ヴィンチェンツォ(韓国ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ヴィンチェンツォ』とは、2021年に放送された韓国のテレビドラマ。脚本はパク・ジェボム。制作会社は「スタジオドラゴン」。イタリア系韓国人マフィアであるヴィンチェンツォが悪の巨大組織「バベルグループ」の不正を暴き、戦いを繰り広げていく物語。独創的なストーリー、魅力的なキャラクター、スリリングな展開、ユーモアあふれる演出など、様々な要素を兼ね備えた作品として多くのファンを獲得している。主人公を務めたソン・ジュンギが大賞受賞。
本来の姿
以前「バベル製薬」の倉庫に火を付け爆発させて大打撃を与えたとき、ヴィンチェンツォたちに協力してくれた人たちがいた。バベル側の被害者の遺族たちである。しかし、彼らが自殺を装って殺害されてしまった。自殺でないことを訴えても動かない警察。ここでもまた、ウサンが警察に賄賂を渡していたのだ。イタリアと違って国全体がまるでマフィアのような韓国。この事実に怒りを抑えきれないヴィンチェンツォ。今回被害にあった彼らは悪党とは無縁の人たちである。「彼らを殺したヤツには必ずツケを払わせる。これは正義ではなく俺のルールの問題だ」そう言ってヴィンチェンツォは真のボスを見つけることを決意したのだった。
同じく倉庫の火災が起こった日、火事の現場を見て静かに怒りに燃える男がいた。チャン・ジュヌである。「ウサン」にインターン生として所属している青年である。人当たりが良く、少しうっかり者の印象の彼は、実は「バベルグループ」の真の会長、チャン・ハンソクであった。本当の姿を誰にも明かさず秘密にしているハンソク。知っているのはただ一人、ハンソクの弟チャン・ハンソだけである。ハンソは影武者として兄の言いなりになって現会長として動いているのであった。
ハンソクは、ヴィンチェンツォがマフィアの右腕だったことを知り、3人の殺し屋を放つ。これまでと違い自分の元へやってきた暗殺者。ヴィンチェンツォは本来の姿に戻り、激しい銃撃戦の末負傷しながらも全員制圧することに成功。直後、後を追ってきたチャヨンが駆け寄りヴィンチェンツォに抱きつく。「パートナーなら危険も共有するべきなのに、ひどすぎる!」と涙を浮かべた。
ヴィンチェンツォは暗殺者3人を車に閉じ込め、排気ガスで気を失わせた隙に池に沈めた。彼らにヴィンチェンツォ流の処罰が下った瞬間であった。
救世主の出現
あるとき、クムガプラザの住人たちとともにいたヴィンチェンツォォの元に、南東部地検国際犯罪チームの検事がやってきて彼を逮捕して連れ去ってしまう。ヴィンチェンツォがマフィアであることを知ったバベル側が、彼を逮捕してイタリアへ強制送還させる計画に出たのだ。逮捕後、適当な尋問を終わらせて起訴を急ぐ検事たちの前に一人の男が現れる。クムガプラザのイタリアンレストランで修行をしているアン・ギソクであった。ギソクは検事に向かって今すぐヴィンチェンツォを自分に引き渡すよう求めた。なんと彼は「対外安全保障情報院」のイタリア組織犯罪対策のチーム長だったのだ。このままでは本当に強制送還されてしまうと危機感を覚えたギソクが、上司に頼み込んでヴィンチェンツォを国際組織犯罪対策局の管理下に置く手筈を整えたのであった。ヴィンチェンツォは無事に引き渡され、ギソクは事実を隠していたことを彼に謝罪し、自分はあなたを尊敬している、バベル打倒の計画に加えてほしいと説得を試みるのであった。その提案に同意したヴィンチェンツォをギソクは強く抱きしめて喜んだ。そしてギソクとともにクムガプラザに帰ってきたヴィンチェンツォを、住人たちが盛大に温かく迎え入れるのだった。
入居者たちからの相談
あるときヴィンチェンツォはクムガプラザの入居者たちから相談を持ち掛けられる。それはビルの中に隠されている金塊の発見を手伝ってほしいというものだった。見つかった際には分け前をあげると言われたヴィンチェンツォ。唐突にバレてしまった金塊の存在。あっけにとられながらも「もしその金塊があったとしても、持ち主がいるのでは?」と問いかけるヴィンチェンツォに、住人たちは「拾った人が持ち主よ!」と言って彼をさらに呆れさせた。しかしヴィンチェンツォはそんな彼らを見て呆れながらも優しく微笑んだ。
裏切り者とギロチンファイル
そうは言っても住人に金塊を渡す気のないヴィンチェンツォ。クムガプラザの入居者たちに温泉旅行をプレゼントし、彼らを見送った後、金塊を手に入れるためヨンウンとともに地下へ降り立つことに。いよいよ地下に降りると、そこには金塊が山のようにあった。作戦の成功に喜ぶヴィンチェンツォ。しかし次の瞬間、突如として彼は銃口を突き付けられる。ヨンウンが裏切ったのだ。大量の金塊の前で思わぬ裏切りにあったヴィンチェンツォ。しかしヨンウンが手に入れたかったものは金塊ではなくギロチン・ファイルだった。ギロチンファイルとは、国際安保情報院が過去に大統領の命により作成したもので、財政界や検察の不正などを収集して作成した極秘ファイルのことである。露呈すれば国ごとひっくり返るような重大秘密事項が収められている。バベルにとって致命傷となる内容も保存されている。ヴィンチェンツォはこのファイルの存在を、以前ギソクから聞いて知っていた。そしてヨンウンは金塊ではなく、このギロチン・ファイルを手に入れるべくビルをずっと監視していたのであった。彼は国際安保情報院の諜報員でありながら、ファイルを手に入れるためワン会長に接近し彼の暗殺にも関与していた。思わぬ裏切りに合い、一触即発となりもみ合う2人。そのときチャヨンから連絡が入り、温泉に向かった住人たちが戻ってくると警告をする。慌ててヨンウンとともに地下から脱出するヴィンチェンツォ。何とか危機は脱したものの、その際地下に入るために必要な虹彩認識装置と、さらにはギロチン・ファイルを置き忘れてきてしまったヨンウン。ヴィンチェンツォはその後ヨンウンをを許したものの、ギロチン・ファイルは実はヴィンチェンツォの手の中にあった。地下から出る際に、隙をついてスーツの中に隠したのだった。そうとは知らないヨンウンは、ヴィンチェンツォにうまく騙される形となった。しかし地下に入る手段を無くしてしまったのは事実。ヴィンチェンツォの他に金塊の存在を知るチャヨンとナム事務長はその事実を知り途方に暮れる。
ハンソクの真の姿
ヴィンチェンツォが暗殺者に狙われた日、「バベルグループ」の会長が近くまで来ていたことが判明した。影の支配者の正体を突き止めるべく奔走するヴィンチェンツォ。以前バベル側で悪事を働いた2人をうまく服従させ猟犬として使っていたヴィンチェンツォは、彼らに真のボスを白状させようとしていた。それに対して、「ボスの正体は言わない、大抵の苦痛は耐えられる」と拒否をする。そんな2人に、ヴィンチェンツォはロシアンルーレット形式のゲームで脅し始めた。その恐怖に戦慄を覚えた彼らは、ついに真のボスを白状する。そしてボスがジュヌ(ハンソク)だったと知ったヴィンチェンツォは、ハンソクの家へと向かった。ヴィンチェンツォは帰宅した彼をひざまずかせ、「もうやめろ、チャン・ハンソク」と言って銃口を突き付ける。だが、ハンソクは「バレたか、早く殺せ!このマフィア野郎!」と鋭い視線を向けたのであった。
露呈する悪事
ハンソクがヴィンチェンツォに「早く殺せ!」と言った次の瞬間、チョン・イングク検事が部屋に入ってきて空砲を発射、その場の収拾を図った。バベルの真の会長がハンソクであることを検事に告げたヴィンチェンツォ。チョン検事はヴィンチェンツォもハンソクも連行することに。後にチョン検事に手を組むことを提案したヴィンチェンツォ。検事はその話に了承したものの、最終的にはヴィンチェンツォを裏切りバベル側につくことになる。
紆余曲折ありながらも釈放されたヴィンチェンツォとハンソク。釈放後まもなく、ハンソクはバベルの真の会長であることを公に発表することに。その会の当日、舞台に上がったハンソクは公衆の面前で大恥をかくことに。なんと、頭上に仕掛けられた豚の血が大量に頭の上に降り注いできたのである。また、世間に知られてはまずい裏のやり取りを巨大スクリーンにも映し出される始末。そんなハンソクを会場で「ブラボー!」と拍手をしながら見守る者がいた。ヴィンチェンツォとチャヨンである。ハンソクは舞台から彼らを睨みつけた。
ヴィンチェンツォの窮地
パオロにより、暗殺者がヴィンチェンツォの元に送り込まれた。これはハンソクとミョンヒの策略でもあった。何者かにつけられていることに勘付いた彼は、チャヨンを遠ざけ暗殺者と格闘することに。一瞬制圧できたかに思えたが、暗殺者は一人ではなかった。さらに背後から銃をつきつけられ窮地に陥ったヴィンチェンツォ。次の瞬間、鳩の群れが暗殺者たちに突っ込んできて、彼らがひるんだ隙に反攻に成功した。
母の死
幼少期、養子に出されたヴィンチェンツォ。実の母オ・ギョンジャは重い病を患い、息子を育てられなくなったため、仕方なく養子に出した。その後イタリアへと渡った彼だが、後に母は余命数カ月の宣告を受け、なおかつ殺人の罪を着せられていた。そんな彼女を懸命に弁護していたのがチャヨンの父で、亡くなったユチャン弁護士であった。ユチャンは生前ヴィンチェンツォとギョンジャを引き合わせていた。しかし母親は息子であることを知らないし、ユチャンもそれを敢えて話してはいなかった。ヴィンチェンツォに自ら息子であることを名乗り出て欲しいと思っていたからだ。複雑な気持ちがありながらも、ユチャンの死後何度か母を訪ねていたヴィンチェンツォ。そして、2人の距離は少しずつ着実に縮まっていた。母との時間が増えることで、穏やかな気持ちと温かな思いがヴィンチェンツォの中に芽生えていた。しかしそんな2人を引き裂く出来事が起きる。ハンソクとミョンヒの放った刺客により、母は突然命を奪われてしまう。その日ヴィンチェンツォはふな焼きの差し入れを手に、笑顔でギョンジャの病室へと向かった。しかし、そこで冷たくなった彼女を発見し、膝から崩れ落ちる。
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目次 - Contents
- 『ヴィンチェンツォ』の概要
- 『ヴィンチェンツォ』のあらすじ・ストーリー
- イタリアからやって来たコンシリエーレ
- 「バベルグループ」と「ウサン法律事務所」
- 眠る金塊
- ワインパーティーで解体を阻止
- 突然の別れ
- 命を奪った者への警告
- バベルとのシーソーゲーム
- 本来の姿
- 救世主の出現
- 入居者たちからの相談
- 裏切り者とギロチンファイル
- ハンソクの真の姿
- 露呈する悪事
- ヴィンチェンツォの窮地
- 母の死
- 怒れるヴィンチェンツォ
- カサノファミリーとともに
- 協力者として
- ハンソクの反撃
- ハンソの死
- 悪人たちの最期
- それぞれの旅立ち
- エピローグ
- 『ヴィンチェンツォ』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ヴィンチェンツォ・カサノ(演:ソン・ジュンギ)
- ホン・チャヨン (演:チャン・ヨビン)
- ホン・ユチャン(演:ユン・ジェミン)
- バベルグループの人々
- チャン・ジュヌ=チャン・ハンソク(演:オク・テギョン(2PM))
- チェ・ミョンヒ(演:キム・ヨジン)
- チャン・ハンソ(演:クァク・ドンヨン)
- ハン・スンヒョク(演:チョ・ハンチョル)
- ファン・ミンソン(演:キム・ソンチョル)
- クムガプラザの人々
- チョ・ヨンウン(演:チェ・ヨンジュン)
- アン・ギソク(演:イム・チョルス)
- ナム・ジュソン(演:ユン・ビョンヒ)
- イ・チョルウク(演:ヤン・ギョンウォン)
- チャン・ヨンジン(演:ソン・イェファ)
- タク・ホンシク(演:チェ・ドクムン)
- ソ・ミリ(演:キム・ユネ)
- トト(演:キム・ミンヒョク)
- レリー・カン(演:キム・ソルジン)
- クァク・ヒス(演:イ・ハンナ)
- キム・ヨンホ(演:カン・チェミン)
- ジョクハ(演:イ・ウジン)
- チェシン(演:クォン・スンウ)
- その他
- オ・ギョンジャ(演:ユン・ボクイン)
- パク・ソクド(演:キム・ヨンウン)
- 『ヴィンチェンツォ』の用語
- ヴィンチェンツォ
- コンシリエーレ
- バベルグループ
- ウサン法律事務所
- クムガプラザ
- 『ヴィンチェンツォ』の名言・セリフ/名シーン・名場面」
- ユチャン「弱い人たちが最後に掴む”藁”になりたい」
- ヴォンチェンツォ「これは正義ではなく俺のルールだ」
- ヴォンチェンツォ「後悔はこの世で最も苦しい地獄だ」
- ヴォンチェンツォ「ブラボー!」
- ヴィンチェンツォ「息子さんも母を待っていただろう」
- 『ヴィンチェンツォ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『トキメキ☆成均館スキャンダル』のヨリム降臨
- 賛否両論のあったエンディング
- 『ヴィンチェンツォ』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:チェ・ソンフン「Ombra mai fu」(第4話)
- 挿入歌:Aalia「 Adrenaline (Italian ver.)」(第8話)
- 挿入歌:Aalia「Is This Love」(第11話)