あなたがしてくれなくても(あなして)のネタバレ解説・考察まとめ

『あなたがしてくれなくても』とは2017年より『漫画アクション』で連載開始した、ハルノ晴による不倫が題材のヒューマンドラマ。主人公、吉野みちは、夫の吉野陽一とのセックスレスに悩む。ある日会社の先輩、新名誠と飲みに行くことになったみちは、お酒の勢いでセックスレスについて打ち明ける。すると誠は驚きながら、「うちもレスなんだよね」と話すのであった。夫婦間のセックスレスに悩む苦悩が描かれた作品。セックスレスという話題が身近な20代〜30代の女性にとって、共感できる内容が詰まった恋愛漫画である。

横井加奈(よこい かな/演:中島侑香)

楓の部下で新人。度々仕事でミスをして楓を怒らせる。

『あなたがしてくれなくても』の用語

セックスレス/レス

特別な事情がないにも関わらず、1ヶ月以上性交渉がないカップルのことを指す。出産や育児を機にセックスレスになることもあれば、特別なきっかけがない場合もある。みちと陽一の場合、特別なきっかけはなかったが、いつのまにかセックスレスになっていた。セックスレスは浮気や不倫、離婚につながることも多い。

マンネリ化

正式名称は「マンネリズム」という。変化のない関係性が続くことにより、新鮮味を失ってしまう状態。恋愛においては、付き合いたてのようなときめきがなくなってきた状態になること、あるいはパートナーとの関係が落ち着いたことにより物足りなさを感じることを指す。
陽一はみちとの関係にマンネリ化を感じていた。「アイスコーヒーみたい」とみちとの関係を表現する陽一。味も匂いもわかっているものに対し、今さら特別な感情を抱くことはできないと悩んでいる。

妻だけED

ED(勃起障害)とは、性交渉において十分な勃起ができない症状のことを指す。妻だけEDとは、妻に対してのみ正常な勃起をしない状態である。陽一の場合、EDではなかったものの、EDを理由にみちの求めを断る道を選択する。

『あなたがしてくれなくても』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

吉野みち「一緒にいるのに体も心もずっと一人ぼっちだよ」

左がみちで右が陽一。みちの回想シーン。

仕事帰りに、みちがふと溢したセリフ。
セックスレスに悩むみちは、夫の陽一との関係性を変えようと、話し合いをしたいと思っている。しかし、セックスに関する話題すら出す事を嫌がり、会話を拒否する陽一。そんな陽一の様子に、みちは仕事帰りに「一緒にいるのに体も心もずっと一人ぼっちだよ」と思う。陽一のことが好きなのに、以前とは変わってしまった関係に苦しむみちの様子が伝わる一言である。

吉野みち「相手を変えるんじゃない。まず私が変わらなきゃ」

変わったのは陽一だけではなく、自分もだと気づいた時のみちのセリフ。
陽一からキーケースをプレゼントされたみち。しかし自分の好みのデザインではなかったため、素直に喜べず無意識にキツい言葉を言ってしまう。ガッカリした様子の陽一を見て、昔と比べて変わったのは自分も同じだと気づいたみち。「相手を変えるんじゃない。まず私が変わらなきゃ」と思う。相手ばかりを批判するのではなにも変わらないのだと、気付かされるセリフである。

吉野陽一「オレ別にみちの事、嫌いになった訳じゃないんだよなぁ…」

みちと喧嘩した後、1人になったタイミングで陽一から溢れたセリフ。
みちからの夜の誘いに応えられない陽一は、ずっとみちとセックスができないことに対してプレッシャーを感じていた。セックスレスに関してみちに責められ喧嘩になった後「オレ別にみちの事、嫌いになった訳じゃないんだよなぁ…」と陽一は思う。陽一はみちと「家族」として過ごすことに満足しており、性交渉は必要ないと思っていたのだ。セックスをしたい側、求められる側両方の苦しみが伝わるセリフである。

三島結衣花「パートナーが女として見てくれなかったら誰が見てくれるの?」

陽一の同僚である結衣花のセリフ。
飲み会の席で、陽一は「女の人っていつまでも恋人でいたいもんなんですか?」と隣に座る結衣花に問いかける。質問に対して、「パートナーが女として見てくれなかったら誰が見てくれるの?」と答える結衣花。結衣花の発言に陽一はハッとさせられるのであった。セックスレスに悩む女性は、身体の関係がない事だけに傷付いているのではないのだと気付かされるセリフである。

『あなたがしてくれなくても』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者と担当編集者の雑談がきっかけで誕生したストーリー

企画の打ち合わせの際に、作者と担当編集者はさまざまな雑談をするのだそう。ある時、双方の恋愛経験についての会話をしている際に「セックスレス」という単語が飛び出したことがきっかけで、セックスレスで悩む男女が出会う話を思いついたのが本作品の誕生につながった。編集者によると、「意外とセックスレスについて真っ向から扱った漫画はなく、実は読みたい人がたくさんいるテーマなのではないか?」と思ったという。

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@mirei24f1

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