HoneyWorks(ハニワ)の徹底解説まとめ

HoneyWorks(ハニーワークス)とは、Gom(ゴム)・shito(シト)・ヤマコの3人が結成したクリエイターユニットである。略称は「ハニワ」。総勢11人のサポートメンバーと共に、ネットを中心に音楽活動を行う。代表作は『告白実行委員会~恋愛シリーズ~』。「キュンキュン系」や「青春系」と呼ばれる楽曲を制作し、10代の若者を中心に人気を集めている。歌手のCHiCO(チコ)とのコラボユニット「CHiCHO with HoneyWorks」(チコ ウィズ ハニワークス)としても活動している。

HoneyWorks(ハニワ)の概要

HoneyWorks(ハニーワークス)とは、Gom(ゴム)・shito(シト)・ヤマコの3人と11人のサポートメンバーからなるクリエイターユニットである。通称は「ハニワ」で、ファンネームは「ハニメイト」。当初は同人のユニットとして活動していたが、後にネット上で活躍するアーティストの音楽事務所であるインクストゥエンターに所属した。
活動の開始は2010年。ニコニコ動画にて楽曲「ロリババアに恋をした」を公開したのを始まりに、ニコニコ動画やYouTubeといった動画投稿サイトを中心に活動をしていく。その後、「泣キ虫カレシ」や「スキキライ」、「初恋の絵本」等の人気楽曲を次から次へ生み出していき、一躍人気ユニットになる。また、この頃は音声合成ソフトのボーカロイド(通称:ボカロ)を使って楽曲をメインに投稿していた。ボカロに加えて人のボーカルを起用するようになったのは、楽曲シリーズ『告白実行委員会~恋愛シリーズ~』(略『告白実行委員会』)を展開するようになった後のことである。本シリーズは人気楽曲「初恋の絵本」を起点にしたシリーズとなっており、2014年に発売された「HoneyWorks」初のメジャーアルバム『ずっと前から好きでした。』の基になったシリーズでもある。その後『告白実行委員会』は、ノベライズ・コミカライズ・アニメ映画化を果たし、「HoneyWorks」を代表する人気シリーズとなった。なお、ボーカルに人を起用するようになってからもボカロでの楽曲制作は行われており、使用するボカロは、初音ミク、鏡音リン・レン、GUMI、歌手音ピコ、IA、兎眠りおん、v flower、心華、Fukase、鳴花ヒメ・ミコト、東北きりたん、可不、夢ノ結唱POPYと多岐にわたる。
このような楽曲活動にくわえ、歌手のCHiCO(チコ)とのコラボユニット「CHiCHO with HoneyWorks」(チコ ウィズ ハニワークス)や、「HoneyWorks」のサポートメンバーであった歌手・Hanon(はのん)やKotoha(ことは)のユニット「ハコニワリリィ」をプロデュースするなど、HoneyWorksから派生したユニットを生み出していく。
作品の特徴としては、少女漫画のような青春・恋愛を描いた楽曲が多い。その作風から、HoneyWorksの曲を聴いた人々からは「キュンキュン系」や「青春系」といった系統の音楽であると評価されている。

HoneyWorks(ハニワ)の来歴・活躍

2010年、HoneyWorks始動

「HoneyWorks」が最初に投稿した楽曲「ロリババアに恋をした」のサムネイル。

「HoneyWorks」が活動を開始したのは、2010年8月10日のこと。「HoneyWorks」初となる楽曲「ロリババアに恋をした」を動画サイトに投稿をし、活動を開始する。
当時、「HoneyWorks」にはまだ正式なサポートメンバーがおらず、メインメンバーであるGom、shito、ヤマコの3人のみであった。そもそも「HoneyWorks」は、Gomとshitoが「HoneyWorks」以前に活動していたバンド「メビウス」で活動を共にした事をきっかけで、2人で共同でボカロ曲の制作を行おうとして結成されたユニットなっている。そこでMVの制作を担当してくれる相手を求め、声をかけたのがヤマコであったという。
その後「HoneyWorks」は、少女漫画のような世界観の楽曲とMVで人気を博し、瞬く間にボカロ界隈を代表する人気クリエイターユニットへと成長。後に「HoneyWorks」の代名詞へと成長する楽曲シリーズ『告白実行委員会』の展開も開始し、本シリーズに関わるミニアルバム等の販売やさまざまな歌い手とのコンピレーションアルバムなど、精力的な活動を見せていくようになる。
2013年にはテレビアニメ『BROTHERS CONFLICT』のOP、『特例措置団体ステラ女学院高等科C3部』のEDテーマの作編曲を担当。また、同年10月にユニット3曲目にあたる楽曲「スキキライ」のノベライズを発売と、着実に活動の幅を広げていく。

2014年、メジャーデビュー

「HoneyWorks」初のメジャーアルバムとなった『ずっと前から好きでした。』のジャケット。

2014年1月29日、「HoneyWorks」初となるメジャーアルバム『ずっと前から好きでした。』を販売し、メジャーデビューを果たす。本アルバムは「HoneyWorks」のボカロベストアルバムとして発売され、『告白実行委員会』シリーズからシリーズ外の人気楽曲まで、2014年時点での「HoneyWorks」の人気楽曲を収録したファン垂涎の1枚となった。
アルバム発売後は一気に売り上げを伸ばし、初のメジャーアルバムでありながら、日本の音楽ランキング・オリコンのアルバムウィークリーチャートにて4位を獲得して話題になる。またこの時、「HoneyWorks」はアニメ『東京レイヴンズ』のOP制作も担当しており、『ずっと前から好きでした。』と同日に楽曲が発売されていた。
さらにこの翌月2月には、『告白実行委員会』シリーズの楽曲である「告白予行練習」をノベライズ化。これを機に本シリーズはノベライズやコミカライズ、アニメ化と、さまざまなメディアで活躍する人気作へと成長していく。

新たな活動「CHiCO with HoneyWorks」の始まり

「CHiCO with HoneyWorks」のボーカル・CHiCOをイメージしたイラスト。

メジャーデビューやアニメOPの制作、楽曲のノベライズなど、ユニットとして精力的な活動を続けていく傍らで、2014年、「HoneyWorks」は自身の活動の1つとして新たなユニットを誕生させる。それが歌手CHiCO(チコ)とのコラボユニット「CHiCO with HoneyWorks」である。
CHiCOは2013年に行われた音楽系の事業を行う会社ソニー・ミュージックエンタテインメントのグループであるSDグループが主催の歌手オーディション「ウタカツ!」にてグランプリを取った歌手だ。この受賞をきっかけに歌手として本格的に活動をするようになった為、当時はまだ無名の新人だったと言っても過言ではない。そんなCHiCOとコラボという形で、2014年5月に「HoneyWorks」はユニットを結成。「HoneyWorks」単体の活動の傍らで、「CHiCO with HoneyWorks」としても精力的に活動していくようになる。
その後、「CHiCO with HoneyWorks」は着実に人気を得、2015年には初となるアルバム『世界はiに満ちている』を発売。発売から1週間で2万枚を超える枚数を売り上げる事となった。また、『アオハライド』や『ハイキュー!!』『銀魂』といった人気アニメのOPやEDを務めるようにもなり、アニメファンからも注目を集め始める。なかでも『銀魂』のOPを務めた楽曲「プライド革命」は、有料音楽配信楽曲としては10万以上のダウンロードがされる「CHiCO with HoneyWorks」の中でも超がつく大人気楽曲となる。その功績が評価され、2016年には日本の音楽法人団体・日本レコード協会から「ゴールドディスク」認定される。この称号は、CDの出荷枚数が一定の数を超えた楽曲に与えられる賞となっている。なお、「CHiCO with HoneyWorks」には本楽曲以外にも10万越えのダウンロード数を誇る楽曲「世界は恋に落ちている」があり、こちらも2015年にゴールドディスクに認定されている。

2016年、『告白実行委員会』シリーズ映画化

『告白実行委員会』シリーズの映画のポスター。

2015年、「HoneyWorks」から『告白実行委員会』シリーズの映画が2016年に放映される事が決まったと発表される。これまでボカロ作品のアニメ化まではあったが、映画化をはたした作品はなく、本作がボカロ界初の映画作品だといっても過言ではない。
「HoneyWorks」を代表する人気シリーズでもあり、ファンにとっては「『HoneyWorks』といえばこれ」と言っても過言ではない看板作であった為、本映画化はファン待望の作品であったといえる。また本作は高校生や小中学生向けの作品であった事もあり、宣伝プロデューサーの考案でチケット前売り価格も特典付きでありながら1100円と学生でも手に取りやすい格安価格で発売された。そうした客層を絞った宣伝効果もあってか、本映画は総動員数が25万人を超える大人気作となった。声優も神谷浩史や戸松遥、梶裕貴や阿澄佳奈に鈴村健一と、人気声優陣を迎えており、その事もまたファンの心を掴んだ理由と推測できる。
なお、くしくも2016年はボカロP・じんによる楽曲シリーズ『カゲロウデイズプロジェクト』の映画化も行われており、本作とあわせてボカロ界隈全体を賑わせる事態となった。

2023年、「CHiCO with HoneyWorks」の活動休止

「CHiCO with HoneyWorks」の活動休止前最後のツアー「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『iは自由で、縛れない。』」の様子。

「HoneyWorks」の活動と一緒に行われていた「CHiCO with HoneyWorks」の活動だが、2023年、その活動が一旦休止する。
活動休止の理由はボーカルであるCHiCOの「スキルアップ」だという。歌手としてもっとさまざまな歌を歌えるようになる為、ユニットとしての活動を休止し、ソロでの活動を始めるとのこと。いつになるかはわからないが、スキルアップを終えて成長した後にまた「CHiCO with HoneyWorks」に戻ってくるそうだ。その後、同年4月8日に行われたツアー「LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks Zepp tour 2023『iは自由で、縛れない。』」をもって、本ユニットの活動は一旦休止を迎えた。
なお、あくまでも休止したのは「CHiCO with HoneyWorks」の活動のみである為、「HoneyWorks」の活動自体に影響はない。楽曲投稿にライブ活動、さらには『告白実行委員会』シリーズ関連の展示会「LOVE LETTER for YOU! HoneyWorks展」を開くなど、さまざまな趣向をこらしながらファンを楽しませ続けている。

HoneyWorks(ハニワ)のメンバー

メインメンバー

Gom(ゴム)/洸斗(こうと)

「HoneyWorks」のリーダーにあたるメンバー。主に作編曲とユニットのプロデュースを担当する。愛称は「ちゃんゴム」。「HoneyWorks」とは別にソロシンガーとしての活動とバンド活動も行っており、バンド活動時は「フェルナンド」と名乗る事が多い。「HoneyWorks」でも活動開始当初は「フェルナンドP」という名で活動していたが、2012年頃から「Gom」に変更する。そのほかに「洸斗」という別名義も存在。こちらは、「HoneyWorks」から派生して生まれたユニット「はにもん」で活動をする際に使用されている。
歌手としてメジャーデビューをしたのは2010年の頃だが、活動そのものは2000年代前半から行っていた事が明かされている。活動初期はネット掲示板「2ちゃんねる」で活動を行っていた。「Gom」という活動名も、この時掲示板内で適当に生成された掲示板上の名前に「Gom」が含まれていた為、そこから取ったものだという。
なお、この頃の彼の収録環境はお手製のものであったというエピソードも、ネット音楽界隈では有名な話である。クローゼットの中に石膏ボードやグラスウールなどの音を吸う吸音材を貼り、自作の防音室を作り上げて収録を行っていたという。
「HoneyWorks」として活動を始めてからはレンタルの防音室を使うようになった為、自作した防音室は使われていない。

shito(しと)/使徒(しと)/チョリスP

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