ど根性ガエル(漫画・アニメ・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ど根性ガエル』とは1970年より、吉沢やすみが『週刊少年ジャンプ』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。東京の下町を舞台に、主人公の中学生「貝塚ひろし」とひろしのシャツにひょんなことから張り付いて平面ガエルとなった「ピョン吉」との生活を、面白おかしく描いた人情味あふれるヒューマンコメディ。テレビアニメ放送終了後もたびたび再放送され、2015年にはテレビドラマ化された。また、日本だけでなくアジアやヨーロッパなどでも放送され、海外でも広く愛されている作品である。

『ど根性ガエル』の概要

『ど根性ガエル』とは漫画家「吉沢やすみ」による漫画作品で、『週刊少年ジャンプ』に1970年から1976年まで連載された。コミック本は全27巻が発行された。テレビアニメ化もされ、1972年から1974年までTBS系列で放送された。また続編として、『新・ど根性ガエル』が1981年から1982年にかけて『月間少年ジャンプ』に連載され、同じくテレビアニメ化された。2015年には日本テレビ系列「土曜ドラマ」でテレビドラマ化され、主人公の貝塚ひろし(かいづかひろし)役を松山ケンイチ、ヒロインの吉沢京子(よしざわきょうこ)役を前田敦子が演じた。ピョン吉の声優を務めた満島ひかりは、第1回コンフィデンスアワード・ドラマ賞及び第86回ザテレビジョンドラマアカデミー賞で、助演女優賞に輝いている。ドラマ版では、物語の舞台が東京都練馬区から葛飾区に、ピョン吉がひろしのシャツに貼り付いた場所が河原から池のほとりの橋の上に変更されている。

東京の下町を舞台とした物語。中学生のひろしが先輩とのけんかの際石につまずき倒れたところ、たまたまカエルのピョン吉(ぴょんきち)を地面に押し潰してしまった。ところがなぜかピョン吉はひろしのシャツに張り付いてしまい、以後「平面ガエル」としてひろしと共同生活をしていくことになる。ひょんなことから共同生活をすることになったひろしとピョン吉の奇妙でおかしな生活を描いた、人情味あふれるヒューマンコメディである。その他にも個性豊かなキャラクター、ひろしのガールフレンドの京子ちゃん、番長の五利良イモ太郎(ごりらいもたろう)、後輩の五郎(ごろう)、美人先生の山中ヨシコ(やまなかよしこ)先生、すし職人の佐川梅三郎(さがわうめさぶろう)さんなどが登場し、物語をいっそう楽しいものにしている。

テレビアニメ終了後もたびたび再放送されており、またテレビCMに起用されたことでも再び注目を集めた。さらに国内だけでなくアジアやヨーロッパなどでもアニメが放送されており、国際的にも愛されている作品である。

『ど根性ガエル』のあらすじ・ストーリー

漫画・アニメ版

ぴょん吉誕生

中学生の貝塚ひろし(かいづかひろし)が、後輩の五郎(ごろう)をいじめた「ゴリライモ」こと番長の五利良イモ太郎(ごりらいもたろう)とけんかをするところから物語は始まる。ひろしは五郎の敵を討とうとするがゴリライモには全く歯が立たない。捨て身でゴリライモに突進するも軽くかわされ、さらに石につまずきバランスを崩してしまう。ちょうどその先にいたカエルのピョン吉の上に倒れ込み、ピョン吉を地面に押し潰してしまったのだ。だが驚いたことに、なぜかピョン吉は生きたままひろしのシャツに張り付いてしまう。以後ピョン吉は「平面ガエル」としてひろしと共同生活をしていくことになるのだ。潰されても「根性」で生き続け、言葉までしゃべるようになったピョン吉。ひろしはそんなピョン吉と時に仲良く、時には喧嘩をしながら毎日を過ごしていくのであった。

ひろしのデート

大好きな吉沢京子(よしざわきょうこ)ちゃんとデートをしたくてたまらなかったひろしだが、極度の恥ずかしがり屋なため申し込むことが出来なかった。そんな中、じれったくなったピョン吉が代わりにデートを申し込む。その場では返事をもらえなかったひろしだが授業中にOKの返事をもらい、デートの約束を取り付けることに成功した。当日デートの待ち合わせ場所に意気揚々と向かうひろしであったが、不運なことに飛んできた野球のボールが顔面に当たってしまう。その衝撃によりしゃべることが出来なくなってしまうのであった。困ったひろしはピョン吉に代わりに喋ってくれるように頼みこみデートをするのだが、ピョン吉のいたずらもあってデートはめちゃくちゃなことになってしまうのであった。すっかりフラれてしまったと思ったひろしだが、後日事情を話したことで、京子ちゃんろはまたいつもの仲の良い関係に戻ったのであった。

幽日ヶ原の決闘

学校へ行く途中、ひろしとゴリライモは些細なことで喧嘩になるが、ちょうど授業開始のベルが鳴り一時休戦をすることになる。そしてあらためて決着を着けようということになった。ゴリライモと決闘を予定していたひろしだが、ゴリライモが街のチンピラをいとも簡単にやっつけたことを聞き、恐怖で落ち込んでしまうのであった。ところが宿題を忘れたことにより居残りをさせられ、運よく決闘を回避することに成功した。代わりに後輩の五郎を行かせようとするが、五郎もガールフレンドの渡辺 みさ子 (わたなべ みさこ)とのデートに行ってしまう。仕方なくひろしと別れたピョン吉が1匹で決闘へ向かおうとしたところ、偶然京子ちゃんと出会い、事情を知った京子ちゃんも決闘に参加することになったのだ。京子ちゃんの姿を見たゴリライモは、女の子相手に決闘は出来ないと思ったのか、逃げて帰ってしまうのであった。

宝くじやーい

昔からの知り合いに宝くじをもらった梅さん。当選番号の発表の日、梅さんがおそるおそる番号を確認すると、そこには手元にあるくじの番号が記されていた。「当たった!」「い…い…いっせん…!」と興奮気味につぶやく梅さんをよそに、「梅さんが1000万当たった」と街中が大騒ぎになる。
銀行が「口座を作ってください」と来たり、テレビ局が取材の申し込みに来たり。
梅さんに宝くじを上げた友人も当然俺にもいくらかよこせということになるが、梅さんは頑として譲らず大喧嘩する。
そこでピョン吉が「2人で半分こすればいいいじゃない」と提案すると、お互い納得して手打ちとなった。梅さんが「じゃあ、半分渡すぜ!」と友人に500円を渡す。友人が「え?なんで半分が500円なの?」と聞くと梅さんが「当たりめぇだろう!」「1000円の半分だから500円だい!」と答えた。
梅さんが当たったのは1000万ではなく、1000円だったのだ。一同ギャフンとなる。
トラブルメーカーの梅さんらしいズッコケエピソードである。

しゃっくりデート

恋のライバル関係にある南 よし雄(みなみ よしお)先生が不在のすきに、生徒に大人気の美人先生の山中ヨシコ(やまなかよしこ)先生とデートをすることになった梅さん。ところが喜びすぎてしまったためなのか、しゃっくりが止まらなくなってしまった。水を飲むとしゃっくりが止まると聞いたひろしたちは、梅さんを川へ放り込み大量に水を飲ませようと画策。ピョン吉は梅さんと川へ飛び込むが、梅さんが溺れ死にそうになってしまうのであった。

ドラマ版

2015年夏

30歳になったヒロシ。

14歳だったひろしももう30歳になった。しかし独り立ちする年齢になったにも関わらず、定職に就かずダラダラと自堕落な生活を送っていた。ピョン吉は16年前からひろしと無二の親友であり、いつも困っているひろしを助けてきた。しかしすっかりダメ男になってしまったひろしとは、毎日喧嘩ばかりするようになっていた。
ゴリライモは家業のパン工場を引き継ぎ、後輩の五郎は警察官となり、ひろしとは全く対照的な人生を送っていた。そんな中、ひろしはかつてのガールフレンドである京子ちゃんと街で偶然出会う。京子ちゃんは離婚をして、実家に戻って来たのであった。以前と違い、京子ちゃんがキツイ性格になっていたことにショックを受けるひろし。しかし彼女と結婚したいと考え、心を改めて人生をやり直すことを決意する。他方でピョン吉の体はシャツから剥がれかけ、死期が近づいていることを悟るのであった。

結婚の誓い

「ど根性で京子ちゃんと結婚する!」と宣言したひろしであったが、相変わらず定職に就かず自堕落な生活を送っていた。周囲がちゃんと働くように言っても耳を貸さず、駄々をこねてばかり。しまいには母ちゃんと喧嘩をし家を出て行ってしまった。途方に暮れたひろしは何を思ったか、ゴリライモの移動販売車を盗み当てもなくさまよっていた。心配したピョン吉は、京子ちゃんとともに追いかけるのであった。

ゴリライモの公開プロポーズ

ゴリライモが立候補している区議会議員選挙が目前に迫ってきた。そんな中ひろしはゴリライモから、京子ちゃんに結婚を申し込むと宣言される。びっくりし動揺を隠せないひろしであった。さらに選挙活動終了後には、「当選出来たら結婚してほしい」とみんなの前で公開プロポーズ。ひろしは、ゴリライモに当選して欲しいという気持ちと、落選して京子ちゃんと結婚して欲しくないという気持ちが入り交じる。ゴリライモに投票するのか悩むひろしであった。

ピョン吉との別れ

以前よりシャツから剝げかかっていたピョン吉であったが、ついにピョン吉がいなくなってしまった。
福男レースの翌朝目覚めたひろしは、ピョン吉の姿がないシャツを発見し、驚く。
必死にピョン吉を探すひろし。しかし結局見つからず、1人で静かに涙を流す。それでも周囲には悲しみを見せないよう、ひろしはいつも通りに振っていた。そんな中、町ではあちこちの家から少しだけ食べ物が盗まれるという不思議な事件が続発していた。もしかして犯人はピョン吉で、どこかで生きているのではないかと考える。
一方、京子ちゃんや五郎、ゴリライモの3人は、16年前にピョン吉が平面ガエルになった池のほとりで当時と同じことを再現すれば、ピョン吉が戻ってくるのではないかと考える。京子ちゃんに呼び出され、池のほとりへ向かったひろし。そこでひろしは、自分と容姿がそっくりで、名前も同じひろしこと「偽ひろし」と出会う。彼はピョン吉が貼り付いたシャツを着ていた。ヒロシは偽ヒロシからピョン吉が貼り付いたTシャツを奪い、感動の再会に一同は喜ぶ。
実は、町で頻発していた不思議な事件は、偽ひろしの仕業だったのだ。そしてピョン吉はTシャツからはがれ、元のカエルに戻っていたそうだ。偶然偽ヒロシがアマガエルに戻っていたピョン吉を胸で潰してしまい、以前と同じパターンでピョン吉は平面ガエルに戻っていたのであった。人生が上手くいかず無気力だった偽ひろしは、ひろしや京子、ピョン吉らに励まされ、もう1度前向きに生きていこうと決心した。偽ヒロシは自分の町へ帰り、ヒロシとピョン吉は再び相棒に戻るのだった。

ドラマ内では、ひろしと京子の行く末は描かれていなかったが、後に「ソルマック」のCMで結婚したことが明かされた。
また、ひろしは30歳になり、ピョン吉が張り付いたシャツを着てサラリーマンとして働いている。

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