この素晴らしい世界に爆焔を!(このすばスピンオフ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『この素晴らしい世界に爆焔を!』とは、破壊力だけは大きい爆裂魔法に魅せられた魔法使いめぐみんの活躍と成長を描いた、暁なつめによるライトノベル。同著者による『このすば』こと『この素晴らしい世界に祝福を!』のスピンオフ作品であり、漫画化、アニメ化など様々なメディアミックスを果たしている。
紅魔族の少女めぐみんは、破壊力特化の爆裂魔法を幼い頃に目撃し、これに魅せられて自分もマスターしたいと考える。周囲からはバカにされ、考え直すよう勧められるも、めぐみんはその全てを無視して突っ走るのだった。

『この素晴らしい世界に爆焔を!』の概要

『この素晴らしい世界に爆焔を!』(このすばらしいせかいにばくえんを)とは、破壊力だけは大きい爆裂魔法に魅せられた魔法使いめぐみんの活躍と成長を描いた、暁なつめによるライトノベル。
『このすば』の略称で知られる『この素晴らしい世界に祝福を!』の人気キャラクターであるめぐみんを主人公にした、同著者によるスピンオフ作品であり、漫画化、アニメ化など様々なメディアミックスを果たしている。

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魔法使いの一族である紅魔族に生まれた少女めぐみんは、爆裂魔法が炸裂する様を幼い頃に目撃し、これに魅せられて「自分もあんなすごい魔法をマスターしたい」と考える。しかし爆裂魔法はあまりに破壊力に特化した結果消費魔力が極端に大きくなり、どんな魔法使いも一発撃てば精魂尽きてしまうほどの大道芸じみた代物だった。
魔法学校に入学しためぐみんは、堂々と「爆裂魔法をマスターする」という野望を語るも、その実態を知る周囲からはバカにされたり、考え直すよう勧められる始末。しかしめぐみんはその全てを無視し、“爆裂魔法の使い手になる”という夢に向かって突っ走るのだった。

『この素晴らしい世界に爆焔を!』のあらすじ・ストーリー

めぐみんと爆裂魔法

魔法使いの一族である紅魔族に生まれた少女めぐみんは、爆裂魔法が炸裂する様を幼い頃に目撃し、これに魅せられて「自分もあんなすごい魔法をマスターしたい」と考える。しかし爆裂魔法はあまりに破壊力に特化した結果消費魔力が極端に大きくなり、どんな魔法使いも一発撃てば精魂尽きてしまうほどの大道芸じみた代物だった。
やがて魔法学校に入学する年頃になっためぐみんは、どんな魔法使いになりたいかを語る場で「爆裂魔法をマスターする」という野望を高らかに宣言するも、その実態を知る周囲の者たちからはバカにされたり考え直すよう諭されたり散々な目に遭う。

少なからず落胆するめぐみんだったが、紅魔族の村を襲ったガーゴイルの群れを大人たちが強力な魔法で撃退する様を見た時、彼女の胸中に浮かんだのは「これはこれですごいけど、自分の求めているものではない」との確信だった。爆裂魔法の強大な破壊力こそはめぐみんが心から憧れ、追い求めるものなのだった。
そんな折、めぐみんは不思議な黒猫を「魂を2つに分けた自分の使い魔」だと言い張って学校に連れてくるようになる。この猫は彼女の妹のこめっこが捕まえたもので、「この肉を晩御飯にしよう」と主張されてさすがに不憫に思ってめぐみんが保護したのだった。しかし名前を決めていなかったため、学友たちは「魂を2つに分けたのなら、この子も“めぐみん”だ」と黒猫のこともめぐみんと呼ぶようになり、「バカにされているのか、からかわれているのか」と彼女に微妙な反感を抱かせることとなった。

紅魔族の愉快な人々

めぐみんの抗議により黒猫は改名することとなり、ゆんゆんが提案した「クロ」という名が暫定的に採用される。そのゆんゆんはめぐみんと仲良くなりたいらしく、「ライバルだから」といって何かと構い、その迂遠なアプローチに呆れつつもめぐみんは彼女を受け入れていく。

“一族総出で厨二病”という紅魔族には変わり者が多く、中でもめぐみんやゆんゆんに近い立ち位置にいるのがぶっころりーだった。めぐみんのご近所さんでもある彼は、紅魔族でも一番の美人と呼ばれるそけっとに惚れており、たびたび彼女たちに仲を取り持つよう頼んでくる。しかしやっていることはストーカーそのものでしかなく、めぐみんとゆんゆんをドン引きさせる。
魔法使いとしてはそれなりの実力者ながらニート暮らしに甘んじ、「せめて働いたらどうですか」というめぐみんの助言もまともに受け取らないぶっころりー。にも関わらず、そけっとはぶっころりーのことを嫌ってはいないらしく、男女の仲の複雑さをめぐみんたちに学ばせる。

卒業と爆裂魔法

めぐみんが飼い始めた黒猫は、改めて「クロ」という名がつけられ、ゆんゆんたちクラスメイトからかわいがられるようになる。魔法学校の卒業資格は「中級以上の魔法の修得」で、より強力な上級魔法を学校からのサポートのある内に修得してしまうのが一般的だった。めぐみんも念願の爆裂魔法修得のために必要なスキルポイントを溜め終えるまであと少しとなる。
一方、ゆんゆんは「せっかく仲良くなれためぐみんと離れ離れになるのは寂しい」と考え、上級魔法を修得するだけのスキルポイントを溜め切る寸前でわざと足踏みを続けていた。これを知っためぐみんは「私と仲良くすることがゆんゆんのやりたいことなのか」とゆんゆんを罵り、2人は幾度目かも分からないケンカを繰り広げる。これに初めてゆんゆんが勝利したところで、里を大量の魔物が襲撃する。

ここしばらく里の大人たちが対処に追われていた「邪神ウォルバクの再封印」は、こめっこがそうとは知らずに封印用のアイテムを解除してしまったことで失敗に終わっていた。クロもまた復活したウォルバクの力の一部が変化したものであるらしく、魔物たちが連れ去った(保護した)これを取り戻そうとこめっこは封印の祠に向かっていた。
こめっこを助けるために、ゆんゆんはこれまでに溜めたスキルポイントで中級魔法を修得。自分の妹を守るために自称ライバルが魔法使いとしてのエリートコースを外れることになったと知ってめぐみんは衝撃を受け、魔力が尽きて動けなくなった彼女を救うため、今度は自分も夢だった爆裂魔法の修得を一時諦めようとする。しかしゆんゆんとケンカする直前に「今日の夕飯」として仕留めた鳥型の魔物の分だけスキルポイントが追加されていたことで、めぐみんは爆裂魔法を修得可能な状態になっていた。喜々として爆裂魔法を修得すると、めぐみんはこれを使って自分たちに迫る魔物の群れを一掃し、ゆんゆん同様魔力切れで気を失う。

かくしてめぐみんとゆんゆんは危機を脱し、魔法学校も卒業。卒業祝いにそけっとが占ってくれたところによれば、これからめぐみんは冒険者が集うアクセルという街で頼れる仲間と出会うとのことだった。修業のためにも紅魔族の里を旅立つのはいいとして、こめっこに預けたままではクロが食べられてしまうのではないかと考えためぐみんは、「正式な使い魔にして一緒に旅立つ」ことを思いつく。差し当たって、メスであることが判明した彼女に、「ちょむすけ」という新しい名をつけるのだった。

冒険への旅立ち

魔法使いとしてさらに上を目指すために旅に出ることを決意しためぐみんだが、「旅費が無い」という深刻な問題に直面していた。給料のいいバイトをいろいろと試すもののうまくいかず、地道に稼いでいては時間がかかるばかり。どうしたものかと悩む彼女の前に、アーネスという魔族の女性が現れる。彼女は邪神ウォルバクの部下であるらしく、復活したウォルバクことちょむすけを自分に渡してほしいというのだ。
ウォルバクの封印を解除し、これまで世話をしてくれたお礼として、アーネスは大金を支払う用意があるとめぐみんに伝える。「そのお金があれば冒険に出発できる」と取引に応じそうになるめぐみんだったが、この話を聞いたゆんゆんからは「魔族と取引するなんて」とやめるように説得される。

どうするか結論の出ないまま、アーネスと約束した期日がやってくる。金は用意したのだから約束を守れと強要してくるアーネスだったが、契約を重んじる魔族の彼女はこれまで散々ダメな男に引っかかってはひどい目に遭ってきたらしく、「約束」という言葉を連呼する内にそれを思い出して卒倒してしまう。
彼女の身の上を聞いて思わずめぐみんとゆんゆんが同情する中、「怪しい魔力の気配を感じた」とぶっころりーがその場に現れ、アーネスが高位の魔族であることを一瞬で見抜いて里の実力者たちを呼び寄せる。紅魔族きっての猛者たちは、一般的な観点でいえば変人がそろっており、「もうダメ男は嫌だ」とアーネスは泣きながら逃走する。

この時アーネスが落としていった大金をちゃっかり自分のものとしためぐみんは、冒険の準備を整えて、こめっこや学友たちに見送られながらついに里を出立するのだった。

アルカンレティアの危機

転移魔法で里を旅立っためぐみんが最初に降り立ったのは、温泉で有名なアルカンレティアという街だった。目的のアクセルの街まではここから馬車を使うのが一般的で、めぐみんは旅費を稼ぐための金策に奔走する。しかし初心者冒険者の彼女になかなかいい仕事は回らず、困り果てたところでアクシズ教団に属するセシリーという女神官に助け舟を出される。
アクシズ教団は新教徒を募集中で、セシリーがめぐみんに声をかけたのも勧誘の一環だった。事情を聞いためぐみんは、司祭のゼスタと一緒に勧誘活動に打ち込むがうまくいかない。そんな折、「アルカンレティアに災いが迫っている」との内容を記した手紙を手にゆんゆんが街を来訪。これはそけっとの占いによって得られた情報で、ゼスタは重要参考人として捕らえられてしまう。

その後実際にアルカンレティアの温泉に異変が生じ、ゼスタが犯人であることを示す状況証拠が発見される。しかしゼスタには動機がなく、また「もし冤罪だったら寝覚めが悪い」というゆんゆんの言葉もあったことから、めぐみんはセシリーと共に事件について調べていく。そんな折、街中にめぐみんを追ってきたアーネスが現れ、アクシズ教徒たちはこれ幸いと「あの悪魔こそ真犯人」と主張。高位の神聖魔法の連発で街から追い払いつつ、済し崩し的にゼスタの無罪を街の人々に認めさせる。
実は温泉の異変は、ゼスタが“ついうっかり”で起こしたものだった。この口止め料もあってか、ゼスタから協力への報酬として大金を受け取っためぐみんは、ゆんゆんと共に改めてアクセルを目指す。

アクセルの異変

しつこく追ってきたアーネスを退けつつ、ようやくアクセルの街へとやってきためぐみんとゆんゆん。早速自分を仲間に加えてくれる冒険者のパーティーを探す2人だが、めぐみんは“強大無比な爆裂魔法を1日に1発使ったら動けなくなる”というピーキー過ぎる能力、ゆんゆんはその流されやすい性格からなかなかよい相手に恵まれない。日銭にも事欠くようになった彼女たちは、やむなく一時的にパーティーを結成して街の周辺の魔物退治に励む。
しかしある時、街の近隣の森の中で高位の悪魔と遭遇。慌てて逃げ出す2人だったが、彼女たちがもたらした報告はアクセルの街を震撼させ、大規模な討伐隊が結成される。問題の悪魔はこれさえたやすく蹴散らし、いよいよ打つ手が無くなった人々は、“最近アクセルの街に現れた新人冒険者にして人間離れした神聖魔法の使い手”を探し回る。

噂の人物の捜索に加わる一方、仲間探しも続行していためぐみんとゆんゆんだったが、その一環で訪れた森の中で再び話題の悪魔と遭遇。悪魔から「ウォルバク様を返せ」と迫られためぐみんは、それがちょむすけのことだと気付き、自分の使い魔と街の安全のどちらを取るのか選択を強いられる。結局どちらも選べなかっためぐみんは、マジックアイテムを買えるだけ買い込んで悪魔と戦う道を選ぶが、「これ以上めぐみんだけに無理はさせられない」と考えたゆんゆんに魔法で眠らされてしまう。
目覚めためぐみんが慌てて駆け付ければ、ゆんゆんは乾坤一擲の麻痺魔法で自分諸共に悪魔の動きを封じたところだった。「美味しいところは私がもらった」とばかりに割って入っためぐみんの爆裂魔法が直撃したことで悪魔は滅び、街とちょむすけの危機は去る。ここぞという時のめぐみんの度胸に改めて感服したゆんゆんは、「自分が上級魔法を覚えたら、ライバルとして決着をつけよう」と言い残し、自分なりの強さと仲間を求めて別の街に向かった。

高位の悪魔を撃退したことで引く手あまたになるだろうと考えていためぐみんだったが、「爆裂魔法しか使えない」その冒険者としての不器用さはすでに周知の事実となっており、どこからもお呼びのかからない日々が続く。このままでは生活費にも事欠くことになると焦りを覚え始めた頃、めぐみんは“上級職の冒険者のみ”という条件付きのパーティーメンバー募集の張り紙を発見。これこそ天命と酒場で駄弁っていた張り紙の主である2人組に近づくと、めぐみんは紅魔族風の仰々しい自己紹介を始める。
この2人組こそはカズマとアクア。めぐみんとさらにもう1人を加えて様々な冒険を繰り広げる、異世界からの転生者と本物の女神である。爆裂魔法をこよなく愛するめぐみんの活躍は、まさにこの瞬間から本格的に始まったのだった。

『この素晴らしい世界に爆焔を!』の登場人物・キャラクター

紅魔族(こうまぞく)

めぐみん

CV:高橋李依

主人公。燃費の劣悪さから“大道芸”呼ばわりされる爆裂魔法をマスターすることを夢見る、紅魔族の少女。紅魔族は種族的な文化として厨二病的な言動を好む傾向があり、めぐみんもこの点はしっかり受け継いでいる。

ゆんゆん

YAMAKUZIRA
YAMAKUZIRA
@YAMAKUZIRA

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