防御力ゼロの嫁(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『防御力ゼロの嫁』とは矢野トシノリが2017年、PIXIVとニコニコ静画に掲載した4コマ漫画から始まったWEB漫画である。主人公である柳瀬川朱里は、1歳年下の高坂攻輝と同棲期間を経て夫婦となった。毎日全力かつ元気な朱里は大好きアピールを攻輝に送るものの、攻輝もまた朱里が大好きなのでそれを上回る言葉や行動で厚意のカウンターを繰り出す。想定外の愛のこもった言動により、いつも朱里は悩殺されている。新婚である高坂夫妻のラブラブな様子を描いた日常系作品だ。

泣き虫こーくん

学生時代に幼馴染である成美が攻輝につけたあだ名である。小学生の頃、攻輝はいつも同級生から泣かされていた。そんな姿を見て先輩の成美がかばい、守るようになった。しかし上級生である成美は先に卒業してしまうため、「女を守れる男になれよ!」と言い残し卒業、そのまま夢を叶えるために海外に行ってしまう。10年以上経って再び攻輝に会った際には泣き虫は付けずに「こーくん」と呼んだ。

高坂式マッサージ

高坂家に伝わるマッサージ。名言はされていないが、母の攻子が指圧の知識を持っているので指圧を中心としたマッサージ法であるようだ。家事や仕事で疲れた朱里はこのマッサージによって体も心もほぐされていつも元気な日常を送っている。

攻輝の女装

とある休日、ラフな格好で過ごしていた朱里に「1度着てみたい」と攻輝がワンピースを着用した。肌がキレイで細身のシルエット、中世的な顔立ちから可能性を見出してメイクやコスプレアイテムを駆使して女装に挑戦することとなる。完成された姿は女性としてキレイな姿で朱里も驚く。ちょうどそこへ遊びに来た成増夫妻もその姿に驚き、一郎に至っては「抱ける!」と言わせる程だった。あまりに可愛すぎる攻輝の女装は封印されて、その後の姿は一切見ることが出来ない。

カンパンマン

正義の味方であるカンパンマン。子供に大人気で、アパレルからお菓子まで数多くの関連商品が発売されている。
歩が泣き止まない時の最終奥義として「カンパンマングミ」を見せると泣き止んで飛びついてくる。見た目は乾パンがモチーフなので顔が四角く大きい。

『防御力ゼロの嫁』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

楽しみにしていたクリスマス

朱里が泣き顔を見せる数少ないシーンである。新婚ホヤホヤの2人にとって大切なクリスマス。趣味であるコスプレのサンタクロース、厳選したプレゼントも準備万端。クリスマスケーキとツリーも準備が終わって攻輝がどんな反応をするかワクワクする朱里だった。しかしクリスマス当日に体調を崩して寝込んでしまう。せっかくのクリスマスなのに、攻輝に家事と看病を任せてしまう不甲斐ない朱里は謝りながら感情が溢れてしまう。プレゼントされたネックレスを攻輝に付けてもらい、「1番のプレゼントは朱里さんが元気になる事だから…」とそっと抱きしめられて赤らめる顔に再び涙が流れる朱里であった。

思い出のシュシュ

シュシュを直した攻輝の手(画像右下)

朱里は毎年誕生日になると父からもらったシュシュの事を考える。不器用な父から初めてプレゼントされて喜んだのをきっかけに、誕生日プレゼントとして毎年シュシュをもらうようになった。社会人になった時に「私(父)から贈るのはこれが最後だ。これからは社会人として自分で選びなさい」と受け取った以降は自分で選ぶようになった。父からたくさんもらったシュシュもこれが最後の1つで特に思い出の詰まったシュシュだ。攻輝との出会いのきっかけになったのもこのシュシュだった。つい先日ゴムが切れた時は慣れない手つきで攻輝が修繕してくれた。古き良き思い出と今の幸せな思い出が増え続けている朱里の宝物である。攻輝と迎えた誕生日には選んでもらった新しいシュシュが増えたのでまだまだたくさんの思い出が増えていくだろう。

攻輝「俺が愛するのは朱里さんだけですっ」

顔やスタイルがそっくりな朱美に誘惑されて窘める攻輝

実家に帰省した際、朱里の双子の姉である朱美に攻輝が言ったセリフである。朱里にゾッコンである事を知っていた朱美は「顔も姿も全く同じ私が誘惑しても大丈夫かな~?」と冗談交じりに胸元を広げてみせる。攻輝はすかさず「たしかに朱里さんと顔は同じかもですけど、全然違うし…。俺が愛するのは朱里さんだけですっ」と言い放つ。外見は同じでも内面は全然違う所、今まで苦楽を共にしてきた朱里が一番好きであることをストレートに表現した渾身の名セリフだ。

攻輝の入院

コンビニに出かけた攻輝は事故に巻き込まれてしまう。命に別状は無いが足の骨折により入院することとなり、結婚以来初めて2人が離れて生活を送る事になる。朱里はずっと実家暮らしだった為、唐突に1人暮らしが始まることになった。出かける時の「いってきます」、帰宅した時の「ただいま」。帰ってくることのない挨拶が寂しさを募らせる。仕事とお見舞いと自宅のサイクルで日に日に元気が無くなっていく朱里。その異変を感じた攻輝はみずほや響子に協力をお願いするも元気が戻ったのは一時的だった。そんなある日、気分転換も兼ねて実家に帰る事にした朱里。突然帰ってきた娘に驚く両親だったが母の手料理や父の気遣い、そして何よりも誰かと時間を共有する事に心の底から癒されるのであった。実家の安心感に浸りつつ過ごしていると攻輝からもうすぐ退院する内容のメッセージが届く。それを見た朱里は攻輝が返ってくる喜びと同時に、今は高坂家の嫁として家の事を全うしなければいけない責任感が湧くのであった。離れ離れになって朱里自身の弱い部分が露呈してしまうが、周囲の人の協力と実家や攻輝の存在によって自分自身で立ち直る流れはこの作品の中でも屈指の名シーンである。

『防御力ゼロの嫁』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

マンガのコマを生かしてキャラクターの魅力アップ

この作品の特徴の1つで、マンガのコマから体のパーツをわざとはみ出すように書いて立体的に見せたりキャラクターの魅力をより引き出している。主に朱里の胸を大きく見せる様に書いているが、差し出した手や腕をはみ出させて手前に書くことで奥行きを感じられてマンガでも立体的な表現を可能にしている。

Koala_Ishitsuka3
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@Koala_Ishitsuka3

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