天空戦記シュラト(アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『天空戦記シュラト』とは、タツノコプロが製作し1989年4月から1990年1月にかけて放映されたインド神話をベースにしたファンタジーアニメである。インド神話によく似た異世界「天空界(てんくうかい)」を舞台に、天空界を守護する戦士集団「八部衆(はちぶしゅう)」の1人・修羅王(しゅらおう)の生まれ変わりである少年日高秋亜人ことシュラトが天空界に召喚され、その裏でうごめく陰謀に巻き込まれていく。漫画『聖闘士星矢』の影響を受けた美少年キャラが鎧を装着して戦う「鎧もの」の1作である。

不動明王アカラナータが使用する技。
降三世明王トライローの神甲冑と軍荼利明王クンダリーニの神甲冑を自身の神甲冑と合体させる。3体の神甲冑が合体しているため、神甲冑の能力も大幅に上がる。

須弥山(しゅみせん)

創造神ブラフマーの神甲冑が眠る異空間に封印されていた浮遊大陸の1つ。
巨大な仏像があり、その中に創造神ブラフマーの神甲冑が封印されている。天空殿と違い大地からソーマの力を吸収できないため、急激にソーマを使うと神甲冑は力を失いしばらく眠りにつく。
名称の由来は、仏教において世界の中心に存在するといわれている霊山から。

創造神ブラフマーの神甲冑

須弥山に封印されていた金色の神甲冑。ブラフマーの力が宿っており、神甲冑の中では最強の力を持つ。ブラフマーが自身の後継者として定めた人間にしか装着することができない。その後継者は、修羅王の生まれ変わりであるシュラトと夜叉王の生まれ変わりであるガイ。ラクシュが自身のソーマを注いだことで眠りから目覚める。本編後半ではシュラトとガイによる争奪戦が繰り広げられたが、最終的にブラフマーの意志とガイの力を継ぎ、真の後継者となったシュラトが装着した。
装着した際ソーマを急激に消耗するため、大技を使用すると強制的に自動解除されてしばらく装着不能となる。

『天空戦記シュラト』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

悲劇の愛戦士・那羅王レンゲ

第11話「悲劇の愛戦士レンゲ」より。
インドラの命を受けたレンゲは白虎殿でヒュウガを待ち伏せし、彼を襲撃する。ヒュウガと戦う中、白虎殿にある水晶玉が光り輝き2人にある光景を見せる。それはインドラがヴィシュヌを石化するところだった。神殿に眠る水晶玉には真実を見せる力があった。敬愛し密かに想いを寄せていたインドラがヴィシュヌを石化させただけでなく、さらに八部衆の分裂を目論む姿にレンゲはショックを受け、事実であることを知った。自分の知る天空界を愛し、優しく気高いインドラがもういないことを受け入れたレンゲだったが、それでもインドラへの忠誠心や想いを完全に捨てられなかった。レンゲは最後までインドラ側として戦うことを選ぶ。レンゲの想いを知ったヒュウガは彼女と戦い、最終的にレンゲを水晶に閉じ込めて封印する。勝負には敗れたレンゲだが、その表情はどこか穏やかだった。
インドラへの忠誠心に隠された報われない恋心、最後まで彼への信念を貫いたレンゲの戦士や女性としての一面が印象的なシーン。

シュラトとガイが起こした友情の奇跡

真の後継者として覚醒するシュラト。

第35話「最終決戦!憎しみの拳を引け」より。
須弥山で創造神ブラフマーは、シュラトとガイに「天空界を救うには2人が力を合わせることが必要」と告げる。しかし「黒のソーマ」を纏ったガイにはブラフマーの言葉の真意が分からず、シュラトを倒してブラフマーの神甲冑を我が物にしようとする。ブラフマーの神甲冑はガイを見放し、シュラトを後継者に選ぶ。その後、破壊神シヴァの居城異動宮に乗り込んだシュラトは、ガイと対峙する。「黒のソーマ」に飲まれたままシュラトと戦うガイ。しかし「黒のソーマ」に抗うシュラトの姿を見て動揺したことで、遂に「黒のソーマ」から解放され本来の自分を取り戻しシュラトと和解する。友情を取り戻した2人はシヴァに立ち向かうが、ガイはシュラトをシヴァの攻撃から庇い目の前で消滅してしまう。せっかく仲直りした矢先、ガイを喪い悲しみの叫びを上げるシュラト。だがシュラトの前にガイが幽体となって現れ、シュラトを慰めると自身のソーマを託す。ガイのソーマはシュラトとブラフマーの神甲冑に力を与え、シュラトは遂にブラフマーの後継者として真の力に目覚める。真の力に目覚めたシュラトは、ガイの技と自身の技を繰り出し、シヴァに立ち向かう。「黒のソーマ」でシュラトに攻撃するシヴァだったが、最終的に敗れ去るのだった。
『天空戦記シュラト』では度々「友情の力」がテーマとして取り上げられているが、このエピソードは主人公シュラトとガイの絆は特に「友情の力」が強調されている。一度友情を壊された2人が、最終的に友情を取り戻し2人の力が1つになったことで邪悪な存在に立ち向かう姿が強い印象を残す。

日高 秋高人/修羅王シュラト「そんなに捨てたもんじゃないさ。俺達だって」

最終回「永遠なれ修羅王」より。
アスラ神軍との戦いが終わり、平穏がもたらされた天空界。しかし、そこに「黒のソーマ」を纏った迷い水が発生し天空界を襲う。シヴァを倒したはずなのに、なぜ「黒のソーマ」が天空界に残っているのか疑問に感じるシュラト。シュラトは自然の声に耳を傾け、迷い水を引き起こしたのが天空界そのものだったと知る。シュラトはシヴァの言う通り、全ての生きる者達は誰もが「黒のソーマ」を持っていることを知る。その後天空界の持つ「黒のソーマ」に包まれたシュラトは暴走し、その後意識を失った中ガイと再会する。自分の戦いに意味は合ったのかどうか、シュラトはガイに尋ねる。ガイは「いつの日か、全ての生きる者達を苦しみから解き放つ時はきっと来る」とシュラトを励ます。「黒のソーマ」があるかぎり、戦いもまた終わることはない。自身の中にある「黒のソーマ」と向き合っていく心の強さが大切だと気づくシュラト。「そんなに捨てたもんじゃないさ。俺達だって」と前向きにとらえるシュラトの言葉が印象的だ。

『天空戦記シュラト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作品を語る上で外せない作画崩壊問題

シュラトの作画崩壊の一例

『天空戦記シュラト』を語る上で欠かせないのが「作画崩壊」である。
作画崩壊とはアニメの作画が崩れたり、アニメキャラが不自然な動きをしたりなどを指す。特に80年代後期のテレビアニメは海外発注による作画も多かったため、作画崩壊が問題になっていた。
『天空戦記シュラト』も作画崩壊問題の影響をもろに受けており、中盤から終盤にかけて特に作画崩壊が目立っていた。シュラトの作画崩壊は「シュラる」「シュラってる」と表現されている。

タツノコ作品『赤い光弾ジリオン』でも共演したシュラト・ラクシュ・レイガ役の声優陣

シュラトの声を担当した関俊彦氏、ラクシュの声を担当した水谷優子氏、レイガの声を担当した井上和彦氏は同じタツノコプロのアニメ作品『赤い光弾ジリオン』でも共演している。
『赤い光弾ジリオン』では関俊彦氏は主人公の少年JJ、水谷優子氏はヒロインのアップル、井上和彦氏は先輩キャラのチャンプの声を担当した。

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