ヒックとドラゴン2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ヒックとドラゴン2』とは、イギリスの児童作家クレシッダ・コーウェル原作『ヒックとドラゴン』をドリームワークスがアニメ化した3D映画。前作の『ヒックとドラゴン』に続く2作目にあたる。
前作から5年後のバーク島を舞台に、相棒のトゥースとの絆が試される中、ヒックはドラゴンの秘密を知り成長していく。
2015年ゴールデングローブ賞のアニメ作品賞受賞、前作を超え世界37ヵ国で大ヒットを記録したが、日本では劇場未公開だった。2019年には、続編の『ヒックとドラゴン聖地への冒険』が公開された。

息子たちのために出演を決意したケイト・ブランシェット

本作でヴァルカの声を演じたのは、ケイト・ブランシェット。ディーン・デュボア監督は、前作でアカデミー賞長編アニメーション部門に選ばれた際、授賞式で彼女を見かけ、すでに温めていた本作の出演を打診。続編である本作で、彼女のための役があると伝え出演を依頼していた。最終的に本作の出演の決め手となったのは、彼女の3人の息子が前作の大ファンだったからだという。

あごの傷で息子と認識したヴァルカ

ヒックの右のあごには傷跡が残っている

今作で生き別れとなっていた母のヴァルカは、ヒックのあごの傷をみて自分の子供だと認識する。ヴァルカがバーク島から連れ去られた回想シーンの中に、ヒックをあやしていたクラウド・ジャンパーによってつけられた傷だとわかるシーンがある。もちろん前作でもヒックのあごの傷は存在しており、今作でその謎が判明した。

宮崎駿作品に影響を受けたディーン・デュボア監督

今作のエンディングの意図について、監督は、ヒックと仲間達とドラゴンとの共生という道を示したと語っている。ヒックは自分に価値がないという思いから長になることを悩んでいたが、最終的には持ち前の聡明さで他人のために何かをするという成長を見せる。自然は守らなければならないのに、人間達は自然を傷つけることを繰り返している。そのような描き方には宮崎駿監督作品から大きなインスピレーションを受けていると語り、宮崎駿監督へのリスペクトを覗かせた。

今作にも継承されたジョン・パウエルによるオリジナルサウンドトラック

音楽を担当したのは、前作に引き続きジョン・パウエル。前作でアカデミー賞にノミネートされた音楽スタイルは、今作にも継承されている。アイルランド楽器を用いたどこか切なく懐かしいシンフォニック音楽は、クラシックに深く根ざしながら、作品を盛り上げている。今作で、人間とドラゴンの絆や、自由に空を飛ぶ喜びなどの感情やニュアンスを、彼の曲はより深く観客に伝えている。

『ヒックとドラゴン2』の主題歌・挿入歌

主題歌:ヨンシー「Where no one goes」

前作同様ヨンシーが担当し、監督が望んだ北欧よりの壮大な音楽を再現するため打楽器音の多い音楽となっている。
ヨン=ソル・ビルギッソン(通称ヨンシー)は、1975年4月23日生まれのアイスランドのミュージシャン。 アイスランドのポストロックバンドシガー・ロスのヴォーカル兼ギタリストとして活躍し、ソロアルバム「Go」を2010年にリリースした。自身は片目に障害があるゲイであり、パートナーのアレックス・サマーズとコラボレーションアルバムをリリースしている。

挿入曲:Alexander Rybak「Into a Fantasy」

2014年アリャクサンドル・イーハラヴィチ・ルィバークによるシングル曲。アリャクサンドル・イーハラヴィチ・ルィバークはノルウェーのヴァイオリニスト、歌手、作曲家、俳優である。

挿入曲:John Powell「Dragon Racing」

映画序盤で、バーク島でドラゴンレースが行われているシーンの挿入歌。テンポよくレースが行われている様子が表現されている。

挿入曲: John Powell「Together, We Map The World」

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