夢中さ、きみに。(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『夢中さ、きみに。』とは2019年にKADOKAWAから発売された和山やまによる漫画及び実写ドラマ作品。本書はWeb上で話題となり、1カ月で3刷を重ねた。作者にとっては商業デビュー1作目となり、すぐに完売となった同人誌に30ページ以上の描き下ろしを収録している。不思議な魅力を持つ少年・林を取り巻く人間関係を描いた表題作『夢中さ、きみに。』シリーズと、pixivで発表された、不気味な風貌と妙な噂の立つ二階堂のことが気になってしまう目高との友情を描いた『うしろの二階堂』シリーズを収録。

『おまけの二階堂くん』にて、目高が二階堂に思い切って話しかけた際に話題にした漫画家。ホラー漫画が有名だが、二階堂は読んだことがなかった。目高に「伊藤潤二の漫画に出てたよね」と言われたことで興味を持ち学校から帰宅した後、食事中に検索してしまう。怖いものが苦手な二階堂は晩ごはんを残してしまい、翌朝に引きずるほど寝不足になってしまう。

『夢中さ、きみに。』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

林をかわいいなと思ってしまった江間

林につられて手を振り返してしまう江間

林は中華料理屋である実家の半額クーポンを江間に手渡すために、わざわざパンダの着ぐるみのまま江間家にやって来る。見送る江間が林に「職質されんなよ」と声をかけると、林は「もう2回された」と答えた。笑ってしまった2人だが、林は着ぐるみを着ているためその笑顔は見られない。どんな表情で笑うのだろうと、想像する江間に林は両手で手を振っていた。その姿に連日、林から「僕かわいい?」と問われ否定していた江間も、思わず「かわいいな」と思ってしまう。しかしすぐに「パンダがかわいいのであって決して林がじゃあない」と思い直すのだった。

山田初めての反抗

初めて反抗の意思を示した山田(画像右)と驚く妹尾(画像左)

ずっと先輩の妹尾に逆らわずに毎日弁当を買い続けていた山田であったが、ある日財布を失くしてしまう。妹尾のための弁当も買えないまま彼のもとへ向かった山田は、妹尾に早く来るよう怒鳴られながら受け身な自分ではダメだと思い直す。走った勢いそのまま、山田は妹尾に飛びかかり今まで感じていた鬱憤をぶちまける。鬱憤の内容は妹尾が指定していた弁当における栄養バランスが良くないという、罵りにしては的外れな内容だった。しかし呆然とする妹尾を置いて、教室に戻った山田は「山田宅配弁当は今日で営業終了だ」と決意したのだった。

目高「そう!これこれ これが見たかった」

目高に突然変顔をされ、素の表情で笑ってしまった二階堂

二階堂はバレンタインデーに女子から受けた行為がトラウマで、高校では女子ウケしないキャラクターをわざと作っている。そのことを二階堂の中学時代の同級生に聞いた目高は、前触れなく変顔することで二階堂の素の笑顔を引き出した際、嬉しくなり思わず「そう!これこれ これが見たかった」と言ってしまう。人嫌いを公言していた二階堂だったが、話しかけると「ハゲる」とされる噂をものともせず接してきた目高は特別だと感じていた。話しかけたきっかけは、中学時代の卒業アルバムで輝く笑顔の二階堂を見たからだが、目高はあえてそのことを口にしなかった。目高の中にも友情以上の感情が生まれたからである。

『夢中さ、きみに』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

タイトルはチューリップの曲からのインスピレーション

タイトルは作者が好きな曲であるバンドグループ・チューリップの「夢中さ君に」からインスピレーションを得ている。第24回手塚治虫文化賞における受賞コメントにて、「タイトルの通り、私自身キャラクターに夢中になりながら描いたこの気持ちを、今後漫画を描くうえで忘れてはいけないと、そしてこのタイトルだけは今後どんな漫画を描こうが胸の隅に置いておくべきだ」と語っている。

二階堂のキャラクターは伊藤潤二風をあえて意識

マンガ総合情報サイト「マンバ」のインタビューにて作者は、『となりの二階堂』の二階堂にあえてモデルはいないと語っている。一方、大学在学中新人賞に応募した漫画に対し伊藤潤二の作画に近いと講評で言われたことがきっかけで、「あえて伊藤潤二風キャラを描いてみようと思って描いたのが二階堂」と語っている。特に意識したのは双一シリーズにおける双一くんだという。

『夢中さ、君に。』の主題歌・挿入歌

主題歌:なにわ男子『夜這星』

動画内のBGMで流れているのが主題歌の夜這星である。

作詞:磯谷佳江、作曲:YOSHIHIRO、編曲:出口遼。なにわ男子の1枚目のスタジオ・アルバム『1st Love』に収録されている。

OP(オープニング):Broken my toybox『Hello Halo -ReLight-』

作詞:藤井樹 作曲:フジイイツキ

作詞:藤井樹 作曲:フジイイツキ。2017年に自主制作リリースした「Hello Halo」がドラマ制作スタッフの目に留まり、「Hello Halo -ReLight-」として新たに再レコーディングされた。

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