刻刻(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『刻刻』とは堀尾省太によって、『増刊モーニング2』に2008年から2014年まで不定期連載されていたSFサスペンス漫画、および漫画を原作としたアニメ作品である。主人公である佑河樹里は、ある日兄と甥を誘拐したという脅迫電話を受ける。2人を助けるため祖父は止界術を使い、時が止まった世界へと行くがそれは誘拐を指示した宗教団体の罠だった。窮地に追いやられる樹里だが、隠れていた不思議な能力が発動する。予想できない展開と刻々と変わる状況に目が離せない、最後まで引き込まれる物語である。

じいさん

CV:山路和弘

佑河家で唯一止界術を知っている人間である。名前は明らかにされておらず、樹里には「おじいちゃん」と呼ばれている。人物紹介でも「じいさん」とだけ表記されている。
止界術を代々受け継いでいる佑河家ではあるが家族全員に伝えることはせず、石の管理にふさわしい者に伝えているようである。しかし息子の貴文や孫の翼では頼りにならないと判断し、樹里もそのカッとなりやすい性格ゆえに止界術を伝えるのをは危険だと思い、石の秘密を1人で抱えてきた。
頑固で協調性のない性格であるが、家族を大事にしておりそれぞれを常に気にかけている。しかし貴文にはやや厳しく、辛辣な評価をしている。妻と見られる人物との写真があるが、登場はなく会話にも出ないため死別もしくは離婚して一緒に暮らしてはないものと思われる。
特殊能力は瞬間移動で、触れている人間も一緒に移動することが出来るが「止者」は連れていく事が出来ない。非常に不安定な能力で、着地する時の姿勢が定まらず落ちるように着地する。
本人曰く、「飛ぶ」としか表現のしようがないもののようだ。

佑河 貴文(ゆかわ たかふみ)

左が貴文

CV: 辻谷耕史
「じいさん」の息子で「樹里」の父親である。自らを「中年ニート」と称し、会社をクビになってからは主夫をしており、樹里と夕飯の支度をする様子が描かれている。
基本的に樹里とじいさんの足を引っ張る存在であるが本人はその自覚はなく、止界術を知ってからは石の主導権を持とうと画策し止界から退場することになるまで状況を引っ掻き回した。
しかし家族愛は強く、樹里の身を心配したり孫の真を可愛がっている。
特殊能力はこれといったものは発揮されなかったが、「神ノ離忍(カヌリニ)」を呼び出すためには止者への強い殺意が必要で、間島は呼び出すのに苦労したが貴文は瞬時に「神ノ離忍」を呼び出すことに成功している。佐河へとどめをさす際に躊躇し揉める樹里とじいさんを横目に軽やかに乱入し模造刀を突き刺した。父と娘に「なんだろうこの人」と思われた。

佑河 翼(ゆかわ つばさ)

CV: 野島裕史

樹里の兄で31歳の引きこもりである。妹たちをそれぞれ「ちゃん」付で呼び、真は「まーたん」と呼ぶ。
樹里の代わりに真の迎えに行った際に真と共に誘拐実行犯に拉致される。当初は止者であったが、雇われ組の阿南が死亡した時にその霊回忍が抜けて翼の中に入り、止界の中で動けるようになった。
真を助け出すため病院を探したり、拉致された時に真の手を放してしまったことを悔いるなど気弱ながら思いやりが強いところがある。
何もわからず止界に来てしまったため不安がつのり神ノ離忍化しかけるが、真の存在が目的意識をはっきりさせ一時は安定した。しかし帰宅したところを実愛会のひとりに襲われ、命からがら勝利する。その際人を殺めてしまったかもしれない恐怖と逃げ出した真が見つからない不安から再び神ノ離忍化してしまう。
そこへやってきた樹里に霊回忍を追い出され、間一髪で神ノ離忍化する前に止界から出ることが出来た。

佑河 真(ゆかわ まこと)

CV:岩田龍門

早苗の息子で、樹里・翼の甥にあたる。貴文からは孫、じいさんからみると曾孫となる。
こまどり幼稚園に通っており活発で聡明な性格をしている。
迎えに来た翼と共に幼稚園からの帰り道で襲われ、誘拐された。
真もまた、実愛会の死んだメンバーから抜け出した霊回忍が入り、止界の中で動くことが出来るようになった。翼と共に行動するが、状況が分からないながらも無邪気にはしゃぎ、翼の精神を安定させる存在となった。
樹里を「樹里ねーちゃん」と呼び、翼は「翼にーちゃん」、貴文を「じーじー」と呼ぶ。
戦隊ものが好きなようで神ノ離忍の出現の際、戦闘になった時は盛り上がりを見せた。
真も止界で能力を発現させ、神ノ離忍化した飛野を操り佐河と互角に戦った。

佑河 早苗(ゆかわ さなえ)

CV: 生天目仁美

真の母親であり、25歳のシングルマザー。樹里と翼の妹である。パートを掛け持ちして働いており、真の養育費はすべて自分で持とうとしていると樹里に推測されている。
多くは語られないが、真を強引に産んだと樹里に回想されており、その責任を負う行動を示しているものと思われる。

佑河伸子(ゆかわ のぶこ)

佑河貴文の妻で、樹里と早苗と翼の母親。本作には登場することはないが、遅番のある仕事をしているようだ。事件当時は車で仕事に行っていた。
「うちはもう真さえ真人間に育ってくれればいい」と発言していた。
最終話では家族の輪におり、正体を知っているかどうかはともかく、子供になった佐河を孫として受け入れているようであった。

真純実愛会

佐河 順治(さがわ じゅんじ)

CV:郷田ほづみ/浦尾岳大(青年時代)/ 鶴翔麒(少年時代)
実愛会のトップ。信者からは「総主」と呼ばれており、佑河家を襲う計画を立てた張本人である。
過去に複雑な家庭環境があり、その中で属石の存在を発見し止界術にのめり込むこととなる。前教祖だった父が死亡した時も伯父に教会を任せることはせず、止界術の研究のため若くして教祖となった。
間島との出会いにより佑河家と本石の存在を知り、目的のために大勢の犠牲者を出すのも厭わず計画を実行した。
その目的とは佑河家から本石を奪い止界術を我が物にすることだった。そして実際止界に入ったことで憶測に過ぎなかった自身の研究が確信へと変わり、探求心は加速していく。
現状を的確に判断し信者をも利用する冷徹な思考の持ち主だが、教祖としての経験からか言葉巧みに周りの人間を誘導していく。
最後は神ノ離忍化した肉体を保ったうえで、自我を残し何百年と生きようと試みるが、樹里たちの手により阻止される。追い詰められた佐河は霊回忍に肉体の再生を任せるが、霊回忍の選択は細胞からやり直すことだったため佐河は記憶も無くした赤ん坊として生まれ変わり、樹里に育てられることとなった。

間島 翔子(まじま しょうこ)

CV:瀬戸麻沙美
佐河の相談役として、誘拐事件の1年ほど前に実愛会に入った女性。
22年前に樹里が止界に来た時と同じタイミングで、何も知らずに持っていた属石を発動させてしまったため、家族と共に止界に閉じ込められてしまう。
両親と兄は状況を理解できず自我を保てなくなり、次々と宙に浮き消えていってしまう。自身は泣きながら止界を彷徨い、神ノ離忍化しかけているところ樹里と出会う。樹里も理解できず無自覚に能力を使い、間島は止界から出ることができた。
それから家族を探すため探偵を雇うなどして佑河家を突き止めた。佑河家に協力を求めるか実愛会を利用するか悩んでいたが、佑河家の幸せそうな光景にやり場のない怒りを感じ、情報を実愛会に持ち込んだ。これが発端となり佑河家の誘拐事件へと繋がった。
止界に対しての理解が深く、樹里の能力に目を付けており家族を解放するために利用した。神ノ離忍化した両親はミイラのようになり死亡したが、兄は生還することが出来た。家族を解放することが出来たことで、樹里たちに協力する立場を選んだ。
22年前の止界に迷い込んだ時に5歳だったと発言していることから27歳と考えられる。

tsujimo
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@tsujimo

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