復讐の教科書(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『復讐の教科書』とは、2020年から原作廣瀬俊、作画河野慶により講談社マガジンポケットで連載をしている漫画。主人公黒瀬良太郎は担任教師である白鳥聖のような教師を志していた。しかし、複数人からいじめを受け、校舎の屋上から突き落とされてしまう。偶然落下地点にいた白鳥と激突し、お互いに重傷を負うが、目が覚めると黒瀬は白鳥と人格が入れ替わっていた。黒瀬は白鳥の立場や人望を利用し、自分をいじめていた人間たちに復讐を行っていくサスペンス作品である。

邪魔者である冴木とくるみを排除した新島は、ウサギ小屋が放火されたショックで学校を休んでいた柊が復帰したため、次の行動を起こす。学校の集会で大勢が集まっている場面で新島は柊と口論を起こし、教室へと逃げ去る。それを追いかけてきた柊を自殺に見せかけて殺害しようとしたのだった。抵抗する柊であったが、黒瀬と白鳥の人格が入れ替わっていて黒瀬を追い詰めたのは柊であると新島から知らされたために、抵抗する気が失せ、殺されそうになったところを黒瀬が助けに来たのであった。黒瀬は柊を保健室へと向かわせ、新島への攻撃を始める。さらに若王子やくるみに重傷を負わせたことの自白をさせたうえで、縄を使って新島を首吊りさせたのであった。続いて不道に復讐をするために呼び出そうとするが、不道はすでに近くにいて、新島を殴るところを撮影されていたのであった。その映像を集会をやっている生徒たちに送信し、白鳥が煽ることで生徒たちで白鳥(心は黒瀬)を捕まえることとなった。そうして、不道と対峙している黒瀬は多くの生徒たちに邪魔されてしまった。しかし、黒瀬は止まることなく、不道と白鳥への復讐を誓い、不道を追いかける。その途中、黒瀬は美谷によって腹部をナイフで刺されてしまう。美谷は不道から、白鳥と黒瀬が入れ替わっていることを知らせれ、自分が人気者の白鳥ではなく、地味な黒瀬と関係を持ってしまっていたことを憎み、黒瀬に復讐をしに来たのであった。ナイフで刺され、絶体絶命かと思われたが、そのタイミングでネネが黒瀬を匿い、応急処置をした。ネネは美谷と黒瀬の会話を聞いたことで、黒瀬と白鳥の入れ替わりについて把握していた。そこで黒瀬を助けることにしたのであった。黒瀬は美谷によってさらわれた柊を助け、不道に復讐するため、動こうとするが学校中に不道と黒瀬によってそそのかされた生徒たちが黒瀬を探し回っているため、どうするか決めあぐねていた。そこで、ネネは若王子に放送を使って、この騒動の本当の首謀者は不道であると生徒たちに伝え、柊の救出と不道の確保を目指してもらった。しかし、先に白鳥が手を打ち、不道が用意したガソリンを使用し、美谷に校舎へ火をつけさせたのであった。そこで校内に取り残された人々は各部屋に備え付けられた救助袋を使い、校外へと脱出しようとする。不道も脱出をしようとするが、生徒たちから首謀者と把握されているため、救助袋を使用することはできなかった。そのため、人のいない4階の図書館へとたどり着いた。しかし、そこには黒瀬が待ち受けていた。黒瀬は不道が図書館に来るよう誘導したのであった。不道と会話をするとそこには反省のようなものが見られたため、黒瀬は一緒に協力して白鳥を倒そうと提案する。しかし、不道は友情を信じることができず、黒瀬があらかじめ用意していた救助袋の罠にはまり、4階から落ちてしまう。火も相まって不道はそこで死んでしまった。脱出を急ぐ黒瀬であったが、救助袋がある部屋へと向かう際に、救出され息を吹き返していた新島によって足止めをされてしまう。刺された傷もあり、苦戦をしていると冴木がやってきて黒瀬を助け先に行かせた。冴木は新島を捕まえようとするが油断し、刺し傷を負ってしまい、その隙に新島に逃げられてしまう。しかし、新島が逃げた先で火事の影響で壊れたシャッターに挟まってしまい、そのままそこに取り残されることとなった。黒瀬は生徒に紛れて脱出し、白鳥が一人になったタイミングでナイフで脅しながらとある場所へと連行しようとする。そこは白鳥の母が入院をしている病院であり、白鳥をただ殺すだけでは復讐にならないと考えた黒瀬は、白鳥の母を目の前で殺すことで復讐になると考えた。病院前に着き、白鳥が時間を稼いでいると、そこに位置情報を追って美谷がやってきて、黒瀬から白鳥を救う。そして、近くの駅に逃げるために二人は歩道橋を渡るが、美谷は待ち伏せして、黒瀬をナイフで刺そうと企むが、白鳥は美谷すら裏切り、後ろから突き落とし、結果的に美谷自身がさされることとなった。激闘の末、黒瀬は白鳥を追い詰めた。歩道橋の下の足が折れてしまいはいつくばって逃げようとする白鳥を、黒瀬は歩道橋から飛び降りることで衝突し、二人とも死のうとするのであった。そして二人は激突し、白鳥の体は死んでしまい、黒瀬の体は意識不明で入院をしてしまった。そして、目覚めた黒瀬の体の中の人格はどちらかわからなかったが、黒瀬は失踪をしてしまった。

白鳥聖の過去編

白鳥は高校3年生の時開帝高校へと転校をするが、所属するクラスの雰囲気は弱者を笑うようなクラスであり、違和感を持っていた。そのクラスのリーダー的存在である芦屋優馬(あしやゆうま)に白鳥は目をつけられるが、持ち前の強い心でいなしていた。しかし、休日に同じクラスの星宮紗良(ほしみやさら)と一緒にいた際に後ろから芦屋らしき人物に突き落とされたことから芦屋に決闘を挑む。そこで悲劇が起きてしまい、決闘は天気の悪い中水辺で行われたため、芦屋は水流に飲み込まれ亡くなってしまう。そのことに責任を感じた白鳥は自殺未遂をするほどであった。立ち直った白鳥を担任の神童輝(しんどうこうき)が励まし、神童によって教師になることを勧められたのであった。東横大学の大学の四年生となった白鳥と星宮は開帝高校の神童の元へと教育実習をすることとなった。しかし、そこで二人が付き合っていることが、白鳥の担当クラスの生徒仙水エリカ(せんすいえりか)にばれたことで嫌がらせを受けることになる。星宮にまで被害が及ぶのを避けるため、仙水と夜の公園で話し合いをしようとするとそこに神童が偶然にもやってきた。そこで神童が仙水のような人物を使い、クラスの弱者一名をいじめることで他の大勢を強者にするという教育理念を抱えていることがわかった。神童は白鳥に自分の理念を受け継いで貰いたがったが、白鳥がそれを拒否したため、白鳥と星宮への嫌がらせを始める。教師人生どころか命まで危ないと考えた白鳥は、朝早く神童を屋上へと呼び出し、あらかじめ捕まえておいた仙水と一緒に屋上から突き落としたのであった。死ぬ間際の神童に白鳥は無自覚に大勢の人に影響を与える真の強者であり、それが無自覚な悪魔であると伝える。それを陰から聞いていた星宮は白鳥に疑いを持つようになり、最終的に別れを迫り、自首するように伝える。それを聞いて白鳥は強者は弱者に悪影響を与えることを自覚し、強者である自分が弱者に寄り添う強者へとなり、強い者いじめを始めようと決心する。そして、それを止めようとする星宮を階段から突き落とし、現在のような白鳥へとなってしまったのであった。かつて雪田が白鳥から持って逃げた物は、白鳥が殺した芦屋・神童・仙水・星宮の4人の遺留品であった。

最終章

目覚めた黒瀬の中身は黒瀬ではなく、白鳥であった。白鳥は黒瀬の元彼女であるさくらに連絡を取り、匿ってもらいながら計画を手伝ってもらっていた。まず、柊を呼び出し、柊がいる小屋ごと燃やしてしまった。続いて、冴木とネネを川に沈めた。しかし、さくらは途中から違和感を感じており、柊と話したことで確信したが、協力しなければ自分や家族に被害が及ぶと考え、協力するふりをしているのであった。そのため、3人ともさくらによって殺されずに済んでいるのであった。そして、白鳥は3人が生きているとは知らず、最後の邪魔者を排除するために群青の元へと向かう。しかし、群青は黒瀬が以前渡していた「復讐の教科書」によって今の黒瀬の中身は黒瀬ではなく、白鳥だとわかったため、淹れた紅茶に黒瀬のアレルギーであるそば粉を混ぜていた。それを飲み死にそうになっていた白鳥であったが、群青が油断したすきに、応急処置をし、持っていたナイフで群青に反撃を開始し始めた。群青が追い詰められ、ナイフを振り下ろされる寸前、ナイフが刺したのは白鳥自身の体であった。それを行ったのは黒瀬の人格であり、黒瀬の体に白鳥と黒瀬の二人が共存していたのであった。そしてそのタイミングでやっと黒瀬が出てくることができ、黒瀬と白鳥はそこで死んでしまった。
事件の後、それぞれが反省や後悔に暮れる中、後遺症を残しながらも回復をしたくるみは黒瀬の夢を引き継ぎ教師に、冴木は刑事になるために前を向き始めるというところで物語は幕を閉じる。

『復讐の教科書』の登場人物・キャラクター

主要登場人物

黒瀬 良太郎(くろせ りょうたろう)

物語の主人公。横濱学園高校の2年B組に所属する。人だけでなく、動物にも優しく接する心優しい青年。不道エイジ(ふどうえいじ)・遊井学(ゆいまなぶ)・切木竜也(きりこたつや)・森野くるみ(もりのくるみ)・仙水理人(せんすいりひと)の5人に常習的にいじめられていた。最後まで仲直りすることを望んでいたが、彼らに殺されかけたことをきっかけに復讐を誓う。彼らに学校の屋上から突き落とされた際に担任教師の白鳥聖(しらとりこうき)と衝突したことにより、命は助かるが、目覚めるとお互いの人格が入れ替わっていた。そのことを利用して彼らへの復讐を行っていく。

白鳥 聖(しらとり こうき)

横濱学園高校の2年B組の担任教師。黒瀬が屋上から転落してきた際に衝突した際に、人格が入れ替わってしまう人物。生徒や他の教師からの信頼や人気が高い教師である一方、動物嫌いや黒瀬のいじめを扇動していたという裏の顔が存在する。影響力が強く無自覚に弱者を追い詰める強者をいじめて、弱者が生きやすい社会を作るという信条を持って教育活動を行っていた。

いじめグループ

不道 エイジ(ふどう えいじ)

横濱学園高校の2年B組所属。黒瀬、遊井、切木、仙水、くるみとは同じ掃除の班であり、共に黒瀬をいじめていた。元々はまじめな性格であり、黒瀬とも仲良くしていた。しかし、父親は自分には厳しく、黒瀬をよく褒めていたことから、嫉妬心が膨れ上がり、それを白鳥に刺激されたことで黒瀬をいじめるようになってしまう。最終的には白鳥の手先となり、動いていた。二人で白鳥を打倒しようという黒瀬の提案を無視し、自分しか信じなかったため、黒瀬が張ったわなに引っかかってしまい、転落死する。

遊井 学(ゆい まなぶ)

横濱学園高校の2年B組所属。黒瀬、不道、切木、仙水、くるみとは同じ掃除の班であり、共に黒瀬をいじめていた。画家を目指していて、不道を題材にコンクールで入賞している。画材費と称して黒瀬からお金を取っていた。入選した絵を白鳥と人格が入れ替わった黒瀬によって破かれる。黒瀬の策略により下着泥棒の濡れ衣を被せられ、最終的には右半身を大火傷し、入院する。後に目が覚めた時には、不道たちから裏切られたことで、黒瀬のいじめの罪を背負わされそうになり、自暴自棄になる。その結果学校に包丁を持って侵入し、不道に怪我を負わせる。しかし、白鳥によって自殺に見せかけて殺害される。

切木 竜也(きりこ たつや)

横濱学園高校の2年B組所属。黒瀬、不道、遊井、仙水、くるみとは同じ掃除の班であり、共に黒瀬をいじめていた。バスケ部に所属し、部長を務めている。美谷と交際をしていた。切木は絆を重視していたが、黒瀬によって美谷と破局させられ、バスケ部では横柄な態度をとっていたことから嫌われていてそれを明らかにされた。その事実を目の当たりにし、耐えれなくなった切木は注意散漫になってしまい、道に飛び出てトラックに引かれ、亡くなってしまう。

森野 くるみ(もりの くるみ)

4111-4922
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