帯をギュッとね!(帯ギュ)のネタバレ解説・考察まとめ

『帯をギュッとね!』とは1988年から1995年まで『週刊少年サンデー』に連載された河合克敏による少年漫画。
主人公・粉川巧は中学生の時に柔道の昇段試験で出会った仲間と共に、高校で柔道部を結成する。数々のライバルたちとの戦いを通して成長し、全国大会優勝をめざして頑張るストーリー。
軽くて読みやすい絵柄でスポ根展開と日常のコメディがバランス良く描かれており、柔道漫画としてだけでなく、スポーツ漫画、少年漫画としても高い評価と根強い人気を誇る。

「オレは、勝つために自分から苦しまなくちゃと思い込んでいたんだ。
でも、それは苦しんだ代償として勝たせて欲しいという甘い考えだ。
そんなことしなくても、柔道を好きになればいいんだ。
楽しむ努力をすればいいんだ。」

斉藤浩司(さいとう こうじ)の言葉。
全国大会優勝のためにハードトレーニングをしたいと思っていた斉藤は、部内で孤立し一人河原で練習していた。
そこに現れた粉川巧(こがわ たくみ)は、厳しい練習でも楽しくやることは可能と言って一緒に練習を始める。
ありえないと言っていた斉藤だったが、一緒に練習しているうちに巧につられていき、笑顔を見せながら練習に励むことになる。

斉藤が心中で思ったこの言葉は、目標に向かって努力している全ての人に贈りたい、今でも色あせない名言だ。

粉川巧「オレは勝つぞ!」

千駄谷に勝てるか不安に思う部員に放った巧の一言

「オレは勝つぞ!
鳶嶋だろうが橘だろうが!」

主人公・巧の名言。
全国大会ベスト8でよしとするか、全国優勝を目指して頑張るか。
方針を巡って部内が対立する中、巧と斉藤は杉、宮崎、三溝を説得しようとする。
裏技の習得や科学的なトレーニングなど理論的な面で話す斉藤だったが、杉たちは千駄谷学園のレベルをもろに感じていたため、ベスト8から先の壁を特に強く感じていた。
だからこそ、それをぶち破るこの一言は主人公ならではの言葉であり、杉たちに重く響く。
巧のこの言葉を信じて浜高柔道部は再び結束し、日本一目指して頑張っていくことになるのだった。

斉藤浩司「こんなに燃えられる舞台は一生に何度もねえだろう!」

斉藤VS橘。残り時間わずかに迫り、名勝負を演じる中での独白。

「全国大会決勝、相手は日本一をとった高校生。
こんなに燃えられる舞台は、一生に何度もねえだろう!」

またも斉藤の言葉。
全国大会決勝の浜名湖高校対千駄谷学園の団体戦。
副将同士の戦いだったが、軽中量級の斉藤に対して相手の橘は重量級で大きな体格差があった。
しかも、橘は前日の無差別級個人戦で優勝している高校柔道界最強の一角。多くの人が斉藤の負けを予想する中、斉藤は様々な技を駆使し橘を翻弄していく。
必死で投げようとする橘に対し、その技をかわしつつ斉藤は積極的に攻勢も仕掛けていく。
普段クールな斉藤の心中に、読者も熱く手に汗握る展開が続き、試合は引き分けに終わる。
柔能く剛を制すを体現した試合に、会場中から賞賛の拍手が贈られるのだった。

『帯をギュッとね!』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

読者投稿コーナー『絵筆をもってね!』には後の有名漫画家も投稿

巻末には読者のはがき投稿コーナーがあった。
『烈火の炎』の作者・安西信行(あんざい のぶゆき)や『いでじゅう!』の作者・モリタイシはこのコーナーでグランプリを取ったことがある。

紙の単行本には電子版未収録の四コマ漫画が収録

紙の単行本では、カバーの折り返しに四コマがついており、ギャグや取材レポなどが満載で見どころが多い。
人気もあり、その後の作者の作品『モンキーターン』『とめはねっ!鈴里高校書道部』でも受け継がれた。
残念ながら電子版には未収録。

作者の別作品『とめはねっ! 鈴里高校書道部』にもキャラが登場

『とめはねっ!』ではヒロインの望月結希(もちづき ゆき)が柔道部に所属している。
対戦相手として描かれた石塚夏穂(いしづか かほ)の母が石塚今日子(旧姓:袴田今日子(はかまだ きょうこ))。佐鳴高校女子柔道部監督として登場した。
また、その試合では来留間麻理(くるま まり)も解説者役として登場している。

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