ACMA:GAME(アクマゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ACMA:GAME』(アクマゲーム)は、『週刊少年マガジン』(講談社)にて、2013年19号から2017年14号まで連載された原作:メーブ、作画:恵広史による日本の漫画作品である。
ひょんなことから悪魔が執り行う「アクマゲーム」に巻き込まれた主人公・織田 照朝は、持ち前の頭脳を持って、世界征服を目論む組織と戦っていく。
2024年4月にはテレビドラマ化もされ、同年10月には映画化も予定されており人気の作品となっている。

『ACMA:GAME』の概要

『ACMA:GAME』(アクマゲーム)は、『週刊少年マガジン』(講談社)にて、2013年19号から2017年14号まで連載された原作:メーブ、作画:恵広史による日本の漫画作品である。

主人公・織田照朝は、高校生にして日本有数の一大企業・「織田グループ」の会長。8年前に両親が他界したことで破綻したグループをわずか3年で再建した。彼の手腕は凄まじく、学校でも成績優秀、運動神経抜群なエリート高校生である。

そんな照朝の元にある日、ベルモンドファミリーと呼ばれるマフィアが乗り込んできた。ベルモンドファミリーのボスであるマルコ・ベルモンドは織田グループの会長の座を要求。当然、要求を断る照朝だが、そのときマルコはアクマゲームという特殊なゲームを仕掛けてきた。

アクマゲームとは、悪魔が執り行うゲームのことであり、一度ゲームを仕掛けられた人間はそれを拒否することはできない。そしてゲームの敗者は賭け代としたものを必ず支払うこととなる。賭け代は、金銭や利権に留まらず、命や寿命など人間の力が及ばないものも賭けることが出来る。

文字通り命がけのゲームに巻き込まれた照朝はその類まれなる頭脳を用いて、巨悪と戦っていくこととなる。

作品のジャンルとしては、「頭脳バトル」であり、悪魔が取り仕切っているとはいってもカードゲームや数当てクイズなど、現実でも再現可能なお手軽なゲームが多い。このようなシンプルなゲームだからこそ、登場人物たちの心理戦がより際立つ作品となっている。

2024年にはテレビドラマ化もされており、2024年4月7日から6月9日まで日本テレビ系『日曜ドラマ』枠にて放送された。主役・織田照朝役は間宮祥太朗が演じた。

『ACMA:GAME』のあらすじ・ストーリー

物語の始まり:アクマゲームとの出会い

主人公・織田照朝は高校生でありながら日本を席巻する一大企業・「織田グループ」の会長を務めるエリート高校生。8年前両親の他界で破綻寸前に追い込まれたグループを修復し、父親の意志を受け継ぎ会社を守り続けていた。

そんな照朝の元に突如イタリアのマフィア「ベルモンドファミリー」のボスであるマルコ・ベルモンドが訪れる。彼の要求は「織田グループの全財産と会長の座を自身に譲ること」だった。不条理な要求を当然拒否する照朝。そのとき、マルコは奇妙なカギを取り出し、「アクマゲーム」というゲームを仕掛けてきた。

アクマゲームとは文字通り、悪魔が取り仕切るゲームであり、ゲームを仕掛けられた人間はそれを拒否することが出来ず、ゲームの敗者は賭け代として賭けたものを必ず支払わなければならない。そして、賭け代は相手の寿命や洗脳など、人知を超えたものでも可能である。実は最近、日本の数々の大企業が突如として全財産をベルモンドファミリーに無条件に譲るという事件が多発しており、これはマルコがアクマゲームによって勝ち取ったものだったのだ。

突然の人知を超えたゲームに巻き込まれることになった照朝。しかしその卓越した頭脳を持って、マルコに勝利することに成功する。敗北したマルコは真の目的を騙る。実はマルコは己の利益のためではなく、グングニルという謎の組織の囚われた父親を助けるべく、動いていたのである。「人質」となった父親を救うべく、日本の大企業を取引の材料として利用しようと画策していた。そのとき、マルコの元にある一通のビデオメッセージが届く。ビデオに映っていたのは人質となっていたマルコの父親、レオ・ベルモンドだった。グングニルを出し抜き、悪魔の鍵を持ち出した「見せしめ」としてレオはそのビデオで殺されてしまった。

父親の死に絶望するマルコ。その非道な行いに憤りを感じた照朝は、打倒グングニルを心に掲げるのだった。

グングニルの台頭

打倒グングニルを掲げた照朝は、まず初めにアクマゲームを始める際に使う「悪魔の鍵」に目をつける。織田グループの力を使って、この謎の物質を研究する照朝だが、どんな測定機にかけても何の情報も得られず、極めつけは質量もないという。

悪魔の鍵、そしてアクマゲームに頭を悩ませる照朝の元に、「上杉潜夜」という青年が訪れる。彼はアクマゲームやグングニルについて情報を持っており、知りたければアクマゲームで自分を倒してみろという。

グングニルに近づくため、潜夜との勝負を行う照朝。しかし、潜夜の奇怪な戦術に翻弄され、敗北してしまう。しかし、勝負を経て友好関係を築いた両者は、打倒グングニルのため手を結ぶこととなり、照朝もグングニルの真意に一歩近づくことが出来た。

照朝が潜夜と対決していた頃、グングニルも水面下で動き始めていた。手始めにグングニルは総理大臣である斉藤 久利臣をアクマゲームで洗脳し、日本の実験をグングニルに譲渡することを宣言させた。

こうして日本の支配者となったグングニルが次に行ったのは、アクマゲームトーナメントの開催だった。日本の支配を任せるに値する若者を選抜するべく、それをアクマゲームによって図ろうとしたのだ。優勝者にはグングニルのリーダーである「先導者」への謁見が出来ることを知った照朝は潜夜とともに、このトーナメントに参加することを決断した。

アクマゲームトーナメントの始まり

グングニルが主催するアクマゲームトーナメントが始まった。このゲームの賭け代は敗者の絶対服従。負ければ文字通り全てを失うこのゲームを勝ち抜き、照朝は先導者との謁見を目指す。

アクマゲームトーナメント初戦の相手は、高校生天才アイドル・式部紫。彼女の卓越した演技力に翻弄されながらも、圧倒的頭脳によって勝利を収めた照朝。敗北した彼女の目的は、家族の奪還だった。グングニルを倒すべく、自ら参加した照朝とは違い、彼女は家族を人質に取られ強制的に参加させられていたのだ。それを事前に気づいていた照朝は裏で紫の家族を奪還することに成功。さらに、紫の絶対服従も解き、強制ではなく能動的に仲間になってほしいと頼み込む。敵にも情けをかける照朝の大器に魅了され、紫は照朝に協力することとなる。

2回戦の相手は、グングニルによって洗脳された総理大臣・斉藤 久利臣の息子である斎藤 初。彼の目的も父の奪還だと思われたが、そうではなく彼の目的はこのアクマゲームを勝利し、日本の支配者となることだった。グングニル派である初を倒すべく、照朝は勝負に赴く。

天才的な頭脳を持つ初を紫との連携により、何とか倒した照朝。敗北した初は自身の真の目的を吐露する。彼は、グングニルに自分の真意が悟られぬよう、グングニル派を演じており、彼の目的はやはり父親の奪還であった。打倒グングニルという目的を同じくした照朝と初は協力関係となる。

次はいよいよ、アクマゲームトーナメント決勝戦。相手はあの潜夜に勝利した天才棋士・毛利 明だ。

トーナメントの決着

決勝の相手は自身を負かした潜夜に勝利した天才棋士・毛利 明。照朝は勝負の前に彼に降参を求める。自身の目的はグングニルの打倒であり、降参してもらえば人質となっている人間も助けると話す。しかし、毛利はその要求を拒否。勝負事を生業にしている彼にとって降参とは自身の存在の否定であるという。

始まったアクマゲームトーナメント決勝戦。今までの戦いで仲間となった初たちと協力しながら、照朝は見事毛利に勝利する。

アクマゲームトーナメント優勝者となった照朝。いよいよ先導者への謁見が始まる。

先導者の正体

先導者と謁見する照朝。まず照朝が問うのは、彼の正体である。その問いに答えるかのように素顔を晒した先導者。照朝の前に姿を現したのは、8年前死んだはずの照朝の父・織田 清司であった。実は警察が掴んだ情報により、先導者の正体が織田 清司である可能性があることは示唆されていた。しかし、照朝は先導者に出会うため、確信が持てていなかったのである。

時は遡り、照朝がまだ幼い小学生であった頃。照朝の母であり、清司の妻である織田 麗華は、ストーカーにより命を落としてしまう。妻の死を受け入れられない清司は何とか妻を生き返らせる方法がないか模索する。そのとき、悪魔の鍵と対をなす道具である「天の知識書」に出会う。悪魔の鍵と同じく人知を超えた道具である天の知識書は、この世のありとあらゆる知識が詰め込まれており、それに触れることが出来れば、妻と再会する方法も見つかるかもしれない。しかし、その代償として膨大な知識量に常人では脳が耐えきれず、絶命してしまうという。

妻との再会のために、天の知識書に触れる清司。一代で一大企業を立ち上げたその天才的な頭脳により、天の知識書の知識量に耐えることに成功した清司。しかし、全能となった清司の脳内には、もはや妻や息子の存在はなく、悟りを開いた「先導者」となり、この世を支配することのみを目的としてしまった。

突然の父親との再会に困惑する照朝。しかし、グングニルを倒すという当初の目的の元、彼は実の父親・清司との戦いを始める。

先導者との最後の戦い

先導者との最後の戦いの名前は、「三単究明」。各々3つの単語を考え、お互いがYes/Noで答えられる質問を繰り返し、相手の単語を当てるというゲームだ。

膨大な知識量で圧倒する清司。照朝が選んだ2つ目の単語・「織田 麗華」を当て、リーチをかけた。しかし、最後の単語を当てることが出来ず、難儀する。その間に清司の意図を見抜いた照朝は、全ての単語を正解することに成功した。実は照朝の最後の単語は「山本 麗華」。清司の妻、織田 麗華の旧姓である。この2つが別の単語であるという発想は、家族を捨て、自身の名前を捨てた清司には到底理解できないものであった。

アクマゲームに勝利した照朝は、賭け代としていた「天の知識書の記憶の抹消」を行う。天の知識書の知識が消えた清司は、正気に戻り、今までの行いを悔い、グングニルの解散を表明した。

しかし、そこで動いたのがグングニルのナンバー2である崩心 祷である。彼は清司の腹を拳銃で撃ち、自身がグングニルの支配をもらい受けると宣言した。崩心を止めるべく、彼にアクマゲームを挑む照朝。しかし、それを止めたのは満身創痍の清司だった。清司は照朝をかばい、崩心にアクマゲームを挑む。しかし、清司はアクマゲームを行う気がなかった。実はアクマゲームのルールには、ゲームの途中で片方のプレイヤーが亡くなった場合、他プレイヤーはゲームを行うために作られた閉鎖空間に永劫閉じ込められてしまうというものがある。清司は息子を守るため、崩心との心中を決断したのである。

清司の犠牲により、グングニルは解体され日本に平和が訪れた。会長職に戻った照朝の元に、天の知識書を持った潜夜が訪れる。彼は照朝に天の知識書の所有権を巡ってゲームを仕掛ける。ゲームに勝利した潜夜は天の知識書を持ち去り、どこかへ消えてしまう。彼が天の知識書実際に使ったのかは分からぬまま、物語は幕を閉じる。

『ACMA:GAME』の登場人物・キャラクター

アクマゲームトーナメント参加者

織田 照朝(おだ てるあさ)

本作の主人公。光聖高校3年にして、日本有数の財閥「織田グループ」の総会長を務める。

マルコ・ベルモンドが仕掛けたアクマゲームがきっかけで、アクマゲームを用いて、グングニルとの戦いに身を投じることとなる。

親譲りの正義感を持つ優しい性格で、自身の企業の人間を家族のように大切に思っている。そんな優しさを持つ彼の影響を受け、照朝の元には多くの仲間が集まる。

ドラマでは、間宮祥太郎が演じている。

上杉 潜夜(うえすぎ せんや)

スリルを好む若き天才ギャンブラー。

事件により、家族を亡くしその容疑者の疑いをかけられた経験から、「今を楽しむ」ことを信条に生きており、目先の快感を求めて、アクマゲームへと身を投じる。

その実力は折り紙付きであり、照朝を負かした数少ない人間である。照朝との戦いの後が、打倒グングニルのために照朝の仲間となる。

ドラマでは竜星 涼が演じている。

マルコ・ベルモンド

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