トゥームレイダー3(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『トゥームレイダー3(Tomb Raider 3)』とは、1999年に発売されたアクションアドベンチャーゲーム『トゥームレイダーシリーズ』の3作目となる作品。主人公ララ・クロフトが、4つの秘宝(アーティファクト)を求めて、ジャングルや遺跡、摩天楼など、世界を股にかけた大冒険を繰り広げる。前2作からゲームグラフィックが更に上昇し、ダッシュやしゃがみ移動などの新たなアクションが追加された。また、謎解きやアクションは、シリーズ最高と評されるほどの難易度となっている。

『トゥームレイダー3』の概要

『トゥームレイダー3(Tomb Raider 3)』は、海外を中心に世界中で大ヒットしたアクションアドベンチャーゲーム『トゥームレイダーシリーズ』の第3作目の作品。開発元はイギリスのゲーム会社Core Designで、日本での発売元はエニックス(後のスクウェア・エニックス)。日本ではPlayStation版が1999年3月4日に発売された。

前作『トゥームレイダー2(Tomb Raider 2)』からグラフィックは更に向上し、炎の動きや水面の揺らめき、移動する際に足跡が付くなど、表現力が増しており、ジャングルや砂漠、極寒の地を高水準に描いている。反面、壁の模様や自然と同化していることで、ステージのギミックやアイテムの視認が困難となり、次の目的地やキーアイテムを見落としやすくなっている。また、前作で遺跡以外にも欧州の街や海底、海上施設など活躍の場を広げた路線を踏襲しており、本作では軍事施設や大自然溢れる島、高層ビルが並び立つ夜の街などのステージが用意されている。本作の特徴として、最初のステージとなるインドをクリアすると、ネバダ、南太平洋、ロンドンの3つの中から好きなステージを選択して、順路を決めることができる。

また、ステージ探索やパズルを重視したゲーム内容となっており、新アクションのダッシュやしゃがみ移動、天井を掴む動作を用いてクリアするパズルや、ジャングルでは沼地や落石を用いたギミック、軍事施設ではセンサーやセキュリティを用いたトラップなど、各ステージの特徴を生かした仕掛けが用意されている。本作では、新たに非直線的なマップが導入されており、過去シリーズとは異なり、広いマップを自由に行き来しながら探索を進めることが多くなっている。しかし、自由度が増した一方で、地図やコンパスが用意されていないため、迷子になりやすくなっており、攻略のきっかけとなる仕掛けやアイテムを見つけることが困難になっているなど、ゲームの内容をより複雑化している。その他、過去作以上に難易度の高いトラップが用意されていることや、シビアな操作が要求される点から、本作は高難易度とされている『トゥームレイダーシリーズ』の中でも、最高難易度と評価されることが多い。

女性冒険家のララ・クロフトは、インドの部族によって崇められてきたといわれる秘宝インファダストーンを求めて、ジャングルの遺跡へ探索に向かう。探索の末、秘宝を手に入れたララは、科学調査会社「RX-TECH」に所属する研究員ウィラードと出会う。ララは自分が手に入れた秘宝が、大昔に南極大陸に落下した隕石から作られたもので、同じように作られた秘宝があと3つ存在していることを知る。ウィラードは彼女に残りの秘宝を探してほしいと依頼し、新たな冒険の匂いを嗅ぎ取ったララは、彼の依頼を引き受け、世界各地へと旅立つのだった。

『トゥームレイダー3』のあらすじ・ストーリー

インド編

RX-TECH社のウィラードから、秘宝の収集を依頼されるララ。

今から数百万年前、1つの巨大隕石が南極大陸に落下する。落下の衝撃により南極大陸から切り離された火山島・アンタルクティカは火山の熱によって動植物の成長や進化を促し、生物達の楽園と化した。この島を最初に発見したのは、紀元前のポリネシア人だった。島に到着した彼らは隕石が放つ不思議な力に気づき、隕石の欠片から力の制御装置を作り出して、都市を築いた。しかし、隕石の力は同時に、ポリネシア人の遺伝子情報を蝕んでいき、王族に顔無き子が生まれるように至った。これを期に彼らは文明を捨てて島から逃げ去り、アンタルクティカは徐々に死の世界へと変化していった。

時は流れ、現代。雪と氷の世界と化したアンタルクティカを調査していた科学調査会社「RX-TECH」は、イースター島にあるモアイ像を掘り起こす。さらに同じ場所からチャールズ・ダーウィンのビーグル号に乗り組んでいた船員の遺体を埋葬した墓が発見される。RX-TECH社のスタッフ・ウィラード博士は、調査の結果、1834年にビーグル号の船員達がこの島を訪れた際、大昔のポリネシア人が隕石を加工して作った秘宝と呼ばれる4つの制御装置を持ち出し、その後スティーブンという船員以外が不審死を遂げていること、4つの秘宝が世界中に散らばっていることを知る。そのうちの1つ、インファダストーンはインドにあり、女性冒険家のララ・クロフトはこの秘宝を求めてインドのジャングル奥地にある遺跡の調査に向かっていた。

険しいジャングルに生息するベンガルトラや猛毒を持つコブラ、転がる岩や底なし沼はララの行く手を阻むように牙を剥く。遺跡を目指す途中、ララはウィラードの命令でインファダストーンを探していた男、トニーと出会う。錯乱状態となっていたトニーは、仲間のランディとロビンとともに遺跡で秘宝を探していたが、遺跡内に2人が閉じ込められていることを説明し、この場から立ち去るようララに伝える。トニーの忠告を受けながらも遺跡の中に入ったララは、数々のトラップと動くシヴァ像に襲われる。それらを掻い潜りながら遺跡内を探索していると、トニーの仲間であったランディとロビンらしき変死体を発見する。2人は秘宝の力を独占しようとしたトニーによって殺害されており、秘宝は既にトニーによって遺跡から持ち出されていた。ララは遺跡を脱出し、再びトニーと遭遇するが、秘宝によって得た超常的な力に阻まれ、彼を取り逃がしてしまう。滝の裏に置かれたバギーを駆使してトニーに追いついたララは、彼と対峙する。秘宝の力によって放たれる炎の玉を躱しながら、トニーを倒すことに成功したララは、無事秘宝を手に入れる。その後、ジャングルから抜け出したララの前に、ウィラードが現れる。ウィラードはララの実力を評価し、世界に散らばった残り3つの秘宝を集めてほしいと依頼する。ウィラードの話に興味を抱いたララは、彼の依頼を引き受け、ネバダ、南太平洋、ロンドンにそれぞれ散らばっている秘宝を手に入れるべく、新たな冒険へ旅立つのだった。

ネバダ編

2つ目の秘宝を求めてネバダを訪れたララ。そこは秘密裏にされている米軍の特殊基地エリア51がある砂漠地帯だった。ダムを渡り、軍事施設に侵入したララは、施設内にいた無法者を倒し、倉庫に停められていたバギーを見つける。施設内の仕掛けを解除してフェンスに流れる電流を止めたララは、バギーでフェンスを飛び越えてエリア51に侵入するが、着地に失敗してしまい、地面に叩きつけられる。意識を失ったララは、MP(憲兵)に捕らえられ、武器を全て取り上げられた挙句独房に収容されてしまう。意識を取り戻したララは、MPを誘導して独房から脱出し、別の独房に閉じ込められていた囚人達を解放する。敵対する理由が無かったことで囚人達の協力を得ながら、施設内を探索し続けていたララは、押収された武器を回収し、エリア51に向かうトラックの荷台に乗り込むことに成功する。トラックはエリア51に着き、施設内の探索を開始するララ。セキュリティシステムを掻い潜りながら道なりに進むと、ロケットの打ち上げ場に辿り着く。更に道なりに進んだララは、宇宙人の死体が置かれた研究室を見つける。そこのコンピュータに道中で入手したプロテクトCDを使い、施設内のUFOに侵入したララは、警備していたスワット達を倒す。そして、UFO内部の中央に置かれていた2つ目の秘宝、オーラダガーを入手することに成功するのだった。

南太平洋編

3つ目の秘宝は南太平洋に存在することを知ったララは、大自然溢れる未開の島に向かう。部外者に対して非常に攻撃的な原住民の部族に遭遇しつつも、彼らを退けながら島を探索するララ。途中、部族に捕まっていた、島に不時着した軍用機の乗務員と出会ったララは、彼からジャングルで恐竜に遭遇して足を食われたことや、毎晩部下が行方不明になっている話を聞く。その後、彼から受け取った島の底なし沼を渡るための地図を頼りに先へ進んだララは、ジャングルで島に生息する恐竜と遭遇する。現地を調査していた不時着機の乗務員数人と協力しながら、恐竜の群れを退けつつ先へ進んだララは、部族のシャーマンと出会う。未開の島に住む部族の祖先が、大昔に悪魔が住んでいたことや、恐ろしい嵐に遭遇したことで南極から逃げたこと、ビーグル号の乗員の1人が秘宝を持って島に現れた直後に死亡し、その秘宝が現在幸運な男と呼ばれる部族の族長が所持している話をシャーマンから教えられたララは、過酷な谷を渡って、ピュナ寺院へ辿り着く。寺院に仕掛けられたトラップや、部族の襲撃を掻い潜り、奥の大広間に辿り着いたララは、玉座に座る部族の族長の男と対峙する。秘宝の力により電撃やバリアを操る男の攻撃を躱しながら、男を倒したララは、彼が所持していた3つ目の秘宝、エレメント115を手に入れるのだった。

ロンドン編

最後の秘宝を求めてララは母国のロンドンを訪れる。夜の摩天楼でララを待ち受けていたのは、秘宝の持ち主であり化粧品会社の経営をしている女性、ミス・ソフィア・リーが雇った殺し屋達だった。高層ビルを渡って殺し屋達の襲撃を返り討ちにしながら、ララは暗い地下鉄の駅に潜り込む。そこにはミス・リーが行った不老不死の実験により顔や身体の肉を失った男達が徘徊していた。当初は侵入者であるララに襲い掛かってきた男達だったが、彼らのリーダーでありミス・リーへの復讐を狙う仮面の男は、ララがミス・リーへの復讐に役立つと考え、方針を変えて彼女の力になることを告げる。男の部下に自然博物館へ案内されたララは、天井へ上った後、坂を下って水路へ落ちる。水路を抜けた先にある水中大広間で、水中スクーターを発見し、探索を続けるララ。途中、ダイバーやワニの襲撃を受けながらも、広い大広間を抜けたララは、狭い通路からミス・リーがいるオフィスに辿り着く。秘宝の在処を聞き出すララをはぐらかしたミス・リーは、外に逃亡する。彼女を追ってララも外に飛び出すが、ミス・リーは追ってきたララを迎撃するために、向かい側のビルから攻撃を仕掛けてくる。銃を撃っても、秘宝の力によって攻撃が通用せず、苦戦を強いられるララだったが、ミス・リーが立っていた足場は、強力な高圧電流が流れる場所であることに気づく。攻撃を掻い潜り、高圧電流を流すための装置を作動すると、ミス・リーは苦しみながら消滅した。ミス・リーを倒したララは、高圧電流を解除して、彼女が落とした最後の秘宝、アイ・オブ・イシスを手に入れる。こうしてララは、4つの秘宝を全て揃えることに成功するのだった。

南極大陸編

世界各地で4つの秘宝を集めたララは、依頼主のウィラード博士がいる南極大陸へ向かう。その途中、乗っていたヘリコプターが猛吹雪の中海水に沈没してしまい、ララは砕氷船付近の足場から目的地を目指すことになった。砕氷船に取り付けられていたモーターボートを動かし、RX-TECH社の前線基地に辿り着くが、そこでララが目にしたのは、隕石の力の影響を受けて突然変異を起こした人間達の姿だった。漠然とした不安を抱きつつも、ララはウィラード博士が待つ小屋へ向かった。

小屋で再会したウィラード博士によると、ララが見た人間達は、南極に落下した隕石のクレーターに染み込んだ物質の影響により変化した姿だった。クレーターの中心には更に強大な力があり、ララが集めた4つの秘宝こそ、その謎を解く鍵であるとウィラード博士は推測していた。「4つの秘宝には進化を早める力があり、アンタルクティカは生きた研究所である」と嬉々として語るウィラード博士だが、そのために人間をモルモット扱いすることを非難するララ。利害が一致しないと分かったウィラード博士は、一瞬の隙をついてララから4つの秘宝が入った鞄を奪い、逃走する。ウィラード博士から秘宝を取り戻すため、彼を追ってララはRX-TECH社の発掘場へ降りて行った。設置されていたトロッコを駆使しながら、先へ進むララが辿り着いたのは、先住民が遺した遺跡とされる滅びたティノスだった。そこには隕石の力によって姿を変異させたミュータント達が徘徊しており、次々に襲い掛かってくる。ミュータント達の襲撃を掻い潜りながら、古代の文明によって造られた遺跡の仕掛けを解いていくララ。

やがて全ての仕掛けを解き明かし、クレーターが存在する神殿の最奥に辿り着くが、ララに追い詰められたウィラード博士は、秘宝の力を自らの身体に取り込み、巨大な異形の怪物へ変貌する。人としての姿を失い、襲い掛かってくるウィラード博士を倒すため、ララはクレーターの力を解放するために設置された4つの秘宝を取り外す。その結果、力の供給が無くなり弱体化したウィラード博士に攻撃が通用するようになったことで、ララはウィラード博士を倒すことに成功する。秘宝も取り戻し、残るは南極から脱出するだけとなり、ララは地上を目指して遺跡を登っていく。地上に出た後、道なりに進んでいくと、RX-TECH社の警備員達が襲い掛かってくる。彼らを退けたララは、近くに降りてきたヘリコプターを操縦士から奪った後、追っ手を撒いて南極から脱出することに成功。こうしてララの冒険はまた1つ、終わりを迎えるのだった。

『トゥームレイダー3』のゲームシステム

地上でのアクション

走る・歩く

移動方法は基本的に走りとなっている。方向キーの上を押すことで走ることができ、下を押すことでバックステップができる。方向キーの左右で走りながら方向転換することも可能である。また、歩きボタンを押しながら方向キーを操作すると、歩く動作を行う。主に立ち位置の調整を行う際や、崖や段差から落ちないように移動する際に使用される。

ジャンプ

ジャンプボタンを押すことで、垂直にジャンプする。ジャンプには前方ジャンプ、サイドジャンプ、バックジャンプなどの4種類に分別され、ジャンプボタンと方向キーを同時に押すことでそれぞれ異なるジャンプを行うことができる。

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