夫の扶養からぬけだしたい(ゆむい)のネタバレ解説・考察まとめ

『夫の扶養からぬけだしたい』とは、ゆむいの作品のエッセイ本である。WEBサイト『ママの求人』に連載されKADOKAWAより初めて単行本が発売された。1巻完結本で、2つのストーリーから構成されている。専業主婦のももこは出産・育児を機にマンガ家になる夢を諦めた。収入がないことに引け目を感じ言いたいことを我慢する日々と、理解しようとしてくれない夫の態度や発言から、すれ違いによって揺れる夫婦の関係が細かく描かれている。夫に対する不満を代弁してくれていると主婦の間で話題となった作品である。

尊敬しあえる家族

夫婦喧嘩の中、ほとんど会話のない中でゆうかの実家に来た。ゆうかが、兄のつとむとは容赦無く本音で話をする姿を見たてるおは、これがゆうかの自然な姿であるのではないかと感じる。ゆうかはてるおに、「もなかがママはパパのことが怖いの?」と聞かれたことを話した。「怖がらせていたわけじゃない」とてるおは伝える。ゆうかもその辺りはしっかり理解した上で、自分の優柔不断な態度が不安にさせたことを謝る。そして、これからは心配事が合ったら話しあうことを提案した。「もっと尊敬し合える家族になろう」とてるおとゆうかは、お互い歩み寄りこれからも家族で過ごしていくのである。

『夫の扶養からぬけだしたい』の登場人物・キャラクター

ももこの家族

ももこ

『夫の扶養から抜け出したい』の主人公。漫画家になるのが夢であったが、出産と同時に諦めた。20代前半は、商業誌で連載を取るためにアシスタントを掛け持ちしながら、自分の読み切りを描き続けていた。24歳のときに、優しくて真面目な年上の彼であるつとむと結婚する。漫画やアニメで意気投合し、仕事熱心で人望も厚く人生の先輩としてアドバイスをくれたり、紳士的なふるまいをしてくれる彼が大好きだった。結婚してすぐに長男のたるとを出産している。正社員として働いた経験が無いことと、保育園が見つからないことで仕事探しに苦戦し、夫のつとむも転勤があることから思うように働けていない。自分で自立したいと考えるようになってから、再度イラストや漫画を描いて収入を得るようになった。
ストーリー2では、夫の扶養から抜け出してから3年、漫画家として活躍する姿が描かれている。

つとむ

たるとにとっては良いパパである。責任感が強く、家庭を思う反面「家事育児は主婦の仕事だ」と卑屈なところがある。部長に頼まれた仕事を断りきれず、部下にも振れずにストレスフルな状態で会社で働いている。洋食店を営んでいる両親を誇りに思っていたが、貧乏なのが嫌で必死に勉強しそこそこの大手の企業に就職する。好きになるのは学級委員みたいなタイプの子で「なんでもできる人」に憧れていた。ももこの第一印象は「器用な人」であり、真面目で大人しい性格だけど漫画家を目指すという熱い意志を持っている姿に、自分とは全く違った人生観を感じ惚れる。ももこが出産を機に、漫画家になる夢を諦めたことで応援できなくなり苛立ちを感じる。交通事故に遭ってから、妻のことを知らなさすぎたことに気づき、家事や育児を分担しながら生活するようになった。仕事も、忙しくない部署へ移動した。
ストーリー2で登場するゆうかの兄である。

たると

つとむ、ももこの長男。幼稚園に通っており、元気いっぱいで過ごしている。プラネタリウムのおもちゃを初めて体験して、「流星群見に行きたい」と喜ぶ。ママやパパのことが大好き。ストーリー2では、小学2年生の男の子になっている。

ももこの友人

エミ

ももこの同級生。大変な時期の内定をゲットし、物事何でもはっきりと言う性格。ももこの話を聞いて、「私ならそっこう離婚するわ。なんでそんな人と結婚したのか」と唐突に伝える。「私だったら相手が謝るまで反論してねじ伏せる。黙っていちゃ負け」と負けず嫌いであり、ももこの夫との関係は心配している。

ひとみ

ももこの同級生。大変な時期の内定をすぐにゲットしていた。ワーママで産休、育休を取り、子育てしながら仕事を続けている。旦那に対する不満はある様子で、娘が熱出した時は自分が仕事を休まないといけないと苛立ちを感じている。時間をお金で買うという価値観で、時短家電や宅配サービスなども効率よく利用している。

つとむの部下

山田(やまだ)

つとむの会社の部下であり、つとむには慕っており飲みに行くほどの仲である。つとむが交通事故にあった時に一緒にいた。ももこにつとむが会社でどんな状況であったかを説明する。つとむの交通事故を見て、「仕事ぶりは尊敬していたけど、ああはなりたくない」と考え、このままでは明日は我が身と思い転職や企業を考えるようになる。

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