妖しのセレス(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『妖しのセレス』とは、渡瀬悠宇によるファンタジー少女漫画。1996年から2000年まで小学館の『少女コミック』にて連載され、2000年にはアニメ化もされた。天女の羽衣伝説を基にした物語であり、「天空お伽草子」というキャッチコピーで親しまれる。女子高生の御景妖は、双子の兄である御景明と16歳の誕生日に本家へと赴く。妖は御景家を滅ぼそうとする天女の、明は御景家の始祖の生まれ変わりであった。力を覚醒させた2人は引き離され、妖は命を狙われる。過酷な運命に放り出された妖は、元の生活を取り戻すべく奔走する。

前衛部隊(ガーディナル)

前衛部隊を紹介する各臣(左端)と始祖(中央)

C計画遂行の為に、集められた各国の優秀な人材が揃う部隊。その内アレクサンダーら5名の代表格がおり、生物学者や暗殺者など各分野を揃えている。Cゲノマーへの種の提供者で、全世界から集められている。GUARD(守護)とNATIONAL(国民)の造語。

『妖しのセレス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

強力な呪力を解き放つ珠呂を救う妖

悲しみで天女に覚醒した珠呂を抱きしめる妖

珠呂は愛する敬が死に、悲しみと怒りで天女の呪力を解放する。その音色(歌)は、生身の人間が直接聴くと死んでしまうほど強力だった。セレスは珠呂自身の身体も耐えられなくなる前に救おうとするが、自分には出来ないと判断して妖へと託す。珠呂の音色を聴いた妖は、愛する家族を失う自身の悲しみと重ねる。そして珠呂を抱きしめ、「愛してたんだよね」「もうウソをつかなくていいんだよ」と言葉を投げ掛け続けた。次第に音色は止み、珠呂は動かなくなった敬を抱きしめ「愛してる」と囁く。初めて妖の力でCゲノマーの暴走を抑えたシーンであり、セレスが妖を信じて託した重要なシーンでもある。

珠呂「妖、オレが今 自由にしてやるから」

御景財閥に捕らわれた妖を自由にするため、命を懸けて呪力による音色の力を使った珠呂の言葉。薬で死んでしまった敬と同じ症状が出始めた珠呂は、最期の呪力を妖の為に使えないかと考える。御景財閥に潜入したものの呪力を制御された妖のため、次のライブで天女化することを決めた。そしてライブ当日「妖、オレが今自由にしてやるから」と想いを込め、音色の力で御景財閥の制御システムを壊す。このことで妖は自由にうごけるようになり、身体を奪われていた明も再び目覚めることとなった。このシーンから物語が終盤へと向かい始める。

ずっと探していた羽衣(マナ)を持つ十夜

死んだと思われていた十夜が、突如として海から現れる。天使のような羽を生やし、船上へと降り立った。十夜が手を差し出すと、背から生えた羽は羽衣(マナ)へと姿を変えた。思わず走り寄ろうとするセレスを各臣は止める。瞬時に妖へと姿が変わり、「十夜!」と泣き叫んだ。探し求めていた羽衣(マナ)が遂に見つかると同時に死んだはずの愛する十夜が生きていた、セレスと妖の2人の想いが溢れ出る。そして羽衣(マナ)の真実が明るみになろうとする重要なシーン。

完全体である天女の姿に戻るセレス

ミカギに刺され、瀕死の状態になった妖。子供を産んで共に生きたい気持ちが、遠い過去に羽衣(マナ)を取り戻せずに子を残して死んでいったセレスとリンクする。またここで終わってしまうのかと涙を流す妖に、十夜が羽衣(マナ)を差し出す。例え短い人生になろうとも、愛する妖と子供と一緒に人間として生きていきたいと十夜は願ったのだ。十夜の想いと共に羽衣(マナ)を受け取ったセレスが、遂に完全な姿となって蘇る物語の集大成ともいえるシーン。

『妖しのセレス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

雄飛の武器は鉄製菜箸

雄飛が戦う時に使っている箸は鉄製で、ヌンチャクのように扱われている。普段、雄飛が料理の時に使っている菜箸とは別物である。雄飛の父が、高校合格祝いに雄飛の希望で作ったプレミアもの。料理好きで格闘をたしなむ雄飛にとって、精神統一の役割があり御守りでもある。

GeSANGはドイツ語で「うた」

ボーカルユニットLAZY KNACK

珠呂が属するボーカルユニットGeSANGの語源は、ドイツ語で歌という意味の言葉である。「e」が小文字なのは作者渡瀬がアクセントをつけたかったためである。また、読者の間ではGeSANGのモデルは当時活躍していたLAZY KNACKではないかと思われていたが、モデルはいなかったと渡瀬は述べている。

『妖しのセレス』の主題歌・挿入歌

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