怪談レストラン(怪レス)のネタバレ解説・考察まとめ

『怪談レストラン』とは、童心社より出版された小中学生向け小説を原作としたアニメ、ゲーム作品。アニメは、2009年10月〜2010年6月までテレビ朝日系列全国24局で放送。2010年には『劇場版怪談レストラン』も公開された。原作は、あかちゃん絵本『いないいないばあ』などで知られる絵本作家の松谷みよこが責任編集を行っており、日本の民話や学校伝承、世界の怪談などが収録されている。主人公の周辺で起こる怪奇事件や非科学的な現象など身近な題材もあり、親しみやすいホラーアニメである。

『怪談レストラン』の概要

『怪談レストラン』とは童心社より出版された小中学生向け小説を原作としたアニメ、ゲーム作品。アニメは、2009年10月〜2010年6月までテレビ朝日系列全国24局で放送。2010年には『劇場版怪談レストラン』も公開された。原作は、あかちゃん絵本『いないいないばあ』などで知られる絵本作家の松谷みよこが責任編集を行い、日本の民話や学校伝承、世界の怪談などが収録されている。「怖いけど面白い!」ホラー作品についてオムニバスで描かれ、一見優しい絵のタッチで、派手な魔物や怪物が登場するわけではないが、大人が見てもハラハラさせられるような思った以上に怖い話が集まっている。また、身近に感じられるような世界観で、時代にあった怪談話の為、小学生にも親しみやすい作品。
オープニングは、怪談レストランに視聴者が来館したという設定で始まる。レストランの為、可愛らしい容姿のおばけ達が案内役を務めている。特にメインで登場するのは、支配人でもあるお化けギャルソン。話の途中やエンディングまで案内してアニメを盛り上げる。
全部で23話あり、1話30分程度。レストランというタイトルから1本目が前菜、2本目をメイン、3本目をデザートとするなど話が2〜3つに分かれているので子どもが飽きずに1作品見れるのも特徴である。最終話の第23話は、1食のみの完全限定コースとして1話のみとなっている。

『怪談レストラン』のあらすじ・ストーリー

主人公あんこのクラスにショウという少年が転校してくる

物語の舞台は、東京郊外の山桜市にある街。開発の波がひと段落し、古い団地と新しいビルが混在している。第1話で「口の悪い人は呪われた街と言っている」と説明されている。
主人公の名前は、大空アコ(おおぞらアコ)。同市にある小さな小学校に通う6年生の女子で、あだ名はあんこ。あんこのクラスに甲本ショウ(こうもとショウ)という男子が転校してくる。ショウは、怖い話が大好きな帰国子女で、世界の怖い話を収集していた。あんこやショウを中心に、クラスメイトや家族が学校や古い洋館、近くの森や病院などで発生する様々な怪奇現象に遭遇する。

山桜小学校の6年生が怪奇事件に遭遇

怪談レストランを見上げる3人(左から、レイコ、あんこ、ショーゴ)

第1話「怪談レストラン」で、転校してきたショウ。クラス委員の佐久間レイコ(さくまレイコ)の提案であんこの横の席になる。さらにレイコは、ショウに街の案内をしてあげるようあんこに話す。そこであんこは、ショウに学校周辺に死神病院や車の墓場、幽霊団地などがあることを伝える。それを聞いたショウは、怪談レストランに興味を持ち「案内してくれるかな」と言うとそのままあんこの手を取り2人で向かうことに。その会話をひっそりと聞いていたレイコ。レストランに到着し、中に入るとショウは、ビデオカメラを手に取り奥に進む。ショウは突然、幽霊船の話をする。ある幽霊船が見つかったが厨房には、湯気のたった作りかけのスープがあったという。少しレストランを散策すると、その場で映像を確認しだすショウ。「これは……映っている」と言い、ビデオに映る幽霊らしき白い姿を確認。すると突如鳴り響く電話。あんこが電話に出ると「ようこそ。怪談レストランへ」と女性の声が聞こえ、あんこの足が動かなくなる。ショウが急いでビデオの映像を見ると白い影の何者かが足を引っ張っていた。ショウが錆びた釘をあんこの足元にめがけて投げると、足が開放され、2人は走って逃げることに成功した。釘を投げたのは、サビには魔女よけの効果があるからとのことだった。外に飛び出すとレイコが「ばかね。人が幽霊とか何とか騒いでいるのは錯覚なのよ」と言いながら、携帯電話を持って現れる。怪奇現象などを全く信じないレイコは、2人を驚かそうとレストランの電話を鳴らしたのだった。しかし、鳴らしただけで何も話してないという。怯える3人に「ご注文は?」という声がどこからか聞こえる。するとショウが「このことは誰にも言わないでくれるかな。僕たちだけの秘密にしよう」「この街に来てよかったよ、面白い場所がたくさんありそうだ。明日はどこへ探検しに行こうか」と言い、この話は終わりを迎えるが、3人の怪奇事件はここから始まっていく。

主人公あんこの家族も怪奇事件に遭遇

あんこの弟で同じ山桜小学校の3年生、大空文太(おおぞらぶんた)も怪奇現象に巻き込まれることが多い。
第3話「じゃ、バーイ」では、囲碁が得意な文太が大会に出場した際にとある不思議な現象に遭遇する。前回の大会で準優勝だった境道夫(さかいみちお)と対決した文太。しかし、道夫は、大会に向かう道中で交通事故にあって亡くなっていた。道夫自身も対決の最中で気が付いたものの、そのまま決勝まで勝ち進み、優勝し「やったー!僕の優勝だよ」と喜び「じゃ、バーイ」と言い残して天に召されていった。

百物語で背筋が凍るような怪談話も

3つ目のデザートとされる話では、あんこやショウ、レイコが複数あるロウソクを囲みまるで「百物語」のように怖い話をする。第13話の「丑の刻まいり」では、恐らく浮気をしているであろう男性が午前2時頃帰宅していると、道中の神社で藁人形で呪いをかけている女性を見かける。次の日神主に報告し藁人形を確かめると自身の写真が貼ってあり、驚く。怯えていると神主から「大丈夫です。藁人形で呪いをかけている最中に誰かに見られると、その呪いをかけていた人が呪われますから」と、言われて安堵する。しかし、安堵したのも束の間で、携帯電話が鳴り、その男性の奥さんが死んだという知らせが入る。呪っていたのは自分の奥さんだったと気づいた男性は、恐怖に怯えることとなる。

レイコが怪奇現象を信じなくなった理由が明らかに

最終話では、レイコがなぜ怪奇現象を信じなくなったのかが判明する。
ショウが山桜小学校の怪談話Mapを作成し、あんことクラスメイトの小和田マリ(こわだマリ)に見せている。その話にレイコが入ってきて明日ちょうど休みだから今日の夜中に学校へ集合して、その怪談話を検証してみようと言い出す。嫌がるあんこを無理やり巻き込み、午前1時に学校に集まる約束をする4人。
午前1時になってもマリはこない。「きっと寝坊でしょ」とレイコが言い、3人で行くことに。学校に入ると、4人の話をこっそり聞いていたクラスメイトの水窪ユウマ(みずくぼユウマ)がいた。ユウマと仲良しでクラスメイトの宮木タクマ(みやきタクマ)も来る予定だったが、寝坊したようだ。最終的には、マリとタクマを除く4人で検証することになった。まず、プールに着いた4人。水の底に足を引っ張る黒い生き物がいるという噂を確かめる。ユウマがプールに近づくと、そのプールに黒い影が見える。その瞬間、あんこは急にこけてメガネをプールに落としてしまった。同時にユウマが何者かに引きずられプールに落ちてしまう。溺れるユウマだが、メガネを探すあんこの手が見え、必死にしがみつき引き上げられて助かる。あんこのメガネも無事に見つかったが、ビデオには何も映っていない。「怖い怖いと思っているとなんでもそう思えるのよ」とレイコが言い次の検証に行くことに。
次は、目が光る肖像画や、夜中に誰かがピアノを弾いているという噂を確かめる為、音楽室に向かう。特に何も起きないが、あんこは、音楽室を出る時に何者かの視線を感じていた。続いて検証するのは、理科室。ここでも、人体模型の心臓が無くなっている以外特に何も起こらなかった。しかし、教室を出ようとすると、人体模型が振り向き驚いて走り出したあんことユウマ。図工室に入り、レイコとショウに説明していると、柱時計が鳴り出す。午前2:22:22に柱時計を見ると、死者に会えるという。スカートを握り何かに期待するように、柱時計に向かうレイコ。しかし何も起こらない。「そもそも幽霊なんていないんだから」と言うレイコにあんこ達はどうしてそこまで否定するかを問う。レイコは「いないものはいない、それだけのことじゃない」と誤魔化すように答えていた。帰ろうとする4人の前に突然、紫のカエルが現れ驚く。ショウが「紫ババアの使い魔だ」と説明していると、カエルが紫の手袋になり飛びかかってきて、持っていた懐中電灯を取られる。逃げる4人に、たくさんの紫の手や人体模型、様々な幽霊が現れユウマが気絶。なんとか図工室に戻ると、まだ午前2:22:22になっていないことに気づく。その時間になると、柱時計が鳴り出し、あんことショウ、レイコがどこかへ吸い込まれていく。驚いていると、突如「怪談レストランへようこそ、私どもの冷たいおもてなしはいかがでしたでしょうか」と闇のギャルソンが現れる。なぜか怪談レストランの外に着いていたのだった。
闇のギャルソン曰く、心に闇のある人をもてなすよう言われたとのこと。さらに、レイコの手をとり3人をレストランの中へ案内する。席に着くとコース料理が提供される。前菜は、懐かしい記憶を呼び起こす特製スープ。すると、レイコの記憶に兄が出てくる。どうやら今回は、3年前に亡くなったレイコの兄がレストランへ招待したようだ。3年前の出来事が想い出される。レイコが砂浜で寝ていると兄がいなくなっていた。レイコの母が「レイコどうしてちゃんと見てくれなかったの」と怒鳴る。それからレイコは、どうしても兄に会いたくて何度も神様に祈り、死んだ人に会える場所にも行ったが兄は現れず、一切超常現象などを信じなくなったという。また、兄は小説家志望でメガネをしておりどことなくあんこに似ていたことから、あんこにやたら絡んでいたのだった。さらにコース料理は進み、時空を超えて再会する魅惑の味わいと題されたメイン料理が出てくる。その後すぐ、なぜか電話の受話器を持っていたレイコ。兄の声が受話器越しに聞こえてくる。ずっと兄に謝りたかったというレイコ。「僕はただ波の果てに何があるのかが知りたくて泳いで行っただけなんだ、僕が死んだのはレイコのせいじゃない。絶対に違う」と兄は言う。また、兄の死を自分のせいだと母に責められて辛かったレイコに「お母さんもきっとレイコのせいじゃないってわかっているんだよ。でもあの時はついきつい言い方をして、レイコを傷つけてしまった。そのことをお母さんは後悔しているんだよ。お母さんを許してあげて。そして昔みたいに仲良くして欲しいんだ。レイコの口からお父さんとお母さんに伝えて欲しいんだ。短い間だったけど楽しかった……僕はそばにいるよずっとレイコのそばに」と兄が言い終わると、突如教室に戻っている3人。ユウマも意識を取り戻し、帰ろうとすると、校門にはタクマとマリも来ていた。
ショウが「あんこ今度はどこへ行く?」と問いかけるとあんこは、「えぇ!そうね、じゃあ次は……」と言いながら帰って行った。まだまだ怪奇事件は続いていくようだった。
怪談レストランにいた闇のギャルソンは、いつものお化けギャルソンへと戻り「当店では出前はやっていませんが、特別にあなたの家にお邪魔するかもしれません」と言い残すのだった。

『怪談レストラン』の登場人物・キャラクター

主要人物

大空アコ(おおぞらアコ)

CV:白石涼子
本作の主人公で、舞台となっている山桜市の山桜小学校に通う小学6年生。クラスメイトからは、あんこと呼ばれている。空想が好きで将来の夢は冒険小説家。地味でどちらかというとあまり目立たず、大人しいように見えるが、好奇心が旺盛。怖い話が苦手なのだが、怪奇現象などに遭遇すると真実を確かめたい気持ちから積極的に動くことも。
肩につかないくらいのボブカットヘアで、赤いフレームで下半分を囲んでいるナイロールの特徴的なメガネがトレードマーク。眼鏡が外れると歩けないほどパニックになったりする。
第13話「亡者道」で民宿に泊まっていた時に幽霊に連れていかれそうになった際には、お寺の和尚にもらったお守りで家族を助けようとしたり、第11話「幽霊屋敷」で幽霊になりかけた文太を「お母さんにいいつけるわよ」と言って助けるなど勇敢なところも。

甲本ショウ(こうもとショウ)

CV:優希比呂
主人公アコのクラスに転入してきた少年。帰国子女で、金髪でサスペンダーをしており、美少年と言われている。世界各地の怪談を収集しているほど怖い話が大好き。第1話「キキーモラ人形」で、学芸会で行う劇をショウの知っているロシアの怪談話で死神の人形「キキーモラ」に決定させたことも。いつも冷静で周囲で起こる怪奇現象から友人を助ける。第11話「背中に手のあとが」で幽体離脱できるようになった際、嬉しくていろんなとことに行き、元に戻れなくなりそうになるというお調子者の一面もある。

佐久間レイコ(さくまレイコ)

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