巨人の星(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『巨人の星』とは星飛雄馬が主人公の日本を代表する野球マンガで、1960年代と1970年代に大ヒットした。その後も続編『新・巨人の星』が制作されただけではなく、原作を母体とした別の作品まで制作された。『巨人の星【特別編】 猛虎 花形満』などである。『巨人の星』の内容は、飛雄馬が野球のスターを目指していく物語。最初は速球での勝負だが通用しなくなると魔球で戦っていくことに。この基本ストーリーに、父、姉、ライバル、巨人軍実在選手との人間関係を絡ませていき、当時の社会情勢も背景に取り入れている。

星飛雄馬「ねーちゃん」

飛雄馬が姉の明子に対する呼びかけ。形式的な言い方は「とーちゃん」と同じではあるが、「かーちゃん」というニュアンスを含んだ言い方である。つまり少し甘えている気持ちが含まれているということである。「とーちゃん」という言葉には甘えという気持ちがなく、少し相手と距離を開けたいという気持ちが含まれている。飛雄馬の家族には母親がいないため、姉の明子が唯一の女性だからだ。しかも自分より年上。自分の母親に対する気持ちが含まれていても当然だろう。

星一徹「飛雄馬!」

「飛雄馬!」:父一徹の飛雄馬に対する呼びかけ。厳しい気持ちが含まれた言い方である。絶対、我が子ではあるが、甘い気持ちを見せたくない、という少し突き放した気持ちが含んだ言い方。姉の明子も「飛雄馬」と呼びかけ、「ひゅうーちゃん」とか「ひゅうー」とか「まーちゃん」とか自分の弟だからと言ってこのような呼びかけはしない。しかし、一徹の呼びかけと、明子の呼びかけは、強く発音する箇所が違うため飛雄馬に対する気持ちがよくわかる。一徹は「ひゅうー」の部分を強くして発音している。しかし明子は「ま」の部分を強めに発音しているため、やさしく聞こえてくる。

星明子「ひゅうーまあ」

姉の明子の飛雄馬に対する呼び方。「まあ」の部分を強めに発音するのが特徴。弟との仲の良さが伝わってくる言い方である。しかしそれだけではなく、弟なのに自分の子供に対する母親の気持ちも伝わってくる言い方である。自分だけしか守ってあげる者がいないという気持ちである。

伴宙太「ほし―」

伴宙太の飛雄馬に対する呼び方。「しー」と最後の語尾を長く伸ばして呼びかけるのが特徴。打ち解けて信じあえる仲間に対する気持ちをうまく表現している。

花形満「ホシくーん」

花形満の飛雄馬に対する呼びかけ。気取って、少し相手を馬鹿にした言い方である。君より自分の方が優れているという優越感の気持ちが含まれている。

『巨人の星』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

声優・古谷徹の原点である「星飛雄馬」

『機動戦士ガンダム』のアムロを始め、『聖闘士星矢』、『ドラゴンボール』、『美少女戦士セーラームーン』などの有名作品に出演する声優の古谷徹は、『巨人の星』の星飛雄馬の演じた。オーディションで古谷徹が飛雄馬の声を勝ち取ったのは中学3年生の時だった。古谷徹の著書『ヒーローの声』(角川書店)の中で、古谷徹は「『巨人の星』との出会いはその後の人生を左右する、とても大きなものだった。」と語っている。古谷徹自身はオーディションに受かる前は『巨人の星』の1ファンに過ぎず、野球にもそこまで詳しくなかったとのこと。オーディションで星飛雄馬役に選ばれてからは、生活に野球を取り入れるなどしたという。星飛雄馬はまさに古谷徹の原点だった。

『巨人の星』の主題歌・挿入歌

TVアニメ『巨人の星』

OP(オープニング)・ED(エンディング):アンサンブル・ボッカ「ゆけゆけ飛雄馬」

OP(オープニング):アンサンブルポッカ 「ゆけゆけ飛雄馬」
作詞・東京ムービー企画部
作曲・編曲 渡辺岳夫

この曲のレコードの売り上げは、1972年時点で100万枚に達している。アニメの人気ぶりがよくわかる数字である。この主題歌は、その後いろいろなテレビ番組でも使用されることになった。番組のジャンルはアニメだけではなくわれわれ人間が登場するバラエティー番組などでもある。特にスポーツをテーマにしたバラエティー番組などでは、常連であった。しかもスポーツは野球だけではなく、あらゆるスポーツに及んだほどである。特に厳しい特訓のシーンなどによく使用されたのであった。この曲は厳しい訓練をイメージする最適な曲になったわけである。

しかしその後ますます活躍する場面が増え、スポーツの訓練だけにとどまらず、人生の厳しさを耐え抜くためのイメージソングにまでなったほどである。まずこの曲は一度聞いただけでわかることだが、楽しくなる曲ではない。むしろ逆に気が重くなってしまう曲である。重苦しい曲の旋律、そして歌詞である。「血の汗流せ、涙をふくな」 これでわかるように、まさに人生の厳しさをテーマにしている曲であることがわかるであろう。しかしそれは「巨人の星をつかむまで」なのである。厳しい状況に耐えれば、「巨人の星」をつかむことができるのである。そこでこの「巨人」の歌詞の部分を別の表現に置き換えることによって、あらゆる人生の目標に応用できるのである。「営業の星」「受験の星」「健康の星」などなど…この曲が大ヒットした理由がよくわかるであろう。特につらい時にこの曲を聴くのがいいと思う。そすれば不思議に気分が楽になれるはずだ。つらいのは自分一人だけではない。人生はつらいのが当たり前。自分一人だけではなくみんなつらい思いで生きているのである。しかしそのつらさを耐えれば、その先で星をつかむことができるのである。これからもたくさんの人に聞いてもらいたい曲である。

副主題歌:ジ・エコーズ「友情の虹」

作詞:東京ムービー企画部
作曲・編曲:渡辺岳夫

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