花より男子(花男)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『花より男子』とは、『マーガレット』(集英社)で1992年から2004年まで連載され大ヒットとなった神尾葉子の少女漫画。単行本発行部数は5940万部を超え、「最も多く発行された単一作者による少女コミック」としてギネス世界記録に認定された。電子版を含む国内の累計発行部数は6100万部以上となっている。アニメ化に留まらず、実写ドラマや映画もされ、人気に拍車をかけた。また、台湾や韓国でもテレビドラマ化されており、世界中から愛される作品となっている。

花沢類「どっかで泣いている気がして 心配で」

道明寺を追いかけてニューヨークまで来たつくしであったが、道明寺の母親の楓に追い返されてへこんでいる。そんな中で、花沢類がニューヨークまで駆けつけてくれた。その時に言ったセリフが「どっかで泣いている気がして 心配で」ある。いつもクールな類であるが、つくしのことを思い、心配し行動に移した姿が印象に残る。つくしのピンチには必ず駆けつけて、フォローする類の優しさ溢れる名セリフとなっている。

藤堂静「とびきりいい靴をはくの いい靴をはいてるとその靴がいい所へ連れて行ってくれる」

つくしがいじめを受けてボロボロになっている姿を見て、静はつくしを全身コーディネートする。つくしは今までに着たことのない服を着て、髪も綺麗に整えられた。最後に靴を履くときに静が言ったセリフが「とびきりいい靴をはくの いい靴をはいてるとその靴がいい所へ連れて行ってくれる」である。この言葉を忘れらないつくしは、後日お金の少ない中でも高い靴を選び、足が軽くなったような感覚で、笑顔を見せている。「いい靴がいい場所に」という言葉は、つくしの先を案じているような奥深い名セリフとなっている。

西門総二郎「『あたしなんか』じゃなくて『あたしだって』をつかおうよ。 『あたしだって負けないかわいいとこある』 『あたしだってこれからきれいになってやる』 この言葉のほうが絶対女の子をかわいくすると思わない?」

つくしの友人である、優紀が彼氏に騙されて落ち込んで「あたしなんか」と言っているのを耳にする西門。その言葉を聞いた西門が言ったセリフが「『あたしなんか』じゃなくて『あたしだって』をつかおうよ。 『あたしだって負けないかわいいとこある』 『あたしだってこれからきれいになってやる』 この言葉のほうが絶対女の子をかわいくすると思わない?」である。「あたしなんか」とずっと思っていても前には進めない、「あたしだって」と言葉や思いを変えることで、自信が持てて可愛くなっていくという、西門らしい印象的なセリフである。

『花より男子』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

内田有紀主演による実写ドラマ化

1995年のドラマ版『花より男子』の主演を務めた内田有紀

少女漫画『花より男子』の大ヒットを受け、実写ドラマや映画が制作され、ますます人気に拍車がかかった。有名な実写ドラマは2005年に放送された、井上真央(いのうえまお)、松本潤(まつもとじゅん)主演の『花より男子』で、続編の『花より男子2』『花より男子ファイナル』も大ヒットを記録している。記憶に新しい2005年の放送だが、実は1995年に内田有紀(うちだゆき)、谷原章介(たにはらしょうすけ)が主演を務めたドラマが放送されていた過去があった。谷原章介の俳優としてのデビュー作でもある。花沢類は藤木直人(ふじきなおひと)が演じている。

作者・神尾葉子の結末のこだわり

『花より男子』のラストシーン

『花より男子』は作者、神尾葉子が20代の時に描き始めた作品である。その終わり方は、読者が今後のキャラクターの人生を想像できるようになっている。神尾葉子は「キャラクターたちが結婚して子どもできて、どこかで生きています…みたいなものではないほうがいいなと思った」とインタビューで語っている。実際に、道明寺がニューヨークへ旅立つと決めた際に、つくしは、「ニューヨークには行かないから 4年後いい男になって戻ってきたら 私があんたを幸せにしてあげてもいいよ!」と涙ぐみながら言う。道明寺も「宣戦布告だな やってもらおうじゃん」と言い、抱き合って終わるラストとなっている。

台湾版「F4」がアイドルとしてデビュー

台湾版『花より男子』の主演キャスト陣。左から道明寺、美作、牧野、西門、花沢

2001年に台湾で放送された『流星花園 -Meteor Garden-』では、舞台が高校ではなく大学となっている。また、つくしがケーキ屋で働くなど「和」から「洋」へ変更されている部分はあるが、物語を忠実に再現しており、大ヒット作品となった。その中で、道明寺司役のジェリー・イェン、花沢類役のヴィック・チョウ、西門聡二郎役のケン・チュウ、美作あきら役のヴァネス・ウーは、ドラマ放送後に大人気となりアイドルグループ「F4」としてデビューすることになった。その後に、日本で『花より男子』がドラマ化されたことによるF4というグループ名の使用許可の問題が発生し、『流星花園』の活動以外は「JVKV」に改名すると発表された。これは、各俳優のアルファベットからとったものだとされる。

韓国版の道明寺を演じたのは大人気俳優イ・ミンホ

韓国版『花より男子』の主演キャスト陣。左から美作、道明寺、牧野、花沢、西門

国内ドラマ版より後の時期に放送されていた韓国版は原作に沿った形で制作されている。韓国国内では最終話視聴率が34.8%と、大ヒットとなった。F4はイケメン揃いで、中でも道明寺を演じたイ・ミンホは数々の映画やドラマに出演しており、日本でも人気が高い。後に大人気俳優となるイ・ミンホだが、当時は道明寺役が決定するまで何度も何度もオーディションを繰り返し受けたと言われている。

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