関根くんの恋(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『関根くんの恋』とは、何でも器用にこなしてしまうイケメンエリートの主人公・関根圭一郎の遅咲きの恋を描いた恋愛漫画。作者は河内遥。『マンガ・エロティクス・エフ』にて連載され、第3回ananマンガ大賞を受賞。仕事もルックスも完璧で男女問わずモテる関根。勝ち組に見える人生を歩んできたが、実は何に対しても関心が薄く、常に受け身。中身が空っぽな自分に気づき、趣味として手芸を始めたことで如月サラと出会う。失敗を繰り返しながらも彼女への恋心を伝えようとする、不器用な主人公の姿が多くの共感を呼んだ作品である。

関根圭一郎「ガリやせの女が苦手だ」

高校時代、保健室で数音の腕を見た時の関根

高校生の時、絆創膏を替えにいった保健室で偶然、数音の細すぎる腕を見た関根。異様に怖く感じてしまい、それ以来ずっと「ガリやせの女が苦手だ」という思いを抱いている。時が経ち、友人の紺野と数音が結婚してからもそれは変わることはなかった。酔った紺野を自宅に送り届けた際は、出迎えた彼女に対して「見てるとあの関節をポキポキ折って梱包しそうになる」と感じるほど。関根はそれを原因不明の嫌悪感だと思っていたが、実はあの怖いと思い始めた時から、関根は数音に恋をしていたのだった。好きだからこそ気になって仕方なく、苦手だという感情が恋心だと自覚することなく、長い時間を過ごしてきた。

如月サラ「ずっと好きだったんでしょ 先輩のこと」

関根の数音に対する恋心に気づいていたサラ。自分の前で涙を流す関根に「ずっと好きだったんでしょ 先輩のこと」と指摘した。ストレートな言葉だが、関根への思いやりが感じられる。数音のことを苦手だと思い込んで、自分の気持ちに気づけていない関根に初恋を自覚させるための言葉である。関根は混乱するが、編み物をしながら自分の気持ちと向き合うことで初めての恋は終わりを迎える。これ以来、関根はサラを意識するようになるため、恋の終わりと新たな恋の始まりのきっかけとなったセリフだ。

関根圭一郎「一対一で会わないと意味がないと思っている」

サラへの想いが大きくなる関根だったが、堂島に邪魔をされたりして思うように進まない。サラとやっと2人きりになったタイミングで「俺は今まで会社と学校以外でどこかに通いつめたことなんてない」と伝えるが、サラに会いたいからだという意味が彼女には伝わらない。続く「一対一で会わないと意味がないと思っている」というセリフは、どう言えばいいのかわからず焦っている関根の気持ちが伝わってくる。どんなことも器用にこなす関根の不器用な部分が表れているセリフだ。

『関根くんの恋』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

如月サラの漢字は如月皿

数音(右)が参加するバザーを手伝いにきたサラ(左)と関根(中央)

本作のヒロイン・如月サラは作中では下の名前をサラとカタカナで書かれているが、紺野数音に名前を聞かれて、漢字は皿であると答える場面がある。この日まで関根はサラの名前を知らず、数音に彼女のことを「知人の孫です」と紹介。数音が直接サラに名前を尋ねたことで、関根も初めて知ることとなった。

作者・河内遥の祖父は漫画家・古沢日出夫

作者の河内遥が祖父から譲り受けた机

作者の河内遥の祖父は、戦前から活躍した漫画家・アニメーターの古沢日出夫。また、両親もアニメクリエイターというサラブレッドである。常に様々なジャンルの漫画やアニメーションに囲まれた家庭環境だった。「漫画界のアンファン・テリブル(恐るべき子ども)」と呼ばれる彼女のオリジナリティが高く自由で多彩な作品は、祖父から譲り受けた年代物の机の上で生み出されている。

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