Eye Love You(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『Eye Love You』とは、2024年1月よりTBS系の「火曜ドラマ」枠で放送された連続ドラマ作品。目を見ただけで相手の心の声が聞こえてしまう能力を持つ主人公=本宮侑里を二階堂ふみが、年下の韓国人留学生=ユン・テオをチェ・ジョンヒョプが演じている。民放GP帯連続ドラマでヒロインの相手役に韓国人俳優を起用したのは本作が初となった。能力のせいで恋愛は諦めていた侑里の心を、明るく実直なテオが解かしていくファンタジーラブコメ。ピュアな2人が繰り広げる胸キュン指数高めの恋模様は毎話話題を呼んだ。
『Eye Love You』の概要
『Eye Love You』とは、2024年1月23日から同年3月26日まで、TBS系の「火曜ドラマ」枠で放送された連続ドラマ作品である。ドラマタイトルの『Eye Love You』は、二階堂ふみ演じる主人公=本宮侑里(もとみや ゆり)が目を見ただけで相手の心の声が聞こえてしまう能力を持っていることから、”I Love You”の「I」と「eye」をかけている。ヒロインの相手役である年下の韓国人留学生=ユン・テオを演じたチェ・ジョンヒョプは、韓国3大地上波の受賞イベントの一つ「2022KBS演技大賞」で新人賞を受賞するなど、韓国でも大注目の俳優だ。民放GP帯連続ドラマでヒロインの相手役に韓国人俳優を起用したのは本作が初ということもあり、放送前から期待を寄せる声が多く聞かれた。主題歌は、アニメ『ブルーピリオド』のオープニングテーマなど様々な作品に楽曲を提供しているOmoinotake(オモイノタケ)が務めた。
脚本を手掛けたのは山下すばる(やました すばる)と三浦希紗(みうら きさ)。『私の家政夫ナギサさん』『パパがも一度恋をした』など丁寧な感情描写を得意とする山下と、『彼女はキレイだった』『明日、私は誰かのカノジョ』などラブストーリーに強い三浦の最強タッグが作り出した。
能力による過去のトラウマで心を閉ざしてしまった侑里と、真っ直ぐな愛情表現で侑里の心を解かそうとするテオの心情が繊細に描かれており、ファンタジーでありながらリアリティーも随所に感じられ感情移入する視聴者が続出した本作。テオのピュアな想いに心動かされ、諦めていた恋愛に一歩踏み出そうとする侑里だったが、一冊の絵本をきっかけにまたしても自身の能力が邪魔をする。テオを巻き込みたくない、テオに幸せになってほしいと思っている侑里と、どんな侑里も愛しているからこそ一緒に幸せになりたいテオ。一見すると相容れないようにも思えるが、根本にある大きな愛情は同じだ。苦しみ、傷つきながらも2人の幸せを探し続ける様子が愛とユーモアたっぷりに描かれている。
初回放送後の配信ではNetflix「今日のシリーズTOP100(日本)」でTBS地上波連続ドラマ史上初となる初登場1位を記録した。また、毎話放送後にはX(旧Twitter)のトレンド1位になるなど大きな反響を呼んだ。さらに、総括プロデューサーである中島啓介(なかじま けいすけ)が第5回WCIFアウォード(音楽とエンタメ産業において東洋と西洋の交流に貢献した人物に贈られる賞)を受賞しており、日韓のエンタメを繋ぐ新たな架け橋にもなった。
「相手の心を知りたい」という誰もが一度は抱いたことのある願望が仮に実現した時、果たしてそこに幸せはあるのだろうか?と考えさせられると同時に、例え心は覗けなくても、国や言語が違っても、「知りたい」「分かり合いたい」という感情があればいつか必ず心を通わせられるのではないかと、そんな奇跡にも似た希望を信じてみたくなる作品だ。
『Eye Love You』のあらすじ・ストーリー
侑里とテオの出会い
本宮侑里(もとみや ゆり)は、環境に配慮したチョコレートショップ「Dolce&Chocolat.」の若き社長。専務取締役であり、侑里とは大学時代から環境問題に対して同じ想いを持っている花岡彰人(はなおか あきと)や、ショコラティエの池本真尋(いけもと まひろ)らと共に忙しくも充実した毎日を送っていた。しかし侑理には、過去の事故がきっかけで「目を合わせると相手の心の声が聞こえてしまう」という秘密のテレパス能力があったのだ。そのせいで知りたくもない本音を知ってしまい何度も傷ついてきた侑里は、恋愛はもう諦めていた。そんな侑里の日々の楽しみはもっぱら食事。デリバリーでお気に入りの韓国料理を何度も頼んでいたのだが、ある日、配達員のユン・テオがオススメの韓国料理屋をメモ書きで教えてくれた。それがきっかけで2人はメモを通して会話するようになり、その後デリバリー中のテオとぶつかったことでついに2人は顔を合わせた。2人で話す内に、テオが話すのは日本語だが心の声は韓国語だということに気がついた侑里。「この人となら恋愛ができるかもしれない」と思った矢先、侑里の会社に新人インターンとしてテオがやってくる。侑里は「公私混同する人間はうちの会社には必要ない」という花岡の言葉を思い出し、自分とテオはただの社長と社員だと自分に言い聞かせて過ごすようになった。
テオのアプローチ
侑里がテオと一定の距離を保っている中、テオの部屋がスプリンクラーで水浸しになってしまい、侑里は行くあてのないテオを自分の家に泊めることに。「社長として社員のためにしてるだけ」と言い聞かせながらも、どうしても意識してしまい若干様子のおかしい侑里。テオはそんな姿はもちろんのこと、お腹が空くと不機嫌になるところも含めて、自分の感情に素直な侑里にますます惹かれていく。その結果テオの愛情表現は加速し、プレゼントを渡したり会社以外で2人きりの時間を沢山作ったり、「今日も可愛い」と気持ちを伝え続けた。あまりにも真っ直ぐなアプローチに最初は動揺していた侑里だったが、テオの韓国語の心の声が理解できないことも相まって居心地がいいと感じるようになっていた。
花岡が隠していた本心
一方、テオをインターンから本採用の方向で進めようとしていた花岡。そのことを侑里に伝えると同時に、「社内恋愛をしてはいけないというルールはないぞ」と笑顔で告げた。侑里とテオの仲に気づいていたのだ。しかしその瞬間、侑里に聞こえてきたのは「俺はもういい。これでいいんだ。ずっと好きだった。」という、花岡がひた隠してきた侑里への恋心だったのだ。侑里は全く気がつかなかったため驚きを隠せなかった。その直後、覚悟を決めたテオから告白されたのだが、花岡の本心を知った混乱と罪悪感から侑里はテオを振ってしまう。
結ばれた侑里とテオ
テオは無事本採用となったものの侑里に振られたことで元気は無く、侑里に対してもそっけないため社内も重い空気に。それでも仕事はきちんとこなす中、北海道で行われるビジネス交流会へ参加することになったのだが、同僚の仁科明日香(にしな あすか)と相原虎太郎(あいはら こたろう)が急遽行けなくなり、侑里・テオ・花岡の3人で行くことになってしまう。北海道でもテオは侑里にそっけない態度で接し続け、侑里は侑里でなかなか素直になれない。そんな様子を見兼ねた花岡は、東京へ帰る寸前に「素直になれ」と侑里の背中を押し、まだ北海道に残ると言っていたテオのもとへ侑里を送り出した。そしてようやく侑里は「テオ君のことが大好きです」とテオに告白し、テオも「マニ サランへ(すごく愛してる)」と返してくれ、2人は抱きしめ合いキスを交わした。
能力が2人の邪魔をする
晴れて付き合うことになった侑里とテオ。ある日、テオの家で「心が聞こえる少女」というまるで今の自分とテオを描いたかのような絵本を見つけてしまう。その絵本には「やがて2人には様々な不幸が降りかかります」と書かれており、実際に入院中の侑里の父=本宮誠(もとみや まこと)の容態が急変したり会社の投資話が白紙に戻るなど、不幸なハプニングが次々と侑里に降りかかった。侑里は疲弊する中、「会社の新しい投資家になってくれるかもしれない」と、ある人の資料を花岡から受け取ったのだが、そこに書かれていたミン・ハナの名前を見て衝撃を受ける。ミン・ハナとは、あの絵本の著者だったのだ。
別れを選んだ侑里
その頃ハナはテオの元へ会いに来ていた。実はハナは、テオが小さい頃に絵本の読み聞かせをしてくれていた近所のお姉さんだったのだ。さらに侑里と同じテレパス能力を持っており、自身の恋人を亡くした経験から、テレパス能力を持つ侑里と付き合い続ければテオが命を落としてしまうかもしれないと思ったハナ。だから侑里との交際を辞めるようにテオに伝えに来たのだが、それでもテオは「僕は侑里さんが好きです。その気持ちは変わりません。」と強い意志を見せた。しかし絵本の結末、さらには物語がハナの実話だったということを知ってしまった侑里。自分のせいでテオを巻き込んでしまうと思い、侑里の方からテオに別れを告げた。テオは侑里と別れた直後、自分がそばにいることで侑里の迷惑になると思い、退職願を出して韓国に帰ってしまった。
真っ直ぐな愛が起こした奇跡
テオのために身を引いたものの悲しみを隠しきれない侑里を見て、花岡はテオを連れ戻すため韓国へ行き、真尋は絵本に書かれていた「能力を消す方法」について必死に調べた。すると、星空の下で33秒間見つめ合えば能力がなくなるということが分かったのだ。花岡に説得され日本に帰国したテオは侑里と再会し、改めてお互いの気持ちを確かめ合った。そして真尋が見つけてくれた能力を消す方法を試そうとしたのだが、もう少しで33秒というところで「やっぱり嫌です。無くさないでください。」とテオが目を逸らし侑里を抱きしめた。テオは、テレパス能力を持つありのままの侑里を愛しているのだ。数々の試練を乗り越え、2人はようやく本当の意味で結ばれた。
1年後、花岡はハナの恋人が亡くなったのは心臓病が原因だったということを突き止め、決してハナの能力のせいではなかったのだとハナに伝えた。侑里とテオは韓国旅行へ行き、テオは侑里に指輪をプレゼントした。そして2人はテオの育った韓国の街を眺めながら、「愛してる」と叫び合ったのだった。
『Eye Love You』の登場人物・キャラクター
主要人物
本宮侑里(もとみや ゆり / 演:二階堂ふみ)
チョコレートショップ「Dolce&Chocolat.」の社長。30歳。過去の事故がきっかけで、目を見ただけで相手の心の声が聞こえてしまうテレパス能力を持つようになった。本心が全て聞こえてしまうため恋愛は諦めていたのだが、年下の韓国人留学生=ユン・テオと出会い、彼の真っ直ぐな想いに触れ、閉ざしていた心を開いていく。
ユン・テオ(演:チェ・ジョンヒョプ)
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目次 - Contents
- 『Eye Love You』の概要
- 『Eye Love You』のあらすじ・ストーリー
- 侑里とテオの出会い
- テオのアプローチ
- 花岡が隠していた本心
- 結ばれた侑里とテオ
- 能力が2人の邪魔をする
- 別れを選んだ侑里
- 真っ直ぐな愛が起こした奇跡
- 『Eye Love You』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 本宮侑里(もとみや ゆり / 演:二階堂ふみ)
- ユン・テオ(演:チェ・ジョンヒョプ)
- Dolce&Chocolat.
- 花岡彰人(はなおか あきと / 演:中川大志)
- 池本真尋(いけもと まひろ / 演:山下美月)
- 亀井茂夫(かめい しげお / 演:ゴリけん)
- 仁科明日香(にしな あすか / 演:鳴海唯)
- 相原虎太郎(あいはら こたろう / 演:絃瀬聡一)
- 侑里の関係者
- 本宮誠(もとみや まこと / 演:立川志らく)
- テオの関係者
- 飯山利一(いいやま としかず / 演:杉本哲太)
- 小野田学(おのだ がく / 演:清水尋也)
- ミン・ハナ(演:玄里)
- 『Eye Love You』の用語
- テオが侑里によく言う韓国語の心の声
- パン モゴッソヨ?
- マシッケ トゥセヨ / マシッケ モゴヨ
- その他
- テレパス能力
- Dolce&Chocolat.
- 『Eye Love You』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 花岡彰人「俺はもういい。これでいい。これでいいんだ。ずっと好きだった。」
- ユン・テオ「僕が好きになったのは、そのままの侑里さんです。」
- 侑里の指に赤いリボンを結んであげるテオ
- 侑里とジャンケンをするときは必ず負けてあげていた花岡
- 『Eye Love You』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 二階堂ふみ自らがコーヒー豆で染めたロンT
- 寄りのキスシーンの時だけ足を広げて身長差に配慮してくれていたチェ・ジョンヒョプ
- 北海道ロケに向かう飛行機の中でジョンヒョプと二階堂に挟まれ擬似花岡体験をした中川大志
- 『Eye Love You』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Omoinotake『幾億光年』