フィッシュマンズ(Fishmans)の徹底解説まとめ

「フィッシュマンズ(Fishmans)」とは1987年に結成された日本のロックバンドである。デビュー当時のポップでレゲェな曲調からキャリアを重ねるにつれロック・ダブなど様々な要素を取り入れハイブリッドで独自性のあるサウンドを作り上げていった。それら無二の楽曲にボーカル佐藤伸治のハイトーンで強烈なバイブスが重なり合い、サブカル界隈の若者を中心に絶大な支持を集めた。しかし1999年に佐藤が急逝し活動休止を余儀なくされてしまった。2005年からはリーダーの茂木を中心に再び活動を始めている。

バンドへの勧誘を受けていた小嶋が、佐藤が持ってきたデモテープ曲「Blue Summer」に衝撃を感じたという。佐藤は当時の音楽サークル界隈では一目置かれる存在ではあったが、やはりとてつもない才能を感じられるデモテープだったらしい。

バンド名は「フィッシュマンズ」か「マヨネーズ」か

佐藤が考えたバンド名は「フィッシュマンズ」「マヨネーズ」の2択。それを聞かされた茂木と小嶋は、悩むことなく「フィッシュマンズ」を選択したという。なお、バンド名の由来には諸説ありプロレス愛好家だった佐藤がメキシコ人覆面レスラー「フィッシュマン」から命名したとも言われている。

バンドに誘ったのは車が目当て

茂木が柏原の演奏に惚れこみ泊まり込みでバンドへ勧誘したとされているが、じつは単に柏原が車を持っていたからというのが本音らしい。のちに「演奏もうまいし車持ってるしで最高だと思ったけど、実際は車なんて持ってないし、学校にもほとんど来てないし、やられたと思った」とメンバーは語っている。

ビー玉みたいな瞳

当時「ムスタングA.K.A.」で活動していたハカセがはじめて佐藤にあった時の印象。佐藤のビー玉見たいな憂がありながらも澄んだ大きな瞳は今も残っているさまざまな映像からも見てとれる。

目から血を流しながらの作業

ツアー中にメンバーの「終わらない曲を作ろう」というたわいもない発想から「SEASON」をベースに拡大版となる「LONG SEASON」が制作される。しかし1トラック35分という前代未聞の楽曲制作の中、モニターの見過ぎでZAKが目から血を流しながら作業していたという。独創的で奇抜な発想の皺寄せがメンバー自身に重くのしかかっていったのだ。

誰かの人生を変えるぐらいの音楽を

売れたいとは願っていた佐藤だが「自分のやっている音楽は、そこまで理解されるものではない」だが「誰かの人生を変えるぐらいの音楽をやっているつもりだ」と語っていたという。世間への建前と自分の考えとのジレンマの中で試行錯誤しながらも「誰かに届けたい」と願い続けた佐藤の本音が垣間見れる。

のしかかる相次ぐメンバーの脱退

フィッシュマンズ(Fishmans)はメンバーの脱退が絶えなかった。小嶋、ハカセ・柏原の初期メンバーに加え、途中加入のZAKなども佐藤の思いとは裏腹に脱退していってしまう。「限界を超えて進化していく佐藤の才能に付いていけなくなってしまった」とのちにメンバーたちも語っている。最後のツアータイトルに佐藤が「男たちの別れ」と命名したのはメンバーに対しての皮肉とも取れる。

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@kedamaru

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