転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めますのネタバレ解説・考察まとめ

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』とは謙虚なサークルによって、2019年から「小説家になろう」にて連載しているライトノベル作品、および小説を原作とした漫画・アニメ作品である。魔術の研鑽に人生をかけるサルーム王国の一般人だったロイドは貴族の魔術により命を失うが、目を覚ますと王国の第七王子に転生。同時に規格外の魔力を授かった。こうして魔術の事しか頭にないロイドの、気ままに魔術を極める生活が始まった。ロイドの圧倒的な強さから巻き起こる意外なストーリー展開に注目が集まる人気作品。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』の概要

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』とは謙虚なサークルによって、2019年から「小説家になろう」にて連載しているライトノベル作品、および小説を原作とした漫画・アニメ作品である。2020年より講談社の『マガジンポケット』にて、石沢庸介によるコミカライズ版が連載されている。また2024年にテレビ東京系列ほかでアニメ化された。

魔術の研鑽に人生をかけるサルーム王国の一般人だった主人公は、貴族の放った魔術ににより命を失うが目を覚ますと王国の第七王子ロイド・ディ・サルームに転生、同時に規格外の魔力を授かっていた。こうして魔術の事にしか頭にない魔術バカ、ロイドの気ままに魔術を極める生活が始まった。ロイドの圧倒的な強さから巻き起こる意外なストーリー展開や、石沢庸介による美麗な作画に注目が集まっている人気作品である。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』のあらすじ・ストーリー

第七王子への転生と王都での生活

後継者争いとはロイドは、魔術の研究に没頭する。

血筋と才能に恵まれなかった庶民の主人公は、貴族との決闘で処刑された。その後、目を覚ました彼は、王族という血筋と圧倒的な魔力を持つサルーム王国の第七王子・ロイドに転生していた。第七王子という立場で継承権争いとはほぼ無縁の彼は、以降、魔術の研究に没頭していく。そんなある日、ロイドは城の地下に封印されている禁書庫の存在を知り興味を抱く。早速、見張りの兵士をくぐり抜け禁書庫の封印を解除。中に入ってみると、そこには王国を滅ぼしかけ封印されていた伝説の魔人グリモワールの姿があった。長い年月の経過で封印が解けかかっていると知ったロイドが封印をかけ直そうとすると、魔人は封印を解いてくれればお礼に古代魔術を教えると誘惑する。ロイドの興味を引くことに成功した魔人は、封印の解除と同時に襲いかかる。しかし、圧倒的な実力を持つロイドに軽くあしらわれ、魔人は服従することになった。

ダンジョンへの素材集めと気術使いタオとの出会い

城内にある魔術の本を全て読みつくしたロイドは、次にダンジョンに興味を示した。魔力を帯びた様々なアイテムを手に入れるため、ロイドは城を抜け出しダンジョンへと向かった。その道中、オークと戦う武術家タオ=ユイファに遭遇。彼女が使う気術に興味を持ったロイドは、魔術で正体を隠し道中タオに気の扱い方を習う。

ダンジョンの奥へと進むと、リッチと呼ばれる最上級の魔物が現れた。出くわしてはいけない強敵を相手に、習ったばかりの気術でリッチをあっさり倒してしまうロイド。そして、宝箱から魔力を帯びた短剣を得たロイドはタオと別れ、王都へと帰っていった。

付与魔術と性質変化魔術の習得と魔獣狩り

ダンジョンから短剣を持ち帰ったロイドは、武器に魔法効果をもたらす付与魔術の研究を開始する。短剣から魔髄液と言われる付与魔術の触媒を抽出。魔髄液を解析したロイドは、貴重なはずの魔髄液の量産化に成功した。その後、兄である第2王子アルベルト=ディ=サルームに頼み込み兵士の剣を大量に調達する。成功率1割と言われる付与魔術だったが、120本中70本成功した。続いてロイドは、付与魔術の効果を試しに魔獣狩りへと向かうのであった。

付与魔術の効果により、道中襲ってきたコボルトの鋼の武器を両断する剣の切れ味に驚く兵士とアルベルト。そこに、魔物の気配を感じ武術家のタオも合流する。そんな中、一行の前に現れたのは魔物の上位種魔人。実力を隠すため、傍観するロイドをよそにメイド兼護衛のシルファ=ラングリスやタオが戦いを挑むが圧倒的な再生力を持つ魔人に苦戦し、ロイド以外の全員が気を失う。最後にロイドに襲い掛かる魔人だったが、隠していた実力がバレる心配が無くなったロイドは迎撃を開始。魔人の得意魔術、性質変化を応用し魔人の仲間を手なずけ、魔術では死なないと言われる魔人に実験と称し1分間に240発の魔術を当て続け葬ったのだった。

魔獣狩りから帰ったロイドは、付与魔術の功績で王位継承権を与えられることになったが、ロイドはこれを拒否。その後、魔人戦の際懐いた魔獣ベアウルフをきっかけに、魔力で魔獣を操る魔獣使いに興味を持ったロイドは、その方法を知る第6王女アリーゼ=ディ=サルームの元でベアウルフを完璧に操る魔術を習得した。

第4王子ディアンと最強の魔剣

魔獣を操るコツを学んだロイドが次に会ったのは、付与魔術を成功させたロイドと共に最強の魔剣を作りたいという第4王子ディラン=ディ=サルーム。魔剣とは、武器に付与魔術を与え強化を施すだけでなく、剣を作る鍛冶の工程から付与魔術を施すことで魔術が放てる武器。魔剣の製造に興味を持ったロイドは、素材集めのためメイドのシルファと共にダンジョンに向かった。その際、シルファが元は銀姫(ぎんき)と言われるA級冒険者だったことが判明した。

シルファと共に無事にダンジョンから素材を持ち帰ったロイドは再び魔剣作りを始めるが、気合を入れすぎてしまい、周囲一帯を焼き尽くすほどの威力を持つ魔剣を完成させる。やりすぎたと反省したロイドは、以降の魔剣は威力を抑えたものを作ろうと心に誓ったのだった。

暗殺者ギルドと魔族の王族

就寝中のロイドの元に忍び込んできたのは「毒のノロワレ」と言われる特殊体質を持つ、暗殺者ギルドのレン。その特殊体質に興味を持ったロイドは、わざとレンを逃がし、暗殺者ギルドの本拠地まで尾行することに。

本拠地にいたのは、「超軟体体質のバビロン」、「言葉で相手を操るクロウ」、「体から糸を出し相手の動きを制限するガリレア」、「自傷すると対象に同じダメージを与えるタリア」の計5人。戦闘の最中、ロイドは、5人が特異体質を上手く制御できておらず、そのせいで暗殺者ギルドという裏の仕事しかできなかったことに気づく。事情を知ったロイドは、全員の体に魔力を自由に操れる術式を刻み込む。5人は恩人のロイドに、暗殺者ギルドの成り立ちと現在抱えている問題を話し始めた。

暗殺者ギルドは、「神隠しのノロワレ」を持つジェイドが作った組織。ジェイドは自分の意思とは関係なく瞬間移動してしまう特殊体質の中、同じように特殊体質で悩んでいるメンバーたちを集め暗殺者ギルドを創設。冒険者ギルドでは手に負えない闇の案件を引き受けることで、自分たちの存在を認めてもらうために活動を始めた。そんな中、ロードスト領の領主の三男でもあったジェイドは、サルーム王国への反乱計画を企てる兄たちを止めるため、1人ロードスト領に向かったが消息を絶ってしまったという。すると、事情を話した5人とロイドの前にジェイドからの手紙が出現。ロードストの領主に就任した為、5人を領民として受け入れるという内容に大喜びの5人は、勝手に瞬間移動をする体質だったジェイドが、瞬間移動の魔術を狙った場所に運べるまでコントロールできるようになったことに疑念を抱きながらも、ロードスト領へと向かうことになった。

ロードスト領へと辿り着いたロイド一行。暗殺者ギルドの5人とグリモワールは、ロイドに内緒で先に偵察に向かった。再会を果たした一行だが、ジェイドは魔界からやってきた魔族ギザルムに体を乗っ取られており、ジェイドを始めたとしたノロワレが持つ特殊な魔術を奪おうとしていた。こうして、ギザルムの部下の魔人たちに捕らえられようとしたその時、ロイドが助けに入りロイドとギザルムのバトルが始まった。その隙に逃げ出した暗殺者ギルドの5人は、ロイドを探しに来たアルベルト第2王子率いるサルーム王国の兵士たちとロイドの仲間たちと合流。協力してギザルムの部下たちを撃破するのだった。

ロイドVSギザルムの戦いでは、ロイドがジェイドの瞬間移動の術式を解析。瞬間移動の魔術を会得したロイドは、触れた相手を消滅させる魔術を放ち、ギザルムの撃破に成功した。

神聖魔術と合成魔獣(キメラ)

ロードスト領平定の功績として同領の領主となったロイド、今度は、神聖魔術について学ぶため教会を訪れる。そこには、第4王女サリア=ディ=サルームの姿もあった。音楽の申し子として才能に恵まれたサリアと教会のシスターイーシャによる演奏会が始まると、その歌声と演奏をきっかけに神聖魔術が発動。同時に不思議な気配を察知したロイドが気配を辿ってみると、天使ジリエルが住む天界に辿り着くのだった。

人間が来れるはずがない天界に来たロイドに驚きと共に警戒するジリエルと、神聖魔術を教えろと要求するロイド、相容れない2人の戦いが始まった。魔力を物質化させ、武器や盾など形状を変幻自在に変える神聖魔術「光武」を使い、ロイドを攻撃するジリエルだったがロイドに敗北。ロイドの圧倒的な魔力に魅了されたジリエルは部下になり、ロイド一行にも神聖魔術を教えることに。その後、神聖魔術を習得したロイドは、神聖魔術を試すため王国の下水道にグール退治に向かうことにした。

一方、教会ではシスターイーシャが謎の人物に襲われる。バビロンの協力もあり難を逃れたイーシャの話を聞いたロイドは、謎の人物は教会の12人の最高幹部、もしくは教皇の可能性があり、近日行われる教会主導の大生誕祭で暴れることを推察した。

大生誕祭が始まると街に巨大な魔物が出現し、同時に教皇自身が黒幕である事を明かして第2王子アルベルトと王様の2人を襲う。しかしロイドが介入し、教皇ギタンとのバトルが始まった。一方、教会の外でも教会幹部アナスタシアVS剣姫シルファ、武術家タオVSキメラに乗り移った武術家シャクラなど、教皇一派とロイド一行との戦いが始まるのだった。バビロンは、完全食と名乗る無限に再生する豚のキメラを懐柔、シルファは教会幹部アナスタシアを撃破。グリモワールとジリエルは魔竜を撃破し、ロイド一行が次々と勝利を収めるのだった。

ロイドVS教皇ギタンの戦いでは、ギタンがロイドの攻撃を次々と無効化。さらに、自分の分身を生み出し、地上で戦う仲間たちに攻撃を始めた。すると、街中に響き始めたのはシスターイーシャの歌声によって、ギタンが生み出した分身たちを魅了し動きを止める。その瞬間を見逃さなかったロイドは、ギタンの分身たちを撃破し、さらに浄化の魔術極聖光で戦いは決着。ギタンは敗北を認め、サルーム王国に再び平和が戻った。

更生したギタンはロイドの仲間になりロードスト領で暮らすことになった。一方、新しい教皇には、歌で国民とロイド一行を助けたシスターが指名されることに。最初は拒否していたイーシャだったが、教皇になればたくさんの人に自分の歌を届けることができると教皇になる決意したのだった。

剣姫シルファの過去

本編からさかのぼること3年前、修行のため魔獣の森で剣の修行に明け暮れるシルファは更なる成長の為、父のサルーム王国騎士団長マルクオス=ラングリスの勧めで冒険者になった。こうして冒険者の実績を積んでいったシルファは、ある日、仲間のサンドラとジャレットと古城の調査任務に出発する。道中、暗殺者ギルドとの衝突がありながらも、古城へと到着した。

古城で待ち構えていたのは、自分の体を霧へと変えられる魔物、グランヘイムだった。物理攻撃が通用しないグランヘイムに苦戦する一行だったが、仲間の冒険者ジャレットとサンドラの機転により、霧状の姿を無効化し撃破に成功する。しかし次の瞬間、グランヘイムの息子グランヴァニアが出現。父のグランヘイムを凌ぐ実力の持ち主、グランヴァニアの攻撃で全滅寸前に陥るシルファ一行の前に第七王子のロイドが現れ、グランヴァニアを撃破。ピンチを救われたシルファは、第七王子に忠誠を誓い、彼女のメイドとしての人生が始まるのだった。

錬金術と謎の仮面少年イド

神聖魔術を習得したロイドが次に興味を示したのは錬金術を使ったゴーレムの作成。錬金術の専門家である第3王子ゼロフ・ディ・サルームを中心に最強のゴーレム、ディ・ガーディアを完成させた一行は、錬金国家バートラムで開かれるゴーレムを闘わせる祭り「錬金大祭」に出場することに。

錬金大祭を訪れた一行は、武術家のタオとその師匠の百華拳のチェンと遭遇。そして、謎の生物タルタロスを連れた、ロイドとまったく同じ顔のイドという人物に出会う。ロイドとは因縁があると語るイドは、一方的に決勝で戦う約束を取り付けていくのであった。

錬金大祭のメインイベントゴーレム武闘会当日、ディ・ガーディアは順調に勝ち進む。そんな中、イドの正体が自分が作ったクローンであることを思い出したロイドは、イドの元へと向かうがタルタロスの企みにより結界の中に閉じ込められる。

ゴーレム武闘会最終日、事情を知らないイドは、姿を現さないロイドに激怒。そして、タルタロスの言葉に誘導され、自身に眠る魔力を解放した。その瞬間、タルタロスがイドを取り込みパワーアップ。さらに、会場のゴーレム、バートラムの動力を賄っている巨大な魔力炉を取り込み、最強の存在になるという企みを明かすのだった。

タルタロスのパワーアップを止めるべく、魔人グリモワールと天使ジリエルがタルタロスと対峙。タルタロスは完全体になるべく魔力炉の魔力を取り込みながらも、様々なゴーレムを取り込み力を増大させていく。その時、結界を破壊したロイドが駆け付け、ロイドの呼びかけで取り込まれていたイドも意識を取り戻す。焦ったタルタロスは、完全体になるまで待てばロイドを超える力を見せると挑発。興味を持ったロイドは、タルタロスが完全体になるまで待つことに。

一方、ロイド一行とタルタロスが生み出したゴーレムたちとの戦闘が始まった。百華拳のチェンは、取り込まれたラオ・カンフーと対峙し撃破。レオンハートと対峙していたシルファは、苦戦しながらも偶然手にした巨大な魔剣でレオンハートの破壊に成功したのだった。そして、神官アナスタシアは、ギタンとレンの助太刀によりウロボロNO.1の破壊に成功した。

完全体となったロイドとタルタロスのバトルが始まった。ロイドの魔術を次々に防ぎ、反撃を繰り出すタルタロス。そんな中、タルタロス誕生の秘密が明かされる。タルタロスはイドが自身の血を触媒にして誕生した魔力を生み出すの魔術装置のはずだったが、実験は失敗し自ら魔力を溜め込むことができるだけだった。自身の存在意義を見失っていたタルタロスは、ロイドに憧れを抱き、イドを取り込んでロイドに挑む計画を立てたという。その想いを知ったイドはタルタロスに共感し、協力してロイドに挑むが、ロイドはディ・ガーディアの真なる姿を解放。祭壇魔術を発動させ、ロイドの勝利に終わるのだった。

敗れたタルタロスは、自己崩壊により自身の死期が近いことを明かし、ロイドにイドのことを託す。イドはタルタロスを失ったことを嘆き悲しむが、ロイドがタルタロスの時間を凍結。時間を止められる3年の間に自己崩壊を止める方法を探すことを提案されたイドは了承し、ロイド一行に迎え入れられた。

『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』の登場人物・キャラクター

主要キャラクター

ロイド=ディ=サルーム

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