スケバン刑事(和田慎二)のネタバレ解説・考察まとめ

『スケバン刑事』とは、和田慎二によって描かれたアクション少女漫画。1976年から1982年まで白泉社『花とゆめ』にて連載された。1985年には実写ドラマ化して人気を博し、累計発行部数は2000万部を超えている。スケバン麻宮サキは、死刑囚である母親の死刑執行停止を条件に、学生刑事としてある事件を解決する。その活躍を機に、その後も探偵の神恭一郎らと共に様々な事件に立ち向かうことになるが、次第にスケールアップした物語が展開していく。

関東から中部地方一帯を統括している番長連合。多門寺忍が総番長を務めていたが、忍の死後、サキが総番長に指名される。南九州連合と同じく大きな連合であり、青狼会に対抗する要の存在である。

青狼会(せいろうかい)

埴輪一彦の率いる学生組織。全国の学生を洗脳して勢力を増やしていった。反抗する学校は暴力により邪魔者を排除して支配下に置いていくなど、手荒な方法をとっていた。グランド=スラム作戦の際の兵力として、組織を大きくしていく。

組織“猫”(そしきねこ)

国際犯罪組織。鳴海碧子をボスとして国内外で活動しているが、真のボスは信楽老であり創設者でもある。神は高校時代に愛する家族を“猫”によって殺されて以来、復讐を誓って長年に渡り追っている。

『スケバン刑事』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

敵を倒して抱き合うサキと神

アメリカで神と再会したサキは、神の視力が失われていることを知る。そして組織“猫”に狙われる神は、夜道で敵に襲われる。助けに向かうサキだが、隠れていた敵に襲われ人質となってしまう。近辺の敵を倒した神は姿を見せるが、サキの捕らえられている遠方からスナイパーが神を狙っていた。目の見えない神に気付かせるため、サキは「神!」と叫ぶ。その一声で神は一発の銃弾を放ち、一目散にサキがいる方へと駆け出す。サキもまた敵を倒し、神へと駆け寄り2人は強く抱き合った。見えない目で神はサキの声のする方を撃ち、またサキも撃たれるかもしれないのに神を信じて叫んだ。2人の愛と信頼が分かるシーン。

麻宮サキ「だけど…ひとりでも…あたしはやる。碧子…おまえの野望どうあってもくいとめる…」

リンチに合い、ボロボロになりながらも立ち上がり呟いた決意の言葉。サキが学生刑事であることが世間に知られ、アグラら中央連合と協定を結んだ番長連合の仲間たちに呼び出される。サキは学生刑事であったことは認めるも、仲間を利用して青狼会を潰そうとしたという偽情報は否定する。しかしその情報を教えてくれた人物として、ナツが目の前に現れた。サキはショックで硬直し、なされるがままに仲間たちから殴られ続ける。ボロボロに傷つき、絶望に打ちひしがれても立ち上がり、「だけど…ひとりでも…あたしはやる。碧子…おまえの野望どうあってもくいとめる…」と呟いた。ずっと独りで闘い続けたサキの強さが表れている。

麻宮ナツ「サキ…あたしの…娘…」

信楽老との最終決戦で、サキを庇ったナツが死の間際に言い残した言葉。自らの手で美幸を殺してしまったナツは、サキに復讐をするため信楽老の配下として立ち向かう。しかし、これまでの闘いで多くの仲間を失ってきたサキの目は涙で曇り、母の姿は映らなかった。且つてのように母の暴力に耐え忍ぶだけのサキは消え、強い一撃でナツを倒してしまう。そして母の身を案じつつも、信楽老との決戦へと向かった。しかし、互角以上の力を持つ信楽老を前にサキは苦戦する。不意打ちを食らいそうになったサキを庇い、ナツは致命傷を負う。涙を流しながら「母さん!」と呼ぶサキに、「サキ…あたしの…娘…」と微笑みながらこの世を去った。ずっと娘と認めなかったサキに、最後の最後で母親としての愛情を与えたシーン。

サキを救った神の最後の1弾

致命傷を負いながらも信楽老を追った神だが、残る1弾で狙いを定めたまま息絶えてしまう。そうとは知らず、信楽老と最後の闘いを挑むサキであったが互角以上の力に圧されていた。ナツを殺されたサキは、相打ち覚悟で信楽老に立ち向かう。信楽老の真剣がサキに振り下ろされた時、死後硬直により撃たれた神の最後の1弾が真剣に当たる。そのお陰で、サキが攻撃を受けることなく信楽老に決め手となる一撃を加えることが出来た。死してなおサキと共に闘う神の信念と、2人の運命の絆が伝わる重要なシーン。

卒業証書を受け取り笑顔で走り去るサキ

梁山泊での闘いから半年、鷹ノ羽高校では卒業式が行われる。消息が分からないサキの卒業証書を持って、沼はサキが現れるのを待っていた。そこには美鈴や、アグラら連合の学生たちもサキの到着を信じて待ち構えていた。そこに走ってサキが現れ、皆喜んで迎え入れる。そして、サキ1人の為の卒業式が行われる。サキは仲間たちからお祝いの言葉をもらい、涙を流す。そしてヨーヨーを空高く投げ、「みんな!あばよ!」と声をかけて、笑顔で走り去った。しかし、その後やって来たムウ=ミサに、梁山泊での闘いでサキは死んだことを聞く。投げ飛ばしたヨーヨーを拾ったものは誰もいなかった。その場に居合わせた皆は、サキが仲間のいる愛すべき学校に別れを告げるために現れたのだと悟る。切なくも温かいサキの想いが伝わるラストシーン。

『スケバン刑事』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

連載のきっかけは読み切り『校舎は燃えているか!?』

Hiro44Smh6
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@Hiro44Smh6

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