夫の扶養からぬけだしたい(ゆむい)のネタバレ解説・考察まとめ

『夫の扶養からぬけだしたい』とは、ゆむいの作品のエッセイ本である。WEBサイト『ママの求人』に連載されKADOKAWAより初めて単行本が発売された。1巻完結本で、2つのストーリーから構成されている。専業主婦のももこは出産・育児を機にマンガ家になる夢を諦めた。収入がないことに引け目を感じ言いたいことを我慢する日々と、理解しようとしてくれない夫の態度や発言から、すれ違いによって揺れる夫婦の関係が細かく描かれている。夫に対する不満を代弁してくれていると主婦の間で話題となった作品である。

『夫の扶養からぬけだしたい』の用語

扶養を抜ける

扶養とは、主に家計を支えている人が収入の少ない同居住者の配偶者、子どもを経済的にサポートすること。扶養を抜ける=生活していくための不安がなくなる額はいくらなのか、ももこが計算するシーンなどでこの言葉が登場する。生活費や教育費、老後資金など必要なお金と、扶養から抜けた場合の所得税や住民税、社会保険料を自分で負担することを考える。その扶養を外れるまでには「壁」が多く、たくさん働いても世帯の手取り収入額が減るということもある。年収が増えれば、税金と保険料の負担が増える。そんな難しいことを考えながら扶養を抜けることを目標にももこは仕事を続けるのである。

イラストレーター

ももこは電子でコラムや漫画、キャラクターを描きそれをWEBにアップし収入を得ている。ももこの現在の職業であり、これにより扶養から抜け出すことができた。

専業主婦

専業主婦とは、職に就かないで家事に専念する主婦である。ももこは専業主婦の期間に夫に「いつ働くの?そんな余裕ないよね」と言われたことや、育児と家事を手伝わない夫に嫌気がさして離婚を考える。専業主婦を辞め、夫の扶養から抜けることを目標に猛進する。

復職

仕事に復帰することである。主人公のももこやゆうかは、出産を機に1度離れた仕事を再度取り組み始め収入を得るようになる。

『夫の扶養からぬけだしたい』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ももこ「2人共自由になればいいんだよ」

つとむに「仕事で苦労している僕の身にもなって」と言われたことで、ももこは「2人とも自由になればいいんだよ」と提案した。それは、夫婦で支え合ってのびのび生きる自由なのか、離婚して双方のしがらみから解放される自由なのか2つの意味がある。このどちらの意味になったとしても、ももこには働く力がいる。そのために働く意志が明確となっているももこの力強さが感じられる、印象的なセリフである。

ももこ「これからは3人で行けるところまで行く」

ずっと孤独を感じながら、育児や家事をしてきたももこだったが、つとむが家のことや子供のことをしてくれるようになり、心にゆとりができるようになる。そして、「今度はみんなで星が綺麗に見えるところに旅行に行こう」ということになった。これからは1人ではなく、たるとも含めた「3人で行けるところまで行ってみよう」と考えるのである。夫の扶養を抜けることで自由になり、離婚まで考えたももこであったが、これからは家族で進んで行こうという意志が表れた印象に残るラストの言葉である。

つとむ「仕事辞めてもいい?」

交通事故にあったと同時に、かなりの仕事のストレスを抱えていたつとむは、ボロボロになっていた。いつも「家族のため」と言って高圧的な態度のつとむが始めて弱気になったセリフが「仕事辞めてもいい?」である。メンタルがかなり落ちており、今まで口に出して言えなかったが、この言葉を口にすることで、ももこはつとむの仕事の大変さを痛感したのである。このセリフから小宮家は大きく変化することになったのである。

つとむ「転職して一からやり直そうと思ってる」

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