送した。そのことをきっかけに不道はクラスで孤立していき、黒瀬の手引きもあってクラスメイト達からいじめを受けるようになっていった。くるみは柊や新島絹枝(にいじまきぬえ)らと共に過ごすようにしていたため、不道は余計に孤立を深めていった。さらには雨宮と三雲が出頭したことによって、不道も警察に事情聴取に呼ばれた。しかし、不道の父であり、横濱学園高校の顧問弁護士である父が話を通し、不道を解放させた。その後、不道はくるみが白鳥宅から出ていくところに出くわし、二人がつながっていることを知る。そして、不道は黒瀬(体は白鳥)が復讐犯であると考え、その動機などを探り始めた。ついに、不道は何らかの方法で黒瀬が白鳥に扮しているという結論に至り、調べを進める。そうして不道を拉致するしかないと考えた黒瀬はくるみに不道を呼び出させる。しかし、不道はその誘いには乗らず、警視庁へと向かい、群青に自身の推理を話そうとする。その行動も読んでいた黒瀬が群青を学校の屋上の再調査へと呼び出したことで不道が群青と会うことはできなかった。不道が学校へと行き、勝利を確信しながら屋上へと向かうとそこにいたのは群青ではなく、黒瀬であった。そこで二人の対話が始まる。不道が黒瀬をいじめたのは単なる嫉妬であった。不道の父は黒瀬と不道の誕生日が一緒のこともあり、黒瀬のことを気に入り、よく気にかけていた。二人の誕生日の日に不道に黒瀬への誕生日プレゼントを託した。そのことがきっかけでもともと仲が良かった黒瀬と不道の中は悪くなり、不道が一方的に黒瀬をいじめることとなったのであった。不道と会話の後、彼らは争い、最終的に黒瀬が不道を屋上から突き落とすことに成功した。しかし、不道は白鳥が用意しておいたマットによって死ぬことはなかった。そこで黒瀬は、白鳥が記憶喪失でないことと彼が不道を唆し自分をいじめていたことを確信し、白鳥への復讐を誓う。

雪田清子編

黒瀬は不道やくるみからかつてウサギを殺した人物は自分たちの誰でもないことを聞き、ウサギを殺した人物の調査を始める。そこで白鳥が記した生徒の特徴が書かれたノートから何か情報が得られないかと調べていると、柊のページにだけ何も書かれていなかった。そこに違和感を感じ、柊に困りごとなどがないか尋ねるも特に回答はなかった。しかし、柊の友人である新島曰く、柊は彼女らが所属するバドミントン部の先輩である雪田清子(ゆきたせいこ)からいじめを受けていたという情報を得る。彼女は現在学校を辞めているが、それは白鳥の思惑に気づき、逃げているからではないかと考え、黒瀬は雪田を探すことにする。その過程で黒瀬は柊が自分に好意を寄せていたという情報を手にし、意識をし始める。そんな柊と新島と一緒に黒瀬は、雪田の目撃情報があった熱海の旅館へと赴く。雪田と再会し、話し合うことができたが、そこに白鳥と不道もやってきた。雪田は白鳥にとって重要なものを持って逃げたため、白鳥にとって口封じする必要があったのだった。二人から雪田を守ろうとする黒瀬であったが、姿が白鳥のため信用されず、逆に不道と雪田に殺されそうになる。そこで黒瀬は、凶暴な白鳥のままである演技をすることで雪田を本当の危険から遠ざけることに成功した。白鳥にとっても結果的に口封じに成功したため、雪田はそれ以上追及されることはなかった。そして、黒瀬は白鳥にとって重要であろう物を手に入れることができた。

柊カレン編

雪田の件以降、黒瀬と柊は仲を深めていく。白鳥が柊を狙っていくこともあり、黒瀬は柊を守ろうとし意識していく。白鳥の理論では、何度も立ち上がろうとする強者は他者に「強くあるべき」という感情を抱かせる。しかし、結果的にそれに影響された弱者は痛い目を見てしまう。そのような強者による無意識な影響力をなくすため、正当性のある強い者いじめが必要だと考えている。そして、白鳥のターゲットが不屈の精神を持つ黒瀬と、真面目な正義感を持つ柊だったのである。白鳥はそんな二人追い詰めるため、黒瀬の体であることを利用し、柊にアプローチを続け、交際することに成功する。黒瀬は白鳥の思惑を妨害するために、柊や新島に自分と白鳥の人格が入れ替わっていることを伝えるも信じてはもらえなかった。しかし、新島はそんな黒瀬の必死さを認め、柊との話し合いの場を設けようと、黒瀬と柊を体育館倉庫へと呼び出す。黒瀬が先に倉庫内で待っていると、柊とともに白鳥も倉庫内に入ってきた。そうとは知らない新島が閉じ込めるために倉庫のカギを外からかけてしまう。その状況を利用しようと白鳥は、黒瀬の前で柊と性行為を始める。それによって黒瀬の心を白鳥の手によって壊すことに成功した。そして、黒瀬は学校に行けず、休んでしまう。白鳥はひとまず、目的は達成したかに思われたが、白鳥の協力者で狸と呼ばれる人物はその現状に満足しておらず、邪魔者を排除しようと考え始めていた。

冴木薫編

白鳥の悠長さに嫌気がさした狸はついに行動を起こし、ウサギの飼育小屋に放火をした。その際、配達の仕事をしていた冴木薫が第一発見者となる。警察に疑いをかけられる冴木であったが、くるみが現場の一部を目撃したことなどから疑いは晴れた。そこで二人は放火犯を探し出すことにした。そこで疑いがかかったのは、くるみの想い人であり、ネネを慕う若王子昴(わかおうじすばる)であった。若王子を尾行していると彼は志田さくら(しださくら)という人物と電話を取り、怪しげな発言をしていたため、冴木は若王子を、くるみはさくらを追うことにした。しかし、冴木が若王子に追いつくとそこには、階段から落ち、頭から血を流した若王子が倒れていた。その現場を通報があったとして訪れていた刑事により、冴木は容疑者として連行されてしまった。その冴木を救おうとするも何も打つ手がないくるみは白鳥宅に行き、黒瀬に助けを求めるが黒瀬は応じることはなかった。その帰り道、くるみは新島と出会い、森の中へと誘われる。そして、新島が本性を現し、くるみの腹部をナイフで刺した。最終的に狸である新島に重傷を負わされてしまう。新島はくるみの携帯電話を使い、冴木を呼び出し、第一発見者とすることでまたしても冴木は疑いを向けられてしまう。新島は不道にアリバイを証明させ、疑いを回避した。

新島絹枝編

4111-4922
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