13の理由(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『13の理由』(原題:13 Reasons Why)とは、ジェイ・アッシャーが2007年に発表した同名の小説を元に、ブライアン・ヨーキーが製作したNetflixのオリジナル学園ドラマ。
いじめなどの現代社会が抱える問題をテーマに、リバティ高校の若者たちが様々な葛藤を抱えながらも、必死に生きていく様が描かれる。
物語の大きなテーマは、『愛』であり、人を愛することの大切さが、シーズン全体を通して深く語られていく。

吹き替え:渡辺和貴
リバティ高校の高校生。ハンナの良き理解者。トニーの元恋人。同性愛者(作中で5歳の時に目覚めたと語る。)また、演じている俳優自身も同性愛者であり、2016年に結婚した。
ハンナとは詩のクラブを通して知り合いった人物で、誰よりもハンナのことを理解していたと思われる。ただ、本人は周りの高校生よりも大人びており、それが言動にも表れていおり、そのことから、自分の理解と周りの理解にずれがおきることがあった。それがハンナに対しても起こってしまいハンナを傷つけることになる。本人もそのことを後悔しており、後に、ハンナの母親に謝罪する。コートニーについては同じ同性愛者として気にかけており、コートニーが裁判でカミングアウトした際も不器用な言動ながらもしっかりフォローした。シーズン2の最後で、クレイの提案で、コートニーとともにジェシカのブライスに対する告発をする勇気づけを行う。そして、シーズン4の最後で、ハンナのテープを埋めることで、ハンナと別れを告げ無事リバティ高校を卒業した。

シェリ・ホランド/エイジオナ・アレクサス

吹き替え:小若和郁那
リバティ高校の高校生。ハンナの友人。
シェリは、パーティー中にブライスがジェシカをレイプした場面を目撃し憔悴しきっていたハンナを車で家に送ろうと申し出た。シェリは飲酒しており、ハンナが、その状態で運転するのは危ないのではないかと提案したものの、シェリは問題ないと言い車を運転する。そして、標識を倒す事故を起こしてしまう。その際に、シェリとハンナは、『通報するかしないか」とで口論になり、シェリはハンナを追いていってしまう。その後、リバティ高校のシェフが、パーティーから帰る途中、同じ道を通り、標識が倒れていたことで交通事故を起こし亡くなってしまう。シェフは、この件で飲酒運転をしていないにもかかわらず、飲酒運転により事故を起こしたと不名誉な噂を立てられることになった。。その後、シェリは交通事故を起こしたことで少年院に入ることになる。シーズン2で、少年院から出所したシェリは、トニーの頼みで、自身の経験を生かし、薬物依存になったジャスティンに適切な対応を行い、ジャスティンを助けた。

ジェフ・アトキンス/ブランドン・ラーラクエンテ

吹き替え:霧生晃司
リバティ高校の高校生。クレイの友人。運動部の中では、とても女性に対して優しく紳士的な人物。シェリが標識を倒したことで、交通事故を起こし、亡くなってしまう。
その際に、乗っていた車にお酒が大量にあったことから飲酒運転をして事故を起こしたという不名誉を受けた。実際は、飲酒運転はしておらず、シェリが警察に真実を話したことで汚名がそそがれた。

スカイ・ミラー/ソシー・ベーコン

吹き替え:寺依沙織
クレイの友人。双極性障害。
シーズン1の最後で、クレイとスカイは付き合うようになる。だが、クレイがハンナを忘れられないこと、スカイが自身の病気を治すことを優先したかったことの2つの理由から、スカイとクレイは別れることになった。最終的に、スカイは、リハビリ施設で病気を順調に回復させ、町を出て、新しい人生をスタートする決断をクレイに話すことで、クレイとスカイの関係に一つの区切りをつける。

サイラス/ブライス・キャス

吹き替え:濱野大輝
リバティ高校の高校生。タイラーの親友であり恩人。
シーズン2で、タイラーが孤立していった際に声を掛け、タイラーの心を救った人物の一人。途中、タイラーがサイラスの妹であるマッケンジーに対して酷い態度をとったことで、友情に亀裂が生まれた。また、一緒に過ごしていく中で、タイラーの暴力性に対して危機意識を感じ、事件が起きる前に校長にそのことを報告。結果、タイラーは更生施設に送られることになる。そして、タイラーと距離を置くようになった。タイラーがモンゴメリーから受けた性暴力により極端な方向に走った際、即座にクレイに連絡し、事件を未然に防ぐ。その一件で、友としてタイラーを仲間たちとともに支えることを決意する。タイラーが、ジェシカやジャスティンとともに性暴力や性的虐待を受けたことを大勢の人の前で告白した出来事があってからは、タイラーの勇気に感銘を受け、タイラーと完全に和解し、無二の親友になる。

サイラスは、物語全体を通して、タイラーの良き理解者であり、タイラーとの友情に亀裂が入った際も、タイラーのことを見捨てず見守っていった。もし、サイラスがいなければ、タイラーは道を踏み外し戻ってこれなかったかもしれない。

クロエ・ライス/アン・ウィンターズ

吹き替え:島田愛野
リバティ高校の高校生。後に、転校する。サイラスの友人。ブライスの元恋人。
クロエは、ブライスの恋人であり、ブライスの真実を知ったのちも、ブライスのことを信じていた。
裁判でブライスの罪を証言することを約束するも、ブライスに対する複雑な想いや自分が受けた性被害を証言する段階に至っていなかったことから、噓の証言をしてしまう。
そのことを後悔してはいるものの、それでも、まだ、完全にブライスのことを切ることができなかった。また、クロエは、ブライスの隠された一面を引き出した人物でもある。シーズン2を通して、ブライスは悪役として描かれるが、クロエの前では優しかった。クロエはブライスの子を妊娠したことをザックスに相談する。ザックスはクロエの話を受け止め、寄り添う。そして、クロエは無事中絶し、前に進む。その後のヒルクレストとの交流試合でブライスと完全に別れを告げる。ただ、そのことで、ブライスがザックスを逆恨みし、結果、ブライスの死の原因を作ってしまう。連鎖的に、モンゴメリーに罪を被せた仲間の一人であるザックスが自暴自棄になってしまう要因にもなった。

モンゴメリー・デ・ラ・クルーズ/ティモシー・グラナデロス

吹き替え:藤田将利
リバティ高校の高校生。ウィンストンの恋人。同性愛者。通称モンティ。
モンゴメリーは、ブライスに頼まれていないにもかかわらず、自身の意思でブライスのためにクレイたちの妨害をした。
ブライスはモンティからそのことを聞くと、自分には関係ないと言い放つ。また、タイラーとサイラスが運動部のグラウンドを焼いたことに対する怒りで、タイラーに性的暴行を加えた。このことが、結果的に自身の死へとつながる。シーズン3で、自身のセクシャリティをウィンストンに引き出され付き合うことになった。だが、タイラーの件で収監され児童虐待をした囚人というレッテルを貼られ、殺されてしまう。さらに、ブライスを殺す動機があったモンティは、そのことをアニーに利用され、罪を被せられる。結果、モンティは殺人犯のレッテルもまた貼られることになった。ウィンストンはこのことに怒りを感じ、『彼もまた人間だった』とアニーに言い放つ。そして、その後のウィンストンとアレックスの複雑な関係を形成していく要因にもなっていく。
モンティは誤解されがちだが仲間想いで優しい一面もあり、シーズン2の一連の行動も運動部のためを思ってしたことであり、モンティ自身が悪意をもってタイラーを傷つけたわけではない。そのため、モンティ自身は元来的には心優しい青年である。

アニ・アチョラ/グレース・サイフ

吹き替え:中村千絵
転校生。シーズン3から、リバティ高校に転校してきた。クレイの元恋人であり友人。
アニは、シーズン3から登場し、ハンナの自殺の件で傷ついたクレイたちをフォローしていく立ち位置にいた。また、ハンナの件を正確に知らないこともあり、ブライスに対してクレイたちとは違った見方をしており、アニはブライスもまた傷つていると感じている。アニがブライスに寄り添っていたことでブライスが変わるきっかけを作った。ただ、ブライスが殺害される事件が起きると自体が急変してしまう。アニはクレイとともに事件の調査に乗り出すが、その中で、クレイが逮捕される。アニはクレイを救おうと奮闘した。そして、アレックスから真相を聞くと、ある決意をする。
モンゴメリーもまブライスを殺す動機があったため、それを利用する形で噓の証言を行った。タイミングが良いのか悪いのかモンゴメリーがタイラーの件で殺害されたため、事件が犯人死亡によりクローズになり、アニの計画通りになる。だが、モンゴメリーの恋人であるウィストンがアニ対して『彼もまた人間だった』と怒りを現わにした。シーズン4で、転校してきたウィストンと話した際に、アニは『あなたもそのような決断をしなければいけない日が来る』と語る。予言したわけではないと思うが、ウィストンはアレックスに対してそれをすることになった。
アニはどこかクレイたちを一歩引いて見ている節があり傍観者的な部分がある。仲間と関わってはいるものの、距離を置いているように見え部分も作中で見られ、それは恋人のクレイに対してもそうで、最後まで誰にも心を開かなかった人物である。

チャーリー・セント・ジョージ/タイラー・バーンハート

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