税金で買った本(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『税金で買った本』とは図書館勤務経験のあるずいのが原作を、作画を系山冏(けいやまけい)が担当する、図書館を舞台としたお仕事コメディ漫画である。講談社の青年向け漫画雑誌『ヤングマガジン』で2022年から連載されている。ヤンキー高校生の石平紀一が図書館でアルバイトを始め、さまざまな職員や利用者と触れ合っていく姿が描かれている。読むと図書館の日常について楽しく学べるのが魅力の一つ。日本出版販売が運営する「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」で第8位に選出された。
貸出至上主義
新しく図書館に蔵書する本を選ぶ「選書」において、人気があり貸出件数も望める本を中心に選ぼうとする考えのこと。
その基準からどうしてもラノベやコミックなど、軽めの本が選ばれがちになるという一面もある。
良書至上主義
「選書」において社会的価値や本の質といった選書基準を設け、蔵書する本を選んでいくという考え方。
専門書など一部の利用者には必要な本だが、それほど貸出されない本が多いという欠点もある。
ほーんちゃん
図書館のイメージキャラクター。移動図書館の「ほーん号」や子供向けの利用案内に描かれている。
元々は15年前のおはなし会用にすでに退職した職員が描いたものだが、その後宮辺や白井たちにアレンジされながら様々な場面で利用されている。
その他の用語
ぱーんちゃん
読書の楽しさや、読書感想文の書き方などを案内するVtubeチャンネルのアバター。
たのしい読書の神という設定。
中の人は石平の高校の図書室の司書の芦川(あしかわ)先生である。
全国読書感想文コンクール課題図書のマーク
現在は課題図書の帯に描かれているが、以前は本の表紙にシールが貼られていた。
描かれているキャラクターは日本の彫刻家である桑原巨守(くわはらひろもり)が制作した、ギリシャ神話に登場する牧羊神パーンが2本の葦笛を吹いている像が元になっている。
1969年の第15回コンクールから、使用されるようになった。
コンクールの最優秀賞には桑原が制作したパーンの像のレプリカが贈られる。
『税金で買った本』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
白井里雪「なにか知りたいことがあったからまた図書館に来たのでは?」
10年以上前の絵本の弁償を求められ、腹を立てた石平は「二度とこねえよ」と捨てゼリフを残し立ち去ろうとする。
そんな石平に「なにか知りたいことがまた図書館に来たのでは?」と白井は問いかける。
図書館を利用する人々が何を求めているのか、よく理解している白井の名セリフであった。
石平の父「自分で調べてごらん、そのほうが勉強になるから」
父親と一緒に動物園に行った幼い石平は父親に「なぜワニは口を開けているのか」と尋ねる。
答えをせがむ石平に、父親は「自分で調べてごらん、そのほうが勉強になるから」と笑顔で答えた。
その後両親が離婚した石平にとっては懐かしい記憶であり、その後本好きになるきっかけとなったセリフである。
朝野亜沙子「う〜ん、まだ石平少年には早かったカナ♡」
石平は児童図書係のイベントの読み聞かせ役を浅野に頼まれる。「石平少年」と呼ぶ浅野は石平のことを大人扱いしていたが、色々理由をつけて参加を渋る石平に、いきなり「う〜ん、まだ石平少年には早かったカナ♡」と子供をあやすような声を掛けた。
子供扱いされむかっ腹を立てた石平は、「そのくらい俺にもできるし」と読み聞かせをすることを引き受けてしまう。
人心掌握に長けた浅野の凄さがよく分かる名セリフであった。
石平が読み聞かせをするシーン
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目次 - Contents
- 『税金で買った本』の概要
- 『税金で買った本』のあらすじ・ストーリー
- 図書館に足を踏み入れた石平くん
- 読み聞かせをする石平くん
- 正規職員に怒る石平くん
- 移動図書館に乗る石平くん
- 蔵書点検をする石平くん
- 本を捨てる石平くん
- 読書感想文を書く石平くん
- 『税金で買った本』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 石平紀一(いしだいらきいち)
- 主な図書館職員
- 早瀬丸小夜香(はやせまるさやか)
- 白井里雪(しらいさとゆき)
- その他の図書館職員
- 吉沼寛一(よしぬまかんいち)
- 茉莉野美波(まりのみなみ)
- 梨原規香(なしはらのりか)
- 島本実央(しまもとみお)
- 松浦(まつうら)
- 角野光(かどのひかり)(チーフ)
- 今村まひろ(いまむらまひろ)
- 宮辺ゆき(みやべゆき)
- 小池芹菜(こいけせりな)
- 朝野亜沙子(あさのあさこ)
- 図書館長
- 椎名真司(しいなしんじ)
- 繁松恭次(しげまつきょうじ)
- 佐藤優多佳(さとうゆたか)
- 図書館の利用者
- カホちゃん
- 鈴木(すずき)
- 三浦(みうら)
- 竹中(たけなか)
- 石平くんの関係者
- 灰坂坑太(はいさかこうた)
- 山田栄介(やまだえいすけ)
- 柴はるか(しばはるか)
- 芦川(あしかわ)
- 灰坂の姉
- 桜木香月(さくらぎかづき)
- マチノ書店
- 酒口(さかぐち)
- 明井(あけい)
- 『税金で買った本』の用語
- 登場する本
- 『わくわく☆しりたい どうぶつのなぞ』
- 『放浪する青』十六夜かなき著
- 『シュリンクスの笛』十六夜かなき著
- 図書館の部署
- 一般図書係
- 資料係
- 児童図書係
- 図書館に関する用語
- 貸出至上主義
- 良書至上主義
- ほーんちゃん
- その他の用語
- ぱーんちゃん
- 全国読書感想文コンクール課題図書のマーク
- 『税金で買った本』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 白井里雪「なにか知りたいことがあったからまた図書館に来たのでは?」
- 石平の父「自分で調べてごらん、そのほうが勉強になるから」
- 朝野亜沙子「う〜ん、まだ石平少年には早かったカナ♡」
- 石平が読み聞かせをするシーン
- 石平紀一「どこに行っても自由なんてねェから、どこでも自由にやれるくらい気持ちが強くねェとダメなんだろうな。」
- 早瀬丸小夜香「正しければなにを言ってもいいワケじゃないんだよ!!」
- 『税金で買った本』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作者の「ずいの」は元図書館職員
- 作中には実在の本が複数登場
- 菊池寛『恩讐の彼方に』
- 江戸川乱歩『屋根裏の散歩者』
- マーシャ・ブラウン『三びきのやぎのがらがらどん』
- シェイクスピア『マクベス』
- 公式ファンブックも発売