ゼオン・ベル(金色のガッシュ!!)の徹底解説・考察まとめ

ゼオン・ベルとは、漫画『金色のガッシュ!!』、およびアニメ『金色のガッシュベル!!』に登場するキャラクターで、1000年に1度、人間界で開催される「魔界の王を決める戦い」に参加した100人の魔物の子の1人である。主人公ガッシュ・ベルと瓜二つの容姿をしており、人間界に来たばかりのガッシュから魔界時代の記憶を奪った張本人で、強い憎しみを抱いている。強力な電撃の術を扱い、その実力を知る他の魔物からは「雷帝ゼオン」と呼ばれ、恐れられるほどの圧倒的な強さを持つ。

現在の魔界の王であり、ガッシュとゼオンの父親である魔物。魔界における脅威であるファウードと並ぶもう1つの脅威とされる最強の術「バオウ・ザケルガ」の元々の使い手で、その力をもって1000年前の魔界の王を決める戦いの優勝者となった。年老いたことで強大な力を持つバオウを制御することができなくなり、魔界の全てを滅ぼしかねないバオウをガッシュに受け継がせた後、他の者にバオウの力を悪用されることを防ぐために、ガッシュを生まれなかったことにして王城から民間の町に隠すという苦渋の決断を涙ながらに行った。ガッシュの双子の兄であるゼオンは修羅の心を多く受け継いで生まれており、怒りや憎しみを持ちやすく、バオウを暴走させてその全てが喰いつくされる可能性があったため、バオウを受け継がせず、力を使う心を鍛えるよう過酷な訓練の日々を与えた。原作の最終回におけるガッシュの戴冠式では、魔界の王となった息子の晴れ姿を見て涙を流しながら祝福していた。

ゼオン・ベルの名言・名セリフ/名シーン・名場面

リオウを圧倒するゼオン

遊びながらリオウを圧倒するゼオン(右)。

人間界に呼び出された魔導巨兵ファウードを復活させた魔物リオウは、ファウードの中枢部であるコントロールルームでゼオンと遭遇する。コントロールルームに侵入することに成功したゼオンは、裏で暗躍しガッシュやリオウ達を利用していたことを告げると、用済みと言いながらリオウに攻撃を仕掛ける。ガッシュと清麿が死力を尽くしても倒すことができなかったほどの実力を持つリオウだったが、ゼオンはザケルとザケルガの下級術2発のみで大ダメージを与え、肉体強化の術であるラウザルクを発動したガッシュと肉体強化の術無しで互角の力勝負ができるリオウを、右足で踏みつけるだけで抑え込み、その直後、ガードしたリオウの腕の鎧を肉体強化の術を使わない蹴りの1発で粉々にし、そのまま本人を後方に吹き飛ばすほどの身体能力を披露してみせた。

追いつめられたリオウは、コントロールルームに手下となった魔物達に駆け付けるよう呼び出し、体を巨大化させて力を10倍近く強化する禁呪を発動するが、ゼオンは素の格闘能力で圧倒し、中級術のテオザケル1発で禁呪を強制解除させる。そして、リオウが最後の足掻きとして放った最大術をジャウロ・ザケルガで破り、ゼオンはファウードを強奪するという次元の違う圧倒的な実力を見せるのだった。

「ロデュウの今の一撃を、『よけてはいかん』と思ったまでだ。」

ロデュウの最後の一撃を敢えて避けず、真っ向から受けたゼオン。

自分が支配されていることに気づき、ゼオンに離反したロデュウ。しかし「ゴデュファ」の契約により体内に侵入したファウードの細胞が、ロデュウをファウードの主たるゼオンに敵対するばい菌と認識し、その身体を崩壊させていく。身体がボロボロに崩れ始め、脚や腕はゼオンに触れようとするたびに弾け飛び、翼は自身の意に反して己の身体を貫くが、満身創痍になりながらも、ロデュウは最後の術である「ディオガ・ラギュウル」を発動して死ぬ直前に魔界に帰った。その一撃はゼオンのマントに防がれてしまったが、デュフォーによれば「闇雲な一撃でありよけられないことはない」ものであった。だがゼオンは「ロデュウの今の一撃を、『よけてはいかん』と思ったまでだ。」と敢えて避けなかったことを告げる。ロデュウの捨て身の攻撃はゼオンを倒すには至らなかったが、ガッシュに対する憎しみの念に囚われていた彼の心を大きく動かす要因の1つとなった。

ガッシュとゼオンの和解

ガッシュとの戦いに敗れたゼオンは、奪っていた魔界時代の記憶を全て返し、これまでの過ちを謝罪する。バオウやガッシュ、父の真実を知ったことで、弟を憎み、未熟な心で力を求めた己の愚かさに気づいたゼオンは、最後の勝負を仕掛けて自分ごと憎しみの力を壊してほしかったことを語る。ガッシュがバオウを使いこなし、ゼオンの力であるジガディラスを打ち破ったことで、弟や父を恨むことは無くなったことを告げるゼオンに、「私とゼオン、一緒に…家族一緒に暮らせるのだ。」と伝えるガッシュ。「一緒に暮らしてくれるか、ガッシュ?」と聞くゼオンに対し、ガッシュは「ウヌ、もちろんなのだ。」と受け入れ、2人は遂に和解を果たすのだった。

ゼオン・ベルの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作とアニメ版で異なるゼオンの結末

ファウード編におけるゼオンの結末は、原作版とアニメ版で大きく異なっている。原作版ではガッシュと和解して退場したゼオンだが、アニメ版では原作版と同様、ガッシュがバオウを受け継いだことが原因で彼を憎んでいるものの、魔界時代の2人の過去や、バオウがガッシュに受け継がれた経緯や真相は明かされていない。そのため、最後まで改心することやガッシュと和解することのない純粋な悪として描かれており、ガッシュとの戦いに敗北した後、自らファウードの鍵たる石を破壊し「ファウードを止めてみろ!」と捨て台詞を残して魔界に帰るという結末を辿った。

鰹節を削るゼオン

ゼオンの好物は鰹節であり、単行本28巻の裏表紙にて、鰹節を口に咥えつつもう1つの鰹節を削っている姿が描かれている。その姿は作中で描かれているゼオンからは想像できないほど年相応の幼さとなっている。

過保護となったゼオン

ガッシュを虐げていたユノに対して怒りを露にするゼオン。

魔界に帰り、王を決める戦いが終わった後は自身の行いを反省しており、これまでの反動によりガッシュに対して過保護になっている。原作終了後のストーリーを描いた外伝漫画『友』では、本人は登場していないが、ガッシュがクラスメイトから「うわ! 王様と同じ班だ!!変な事したらゼオンに殺される!!」と言われており、彼の過保護さが一部のクラスメイトからガッシュが距離を置かれていると思われる原因の1つとなっていることが窺える。

KTYc7
KTYc7
@KTYc7

Related Articles関連記事

金色のガッシュ!!(ガッシュベル)のネタバレ解説・考察まとめ

金色のガッシュ!!(ガッシュベル)のネタバレ解説・考察まとめ

『金色のガッシュ!!』とは、2001年より週刊少年サンデーで連載されていた、雷句誠による漫画。それを原作としたテレビアニメが『金色のガッシュベル!!』である。天才中学生、高嶺清麿の前に謎の少年ガッシュが現れる。この出会いによって清麿の生活は一変。不思議な本を手に、魔界の王を決める戦いに参加することになる。「優しい王様」になるために戦う中で出会いと別れを繰り返し、彼らは強くたくましく成長していく。

Read Article

金色のガッシュ!!(ガッシュベル)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

金色のガッシュ!!(ガッシュベル)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

「金色のガッシュ!!」は、雷句誠によって週刊少年サンデーに連載された漫画作品。 中学二年生の天才「高嶺清磨」は周囲から嫉まれ、不登校を繰り返していた。そこに現れたのは、謎の少年「ガッシュ・ベル」と、一冊の赤い本。口から電撃を放つ謎多きガッシュは実は魔物の子供だった。千年に一度行われる魔界の王を決める戦いを描くファンタジーバトル。王道じみた熱い展開に、胸打たれる名言も数多く存在している。

Read Article

クリア・ノート(金色のガッシュ!!)の徹底解説・考察まとめ

クリア・ノート(金色のガッシュ!!)の徹底解説・考察まとめ

クリア・ノートとは雷句誠による漫画『金色のガッシュ!!』の登場人物で、アニメ版には登場していないラスボスである。 魔界の王を決める戦いに選ばれた100人の魔物の子の1人であり、他の魔物とは桁違いの圧倒的な力を持つ。 見た目は細身の青年だがその力の大きさは出会った瞬間に分かるほどに凄まじく、自身を「滅亡の子」と称している。 呪文の力は「消滅」で、生まれた時から魔物を滅ぼすという意思を持ち、それを実行するため王を目指す。 まさに最強・最悪の魔物である。

Read Article

ガッシュ・ベル(金色のガッシュ!!)の徹底解説・考察まとめ

ガッシュ・ベル(金色のガッシュ!!)の徹底解説・考察まとめ

ガッシュ・ベルとは、雷句誠による漫画『金色のガッシュ!!』の主人公で、1000年に1度行われる魔界の王を決める戦いに選ばれた魔物の子の1人である。仲間たちからは「ガッシュ」と呼ばれている。 戦いの場は人間界となっており、パートナーである高嶺清麿と共に次期魔界の王を巡るサバイバルを生き抜き、“優しい王様”になることを目指す。 魔界では落ちこぼれと言われていたが、「悪しき心を持つ魔物を王にさせるわけにはいかない」と傷つきながらも戦い続け、仲間との辛い別れを繰り返し、日々成長を重ねていった。

Read Article

目次 - Contents