ばっかつ!〜麦酒喝采〜(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ばっかつ!〜麦酒喝采〜』とは葉賀ユイによるクラフトビールを題材にした漫画。お酒は大好きだけれど、ビールは「1杯目しか美味しくない」と思っていた女子大生の花小路ほっぷは、大学で「ビール愛好会」サークルを運営する二条こむぎと出会う。こむぎが家族経営しているビアパブを手伝い始めたほっぷは、クラフトビールの魅力にどんどんのめり込んでいくのだった。
自身を「ビール星人」だという作者が描く、クラフトビール初心者も楽しみながら学べる、ビールの知識がふんだんに盛り込まれたビール漫画である。

二条家が家族で営むビアダイニング。廃業する予定だったこむぎの祖父の酒屋を建て替え、醸造所付きのレストランとしてこむぎの父が開いた店である。こむぎの父が亡くなったあと、こむぎの母・麦が店長を務めている。アルバイト店員はまかないとして、1日2杯までビールを飲むことができる。

美樽屋(びたるや)

樽屋敷ユリアの父が営むワイン輸入販売の店。ユリアは将来、新しく作るビール部門を担当するように父から指示を受けていた。
樽屋敷グループは全国に小売店7店舗、レストラン12店舗を抱える。

ベルギービールバー「エルキュール」

仲沢が「麦」とかけもちで働くバー。こむぎがユリアに飲ませたいビールを扱っているため、ほっぷと共に3人で訪れた。

和酒ダイニング「曙(あけぼの)」

こむぎの知人女性・木嶋花陽(きじま かよう)が店長を務めている日本酒と焼酎がメインの店。日本酒の酒造が作るクラフトビールも取り扱っている。仲沢の掛け持ち先のひとつ。裏メニューでホットビールも出してくれる。ホットビールはこむぎの要望で考案された。

ビアパブ「オーディン」

池袋に店を構えるビアパブ。こむぎの知人男性・糸井(いとい)が店主をしている。IPAを数多く取り揃えており、シトラが銘柄のわからないIPAを探しているときに、こむぎが彼女をこの店に連れて行った。

ビアパブ「ナイトロ&カスク」

こむぎの知人女性・坂東(ばんどう)がマスターを務めるビアパブ。店名の「ナイトロビール」は微炭酸ビール、「カスク」とは樽型容器のことである。大山教授が妻との思い出である「樽出しエール」を懐かしく語った際、こむぎが彼にそれに近いものを飲ませようと、この店に連れて来た。

ホップヘッド

ホップの苦味と香りを愛してやまない、いわば「ホップ中毒者」のこと。ホップの苦味を楽しめるIPAを好む。

二花ブルーイング(にはなぶるーいんぐ)

ほっぷとこむぎが「麦」併設の醸造所でスタートさせたブルワリー。二花とは、こむぎの名字「二条」とほっぷの名字「花小路」を合わせたもの。
最初の醸造ではホップが初めて作ったIPAをベースにした「ポップンポップ・ペールエール」、こむぎの亡父が残したヘイジーIPAのレシピで作った「シリアルヘイズIPA」、ほっぷとこむぎが初めて共同作業で作った小麦ビールの「こむぎとほっぷ」の3種をリリースしている。

『ばっかつ!〜麦酒喝采〜』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ほっぷが初めてクラフトビールを飲むシーン

ほっぷはお酒好きだが、ビールに関しては「1杯目だけが美味しいもの」という捉え方だった。しかしこむぎにビールは飲む芸術品であり、多様性を楽しむものと言われ「麦」で初めてクラフトビールを口にする。

多くの国産ビールのように喉越しを楽しむのではなく、ビールとはフルーティで華やかな香りや甘酸っぱさ、複雑な味わい深さを楽しめるものであると学ぶ、物語冒頭の名シーンである。

仲沢智「ビールっていうのは楽しい気分で飲むお酒だよ」

左がこむぎ、右が仲沢。

ほっぷは、あゆむに20歳になったらお酒を教えると約束していたため、彼を連れて「麦」へやって来た。
ビールの苦みが苦手なあゆむに、苦味の少ない伝統的なビールを勧めようとするこむぎだが、仲沢はお菓子を副原料とした桃のような風味の最先端クラフトを勧める。その後もナッツとチョコレート風味の黒ビールを勧める仲沢。そんな彼にこむぎは、まだスタンダードな黒ビールも飲んでいないのにと納得がいかない様子。

仲沢はこむぎに「ビールっていうのは楽しい気分で飲むお酒だよ。最近難しい顔して飲んでばかりじゃなかった?型にはまった教科書的な選び方は、勉強中の花小路さんや樽屋敷さんにはいいかもしれないけど、あゆむさんは今日初めてお酒を飲んだ子だよ。まずは楽しんでもらわなくちゃ」と優しく言った。その言葉にハッとするこむぎ。仲沢は、あゆむが差し入れに持ってきた手作りチーズケーキに合うビールを選んでいたのだ。

楽しそうなあゆむを見て、こむぎも頭でっかちにならずに楽しむことを決める。そして週末開栓する予定だったとっておきのヘイジーIPAを開け、ほっぷたちと楽しむのだった。
ほっぷやユリアにビールの知識を教えることにとらわれすぎていたこむぎに、ビールの楽しみ方をあらためて認識するきっかけを与えた名セリフである。

花小路ほっぷ「こむぎ、物作りの第一歩ってこだわりとかじゃないよ。作りたいから作るんだ!」

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