あの夏のルカ(ピクサー映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『あの夏のルカ』とは、2021年に公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ製作の3Dアニメーション映画で、少年たちのひと夏の冒険を描いたファンタジー・アドベンチャーである。シー・モンスターの正体を隠して人間の世界に飛び込んだ少年ルカと親友アルベルトは、自由を手に入れるため人間の町のトライアスロンレースで優勝して賞金を獲得しようと奮闘する。色彩鮮やかでノスタルジックなイタリアの港町を舞台に、友情と好奇心の間に揺れ動く子ども達の心の変化が見どころ。

チッチョ

チッチョ(右)とグイド(左)

CV:ピーター・ソン
日本語版吹替:落合福嗣

エルコレの子分のひとり。背が低くふくよか。ポルトロッソカップでは水泳を担当した。

グイド

CV:ロレンツォ・クリスチー
日本語版吹替:山田寛人

エルコレの子分のひとり。ポルトロッソカップではパスタ早食いを担当した。

その他

マキャヴェリ

CV:未公開

マッシモが飼っている猫。ふてぶてしい表情がチャームポイント。ルカとアルベルトの正体がシー・モンスターであることを早くに目撃し、ふたりの存在を怪しんでいる。魚の餌付けにより関係は改善した。

『あの夏のルカ』の用語

シー・モンスター

シー・モンスターの姿のアルベルト(左)とルカ(右)

海中に暮らす人型のモンスター。全身を鱗で覆われ、太く長い尾を魚のように波撃たせて泳ぐ。水からあがり、肌が乾くと人間の姿に変身する特性を持つ。海底で集落を形成して暮らしている。人間は危険な陸のモンスターとして避けられている。これは人間もまたシー・モンスターを危険な存在として恐れているため、海中に姿を見かけるとモリなどで攻撃することが原因のひとつだ。

ポルトロッソ

小さな港町ポルトロッソの広場

ジュリアやマッシモが暮らす、北イタリアの小さな港町。漁業が盛んで、シー・モンスターの存在が古くから伝説として語り継がれている。現在でもシー・モンスターは排除すべき危険因子として認識されており、シー・モンスターには懸賞金がかけられている。しかし密かに人間に変身したシー・モンスターが町中に紛れ込んで暮らしているが、町人達は気づいていない。エンリコ・カサローザ監督が育った地中海岸、リヴィエラがモデルとなっている。

ポルトロッソカップ

ポルトロッソカップのレーススタート地点に立つジュリア

ポルトロッソで夏になると開催される、町オリジナルの子供向けトライアスロンレース。3人1チームで挑む前提のレースだが、1〜2人でも参加できる。スタートから順に水泳部門、パスタ早食い競争部門、自転車レース部門で構成されている。水泳部門は海岸からスタートし、海に浮かぶブイをまわってUターンし、再び海岸まで戻る。パスタ早食い競争部門では皿いっぱいのパスタをフォークを使って全て食べ切らなければならない。自転車レース部門はまず大きく傾斜した地形の町内を登り切り、丘の上から海の前の広場までの下り坂を一気に駆け降りる。特に下り坂のコースは危険を伴う難所となっている。自転車レースのコース終わりにゴールラインが引いてあり、そのラインを最初に超えたチームが優勝となる。優勝チームにはトロフィーと賞金が送られる。

『あの夏のルカ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

アルベルト「シレンツィオ・ブルーノ!」

ルカ(右)を勇気づけるアルベルト(左)

ルカは考えることは得意だったが、勇気を持って実行することは苦手だった。そのためベスパもどきを作ることには意欲的でも、乗って坂を滑り降りるのはいつもアルベルトだけだった。そんなルカにアルベルトは「今日はふたりで乗ろう」と提案する。やはり怖がって拒否するルカにアルベルトは、「おまえの頭ん中にはブルーノがいる」と言う。臆病な性格の男、ブルーノが頭の中にいて、ルカの邪魔をしていると言うのだ。さらにアルベルトは続けて「とにかくソイツを黙らせてやれ。シレンツィオ・ブルーノ!」とルカにアドバイスする。「シレンツィオ・ブルーノ」はイタリア語で「ブルーノは黙ってろ」を意味する。ルカはこのアドバイスで、無事ベスパもどきに乗って坂を滑り降りる鮮烈な体験をすることができた。それからというもの、「シレンツィオ・ブルーノ!」はルカが臆病になって物事を躊躇する際に口にする、おまじないのような言葉になった。ルカがアルベルトとの友情で、勇気を獲得していくきっかけとなるセリフ。

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