英雄王、武を極めるため転生す(ラノベ・漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『英雄王、武を極めるため転生す』とは、ハヤケンが『小説家になろう』に2019年3月から連載し、ホビージャパンのHJ文庫から2019年11月に刊行されているライトノベルである。英雄王イングリスが転生し、今度は美少女騎士として武を極める物語である。特徴として、異世界転生と性転換の要素が融合し、主人公の成長と戦闘が描かれる。漫画版もあり、アニメは2023年に放送され、スタジオコメットが制作を担当した。魅力は、緻密なバトルシーンと個性的なキャラクターである。

CV:天崎滉平
ラティは、北の隣国アルカードから王立騎士アカデミーに留学してきた学生である。金髪が特徴。彼は従騎士科に所属し、イングリスと同級生として学んでいる。当初、ラティの真の身分は伏せられていたが、後に彼がアルカード王国の王子であることが明らかとなる。この事実は、彼の立場と行動に新たな意味を与えることとなった。ラティの家族関係も興味深い。彼の国元には義理の兄が存在する。この兄は王の兄の子であり、同時に王の養子でもあるという複雑な立場にある。この家族構成は、アルカード王国の王位継承や政治情勢に影響を与える可能性を秘めているのだ。

プラム

CV:河野ひより
ラティの幼なじみで一緒にやってきた留学生。騎士科でラフィニア達と同級生になる。

シルヴァ・エレイン

CV:今井文也
シルヴァ・エレインは、生徒の中で唯一特級印を持つ特異な存在である。水色の髪が特徴。彼は近衛騎士団長レダス・エイレンの弟という立場にあり、その背景からも注目を集める人物だ。戦闘スタイルはライフル型の魔印武具アーティファクトを駆使した遠距離戦を得意とする。性格面では、神経質かつ短気な一面を持つシルヴァだが、その言動の裏には複雑な思いが隠されている。従騎士科や無印者に対して時に見下したような発言をすることがあるが、これは純粋に戦闘力の低い者を危険から遠ざけようとする配慮の表れだ。実際、従騎士科の生徒が危険に晒された際には、躊躇なく身を挺して守る姿勢を見せており、本当の意味で彼らを蔑視しているわけではない。シルヴァの行動の根底には、過去の経験が大きく影響している。リップルに命を救われた過去を持つ彼は、自身が武器化したリップルを扱うに相応しい聖騎士になるべく、日々努力を重ねている。ライフル型の魔印武具アーティファクトを選択したのも、この決意の表れだといえる。

ユア

CV:富田美憂
ユアは2回生であるが、魔印ルーンを持たない無印者として、エース扱いされている特異な存在だ。ピンクの髪が特徴。その性格は極度のめんどくさがりで、戦いを好まず、できることなら避けたいと常に考えている。人の名前を記憶するのが苦手なユアは、独特の方法で周囲の人物を認識している。第一印象に基づいてあだ名をつけるのだ。例えば、イングリスは豊満な胸から「おっぱいちゃん」と呼ばれ、同様の理由でレオーネは「(おっぱい)2号ちゃん」というあだ名が付けられた。リップルは頭部の獣耳から「ケモ耳様」、リーゼロッテは特徴的な髪型から「トンガリ」と呼ばれている。ユアは魔印武具アーティファクトを使用せずとも、素手で魔石獣にダメージを与える能力を持っている。この 非凡な力は、無印者でありながらエースとして認められている理由の1つなのだ。​​​​​​​​​​​​​​​​

天上人(ハイランダー)

セイリーン/リンちゃん

セイリーンは、ノーヴァという街の執政官を務めていた天上人の少女である。外見は十代後半ほどに見え、その慈悲深い性格から地上の人々を見下すことなく接していた。そのため、街の住民や孤児たちからも深く慕われる存在だった。しかし、彼女の周囲には危険が潜んでいた。身近に仕える者を装っていた血鉄鎖旅団の構成員によって、虹の粉薬プリズムパウダーを密かに飲まされてしまう。その結果、セイリーンは魔石獣と化し、街で暴れ始めるという悲劇が起きた。この危機的状況は、イングリスと黒仮面の男の介入によって収束する。彼らの力でセイリーンはマスコットサイズに縮小され、おとなしくなった。この出来事以降、彼女はイングリスたちに同行するようになり、愛称の「リンちゃん」で親しまれるようになる。
リンちゃんとなった彼女は、女性の豊かな胸元に潜り込むという独特の嗜好を見せる。特にイングリスとレオーネの胸がお気に入りなのだ。セイリーンの兄であるセオドアに対しては噛みつくなど拒絶反応を示す。この行動から、彼女がセイリーンとしての記憶や人格を保持しているかどうかは不明瞭である。

セオドア

CV:中澤まさとも
セオドアは、天上領からカーラリア王国に新たに派遣された特使である。黒髪が特徴。彼は大公派に属しており、その立場は政治的に重要な意味を持つ。セオドアの特筆すべき点は、彼の妹セイリーンとの関係、そして地上の人々に対する態度にある。彼はセイリーンの兄であり、2人の関係は天上人と地上の人々との関わりを考える上で興味深い事例となっている。
多くの天上人が地上の人々を見下す傾向にある中、セオドアはセイリーンと同様に、そのような差別的な態度を取らない。この姿勢は天上人の中では珍しく、彼の人格と価値観を際立たせている。

イーベル

CV:堀江瞬
イーベルは、天上人の中でも地上の人間を蔑視する典型的な存在として描かれている。赤と青の一房が混じった白髪が特徴。彼の態度は、天上人と地上の人々の間に存在する深い溝を象徴しているといえる。彼は血鉄鎖旅団を罠にかけるという大胆な計画を実行に移す。カーリアス国王との会合をでっち上げ、血鉄鎖旅団を誘い出すという策略を練ったのだ。この行動からは、イーベルの狡猾さと、地上の勢力を操ろうとする傲慢さが窺える。計画は一見成功したかに見えた。イーベルは思惑通りに血鉄鎖旅団と対峙することになる。しかし、事態は彼の予想を大きく超える展開を見せる。戦いの中で、イーベルは予期せぬ強敵に遭遇する。それは、天恵武姫を武器として操る黒仮面の男だった。この謎の人物の力は、イーベルの想定をはるかに超えるものだった。結果として、イーベルは黒仮面の男によって消滅させられてしまう。彼の最期は、自身の傲慢さと、地上の力を過小評価していたことへの皮肉な結末といえる。​​​​​​​​​​​​​​​​

ラーアル・ランバー

CV:小林千晃
幼少時のイングリスと手合わせをし、魔術を使って身体の自由を奪おうとした旅の行商人の息子。エーテルを自由に扱えるイングリスには魔術は効かず、返り討ちにされた。後に金の力で天上人となりイングリスと再会するが、魔石獣となり、彼女に倒される。

血鉄鎖旅団

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