刻刻(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『刻刻』とは堀尾省太によって、『増刊モーニング2』に2008年から2014年まで不定期連載されていたSFサスペンス漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。主人公である佑河樹里は、ある日兄と甥を誘拐したという脅迫電話を受ける。2人を助けるため祖父は止界術を使い、時が止まった世界へと行くがそれは誘拐を指示した宗教団体の罠だった。窮地に追いやられる樹里だが、隠れていた不思議な能力が発動する。予想できない展開と刻々と変わる状況に目が離せない、最後まで引き込まれる物語である。

マリヤ

CV:能登麻美子
生まれつき霊回忍が体内にあり、歳を取らない体質をしている。そのため天狗の子と呼ばれたり殺されかけたりしていた。そこへ後の創始者と呼ばれる男が助け、夫婦となる。共に生きたいと願う夫をよく止界へ連れていくなどしていたようである。止界の出入りを自由に行うことができ、能力を使いこなしている。
「創始者なんて言われてるようだけど元祖は私なんで」と主張しており、飄々とした性格をしている。
現代ではキャバクラで働き「マリヤ」を名乗っているようである。本名は不明。

『刻刻』の用語

真純実愛会(しんじゅんじつあいかい)

200年前には地域の氏神を祭る講社という形で存在していたが、明治の頃には信仰が廃れていた。長い間ただの飾りになっていた属石を止界への入り口として発見したのが現教祖の佐河であり、自身の目的を実行するために実愛会の教えを広め信者たちを妄信的にさせ利用しやすいようにしていたとみられる。

止界(しかい)

時が止まった世界のこと。止界内では時が止まった者のことを止者と呼び、神ノ離忍(カヌリニ)によって守られる存在となる。
止界で自由に動くためには、霊回忍(タマワ二)と融合しなければいけない。

止者(ししゃ)

止界の中で霊回忍と融合せず止まっている者のことを指す。

止界術(しかいじゅつ)

止界へ入り自由に行動できる術。本石に体液を入れると術が発動し、その場にいる人間の中に霊回忍が入り活動できるようになる。
佑河家は「衛盒〔えいごう〕」と唱え石に手を置く工程を経ているが、根拠はなくその場にいれば手を置いていなくても止界へ入れるようである。属石は術自体は発動できるが範囲が狭く世界全体を止めることは不可能。
本石が発動した時に属石も発動していると同じ時間の止界に潜入することが出来る。

石(いし)

創始者が造った止界へ出入りするための物。中心部分に穴がありそこへ体液を入れると術が発動するようになっている。もとは一つの石だったようだが三つに分かれて本石が佑河家へ、一つは実愛会、もう一つが間島の母方が所有していた。
石の中には大きな霊回忍の目玉と推測されるものが入っている。

神ノ離忍(カヌリニ)

止者への殺意に反応して現れて止者を動者から守る存在。止者を守る際、動者の頭を潰すのは、殺意の脳波に反応しているからだと考えられている。
人が止界の中で精神的に不安定になり自分を見失うと、止界に取り込まれて神ノ離忍になることがわかっている。実愛会の教義書「大円行記」では神ノ離忍と伝わっているが、佑河家では「管理人」と呼ぶ。
「止者」への殺意で現れ、力を使うごとにエネルギーを消費する。エネルギーが尽きると崩れ落ち活動しなくなる。

霊回忍(タマワニ)

止界に存在する自然霊。空中を浮遊するクラゲのような形をしている。これと融合することで止界で自由に活動することが出来る。霊回忍との相性により佑河家は特殊能力を使えることが出来る。
また佐河は霊回忍をコントロールすることで自我を保ったまま神ノ離忍へ変化を遂げることが出来た。

『刻刻』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

じいさん「時間はいくらでもある」

孫の翼とひ孫の真が誘拐され切羽詰まった状況だが、止界に入り何もかもが止まった世界で泣き出す樹里を待つときに「時間はいくらでもある」と皮肉めいた。

じいさん「来やがった!」

登場人物たちの前に初めて「神ノ離忍(カヌリニ)」が実体として登場するシーン。1話ラストのシーンで出現することや、その大きさ、不気味さが合わさって物語をとても面白くしている。
じいさんが「来やがった!」と焦ったように言うのに対して、佐河は落ち着いた様子で「神ノ離忍(カヌリニ)」と言っている。この中で2人だけはその存在を知っており、じいさんは畏怖を、佐河は崇拝を込めて呼んでいる。物語が始まったばかりのこの場面で、2人の対比は物語に大きな深みを持たせることになる。美しく繊細なCGによって描かれた神ノ離忍(カヌリニ)が今後物語にどう絡んでいくのか楽しみになる場面だ。

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